住まないマンションを買ってはいけない

私もその一人なのですが、貧乏人というのは
手元にまとまったお金があるとすぐに使いたくなります。
例えば、何かの拍子に1億円くらい入ってくると、
何をするかというとだいたいが「マンションを買おうか」。

私はそこのところが少し違いますが、
まあ100人いれば70人くらいはそんな風に
お考えになるのではないでしょうか。
そういう志向があるので、新築マンションは
本来の需要以上に売れるのです。

ただし、それは景気のいい時の話です。
1997年から99年頃、日本の景気は
かなりの程度によろしくありませんでした。
大きな金融機関が次々と潰れていきました。

ちなみに、あの頃と同じ名前で営業している
都市銀行はひとつもありませんね。
みーんな合併とかで名前が変わっています。
それだけ厳しい時代だったのですよ。
まあ、それはいいとして。

あの頃は、「この先マンションの価格が上ることはない」
という空気が蔓延していました。現に、毎年下がりました。
当時、リクルートコスモスという名前だったある会社は
業界の「価格破壊者」なんて言われましたね。
相場観よりも安く売りだすことで知られていたのです。

今はどうか知りませんが、あの当時のあの会社、
ものすごく生意気な感じでしたね。
不動産屋さんなのに、なぜか高い偏差値の学校を
卒業なさった方が多かったような。
しかし、やっていることは他と変わらず。

私はこのブログを始めた頃に「注意情報」を
出したことがあります。そうしたら猛烈な抗議の
コメントが入ったのを覚えています。
いかにも中の方ですか、という文面でした。
ただ、その翌月あたりにADRになっていました。

まあ、そんなことはいいのですが、
お金を持つとマンションを買いたくなる話に戻しましょう。
マンションに限らず、お金があるとモノを買いたくなります。
あるいは、何かに投資したくなります。

どこかで拾い読みした、あるお金持ち一族の家訓。
「好きなだけ遊べ」
その家に生まれたドラ息子君は家訓に従って遊びまくりました。
銀座に行ってキレイで賢いお姉さんたちに
毎夜の如くちやほやされたのです。

それでガンガンとお金を使ったのですが、
ドラ息子君の母親はいつもニコニコ支払っていました。
ある時、ドラ息子君が母親に聞きました。
「いったいいくらくらいまでなら使ってええの?」

そこで母親は答えたそうです。
「まあ、ひと月500万円くらいなら平気よ」
私なら大喜びで毎日遊びほうけます。
ところがそのドラ息子君、家訓を守れませんでした。
いちばんやってはいけないことをやったのです。
それは何でしょう?

答えは「事業」。そうです、事業を始めたのです。
おバカさんが事業に手を出すと必ず失敗します。
私らレベルでは数百万円とか1千万円くらい
飛ばしたらビビッてすぐやめますよね。
お金持ちはそういうレベルではきかないのです。

そのドラ息子君、数百億円くらいあった資産を
あっという間に飛ばしてしまったそうです。
まあ、まったく同情できないけど、理解はできますね。
事業を成功させるには、ある種の能力が必要です。

私が見るところ、最も大事なのはカン、あるいは嗅覚。
「これは儲かるのではないか」ということを
かぎ分ける、あるいは嗅ぎ取る能力です。
それがない人間は、いくら受験勉強が得意でも、
事業資金を引っ張りだせても、成功はしません。

もうひとつあるとすれば、しつこさですね。
成功するまでやり続けることではないですか。
孫正義君だって、最初は社員3人から始めたとか。
その3人に向かって、ミカン箱の上に立って
自分の事業ビジョンについて2時間ほど演説したそうな。
すると数か月後には3人ともやめてしまったとか。
まあ、どうでもいい話ですけどね。

この世の中というのは、凡才でも真面目で気が良ければ
生きてはいけますが、大きく成功するのは難しい。
そういう方はサラリーマンで一生終わるのが無難。
できるだけ大きな会社に入ってしがみつくことです。

そして、凡才なのにお金を手にしてしまったら、
どうすればいいのか? 今の世の中だったら
使わないのがいちばんでしょうね。
自分が住みもしないマンションなんて買ってはいけません。
不動産投資はプロでも失敗します。

この8年ほど、都心エリアではマンションの価格が
徐々にではありますが確実に上がってきました。
上った理由は、住まないのに買う人が多いから。
ただ、それも去年まででほぼ終わりましたね。
新築は別にして、来年から中古は目に見えて下がるでしょう。
そんな時に自分が住まないマンションなんて
買うのは危険すぎますよ。

不動産を買うよりも、もう少しこじゃれた投資に
「映画」というのがあります。
「いい企画があるんだけど、誰かお金出してくれないかな」
こんな話、そこらへんにいっぱい転がっています。
まあ、10にひとつも儲からないでしょうね。
中にはホンマモノの詐欺話まで混じっていますからね。

世の中には、お金を使いたがる人がけっこういます。
無理に使わなくてもいいのがお金。邪魔にはなりません。
お金持ちはお金が邪魔にならないのをよく知っています。
また、お金がお金を稼いでくれることも知っています。

まあ、今の世の中、お金はお金をあまり稼ぎませんね。
でもデフレのおかげでそのまま置いておいても
少しだけ価値は高まるのです。
浮かれてマンションなんぞを買うものではありませんよ。

2019年9月7日 (土)榊淳司の不動産売却相談会

この相談会を開催して3年余り。
すでに十数物件、総額5億円以上の相談物件を
ご希望価格に近い成約で売却できました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
そして、最善の売却プランをご提案します。
売らなくてもいい物件の売却はお勧めしません。
会場はいつものところです。

開催日時:9月7日(土)13時~17時
開催場所:セトル 2階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

当日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は3組様。
多少の待ち時間が発生しました。
次回も同じようになるかどうかは分りません。

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2019/7/31 20:22 Comments (4)

4 Comments

me-2さん、こんにちは。

お連れさん、母子家庭で新聞配達しながら京大の院まで行くやんて、
まるで昭和なエピソードではございませんか。
私の頃にはそう言うのもいはったようですが、
最近はききませんね。
すっかり階層化が固定されてしまって、
そう言う埋もれた秀才は出んようになりましたなあ。
いるのかもしらんけど。

また、楽しいコメントをお待ちしています。 榊

2019/08/06 15:37 | by Sakaki Atsushi

お返事、ありがとうございます。

わてらかて貧乏人だっせ(笑)ツレは母子家庭で新聞配達ずっとやってましたし(修学院中学、洛北、京大大学院まで)、私は大田区大森生まれで京浜工業地帯で育ちましたし。
ただ、ツレの親戚が超富裕層ばかりなんですわ。(祖父が検事・洋行帰りの弁護士として儲けたお金)でも、財産に縛られてなんだか決して幸せではない人生を送っています。皆独り身だったり、業病にかかったり…。色々と考えさせられます。
ウチにも若干の不動産はありますが、比べれば本当に微々たるものです。でも、自由で楽しいですよ。
しかし現在賃貸中であり「最適解」はまだ模索中なので、そのうち相談させていただくかもしれません。その時はよろしくお願いいたします。

それと、英語といっても簡単な電話の応対くらいですよ〜 慣れれば誰でもできます程度。だから、その当時のソフトバンクの人材の薄さの例として書きました。

あと、騎手の従兄弟さんに関して「勝負師の血筋」という言葉が抜けてました〜そこ大事なのに。

また、色々と言葉足らずだったりするかもしれませんがたまにコメントさせていただきますね。

ほな、おやすみやす

2019/08/05 23:57 | by me-2

me-2さん、こんにちは。

いや、暑いですね。
冷房嫌いの私は仕事の効率がとんと悪くなりました。
まあ、それはええのですが。

ソフトバンクのお話、めっちゃ面白いですやん。
あ、「めっちゃ」てつこてしもた(笑)。
お連れさんがおっしゃるように、キレイな言葉やありまへんな。
どちらかといえば、下品。
でもまあ、この手の下世話な話にはふさわしいかと。

品というものは取りつくろってどうかなるものではなく、
自然と醸し出される類の空気かと理解しております。
私は所詮が貧乏人の生まれですから、
上品ぶったところで限界があります。
ですので、極力自然に振る舞い、綴ることにしております。

まあ、それはさておき、ソフトバンクねえ・・・
一代でどこまで大きくなれるかの日本版ですね。
でもあのオッサン、昔から尊大さが滲み出ていましたね。
私は好きでも嫌いでもありませんが、尊敬はしません。

英語ができるなら、そんな変なところで
働かんでもよかったのに、思いました。

またコメントください。ではまた。 榊淳司

2019/08/05 17:48 | by Sakaki Atsushi

榊さん こんにちは!
暑すぎる日が続きますね〜何かへたばってましたわ。今もや(笑)

投資に関しては、本当にそうだと思います。
何というか、きちんとした考えもセンスもないと大失敗しますね。もともとの富裕でない方はちょっと小金持ったら、〝イケる!〟と勘違いしてしまうんですよね。
あらゆる金融商品もそう。商品の詳しい内容や、その国々がどんな国かなどよく知らず、また調べずにリターンのみで買う人の多いこと!!
ましてや、不動産投資は本当にプロでも読めませんよね。

ただ、例外という人はおりまして。
有名な騎手(京都にお住まい)の従兄弟の方が、ディーラーをやっていたのですが、その方は非常に上がる株を的中させる人で、でも「今日はやっても無駄」と判断すると、午前中でも帰ってしまうのだとか。
すると、後場だだ下がりになったりするらしいです。
やはり、血筋なのだろうかとの噂だったそうです。

リクルートコスモス、確かに何というか好かんたらしい人は多かったですね。

ソフトバンク、実は黎明期に一ヶ月だけ派遣で行ったことがあります(歳、バレてまうな)。その頃はまだソフトの流通が主で、ワンフロアに向かい合わせで12〜3人が一列、それで六列くらいあって、電話をとって大声でその方の名前を呼ばないといけないという、その当時でもアナログな所でした。二人、派遣で行ったのですが「社員たちに経歴書回し読み」みたいなことをされて、もう一人は1日で辞めました。私は当時のテンポラリースタッフの人間に言いくるめられて残りましたが、まー、イヤな所でした。
ベンチャーにありがちな朝礼。エイエイオー!みたいな感じで。『参加すんの、だりい』
孫正義氏だけは何というか「ロイヤル」な感じで頭良いぞオーラみたいなものはありましたが。裏に回ると社員と社員の陰口だらけだったし。
ある日、英語で電話がかかってきたので、応対して「何々さん、いらっしゃいますか?」と言ったその後「えー、英語できるの! すごーい!!」って、マジで驚かれました。そんな会社だったのです。最終日は半日で帰りましたっけ。あんなところがこうなるなんて。
まあ、その頃の人間なんて残ってないでしょうけどね。
だから、私はソフトバンク関係のものには一切手をつけません。
・・・ペイペイなんて、アホかっ・・・
ちょっと、憂さ晴らししてしまいましたm(._.)m

また、脱線しますけど「めっちゃ」という言葉をツレは「きたない」ゆうてます。榊さんもそう思われまっか?
確かに、もともと東京ではそんな言葉使わなかったし。おそらくは吉本の影響なのでしょうね。ダウンタウンとかの。

まあ、とにかく安易な投資はやめましょう、と無理矢理に結論(笑)

2019/08/05 15:03 | by me-2

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