今の日本には、住宅や不動産を専門に扱う「媒体」というものがありません。
「住宅新報」のような非常にマイナーな業界紙はありますが、
これは一般の方々を対象とはしていません。
リクルートが出しているフリーマガジンの「住宅情報 マンションズ」は
大変な部数が出ていると思いますが、基本的に広告の寄せ集め。
雑誌風の記事を書いてはいますが、所詮は「提灯」です。
一般の新聞や雑誌は、時々「マンション特集」みたいなことをやります。
特に経済誌系の「ダイヤモンド」と「東洋経済」は、
ほぼ「定期的」に住宅やマンションを取り上げています。
一般誌の「アエラ」も、時々やっていますね。
で・・・その記事は誰が書いているのかというと、
ほとんどが「不動産担当」の記者さんだと思います。
「不動産担当」だからさぞかし詳しかろう、と思うのは間違い(笑)。
だって、数ヶ月に1回しか不動産関係の記事を書かないのですから
当然「不動産担当」であっても「不動産専任」ではないのです。
つまりは、他の業種をいくつも「担当」していて、不動産はそのひとつ。
だからかどうか・・・結構ピントのずれた記事も多いのです。
特に・・・ホントは名前を挙げたくはないのですが、
今発売中の「ダイヤモンド」。
私は「支那のバブルがいつ弾けるのか」知りたくて思わず買ったのですが
特集2は「売れ筋マンション 最新動向&40物件格付け」。
「中国インサイド」の中身は、かなり興味深いものでした。
今の支那経済がどういう風に沸騰しているのか、
なかなか迫真のレポートも多かったと思います。
でも「すごいぞ、すごいぞ」と煽りすぎのような気もします。
実はおそろしい内部矛盾を抱えつつの経済発展ですから、
危うさや脆さもいっぱいあるはずで、
そういうところの「抉り方」の浅さに不満を感じました。
どーも「ダイヤモンド」という雑誌は、
なんでもかんでも「すごいぞ」と煽る傾向があるように思えます。
かつて、同誌の3月6日号は「マンション動く!」という大特集で、
今年の後半には溜まりに溜まった需要が爆発して
マンション市場に活気がよみがえる・・・的な記事で煽り立てましたね(笑)。
で・・・この秋あたりから「爆発」するのでしょうか?
もう6月も後半に入りましたが、今のところ何も感じません。
確かに、部分的な「小爆発」はあるようです。
でもね・・・あくまでも部分的な現象であり、
「即日完売」といっても、それは業者が「発表」しているだけ。
もちろん、ホントもありますが「大本営発表」も含まれます。
そして、今回も笑えるのが
「首都圏&近畿圏新築マンション40物件ランキング」。
この「東京」の項には以下の12物件がランクインしています。
1 THE ROPPONGI TOKYO
2 クラッシィハウス目黒洗足
3 浅草タワー
3 シティタワーズ豊洲 ザ・シンボル
3 シティハウス府中けやき通り
6 ザ・レジデンス千歳船橋
6 パークハウス阿佐ヶ谷レジデンス
6 プラウド東陽町ガーデンズ
9 ザ・ヒルトップタワー高輪台
10Brillia日本橋人形町
11サンクタス西葛西
12ルネリバーズタワー東大島
まあ・・・百歩譲ったとしても「シティタワーズ豊洲 ザ・シンボル」は
「厳選40物件」に入れるべきではないと思いますよ。
「神奈川」は以下の12物件
1 プラウド山手町
2 クラッシィハウス辻堂
2 横濱紅葉坂レジデンス
4 ジオ梶が谷 桜のヒルトップ
4 プラウド青葉藤が丘
6 パークホームズグランファースト
7 サンクタス川崎タワー
7 プラウド綱島リバーフロント
9 ザ・ハウス港北綱島
9 ライオンズたまプラーザ美しが丘テラス
9 ライオンズ茅ヶ崎・ザ・アイランズ
12グレーシアガーデンたまプラーザ
私の「買ってはいけない大規模マンション 神奈川編全19物件」で
取り上げている物件が、なんと2つもランクインしています。
ダイヤモンドのご担当さんと私は、かなり意見が異なるようです。
ちなみに、「厳選40物件」を選んだ基準は
これは、客観的な選択というよりか、かなり主観的な「感覚」。
だって「シティタワーズ豊洲 ザ・シンボル」の価格は
「相場並み」だそうです(笑)。
第16項目の「モデルルームのワクワク感」って何ですか?
モデルルームでワクワクできれば、いいマンションなんですか?
最後の20項目「住んで満足できそうか」にいたっては、
担当者の完全な「主観」ですよね。
そもそも、マンションを学校の成績表みたいにして採点して、
その合計点でランキングするなどということに、何ほど意味があるのでしょう。
例えば「ライオンズ茅ヶ崎・ザ・アイランズ」は「駅からの距離」が「1」。
学校的に評価すれば主要教科に「1」がひとつでもつけば「落第」でしょ?
マンションにとって「駅からの距離」は、もっとも重要なスペックですよ。
こういうところを、ノホホンとスルーしているところが、
ご担当の記者さんも、チェックする編集デスクも
いまひとつ「専門家」とは言いがたい点ですね。
そして、この記事もそうですが、取材先は大手ばかりで
そこの分譲物件を「優遇」しているように思えます。
仕方ないといえば仕方ないことですが。
マンションを探し始めの時は、焦っていた事もあって
(住んでる所で耐えがたい事を経験しすぐにでも出たかった)
本屋で、こんな大々的な表紙を見るたび、勉強しなきゃ..
と、お金を出して買って読んでいました。
もちろん、マンションズもです。
中身がないとかは思いませんが、所詮自分が踊らされている事に
気がついてからは、あまり参考にはしていません。
やはり、広告性が強いという事は否めないからです。
何度かこういうものを買って、手にして、熟読して、飽きたと事もあるのでしょうが、
それらに左右されない、自分自身の買いたいものの指針が固まってきた事も要因だと思います。
この方は、ただの評論家です。
自分の意見を言いっぱなし、それぞれのエンドユーザーの立場など考えていません。
コメントに対する回答もないですし。
しかし画像まで載っけてるのは。。これで稼いでいるのに。
だいたいダイアモンドとかいつもの信憑性のカケラもないただのランキング表じゃないですか。
こんなのに食い付いて、お縄になるのが馬鹿らしい
ダイヤモンド見ました。
P7に無断転載を禁じます。とありますが、
本サイトへの転載は許可を得てのものなのですか?
許可を得てのものなら、
ダイヤモンドの記事否定に近い内容ですが、
よくもまあ転載を許可したものだと
内心、感心しております。
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