中国経済危機の本質を語る

世の中の大きな変化が起きている時、
その最中にあっても気づかない場合がほとんどですね。
1990年の大発会の時とか、2008年9月に起きた
リーマンブラザーズ倒産の時もそうでした。
騒いでいる人はほとんどいなかったと記憶しています。
あとで「あれがキッカケやったんやなあ」となります。

さて、もしかしたら今がそうかもしれません。
中国の経済指標がどんどん悪くなっています。
そもそも、あの国の統計数字は共産党が恣意的に
操作しているのに、その数値さえ悪化しているのです。
一部でマイナス成長という推計値もでました。
あっという間にネットからは消されたようですが(笑)。

日本企業も、この3月期は全面的に増収増益企業の
多発か、と思ったら次々と減益予測が出ています。
「なんかおかしいぞ」という感じになっています。
中国とアメリカの貿易協議は2か月ほど延長だとか。
トランプ君も足元が怪しいから強気一点張りでもなさそう。

私は世界史的な転換点ではないかいな、と思っています。
どういうことかというと、中国の衰退の始まり。
かの国はようやく一人当たりのGDPが1万ドルです。
一人前の国になりましたね。それは慶賀の至りです。

しかし、中身が悪すぎますね。いちばんは政治体制。
共産党はそもそもが共産主義を実践する政党のはず。
それを都合のいいところだけ自由経済にしているので、
国のありようの基盤が大きく矛盾しています。
そこは政治体制の脆弱性につながっています。

中国の政治体制が脆弱、なんて書くと「アホか」と
思う人も多いでしょう。でも、脆弱なものは脆弱です。
崩れる時にはあっという間に崩れます。体制崩壊。
世界史を見渡すと、そういう事例がいっぱいあります。

専制の政治体制というのは、国民の消極的な支持を失えば
非常に短期間で崩壊するのです。ソ連がいい例です。
中国の場合、共産党は国民の大半の積極的な支持を失っています。
しかし、多くの国民は体制を打倒したいほどの
不満は抱いていません。それよりも目先のお金が大事。
「政治にかかわるとめんどうくさい」というスタンスの
国民が圧倒的な多数派ではないかと推測。

実は、政治基盤が脆弱であることは共産党自身が
非常によく分かっています。傍から見ていると、
その狼狽ぶりや下手くそな弥縫策が痛々しいほど。
特に経済に対するナーバスぶりは徹底していますね。

やや歴史をさかのぼります。
日本が戦争に負けたのは1945年の8月です。
それまで、中国大陸の主要都市は日本軍が占領。
それらの街では軍政が敷かれていました。
南京に設けられた「中華民国」が発行する
紙幣が流通していました。他には日本の軍票。

突然、日本軍は力を失いました。
重慶に避難していた蒋介石の国民党軍に対して
降伏することになりました。
当然、南京政府発行の通貨や軍票は価値を
著しく落とします。つまりは大インフレ。

日本軍を武装解除した蒋介石軍は、
その勢いで共産党をせん滅しようとしました。
いわゆる国共内戦の始まりです。
たちまち戦火は中国大陸の隅々に広がります。
国民党軍は一時、共産党の本拠である延安も陥れます。

ところが、いつの間にか形勢は逆転して、
蒋介石率いる国民党軍は故宮の宝物を船に積み込んで
台湾へ逃げ込みます。それが今の台湾政府の祖。
さて、なぜそんなに急に形勢が逆転したのか。

それは中国人たちが国民党を見限り、
共産党の味方をしたからです。
なぜ、国民党はかくもカンタンに見限られたのか。
それは国民党軍は中国人から奪い、殺したからです。
彼らは通貨を乱発して中国人たちからモノを
強制的に買いあげるばかりか、乱暴狼藉を働きました。

時々、南京大虐殺の証拠写真みたいなものが
出てきますが、ほぼ100%がねつ造です。
そのねつ造の基になっているのは、日本軍ではなく
国民党軍が民間人を虐殺している写真です。
まあ、それほど酷いことをしたわけです。

一方、その時の共産党軍はある方針を建てました。
「人民からは針一本奪わない」
彼らは彼ら独自の通貨を発行して、人民から
食料などを買い取りました。
また共産党軍の占領地域では、その通貨が
価値を落とすことなく流通しました。
つまり、不用意に増刷しなかったのです。

そうすると、共産党占領地域では経済が安定します。
民生も安定します。人々は安心して生産活動に
励めるというわけです。だから、共産党軍への
支持が一気に広がったので形勢が逆転したのです。

今の共産党政権の首脳部も、そういういきさつを
みっちりと勉強しているはずです。
彼らは歴史には学びませんが、経験は忘れません。
だから、今の人民元は中国の外貨準備に則して
発行されています。金本位制ならぬドル本位制。

さらに、中国は人民元の取引を制限しています。
円とドルの様に、その変動を市場任せにはしていません。
理由はもちろん、自分たちの制御下に置くためです。
かつて国民党軍が通貨の大量発行で敗れた事実を
如何に重く受け止めているか、という証左。

さて、そこまでして慎重に通貨政策を行ってきたはずが、
どうやらこの先矛盾を隠しきれなくなりそうです。
その矛盾とは、人民元の発行額に比して
国全体が背負っている借金の大きさです。
さらには、外貨準備高の急激な減少。

で、この先はどうなるのか・・・分かりません。
世界史を見回しても、今の中国のような経済体制で
世界第2位の規模にまで膨張した国はないからです。
ただ、矛盾はいつか現状の変更を迫ってきます。

私の勝手な予測では、そのうち中国政府は
足りなくなった人民元をドル本位制の枠外で
増量させるはずです。そうしないことには、
地方政府や巨大すぎる国有企業が破産するからです。
そうなると、人民元の価値は落ちます。

中国政府が管理する外国為替市場での急落はありません。
しかし、実勢価格はかなり落ちるでしょうね。
例えば、今は中国の都市では見かけないはずの
「ドル買い」みたいな人も現れるはずです。
そうなれば即ち、政権崩壊への第一歩でしょう。

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2019/2/16 14:09 Comments (0)

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