それでも、超高層を選びますか?

本業が忙しく、ブログの更新が滞りがちになっています。
お待ちいただいている方々には、大変申し訳なく思います。
さて、世間は大変なことになっていますね。
サブプライム問題から始まった金融不安が、ここまで広がるとは予想できませんでした。
麻生さんはそれを理由に選挙を先延ばし・・・・
どうやら年内はなさそうな雰囲気ですね。
補正予算でも、減税でも、証券や住宅税制の改正でも、
景気回復のために打てる手は何でも打ってもらいたいところ。
選挙はきっと、創価学会の選挙マシーンがフル回転する
東京都議選と同日開票にもっていくハラではないでしょうか。
それくらいしか、与党で過半数というチャンスは残っていないと思いますが・・・
マンションの話に戻します。
前回と前々回、大規模マンションにはデメリットが多いことを書いたところ、
多数の反響をいただきました。
こんなこと、大手デベロッパーから講演料や原稿料をもらっている
御用評論家は絶対に書きません。というか、書けません。
この勢いを借りて、今日は超高層マンションについて書きましょう。
ちょっと前まで、超高層マンションは建てれば売れる、という状態でした。
何とかは高いところに上りたがる、といったら失礼かもしれませんね。
でも、ものめずらしさやステイタス感、高みから見下ろす優越感がいいのか、
いまでも人気が高いのが超高層マンション。
でも、超高層は本当にそんなに価値があるものなのか?
また、人間にとってふさわしい住まいのカタチなのか?
私は大いに疑問をもっています。
なぜそうなのか、理由をあげてみましょう。
●地震が心配
建物の耐震性ではありません。超高層の場合は、強度の確かなコンクリートと耐震性に強い工法・構造を採用しています。そして、たいていの場合、一流のゼネコンが施工します。
問題は、地震が起こったときのエレベーターです。大きな地震があると、電気がとまります。エレベーターも止まります。まず、「振動を感知した場合は最寄階に停止」という機能が本当にうまく作動するのか? 私は疑問を持っています。
次に、電力供給が再開しても、安全点検が済むまでは動かせません。都内にエレベーターは死ぬほどありますが、安全点検できる作業員は限られています。電気が来ても、すぐには動かないでしょう。多分、復旧までに何日もかかります。それまで、上層階に住んでいる方はどうなさるのですか? 階段で上り下りして通常の生活ができるのは、せいぜい5階、6階までです。
●上層階では窓があけられない
風が強すぎます。穏やかな日にはベランダにも出られますが、風が強い日は、ほぼ窓が開けられません。洗濯物も干せません。もちろん、布団も干せません。自然、エアコン無しでは暮らせなくなります。
●健康への影響
毎日毎日、何十メートルもの高度が変わると、気圧の差もあります。山登りなら、ゆっくりと体験する気圧差を、毎日何度も行き来します。「そんなこといったら航空機の乗務員は」という疑問もありますが、航空会社は入社時の適性検査でそういう気圧差の変化に耐えられる体質の人間をより分けて採用しています。すべての人が彼らと同じ適性があるとは考えない方がいいでしょう。
●子どもが外で遊ばなくなる
これはよく言われることですね。人間は陽の光を浴びることで成長し、健康を維持するのです。
●眺望が心を不安定にする
高層階からの眺めは素晴らしいものです。でも、同じ光景を毎日見ていると飽きます。時々、ホテルに泊まったりして「非日常」で素晴らしい眺望に出会うからこそ、価値があります。日常的にあんな眺望があっても、もてあますだけではないですか。むしろ、地面を足で歩く人間が見る光景としては不自然な眺めです。人によっては情緒不安につながる恐れがあるのではないでしょうか? 「自分は関係ない」という方は別にいいでしょう。でも、ご家族全員がそうですか?
アメリカでは、すでに超高層に住むことが決していいことだとは思われていません。致し方なく、というのなら別ですが、好んで住むような住居形態ではないのでは、と私は疑っています。
少し前、タワーマンションへのご相談があったときに、上記のようなことをお答えしましたところ、以下のようなご返信をいただきました。この方は、今も賃貸で超高層にお住まいのようです。勝手ながら、一部を抜粋・伏字にして紹介させていただきます。
「タワーマンションのデメリットはまさに私も感じておりまして、
地震のときは、平均して年間2回位は非常階段で2X階から
1階まで降りることがあります。ヘトヘトになります。
それと、朝の通勤時間帯はエレベーターを待って1階に降りるまでの時間が
とてもストレスを感じております。URだからなのかと勝手に解釈しておりますが。
一番、「健康」が気になりました。
○○○区から○○区に越してきてから、睡眠が浅いように感じております。
自転車で行動するようになりましたので、風邪は全くひかなくなりましたが、
反面、体が慢性的に疲れやすくなり、空気が悪いのかと感じることがあります。
タワーマンションの健康について、ネットで調べてみましたら、
海外では、規制までしているところがあるのには驚きました。
私も少し考え直そうかと感じております。」
いかがでしょう。それでも、超高層に住んでみたいと思われますか?
私はイヤです。
さて、いただいたご相談へのお答えがやや停滞しています。
申し訳ございません。
概ね、1週間以内にはお答えをしているつもりです。
「俺はまだもらっていない」という方は、恐れ入りますがもう一度いただけますでしょうか?
何分、手作業でアナログ的にやっていますので、見落としがあるかもしれません。
それから、再度ご質問をいただく場合も、こちらのコメントからください。
メールの受信よりも、こちらのコメントを優先している関係上、
お答えを怠ったり、見逃している場合があります。
ご相談の場合は、メールアドレスの添付をくれぐれもお忘れなく。
「管理者にだけ表示を許可する」にチェックしていただくと、他の人に読まれません。
本名も住所も不要です。
ただ今企画中の「榊淳司の特選マンション情報」の配信をご希望でない場合は、
その旨コメントで入れて置いてください。
榊淳司


2008/10/17 20:46 Comments (0)

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