マンション市場の「異様」が正常化する時

マンションの資産価値は市場が決める

これって、ものすごーく当たり前の話でしょ。
どれだけ高くても買う人がいれば、それが市場価格。
どんなに安くても、買う人がいなければ価値無し。
ただね、マンションの場合は微妙に
ずれることもわりあいよくあります。

私なんかはマンションという住形態に対して
何の思い入れもありません。
むしろ、調べれば調べるほど、住形態としては
致命的な欠陥があると分かってしまった人間。
特にタワマンはあきませんな。
日本人が造った街のお荷物でしょうね。
まあ、それはいいとして。

しかし、少しオツムの弱い多くの日本人は
マンションにロマンとか愛を求めます。
マンションを買うことに異様な情熱を燃やしたり、
買うこと自体に人生の大きな意味を見出したり・・
傍から見ていると滑稽そのものなのですが
やっている本人はかなり真剣ですね。

マンションは高い買い物です。
そして、市場にはうねりがあります。
安い時に買うと、高い時に値上がり益が得られます。
その逆もありますね。高く買って安く売る。

ここ10年ほど、都心では概ねマンションが値上がり。
4,5年前までに買った人は、高く売れました。
売ってない人には含み益が出ています。
ここ2,3年で買った人は、まあそのままでしょう。

市場を見ていると、もはやピークアウトしています。
今後は、そのくらいのスピードで値下がりするか、
ということが最も注目されますね。
あんまり急に下がると、それは暴落ですね。

日本の住宅は1998年から2008年までの10年間で
1200万戸くらい増えています。人口は変わらず。
だから、この20年で急激に空き家が増えました。
そんな中で、マンション市場はちょっと異様ですね。

なぜ異様かというと、健全な需給関係が形成されないから。
その理由は、先に述べたようにマンションに対して
異様な情熱を持っている人が多すぎるから。
そういう人が、高くても喜んで買ってきたのがマンション。

ものすごく典型的な例を挙げましょう。
東京都江東区豊洲にスカイズというタワマンがあります。
2014年の竣工ですね。販売は2013年頃からやっていました。
売出し価格は坪単価250万円から260万円あたり。

最初にその価格を聞いた時にはビックリしました。
「あほちゃうか」 私の正直な感想です。
豊洲駅から12分も歩いた場所にできるタワマン。
しかも、東京電力の何かがあった跡地です。

豊洲の新市場が開業する前に「毒洲」騒ぎがあったでしょ。
あの辺りは東京ガスとか東京電力の大きな施設があり、
それこそ好き放題に地べたや空気を汚していました。
放射能だって東京でいちばん高いスポットでしょ。

そもそも人間が住む、というイメージがなかったところ。
そんな場所のマンションが坪単価260万円・・・
信じられへんやん、の世界です。
当然、販売開始当初はかなり不調でしたね。

ところが、2013年の9月に東京五輪の開催が決定。
途端にモデルルームには人が押し寄せました。
「五輪開催で価値が上がる」と考える人が
たくさんいた、ということです。

当然、そういう人がいると市場価格も騰がります。
中古となった現在、成約価格は坪300万円ちょぼちょぼ。
まあ2割弱ほど値上がりしている、ということですね。
でも売り出し中の物件を見ると坪単価は300万円台中盤。
つまり、成約するには1割ちょいの値引きが必要。
水面下ではもっと下がっているはず。
こういう物件は、もっと弱含んでいるとみていいでしょう。
まあ、それはいいとして。

このスカイズ、平明な眼で見るとかなりよろしくありません。
何よりも「豊洲駅徒歩12分」です。
ゆりかもめからは徒歩5分ですが、あれは使えません。
しかも、プールとか大浴場まで付いています。
それって、マンションとしてはキメラみたいなものです。
維持管理の負担が年を追うごとに重くなっていきます。

そういう冷徹な現実を、多くの人々は見逃します。
というか見えていませんね。
ということは、多くの人々に冷徹な現実が見えた途端、
スカイズの市場価値は大きく下落する可能性がある、
ということでしょうね。

さて、今回のバブル終了は、私が異様だと捉えている
マンション市場が正常化するキッカケになるはずです。
すなわち、マンション市場を支えてきた多くの人の
情熱が冷めることになるかもしれない、ということ。

例えば、スカイズなんて平明な眼で見れば坪単価150万円。
2025年頃の中古価格はそんなものかもしれません。
あるいは、まだ情熱から冷めきらない人が多ければ
もうちょっとマシな水準でとどまっているかもしれません。

いまから約20年前、人々の情熱はかなり冷めていました。
日本人はいつも情熱を燃やしているわけではないのです。
「王様は裸だ」と気づいてしまえば、あとは・・・
2025年頃から、東京の人口も減るそうです。
景気と共に情熱も冷めると私は思いますよ。

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開催日時:7月13日(土)13時~17時
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(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

当日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
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多少の待ち時間が発生しました。
次回も同じようになるかどうかは分りません。

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2019/6/30 13:34 Comments (0)

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