一昨日と昨日のニュースで最も気になったのは、
茂木敏充経済財政・再生相とライトハイザー
米通商代表部(USTR)代表との間で
話し合われたという物品貿易協定(TAG)。
ここでアメリカ側はこの交渉に先立ち
ムニューシン米財務長官は
「為替も議題となり、協定には通貨切り下げを
自制する為替条項を含めることになる」
と述べていたそうな。
どういうことかというと、現在の円ドルの
為替市場には政府筋や日銀が濃厚に介入している
と思われる節が多々見られます。
というのは民主党政権の無策時代は
1ドル=80円台で放置されていた円ドル為替が
2013年のアベノミクス開始、黒田金融緩和が
始まった途端に円が下がり始め、
3年後の2016年には120円を突破。
日本の不動産を急速にバブル化させたのです。
アメリカはそこに政府や日銀の作為があった、
と考えているようです。私もそう思います。
そういうことをやめなさいよ、というのが
アメリカ側が求める「為替条項」なのです。
日本経済は円高になると企業業績が悪化し、
円安になると景気が上向く、という傾向にあります。
本来、円高になると輸入品の価格が下がるので、
「行って来い」のはずなのですが、そうはなりません。
円高になると輸入系の企業が値下げ競争を始めて
国内経済がデフレになってしまうのです。
だから景気が悪くなります。
それを恐れる政府や日銀は外国為替市場に介入。
円高が進むのを阻止していますね。
アメリカから見ると、それはいかにもアンフェア。
だから、新しい貿易協定ではそれを禁止する
為替条項を盛り込もうとしているのです。
日本政府はそれを嫌がっています。
為替市場に介入している証拠ですね。
それで、円高になるとどうなるのか?
もちろん、輸出系の企業業績が悪化します。
トヨタなんかがその代表例でしょうね。
景気が悪くなります。
その昔、プラザ合意というのがありました。
あれも、今の為替条項と似たようなもの。
大幅な円高の容認をアメリカに飲まされました。
それで日本の景気が悪くなるからと言って、
当時の大蔵省と日銀は過剰流動性というものを
発生させました。今風に言うとマネタリーベース。
そのおかげで平成の大バブルが起こりました。
そして三重野さんという日銀総裁が
急激な金融引締めを行ってバブルを潰しました。
その結果が「失われた20年」。被害者はロスジェネ世代。
日本は長い長いデフレのトンネルに入ったのです。
さて、今回の日米交渉では多分最終的に
アメリカの言い分を聞いて為替条項が入るはず。
だから、半年後くらいから円高になるでしょう。
それで不況になっても金融面では打つ手がありません。
どうするのでしょうね?
日銀の黒田総裁は未だに金融緩和をやめる気なし。
彼は歴史に残る愚策を続けているのです。
最近、黒田日銀とかつて日本を滅ぼした
帝国陸軍との類似性が指摘されています。
分かっているのに愚策をやめられない・・・
もうすぐアメリカと中国の貿易交渉がまとまります。
多分、中国の大幅譲歩に見える内容でしょう。
しかし、したたかな中国は協定を空文化させる
様々な抜け穴を作るのではないですか。
まあ、それは米中のお話しです。
米中が落ち着くと、次は日本です。
トランプ君は1980年代の感覚で貿易赤字を嫌っています。
だから、日本にも厳しい条件を突き付けてきそうです。
アメリカの農作物をたくさん買うことは悪くありません。
高価な戦闘機や防衛装置も仕方ないでしょう。
しかし、自動車の輸出を制限されるのは痛いはず。
さらに政府に取って痛いのは為替条項です。
あの民主党時代の暗い世相がまた日本を覆うかも・・・
そんな予感がするニュースでした。
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