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※順不同・敬称略で掲載しています。
「戦力の逐次投入」というのをご存知でしょうか?
軍事用語です。女性には、特になじみがないかもしれませんね。
敵と戦う戦場に、まとまった兵力を送り込むのに、
小さな部隊に分けて少しずつ投入することをいいます。
これは、作戦としては愚の骨頂。
喧嘩のセリフで「順番に一人ずつかかってこい」というのがありますが、
敵のそういう勝手な注文に「はい、ご指示の通りに」と応えているようなもの。
小さな部隊は力が弱いので、順番にかかっていくと各個に撃破されます。
その反対は、大部隊を準備万端整えて、いちどきに送り込む。
どどっと投入して、一気に決着をつけるのです。
この方が勝てる確率がうんと高まります。
かつて、日露戦争の時の帝国陸軍は、この法則を守りました。
203高地や奉天大会戦では、なけなしの兵力を懸命に集合させて、
あとは作戦のやりくりで何とか優勢なロシア軍を破りました。
その後、彼らはこういう「基本のキ」ともいべき作戦の法則を忘れてしまった・・・
ノモンハン、ガダルカナル、レイテと各主戦場で「兵力の逐次投入」の愚を犯し、
とうとう戦争に負けて、国家を滅ぼしました。
さて、振り返って昨今の「マンション販売戦争」でも、
この「戦力の逐次投入」の愚を冒した売主企業がゴロゴロあります。
販売部隊(営業マン)を一気に投入しなかったから、
売れなかった・・・ではありません。
営業マンの数を揃えるくらいは、
どんな愚鈍な指揮官でもできることです。
そうではなく、今の不動産市況の戦況(趨勢)を速やかに判断して、
戦線の縮小・立て直しを決断し、
そのために必要な「値引」「価格改定」という戦力を
必要なだけまとめていちどきに投入して、
いち早く戦果(全戸完売)を確保すべきだったのです。
それを愚図愚図と先延ばしし、未練がましく小出しにしたために
未だスムーズに負け戦の戦場から撤退(完売)できずに苦しんでいる
部隊(マンション)がわんさかある、ということです。
これはひとえに撤退のための戦力投入の決断を先延ばしにした結果の、
必要以上の惨敗(販売不調)に他なりません。
ある電鉄系デベが幹事になっている800戸規模のマンションは、
最近になって25%オフでアンダーセールスを始めたと聞きました。
「今頃ですか!」というのが正直な感想。
1年前にやっておけば・・・おそらく去年中に完売できたでしょう。
今からやったって、何のインパクトもありません。
そのデベが撤退戦力(値引き・価格改定)をする代わりに、
ここ1年半くらい何をやっていたか?
有名タレントを投入してのイメージチェンジの大キャンペーン。
テレビコマーシャルをさんざんやって、大量集客に成功。
これは大勢が決した負け戦の戦場に、
張子の虎みたいな見せ掛けだけの部隊を投入して、
一時的に相手(客)をだまくらかしただけのもの。
「やった、やった」と騒いでいたのもつかの間。
あっという間に集客は先細り、契約は伸びずにアレレレレレ・・・。
瞬く間に立て直したばかりの戦線(販売数)は崩壊(低下)して、
元の木阿弥に。
まじめに住まいを探しているエンドユーザーから見れば、
人(客)を馬鹿にするなよ、といいたい現象ですね。
あれこれ情報を集めて一生懸命検討しているのに、
目の前でネオンをチカチカされて視界を妨げられたようなもの。
広告が悪いから客が来ない・・・というのは、
売主や販売会社にとってもっともイージーな言い訳。
そういっていれば、自分たちのせいになりませんから(笑)。
でも、タレントを起用しよう、というのも広告屋の場当たり提案。
有名タレントを広告に出せば、そりゃあ・・客は来ますよ。
でも、商品に魅力がないと思うようには売れません。
客はそこまで安直ではないのです。
広告で客を騙せる、というのは、
普段から営業トークで客を騙している不動産屋の発想の延長。
そして広告屋の「俺たちがこの案件の帰趨を担う」という
勘違いの賜物なのです。
そして・・・結果はこのザマです。
ここにあげたのは一つの例ですが、
実は似たような販売現場が大小問わず、死屍累々。
不動産屋(マンションデベロッパー)というのは、
どこもここも一様に戦場から損害を最小限に抑えての
「引き戦(撤退戦)」が苦手のようです。
上手に撤退する機会を失い、戦場に残された兵士(営業マン)の
士気(モチベーション)は下がるばかり。
半ばヤケクソで接客していることもあります。
「他の方には絶対おっしゃらないでください。○○様だけの特別な条件ですので、ぜひともお願いいたします・・・・・・ただ、この条件は本当に特別でして○○日を過ぎると売主さんの承諾を得られなくなるので、早急にお決めいただかないと」
顔ではにっこり、心は寒々しい不毛の大地。
これを本音に翻訳すると
「今月は目標に届かないから、仕方なく値引きしてあげてるんだよ。もう予算カツカツなんだから、ウダウダいわないで早く決めてくれよ。それから、誰かに喋るんじゃないよ。先に買った人にバレるとめんどくさくなるんだから。頼むよ・・・早く決めてくれないと今月の売上に間に合わないの。そうでなくても売主はぐだぐだうるさいんだから」
という感じでしょうか。
さて、みなさまエンドユーザーさんも、実はかなり賢明です。
価格改定や値引きに踏み切った物件の中でも
われわれ業界の人間が「これはお得」と思える物件はどんどん売れています。
そうでない物件は取り残されつつあります。
でも、まだチャンスは何とか選べるほどには残っています。
選ぶべき物件数が徐々に減るからといって、決して売主側のマインド、
つまり「早く売ってしまいたい」というモードに
同調する必要はない、ということです。
一生に一度のお買い物は、常に冷静に、賢明に・・・・いつもの榊の主張です。
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