さて、いよいよ年度末商戦も実質終わりました。
「投売り」はあちらこちらで猛威をふるいましたね。
購入希望者がわんさかモデルルームに押しかけて、
成約数もそれなりに伸びたようです。
私もこれから各物件の販売状況について情報を集めますが、
在庫は相当さばけたのではないかと思います。
ただ、きれいさっぱりなくなった、というわけではありません。
まだまだ残っています。
今後はどうなるのか?
投売りは続くのか?
価格は下がり続けるのか?
うーん・・・・
悩ましいですね(笑)。
大きな問題は、大型のお父さんが終わっていないことです。
先月あるかな・・と思ったけれど、
たいしたことはありませんでした。
でも、業界の状況が好転したわけではありません。
むしろ悪化しているといっていいでしょう。
今月中には、もうひと波乱もふた波乱もあってもおかしくないはずです。
そのあたりの整理がついてくると、
この先の業界の展開も読みやすくなります。
この前のバブル崩壊のときみたいに、
不振企業の淘汰がダラダラと続くのではなく、
ビシバシと整理されて、健全な古参企業が残り、
事業意欲の旺盛な新興企業がよりよい商品企画と共に
業界に参入してくることを期待しましょう。
●4月以降の「投売り」はどうなるか?
何度も書いているように、完成在庫の「投売り」はモノがなくなった時点で終わります。
4月以降もすべてがなくなるわけではありませんが、徐々に終息に向かいます。
その後は、損切りを覚悟した企業の適度な値引き販売や、
業者に一括販売されたアウトレット物件のバーゲンセール、
そして頑強に元値を崩さない物件が入り混じったカオスの時期があり、
秋から年末にかけては全体の販売戸数がかなり絞られてくるのではないでしょうか。
新築マンションの購入希望者にとっては、かなり選択肢が狭まった状態になりそうです。
しかも、一度市場はぐちゃぐちゃにつぶれていますから、
一般の方々には「適正価格」の判断がむつかしくなります。
●どのようにマンションを選ぶべきか?
多くの相談をいただいていて思うのは、
固定観念に支配されている方がとても多いということ。
マンションは不動産です。
不動産は人間と同じで、ひとつひとつがちがうもの。
車やテレビ、携帯電話のような工業製品ではありません。
たとえ同じ間取りでも、階数によって暮らし方が微妙に異なります。
みなさんの相談で多いパターンをあげると、
「0000万円だったマンションが0000万円になりました。これ以上値引きは難しいでしょうか?」
「経営不安のある○○社が施工なのですが、大丈夫でしょうか?」
「○○社が売主の場合は安心でしょうか?」
「○○駅から近いこのマンションは買いでしょうか?」
などです。頭が硬いなーと思います。
もちろん、みなさんのお悩みはよくわかります。
私も、できるだけお答えできればと思います。
ただ・・・マンションというのは、
学校の成績表のように項目別に評価を付けて
比べればいいものではありません。
みなさん、学校時代にもらった成績表の良し悪しと、
その後の人生の明暗が必ずしも一致しないことは、よくご存知でしょ?
例えば、背が高いからといって絶対的に幸せになれないように、
空間が広ければ、そこに住む人を必ず幸せにするものではありません。
それぞれの良し悪しは、あるていどの、ゆるやかな相関関係にはあります。
でも、絶対ではないのです。
ある家族にとっては幸せを導く住まいも、
他の家族には不幸を招くかもしれません。
まず、そのマンションが、ご自身とご家族の幸せな未来を
リアルにイメージできる条件を備えているか?
そして、そのマンションは、ご予算に収まる範囲かどうか?
心にはいっぱいの夢を持って、頭は冷静に、
これから一生住むかもしれないマンションを見つめてください。
いろいろな条件を総合的に見てみましょう。
「○○社が売主だから」「○○社が施工だから」
「食器洗い機がついているから」「床暖房がないから」
「近くに激安スーパーがあるから」「○○○戸のスケールだから」
「眺望がいいから」「大規模開発ですごそうだから」
それぞれが大事なことですが、それだけで判断しないでください。
そのときには重要な問題でも、何十年も暮らすとしたら、
些細なことであることも多いのです。
広告では一番いいところ、いいたいところをクローズアップしてきます。
何も言うべきことがないと、イメージで押してきます。
もっとひどい時には、物件にまったく関係ないタレントを出してきます。
最も注意すべきは、ひとつの条件だけで決めないことです。
人生の目的がひとつでないように、家族の好みがそれぞれ違うように、
住まい選びの基準はひとつふたつではないはずです。
もちろん、すべてを満たすことはできません。
ある程度妥協は必要でしょう。
でも、決めるときに熱くなってはいけません。あくまでもクールに。
モデルルームの営業マンは、あの手この手で皆さんの頭を熱くして、
その分冷静さを失わせ、物件の欠点から目をそらせようとしますから。
榊淳司のオフィシャルホームページ
の内容が徐々に充実してきています。
みなさま、ぜひお立ち寄りください。
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