新築マンションには「需要期」というものがあります。
簡単にいえば、よく売れる季節です。
これは、まず3月。
新年度を前に、区切りとして住宅を買う方が多いのです。
実際、今年の1月-3月は、専業大手の値引攻勢があり、
かつてないほど多くの新築マンションが売れました。
そして、次は9月。
企業の半期決算ということもあるのでしょうか。
9月と10月は需要期。11月も「年内入居」に向けて
まずまず新築マンションが売れます。
12月に入ると、人々の心が浮き足立ちます。
年末、忘年会、クリスマス、お正月へ。
人生を変えるほどの大きな買い物を・・・
という空気ではなくなります。
さて、いよいよその9月が近づいています。
実は、今年の前半に新たに「新発売」された
マンションはあまり多くありません。
ほとんど竣工しているのに「新発売」になった、
妙なマンションも数多くあります。
「どうしてですか?」という
お問い合わせもいただきます。
まず、売主の都合で「新発売」にできなかったのです。
大半が、原価が高すぎて「出しても売れない」から、
「新発売」をためらっているうちに竣工が近づいたので、
仕方が無いから「市場価格」に何とかかするくらいの
値段をつけて「恐る恐る」出した、というのが現実でしょう。
そして、現在竣工していて「販売中」のマンションは
市場価格よりも高いにもかかわらず、
なんとかそのまま売り切ろうとがんばっている
「KY」な物件ばかりです。
つまり・・・・まだまだ「高い」マンションばかりのまま
この9月からの秋商戦に突入します。
「そろそろ買おうか」と思って
モデルルームを回られる方は、
そういった市場環境を十分にご理解なさってください。
今、竣工しているにもかかわらず「販売中」のマンションは
はっきりいって市場価格よりも高いのです。
十分な値引きを引き出してから契約しないと、
買ったその日から値下がりしているという、
「負の資産」を背負うことになります。
世間の景気は、数値的には回復の兆しはありますが
「実感」としては、むしろ不況が進行しているように思えます。
まわりに倒産の話や、失業者が増えているせいです。
今、高値でがんばっているマンションも、
この秋は覚悟を決めて市場価格での損切りを行なうべきです。
昨日お会いしたある不動産会社の社長さんは
「去年は、あわせて2億円の損を出しました」
と、にこやかな顔でおっしゃっていました。
年商に匹敵する十数億の借金があって、
毎日のように銀行から「売れてますか」という
不愉快な電話がかかってきていたのが、
今は4千万に減って、掌を返すように
「いくらでもお貸しします」となっているそうです(笑)。
売れないものにいつまでもしがみついて
損失を拡大するよりも、とっとと損切りをして
新しい事業に力を注ぐ、という姿勢はさすがです。
財閥系の大手も、早くそういう方向に
舵を切ってほしいものです。
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