ここしばらく「脱線」を続けていたので、
今日はマジメにマンションについて語りたいと思います。
お題は「予告広告」。
マンションを購入するために物件選びをなさっている方は
必ず何らかの広告やスーモなどの情報誌をご覧になりますね。
その時に、販売価格や管理費が「未定」になっていることが
実に多くあることに気付かれているでしょうか?
あれは「予告広告」と呼ばれるスタイルなのです。
こむづかしい解説を致しましょう。
マンションの広告には、様々な規制が設けられています。
ずっと昔、悪質な業者がウソだらけの広告で
エンドユーザーを騙しに騙したせいなのかどうかはしりません。
ただ、現在では不動産公正取引協議会という
いかめしい名前の団体が決めた広告表現のルールを
守らなければならないことになっています。
もし、そのルールを破ったらどうなるのか?
法律ではないのでいきなり業務停止になったりはしませんが、
何かよろしくないことになるのでしょうね。
業者を処分できるのは法律に反した場合だけですから。
まあ、そのツッコミは別の機会に詳しく。
そのルールによると、新築マンションの広告では
2つのスタイルのどちらかを選ぶことができます。
「予告広告」と「本広告」です。
「本広告」というのは、普通の販売広告です。
いつから、どの住戸を、0000万円で売り出します・・というもの。
言ってみれば、これが当たり前の広告であり、
消費者の知りたい情報を概括ながら
掲載しなければいけないことになっています。
では、「予告広告」とはいったい何なのでしょう。
これは、売り出しのスケジュールによっては
広告で表示しなければいけない項目を大幅に削減できる、
という売主側にとって著しく都合の良い
(エンドユーザーにとってはすごーく不可解な)
広告のスタイルなのです。
具体的にあげると、販売戸数、販売価格、
管理費・修繕積立金、駐車場使用料などを「未定」と表示できます。
これって、みなさんの一番知りたいことですよね。
その代わり「販売時期」を「0月0旬予定」みたいなカタチで
表示しなければいけないことになっています。
ただし、これは自由に変更できます。
今話題になっている東京湾岸・東雲エリアの某タワーマンションは、
震災前は「4月中旬販売開始予定」となっていたのが、
震災直後は「今秋販売予定」に。
8月に広告を本格再開したときには「9月下旬」に。
それから「10月下旬」「11月上旬」「11月下旬」に変わり、
今では「12月上旬」になっています。
本当はいつ「販売開始」するおつもりなのでしょう?
期待してお待ちになっているエンドユーザーの
気持ちを愚弄していますよね。
さらに、「予告広告」とすると、販売価格などの知りたい情報が
何時まで経っても表示されません。
そのくせ、「モデルルーム公開(予約制)」というのにつられて
のこのこ出かけていくと、しっかりと価格表を見せられて
「ご希望住戸の要望書をお出しください」と迫られます。
そもそも、この予告広告は価格決定作業が間に合わないけれど
「とりあえず多くの人のお知らせしたい」場合に採り得る
広告のスタイル、というのが制度設定の趣旨です。
エンドユーザーに必要な情報を公開せずに
モデルルームにおびき寄せるための手段に用いるのは
著しく本来の目的から逸脱しています。
さらに、広告を始めたばかりの物件が
「予告広告」を選択するならまだしも、
竣工してからすでに2年も3年も経過している物件が、
10年一日の如く「予告広告」を行っているのはどういうことでしょう?
これは、某財閥系企業のタワーマンションでよく見られる現象です。
竣工2年以上も経過しているのに、概要は堂々と
「第5期予告広告」となっていて、販売価格も販売戸数も未定。
おかしなことに「管理費」まで「未定」の場合さえあります。
すでに、住んで払っている人がいるのに!
こういう消費者無視のおかしな募集広告を
合法的にまかり通らせているのが、
この「予告広告」という制度なのです。
はっきりいって、エンドユーザー側には何の利点もありません。
むしろ、弊害が多すぎます。
あまりに、売主のご都合ばかりを認めています。
こういう制度は、即刻廃止すべきでしょう。
百歩譲っても、ひとつの物件につき最初の1回のみに限定すべきです。
一度でも本広告を行なった物件については認めるべきではありません。
だいたい、一度でも本広告を行ったということは
すべての住戸の価格や管理費は決定しているはずですから。
なのに、それをわざと表示しない「予告広告」は
消費者側にとって著しく不利・不便です。
さて、レポートの更新情報です。
如月さんのマンションエリアレポートの中で
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東京23区で最も人口の多い世田谷区、
ここでマンションを買うのなら
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