階層社会もそんなに悪くない

橘玲さんの書いた何かの本で読んだ記憶がありますが、
日本人の3分の1は日本語の普通の文章が理解できないとか。
まあ、納得はできますね。
もっと言ってしまえば、きちんと意味が伝わり、
間違いの少ない日本語の文章を書ける人は1割未満でしょう。

私のところにはいろいろなメディアの人が取材に来ます。
ライターさんであることがほとんどですね。
彼らはゲラ段階で「チェックしてください」と
原稿を送ってきます。時々、腰を抜かしそうになります。
「あんた、ホンマにライターでっか?」

私は23歳からずっと、日本語を書くことが仕事です。
ここ10年は人前やカメラに向かって日本語で
何ほどかは意味のあることを話すことも仕事になりました。
「日本語を大事にしたい」と、心の中で思っています。
その割には時々下手くそな英語を使ったりしますが(笑)。

日本語の文章を書くことは、人によっては難しいこと。
2000字くらいの断れない原稿を依頼されたことで、
締め切り前にやっと仕上げるまで何日も
ご飯の味が分らないくらい暗い気分で過ごしたという、
優秀なお医者さんを私は知っています。
その方、決して文章は下手ではありません。お上手。

私は小学生の時に作文が大嫌いでした。小学校の
卒業文集も半分担任のバカ教師が書いた文章が載っています。
それほど嫌い。でも、いまはそれで飯を食っています。
なぜ嫌いだったかというと、恥ずかしいから。

自分で文章を紡ぎ出すということは自分の内面を
さらけ出すようなものだと思っていました。早熟。
それがなぜか中学生になると小説まがいのモノを書いていました。
なぜそうなったのか。今から思えば答えはあります。
ある程度思い通りの文章を書けるようになったから。

考えていることを文章に置き換えることが
できるということは、ある意味で自由を得たのと一緒。
空を飛びたいと思っている人が羽根を得たようなもの。
ちょっとオーバーな喩えですか。でなければ、
「こんな風に表現したい」と考えているバレイダンサーが
思い通りに身体を動かせるようになったようなもの。
ちょっと大げさでしょうか。

文章をすらすら書けるようになるということは、
そういったことに近い、と私は思います。
そして、私にわせれば、これはかなりハードルが低い。
つまり、言い方によっては「誰でも」可能。
せいぜい宅建士に合格する2倍程度の難易度。
その辺でウヨウヨしているような人でも可能です。
だから、何でもない人がライターをやっています。

ただ、その中身の問題も多少あります。
ピアノを弾ける人はウジャウジャいますが、
きちんと表現できる人はごく少数でしょう。
同じブラームスを聴いて、ピアニストの演奏と
その辺のピアノが弾ける人が弾いたのとの差は、
少し耳が肥えた人ならすぐにわかりますね。

文章も同じで、上手下手の見極めは、ちょっとした馴れ。
私は編集者から「文章がなってないので書き直してください」
なーんてただの一度も言われたことはありませんが、
トーシローさんからは「榊は文章が下手すぎる」と
ご評価いただいたことは何度もありますよ。
まあ、文章というよりも、書いてある内容が
気に入らない方のご評価かもしれませんが。

しかし、少なくとも文句を言った方が私の文章を
読んでくれたことは確か。文章を読めない3分の1に
属する方ではない、と推測できます。
めでたし、めでたし。

最近、1日に何本も動画を作ってユーチューブに上げます。
作ると言っても、カメラの前で私が世間話をして、
それに簡単な編集を加えるだけ。喋るのは1本7分前後。
準備や編集も入れて1本の制作時間は15分から20分。
それが1本で何十万回も再生されるものもあれば、
数百回程度で止まってしまうものもあります。
まあ、最初のうちは「数撃てば当たる」方式。
最近は少し要領が分ってきました。

そこで思ったのは、このブログでウニャウニャ書くよりも
ユーチューブに動画を上げている方が、
よほどに影響力が強いのではないかと。
しかも、広告料まで稼げます。言うことなし。

このブログにしたところで、読んでいてお分りでしょうが
ただの世間話、の域を出ません。
もうウタラクタラと10年以上も続けています。
世間話のいいところは、ネタが尽きませんね。
いつまでもダラダラと続けられます。

そして、動画のいいところはブログよりも
手間暇かかりません。だって1本20分弱ですよ。
このブログ、1本書くのに40分から1時間はかかります。
しかも原稿料はほぼ出ません。わずかな広告収入のみ。

日本人の3分の1が日本語を読んで理解できないのなら、
多分このブログは日本人を日本語能力で分別して、
上から3分の1くらいの人までにしか分からんでしょ。
その理由はまず、このブログに権威はなにもありません。
私は無名の物書き。ありがたみがありませんね。
そういう文章を普通の人は読みに来ません。
それに、書いている内容がある程度偏っています。

これをわざわざ読んで理解するには、
その辺のネットメディアや雑誌の一般的な記事を
読むよりも、うんとこさモチベーションが必要。
しかも、この私のやや癖のある文章を読みこなさねばなりません。
日本語能力はもちろん、ちょっとした忍耐と寛容さ、
さらには面白がる知的能力も必要ではないでしょうか。

どういうわけか、お会いする読者さんはみーんなインテリ。
少なくとも、私が高校までの学校生活で出会ったどの教師よりも
賢い人ばかりだと思います。もちろん、お医者さんや
弁護士さんやパイロットや大学の先生とか、
そういう肩書だけで「カシコイやん!」と分かる人も
大勢いらっしゃいました。そうでなくても、
みんなビックリするくらいクレバーですよ。
職業やお勤め先が分ると「ふーん」と納得できます。

しかし、日本人の3分の1が正確に日本語を読み取る
能力がないのなら、あの学校教育は何なのでしょう。
その日本語が読めない3分の1の方々は、
小学校教育だけで十分ではないんかいな、と思いますね。

そういう方をそのあと6年もの長きにわたり、
毎日8時間以上の時間を低能な教師が指導する
学校というシステムに縛り付けておくのは
社会の大きな損失のような気がします。
義務教育は6年に戻すべきではないでしょうか。

そのあとの6年間は希望者のみ進学・進級。
到達度に合わせた学校や教室で学べばいいでしょう。
学費はすべて無料。さらに、希望者は大学へ。
上位2割くらいの学費はすべて無料でいいと思います。
大学教育を受けたくても上位2割に入れない、
という方は学費を払って進学すればいいのです。

ちょっと残酷な話をします。
上位2割を分かりやすく言うとマーチ。そこは無料。
それ以下の日東駒専は有料となります。
まあ、ヨタ話ですからカッカしないでくださいね。

そうすれば、日本社会も分かりやすく階層化します。
下手に平等にするよりも、階層化させる方が効率的。
ただし、下から上の階層へ這い上がるルートさえしっかりと
設けておけばいいと思います。

19世紀初頭、ナポレオンはヨーロッパを席巻。
しかしイギリスのみはナポレオンに一度も占領されませんでした。
なぜなら、イギリスは何よりも海に囲まれていて、
優秀な海軍を持っていたからです。
その海軍も、当時は人手不足で悩まされました。
強制徴募といって、その辺のパブで飲んでいる
若い男を勝手にひっつかまえて水兵にしていたのです。
逃げたら軍法会議で縛り首。酷い話ですね。

しかし、ナポレオン戦争の期間中に強制徴募の
奴隷的水兵から最高位の提督にまで昇りつめた
お方が4人ほどいたといいます。そういう合理主義が
あれば、階層社会の救いになるのです。

2019年9月7日 (土)榊淳司の不動産売却相談会

この相談会を開催して3年余り。
すでに十数物件、総額5億円以上の相談物件を
ご希望価格に近い成約で売却できました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
そして、最善の売却プランをご提案します。
売らなくてもいい物件の売却はお勧めしません。
会場はいつものところです。

開催日時:9月7日(土)13時~17時
開催場所:セトル 2階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

当日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は3組様。
多少の待ち時間が発生しました。
次回も同じようになるかどうかは分りません。

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2019/8/22 0:18 Comments (2)

2 Comments

如月さん、こんにちは。

いつかこのブログでも書いたのですが、
いわゆるFランの大学には補助金を交付しないことでしょうね。
Be動詞を教える大学に税金を投入するのは
納税者の理解が得られないでしょう。

Fランの大学を高校教師が進めるのは、
あとでたんまりお礼がもらえるからです。
私は若い頃に大学受験予備校の職員をしていましたが、
仕事のひとつは「高校まわり」でした。
「生徒を送ってください」という営業。
嫌いじゃありませんでしたよ。
まあ、Fラン大学の営業も同じでしょう。

日本の教育、歪ですね。

ではまた 榊淳司

2019/08/23 15:24 | by Sakaki Atsushi

いつもブログ楽しく読ませていただいています。

さて、大学教育についてですが
>>上位2割くらいの学費はすべて無料でいいと思います。

これはこれで大賛成なんですが、問題は日本に大学が
多すぎることなんです。
文部科学統計要覧(平成30年版)によれば、大学は780校
これに短大337校が加わると1000校を超えます。

しかもFランクの大学を中心に、私立大学の40%近くが
定員割れ。つまり供給が多すぎるから質の低い学生が
量産されるのです。

信じられないことですが、とある地方大学の1年の英語
科目には「Be動詞」の使い方がありました。

これらの問題は大学を選ばなければ誰でも進学できる
ことろにあります。
つまり、「親は子供にとりあえず大学に行っておけ」と
言い、高校の教師は「おまえでも行ける大学があるから」と言って進学を勧める。(就職させてすぐ辞めると苦情がくるので)

上位20%大学の学費無料化もいいのですが、そもそも
不要な大学の排除が先のような気がします。

2019/08/22 20:23 | by 如月五月

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