2019年最大の注目は消費増税の有無

たまにはマンション、不動産のことを書きましょうか。
私は常々日本の区分所有システムには様々な
欠陥が内包されていて、やがて大きな危機を迎える・・・
みたいなことを書いてきました。

危機の先端を走っているのが湯沢ですね。湯沢では、
駅近エリアでもすでにマンション価格は200万円程度。
私が廃墟化への分岐点と考えている500万円を割っています。
それでも、総体的に見て湯沢はがんばっています。
もう、健気なまでにがんばっています。

逆に、首都圏のマンション市場は局地バブルです。
一時期は2千万円を切っていた幕張ベイタウンの
中古マンション・パティオス。だいたい築20年以上。
これが2千万円台前半まで回復しています。バブルの波。
しかし、その市場価格には危ういものが含まれますね。
最初に入居した方たちはそろそろ定年退職。

あの街も、巣立っていった人は帰ってきそうにありません。
多摩ニュータウンと同じく、老朽化から廃墟化へと
進むパターンですね。今、線路を挟んだ北側に
ベイパークなんてのを作っていますが、なんなのあれは。
まあ、作るのは勝手ですが買っている人までいます。
20年後には二束三文になっている可能性があります。

私はここ10年ほどマンション市場を眺めてアレコレいうのを
仕事にしています。それでよーく分かりました。
マンション市場というのはマクロ経済と連動します。
景気がいい時には新築も中古もマンションが売れます。
景気が悪くなると、その動きが止まります。
マンション市場だけ見ていると、そこを見誤ります。

今は景気がいいですよ。だからマンションはよく売れます。
値段も上がり気味になりますね。現にそうなっています。
ずっと景気が良ければいいのですが、そうもいきません。
景気というのはチマチマと上がっていけばいいものですが、
必ずと言っていいほど実力以上によくなってしまいます。
良くなりすぎるとバブルですね。今がそうです。
だからベイパークなんていうマンションも売れるのです。

日本やアメリカといった自由経済の国では、
政府や中央銀行が行き過ぎた景気拡大にブレーキをかけます。
なぜかというと、バブルを膨らませて弾けさせると、
その後でとんでもない不景気がやってくるから。
日本では1991年以降の「失われた20年」がそう。

今の日本は部分的にバブルになっています。
でも政府も日銀もこれを引き締めようという動きはなし。
だからバブルは膨らみ続けていますね。
アメリカは引締めに入っています。では中国は?

中国ってすごいですよ。壮大な実験をしています。
それは「バブルをどこまで膨らし続けられる」というもの。
この10年くらい、ずっとそれをやっています。
だから中国のバブル、とんでもなく膨らんでいます。
これからどうなるのか、よく分かりません。

仮に資本主義国のように、バブルが弾けてしまったら・・・
それはもう、恐ろしいことになると思います。
怖くて想像できないくらいの状況でしょうね。
だから、世界中がそうならないことを祈っています。
だから、世界中で中国を甘やかしてきました。
だから、中国は図に乗って一帯一路とか抜かし始めたのです。
まあそれはええとして。

日本のマンション市場は、世界経済に大きな変動がない限り、
また日銀の黒田君が金融緩和を続ける限り、このまま
局地バブル状態を維持し続けるのだと私は考えています。
2017年の終わり頃によく「来年のマンション市場は?」的な
テーマでの原稿依頼が多くありました。

私は「リーマンみたいな事件でも起きない限り現状維持」という
原稿を何本も書いたような気がします。来年も同じ。
ただ、新築マンションの値上がりは続きますが、
販売は頭打ちになっています。売れていません。
この状態が来年も続くのでしょうね。

2019年に予定されている最大のイベントは消費増税。
本当に10%に上げるのでしょうかね。
様々な景気刺激策が取りざたされていますが、どれも
「そんなんで景気後退が防げるのか」というものばかり。

安倍君は「リーマン級の事件が起こらない限り」増税と
言う趣旨の発言を繰り返しています。「リーマン級」と
いうならチャイナクライシスくらいでしょうか。
そんなん、チャイコムも必死で防ぐはずですから、
そうカンタンにチャイナクライシスは表面化しませんよ。

仮に、本当に2019年10月に消費税が上がったら・・・
それはもう完全な景気後退に突入するはずです。
日銀には金融政策なんて残されていません。
それで大きな景気後退が起こったら、それは日銀不況。
かなり深刻化するような気がしますけど。

マンション市場はそれまでは大丈夫ですよ。
株価が2万円を割でもしない限り、現状維持。
現場では販売不振。新築マンションは価格上昇。
でもカボチャの馬車みたいな小さな事件は
いっぱい起こると思いますよ。
不動産市場の底は冷え始めていますから。

ユーチューブでの配信が続いています。
このシリーズ、これで何本目やろ?
これからもどんどん出てきます。

12月1日 (土)榊淳司の不動産売却相談会

を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はいつものところです。

開催日時:12月1日(土)13時~17時
開催場所:セトル 2階会議室(以前の4階から2階へ変更になりました)
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

12月1日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は1組様。
待ち時間はございませんでした。
次回も同じようになるかどうかは分りません。

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2018/11/24 15:03 Comments (0)

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