私は今、ちょっとしたジレンマに陥っています。
昨年の今頃、一冊の著書を出しました。
まあまあ売れて、現在3刷り。
ここで私は、「35年ローンなんてもってのほか」と主張しています。
もちろん、その気持ちは今も変わりません。
例えば、このマンション。
「自由が丘」なんて恥ずかしげも無く名乗っていますが、
実は横須賀の山の中に出来る長谷工プロジェクト。
価格が安いだけが取り柄の「買ってはいけない」マンション。
だから、こんなヘンな広告を出すのでしょうね。
先日紹介した某物件の広告と同じで
「ダッサー」「ワケ分からん」「アーベストみたい」というシロモノ。
もっとも、こっちは本物の「アーベスト」ですけど(笑)。
こういうマンションを35年ローンなんかで買うと
とんでもない目に遭うだろう、というのが私の考え。
横須賀市はすでに人口減少に突入していて
中心街でも活気が失われています。
ちょっと離れると、それこそシャッター街。
しかもこの物件はマイナーな京急「追浜」駅から、さらに徒歩11分。
10年後の資産価値なんて、考えるだけでも恐ろしい。
ところが・・・・昨日のニュース。
●国の借金が997兆円
●国債の格付けがダウン
これは何を意味するかと言うと、
まもなく国家財政が破綻すると言うことです。
まあ、実質的には破綻しているのですが、
みんな「知らない顔」をしている、というのが現実。
「知らない顔」が出来なくなるのが、国債が「未達」になった時。
何度か書いたように、「未達」とは
国債の引き受け手(買い手)が足りなくなる状態。
でも、日本にはまだ最後の手段が残っています。
それは「日銀が国債を買い取る」ということ。
これは日銀法で禁止されているのですが、抜け穴はいっぱい。
現実に、今も国債の一部は日銀が「保有」しています。
この「日銀引き受け」をカンタンに言えば、日銀が印刷機を回してお金を刷り、
それで政府の借金(国債)を肩代わりすること。
これをやると、常識で考えれば「円」の価値が下がります。
今、アメリカや中国は盛んにこれをやっています。
だから、ドルはジリ貧。
人民元はなぜか安定。
ドルが思った以上に下がらないのは「基軸通貨」だから。
また人民元が下がらないのは、
人為的に経済の実力以下に据え置かれているから、
というのが専門家の認識だと思います。
もうひとつ言えば、それに変わるユーロや円も
それぞれに弱みがあるから、「勝ち組」通貨が無い状態。
強いて言えばオーストラリアドルあたりでしょうが、
でもこれはスケールが小さすぎます。
現状、一番強いのは「金」みたいですね。
さて、昨日の2本のニュースで考えられることは
まもなく日本も「円」を大量増発するしかない状態に
追い込まれている、ということ。
そうなれば、インフレの到来です。
インフレとは今と逆に物価が上がること。
すなわち、お金の価値が目減りするということです。
金融資産をたくさん持っていると、その価値が「目減り」。
借金をたくさんしていると、その中身も「目減り」。
35年で住宅ローンを組んだ方は、実質的にトクをするのです。
だから、さっき紹介した「買ってはいけない」マンションを
営業担当者に勧められるままに35年ローンで購入していても
「とんでもない目」に遭わなくてすむ可能性もあるわけです。
そこが、私を悩ますジレンマなのです。
ただし、このインフレという嵐が何時、
どれくらいのスケールで我々に襲い掛かるのかは
何とも予想できません。
だいたい、「インフレが来る」といっている
経済学者やアナリストはかなり少数派。
でも、私はかなりの確率でやってくると思います。
さて、たとえインフレが来るにしても、
不動産自体の本質的な価値がそれによって
変動することは理論的にはありません。
「追浜」駅徒歩11分のマンションの資産価値が
実質的に向上することもないのです。
それについてのローン負担が実質的に軽減されることはありますが。
但し、インフレがこようと、デフレが続こうと、
横須賀市の人口は減り続け、
不動産の実質的価値の下落は止まらないだろう、
というのが私の考えです。
では、こういう世の中の状況の中で、みなさんは
「どんなマンションを買えばよいのか」ということを
私は日々考えてきました。
現状、ある程度の「答え」を示すことはできます。
それについて、みなさんに語りたいというセミナーの開催が
1ヵ月後に迫っています。
いつもの通り、広々とした会場を押さえたおかげで
まだまだお席に余裕がございます。
おみやげや参加特典も様々にご用意しています。
ぜひ、ご参加ください。
「値下がりしないマンション選び」セミナー
2月27日(日)午後3時30分より
参加費 お一人様 3000円
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