たまにはマンションのお話でもしましょうか。
今、東京の都心ではマンション価格がバカ上がり。
2億3憶はあたりまえで、5億10憶も珍しくありません。
ハッキリ言って、キチガイだと思います。
35年ほど前にも、同じような情景を見た気がします。
そのあとどうなったかは、50代以上の方ならご存じ。
日本経済はそのおかげで30年以上の停滞を続けています。
まあ、あの時に比べると今はかなり「地域限定」ですね。
私は10年くらい前から「局地バブル」と言っています。
それがいかにキチガイであるのか。
10億円で150㎡くらいのマンションを購入します。
そんな人は、だいたい50代以上のお金持ちですよね。
その方が10億円で買って、住んで、10年経ちました。
ある日、その方はポックリと逝ってしまったとします。
その方は、そのマンションに対して1日27万円超の
費用を払ったということになります。
実はそれだけではありません。27万円超は
マンションの購入費用だけです。
分譲マンションには管理費や修繕積立金が発生します。
もちろん、固定資産税もありますね。
150㎡の空間を自分で掃除するのは大変。
人を雇ったり、業者に頼めば費用も発生します。
私は貧乏人なのでよく知りませんが、
1泊27万円の予算なら、かなり一流のホテルの
スイートルームに泊まれるのではないですか。
しかも、掃除をする必要がありません。
ウーバーイーツなんてケチなデリバリーを
頼まなくても、ホテルのルームサービスがあります。
飽きれば、別のスイートに移ることだってできます。
荷物はホテルの人が運んでくれるでしょう。
確かに、10億円で買ったマンションは10年後には
何億円か、あるいは10億円以上で売れるかもしれません。
しかし、それは生きていてこその財産価値ですね。
50代や60代の贅沢に親しむ富裕層は、あと何年生きますか?
今の東京都心のバカだかマンションとはそういうモノです。
つまり、合理的に考えればあり得ない価格になっています。
それでも、売れています。買う人がいるからです。
それがバブルというものです。そして、それが今。
少しだけこむずかしい話をしますね。
1971年にニクソンショックというのがありました。
アメリカが「金とドルの交換を停止する」と宣言したのです。
それまで、アメリカは金1オンスにつき35ドルで交換に
応じていました。そして各国通貨は固定レートで
アメリカドルと紐づいていました。日本円は1ドル=360円。
これは「ブレトン・ウッズ体制」と呼ばれる世界の通貨制度。
ニクソンショック以後、世界の通貨はすべて
裏付けのないペーパーマネーになりました。
お金を増やすためには、印刷すればいいだけ。
今はさらに進化して、データを作ればいいだけ。
PCをピピっと操作するだけでドルも円も増えます。
人間は基本的に「楽をしたい」という業がある生き物。
「足りないものは増やせばいい」となって、
世界のペーパーマネーはどんどん増えました。
増える過程で、だいたいはバブルが発生します。
しかし、多くの人が「それはおかしいぞ」と思う時期が
あります。それがバブル崩壊時ですね。
でもまあ、基本的にはどんどんお金は増えていきました。
ニクソンショックまでは1オンス35ドルだった金の値段が
今や2000ドル近くになっています。ドルの価値は約60分の1に。
さて、リーマンショック以降、世界のペーパーマネーは激増。
特に日本の円は黒田総裁の10年間で約5倍に増えてしまいました。
当然、バブルが起こります。ところが、日本の経済は
この30年間成長を停めています。その理由は人口が増えないのと
目立ったイノベーションがなかったから。
お金が増えたのに、その行き場所がありませんでした。
それが日本の不動産市場に局地バブルをもたらしました。
しかし、そのカタチはかなり歪ですね。不動産の価格が上がったのは
ほぼ都心だけ。一部は湾岸などです。あとはグラデーション。
郊外のどうしようもない不動産は今でもゼロ円です。
なぜかといえば、都心では幻想が発生しても、地方はダメ。
1日27万円になるようなバカだかマンションを買う、
アタマの弱い富裕層は湧いて出てきますが、
「使えない」地方や郊外物件は売れません。
都心から地方に行くにしたがって、マンション価格は落ちます。
それは都心はイルージョンが支配しても、地方はダメだから。
準郊外までは、このイルージョン効果が及んでいます。
地方の郊外になると、まったく消滅します。
そのグラデーション濃淡の変化は、地方によって異なります。
で・・・このキチガイじみたバブルにも秋が来ていますね。
先日、アメリカの大都市郊外に住んでいる知人と親しく
話をする機会がありました。アメリカの不動産価格は、
まだ急激に下がっていませんね。でも、時間の問題かな。
中国や韓国も必死にバブル「崩壊」を防ごうとしています。
しかし、市場は政策よりも強いというのが経済原則。
「お金を増やしたらモノの価格が上がる」という
ケインズ理論は、黒田日銀の10年でその崩壊を証明しました。
この先、世界経済は「覚醒の時代」を迎えそうな予感。
つまり、ペーパーマネーの増減や金利の高低ではなく、
純粋の「需給の法則」が強力になる時代です。
1泊27万円の10億円マンションに合理的購入理由が
ないことに、市場が気づく時代です。
現に今、世界の金融政策はかなりふらついていますね。
特に日本‥10年間の黒田緩和がインフレ目標を未達成。
アメリカは金利を上げたのにインフレが収まりません。
ニクソンショック52年、そろそろ経済理論を
根本的に見直す時期に来ているんではないですか。
本日の動画 ↓
当日は会場に消毒液や空気清浄機を用意し、
私もマスクを着けて対応させていただきます。
この相談会を開催して約8年。
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開催日時:7月1日(土)13時~17時
開催場所:セトル 2階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)
当日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
混んだ場合は1組様30分程度とさせていただく場合もございます。
ちなみに、前回(5月)は待ち時間は発生していません。
ただ次回も同じようになるかどうかは分りません。
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