公務員というのは定年退職の時に
「長年の間、大過なく勤めさせていただき・・・」
なんていう挨拶をするものですね。
彼らのスタンスというのは「休まず、遅れず、働かず」といわれるように、
「何かをする」ことで失敗するよりも「何もしない」代わりに
現役の間は「大過なく」過ごすことにあります。
もちろん、全員ではないでしょう。
また、だからといって公務員を責め立てても仕方がない話。
身分保障などという制度があるからそうなるのであって、
雇用関係を民間並みに流動化させればよいのです。
でも、そんな話は別の機会にするとして・・・・
問題なのは、この「公務員的」な事なかれ主義が、
今の日本社会の隅々に行き渡っているように思えることです。
一般企業のサラリーマンも、大半が「事なかれ」派ではないでしょうか?
みなさんの周りを見渡しても、ウジャウジャいると思いますよ。
「何もしないで給料をもらえるなら、それが一番」と考え、
それを見事なまでに実践している輩が。
まあ、その辺の無気力サラリーマンが事なかれになってもいいでしょう。
民間企業にはだいたい2割弱くらいの割合で
「なんでお前、そんなに張切っているの」
というような人々もいますから。能力の有無は別として。
困るのは、今の政治家どもですね。
与党・民主党はもちろんのこと、野党の自民党まで
「事なかれ」で済まそうとしている連中が多すぎです。
その証明になったのが維新の会の「船中八策」。
あれって、前にも書きましたがオリジナリティがゼロ。
みんな、いつかどこかで聞いた話ばかりです。
つまり、橋下氏でなくても唱えることはできます。
であるにもかかわらず、今の既成政党の政治家どもは
「過激派」にレッテルされること避けて、
ああいったことをあまり言わなかった。
言わなかっただけではなく、心にも思っていないかも。
参議院の廃止なんて、参議院議員はまず言いませんものね。
「事なかれ主義」大賞を差し上げたいのは、自民党の谷垣君。
野党であるにもかかわらず、事なかれで過ごしてした結果、
自民党の支持率はちっとも伸びやしない。
利権政党であることに、国民からノーを突きつけられたのが前回総選挙。
であるならば、元来の保守政党に回帰するのが
支持率回復のキーだったと、私は思っています。
敗戦記念日である8月15日に谷垣君が靖国へ参拝するのは第一歩。
尖閣諸島の領海侵犯事件でも、毅然と支那を非難すべきでした。
先般行われた、島根県の「竹島の日」記念行事にも
自民党の総裁として参加して
「韓国の不法占拠は許しがたい侵略行為」なんて
発言でもしていれば、もっと話題になったはず。
これは一見過激な発言でのようですが、
実は日本政府の公式見解ですから、誰も咎められません。
半島では上へ下への大騒ぎになりますが、それもまた一興。
マスコミインタビューも谷垣氏に集中しますから、注目度もアップ。
今の世の中の大勢である保守志向の人々から強い支持を得られ、
支持率が急回復したと予想できます。
そんな簡単なこともできないのは、やはり「事なかれ」。
いわば、何もしない「事なかれ」を貫いてきた谷垣君は、
民主党の前2政権(鳩山、菅)に比べて優るとも劣らない、
日本衰退の責任者であると、私は考えています。
政治家というのは、国民に選ばれた指導者でもあるはずです。
我々を良き方向に導くのが、彼らに託された使命のはず。
その指導者たちが、本来の仕事である「指導」を行わず、
「調整」ばかりを行って、「事なかれ」に徹しているのが現状。
国民が、こういった「調整」型の政治家(野田とか谷垣とか)に
うんざりしている所へ、華々しく登場したのが大阪の橋下氏。
彼は、紛れもなく国民を導こうとしています。
その導く方向が正しいかどうかを、今回は議論しません。
今、この先細りの情勢の中、国民が求めているのは強い指導者です。
国民の安全を保障し、生命・財産を守り、尊厳を高め、
なおかつ明るい未来をさし示すリーダーを求めているのです。
野田君や谷垣君は、そこのところがサッパリ分かっていませんね。
彼らは旧来通りの「調整」でこの難局を乗り切ろうとしています。
消費税増税にしたところが、一時の小康を得るための「調整」に過ぎません。
つまりは「事なかれ主義」。
上から下まで「事なかれ」なスタンスが満ち溢れているこの国の未来は
かなり怪しいなあ・・・と嘆息する今日この頃です。
「事なかれ主義」亡国論
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