実感として、マンションは売れていない

やっぱり売れていない・・・首都圏のマンション市場です。
最近、港区を中心にマンション市場を再精査しておりました。
そして、ここのところメディアは「マンションは売れている」
という報道を行っているところが多いのです。
例えば、昨日発売になった「週刊東洋経済」には、
私のコメントが一部掲載されているのであまり言いたくはないのですが・・・
「マンション買い時」を示すこれだけの理由
なんてページがあったりします。本当にそうでしょうか?

7日に行ったセミナーで、私が冒頭申し上げたのは
「今は買い時ではありません」
そして「これからもずっと『買い時』なんて来ません」ということ。
かつて家が足りない頃の記憶を引きずっていた、
今の40代以降の人々は多少の無理をしてでも住宅を買いました。
その結果、多くの人々がローンに苦しんでいます。
ところが、物心ついた時からずっと不況だった今の30代は、
「無理をしてまで家を買う」というマインドが薄いようです。
実際、多くが買っているとは思えません。

何度も申し上げるのですが、マンションデベロッパーは
自分たちが販売しているマンションを「売れていません」なんて、
口が裂けても言いません。
どんなに売れていなくても「まあまあ売れています」と、好評を装います。
不人気なのがバレると、ますます売れなくなるからです。
「初月契約率は7割超で安定」なんていうのも、
すべてデベロッパーの自己申告によって作られた数字です。
本当に販売を開始して1か月7割も契約できる物件ばかりなら、
なぜこれほどまでに完成在庫がゴロゴロしているのでしょう?

確かに、去年の後半から市場のマインドは徐々に改善してきました。
春先はそこそこ動いていた気配もありました。
短期間で完売して「販売終了」となる物件もいくつかありました。
しかし、それは全体の1%もなかったはずです。
少なくとも、私が全物件をフォローしている港区や文京区では
ほぼ9割以上が竣工までに完売せずに完成在庫になります。

ましてや、郊外エリアや千葉、埼玉、神奈川では、
ファミリー物件が竣工後1年以上も完売できないケースがゴロゴロ。
「人気が回復」したなんていっている湾岸エリアなど、
竣工後4年以上のタワーマンションなんてのもあるくらい。
この状況をして「売れている」なんて絶対に言えないはずなのですが・・・・

ただ東洋経済でも書かれている通り、これから供給が増えることは確実。
私のまわりには不動産広告の制作業務を行っている連中が多いのですが、
総じて「忙しい」という状況になっています。
つまり、数か月から半年先には新たな物件が
市場にジャカジャカ供給されるということ。

一方、日本経済全体の先行きはどうなのでしょうか?
これがまた、かなり不透明ですね。
今、ようやく薄日が差しかけている気配がありますが、
とても回復の兆しあり、と言えるほどのものではありません。

復興需要は今年いっぱい続くでしょうが、来年は萎みそう。
日本中の原発を停めているせいで、
電力供給が不足していることも経済の足を引っ張ります。
「サイカドー、ハンタイ!」とやっているバカどもは、
自分たちの愚劣な行動がいずれ己の失業や所得減少という
結果を招くことに全然と言っていいほど気づいていません。
あの連中を見ていると、心底この国が情けなくなります。

また、近く行われるのであろう総選挙において、
いずれの党が政権を取るのか分かりませんが、
政治の混乱が経済に好ましい影響を与えた例を私は知りません。
はたまた、ここのところ落ち着いているように見える
ユーロの財政問題諸国の動きも気になります。
アメリカは大統領選挙が終わると超緊縮財政になりそうです。
支那はハッキリと成長スピードを鈍化させています。
新興諸国は比較的元気ですが、まだ影響力は限られています。
つまり、国内外に経済の先行きを明るく見出す材料はほぼ無いのです。

ただ、ひとつあるとすれば・・・
来年は消費税率アップ前の駆け込み需要が発生すると見られます。
おバカさんたちが慌ててマンションを買うのでしょうね。
売る方は手ぐすね引いて待っているはずです。

こんな状況下で、来年の前半までに数多くのマンションが
首都圏の市場に供給されます。
消費税率アップ前の駆け込み需要はそれなりに期待できるでしょうが、
全体としては相当に需給が緩むのではないでしょうか。
そのうち在庫の山になって、2014年の年明けあたりから
またぞろ2009年の春みたいに「大値引きセール」的なことを
あっちこっちでやっていなければいいのですが。
この業界、何と言っても歴史どころか経験にも学びませんからね。

さて、レポートの更新情報です。
港区のレポートを一挙に5題更新しております。

南麻布対決 プラウドvsパークホームズ
「麻布エリア」
価格 4,980

プラウドタワー白金台登場
「白金・高輪」
価格 2,690

アークヒルズ仙谷山登場
「六本木・青山」
価格 4,290

ミッドガーデン、プレミスト
「赤坂」
価格 2,980

えーい、めんどくさいから全部見たい、
という方にはこの1題にすべて入っています。
「港区総集編」
価格 9,980

総集編に入っている全物件
赤坂エリア
1 パークコート赤坂 ザ タワー
2 SAION SAKURAZAKA
3 ライオンズアイル赤坂
4 インプレスト赤坂
5 CONOE〈赤坂丹後町〉
6 ミッドガーデン赤坂氷川
7 サンマイン赤坂氷川坂
8 ブランズ赤坂二丁目
9 クラッシィスイート赤坂
10サンウッド赤坂氷川公園フラッツ
11プレミスト赤坂檜町公園
六本木エリア
1 THE ROPPONGI TOKYO
2 アトラスタワー六本木
3 パークコート六本木ヒルトップ
4 ブランズ六本木
青山エリア
1 南青山パークハウス
2 南青山マスターズハウス
3 ザ・レジデンシャル北青山
4 ザ・パークハウス 南青山常磐松
5 オープンレジデンシア南青山骨董通り
6 オープンレジデンシア南青山ウエストテラス
乃木坂エリア
1 ディアクオーレ乃木坂
虎ノ門エリア
1 アークヒルズ仙石山レジデンス
2 ザ・パークハウス愛宕虎ノ門
三田エリア
1 ファインレジデンス三田
2 ディアクオーレ白金高輪
3 パークマンション三田日向坂
白金・高輪エリア
1 ウェリス高輪
2 パークタワー高輪
3 リビオレゾン白金
4 グランスイート白金高輪
5 シティハウス高輪ヒルトップ
6 グランドメゾン白金
7 プラウドタワー白金台
麻布エリア
1 シティタワー麻布十番
2 パークコート麻布十番ザ タワー
3 麻布台パークハウス
4 プラウド南麻布
5 グランドメゾン西麻布
6 ブランズ東麻布
7 ザ・パークハウス 西麻布
8 ライオンズ麻布十番 スペリア
9 イニシアイオ西麻布
10 クラッシィスイート・ジオ東麻布
11 サンウッド西麻布
12 ザ・パークハウス元麻布
13 パークホームズ南麻布ザレジデンス
新橋・芝エリア
1 新橋プラザビル コアレジデンス
2 ワールドシティタワーズ
3 クレストプライムタワー芝
4 アデニウム新橋
5 ザ・パークハウス アーバンス御成門
6 ザ・パークハウス芝公園
7 パークタワー芝公園
8 インプレスト芝浦レジデンス


2012/7/10 17:00 Comments (0)

コメントはまだありません

No comments yet.

RSS feed for comments on this post.


Leave a comment

※こちらへ書き込みいただいたコメントは、承認後全て表示されます。
マンション購入に関する個別相談等こちらへ表示させたくない場合は、
専用フォームからお願いいたします。