3年から5年先に、住宅産業はビッグバン


日本の景気は減速し始めたそうです。
というか、今まで本当に回復していたのでしょうか?
復興需要、なんてことをいっていましたが、
アレって震災の被害地と、その予算を流用できた
一部の利権世界だけのはなしでしょ。
少なくとも、私の周りには何にも関係ありませんでした。
だから、景気回復なんて実感はまるでなし。

まず、マンションは売れていませんね。
レポートを書くために都内のおもだったエリアの
マンション市場を観測し続けていますが、
何とか完売しているのは値引きをしている物件ばかり。
また、完売と言っても本当に一般エンドユーザーに
販売したのか疑問に思える物件も多いですね。
というのは、関連会社に売却しても完売は完売。
帳簿上で売却したことにして登記は動かさず、
本当に売れたときにまた買い戻したカタチにする、
なんていう奥の手もありますから。
完売した物件が、いきなり賃貸募集なんてしているのは
関連会社に売却しても最終的に買い手を見つけられず、
しょうがなく資産として活用しているケースです。

しかし、マンション市場では全体的に「売れていない」のに
次々と新しい物件が出てきます。
来年前半までは供給ラッシュが続くのでないでしょうか。
本当は前半だけではなく、後半も再来年も予定はあるのですが、
私は前半で失速がハッキリするのでその後は鈍ると予想します。
どうなるのでしょうね?

株式市場は、安倍政権誕生によるリフレ政策を織り込んだようです。
このままでいけば、総選挙は自民党の歴史的な大勝利。
素直に喜べないのは、自民が勝てる理由は3年半前の民主と同じ。
政党として期待されているのではなく、単なる敵失にすぎないからです。

ところで、自民党は「国土強靭化政策」なるものを掲げています。
ありていに言えば、公共事業の復活みたいなものでしょう。
でも、以前のように明らかに「そんなもん、いらんやろ」といった
ハードにお金を注ぎ込むのではなく、
インフラの整備に使って欲しいですね。
笹子トンネル事故のようなことは、今後もままありそう。
1960年代、50年代に作られた道路、橋梁、トンネル、ダムなどの
土木施設はこれから本格的に更新期に入りそうですね。
これはアメリカでも同じ問題が指摘されているそうです。

そして、各政党とも少しは住宅にも目を向けて欲しいですね。
どの政党もこの選挙で住宅政策を表に出さないのは、票にならないから。
住宅は国民の隅々まで行き渡っており、
そこに切実な不満や政府への強い要望はありません。
逆に言えば「足りている」状態なのです。
だから、国民に訴える必要性がなく、票にもならない。

ただ、だからといって「何もしない」でいいことはありません。
いってみれば「足りすぎている」現状は恐ろしい未来へつながっています。
住まいの老朽化がもたらす様々な問題。
郊外ニュータウンはスラム化の危機に立っています。
そして、過去に「高い住宅」をローンで
買ってしまった人々の貧窮状態をどうするのか。
バブル期前後に郊外住宅を35年ローンで購入した団塊世代の多くが、
定年後に住宅ローンを払えずに自己破産しています。
はたまた、今後数年以内に起こるであろう
住宅産業のビッグバン的な再編。

今日はちょっと、そこを突っ込みましょうか。
この国は、ここ数年は80万戸ペースで新築住宅が建設されています。
これはいくらなんでも多すぎですね。
多分、3から5年のうちに半減するでしょう。
もちろん、新築分譲マンションのニーズも同様に数年後には半減。
首都圏や近畿圏ではそこらじゅうが新築未入居の
マンションだらけになりそうな予感がします。

当然、マンションデベロッパーも倒産するでしょうね。
2008年から09年に起こった倒産ラッシュの再来ほどでないにしろ、
3社や4社は逝くのではないかと思います。
ハウスメーカーも再編が予想されますね。
ゼネコンも何社かあおりを食うでしょ。
あるいは、倒産件数が一番多いのはゼネコンかもしれません。

本格的な住宅産業の再編期は、数年後に迫っているのです。
で・・・それに対して我々が出来ることはなんでしょう?
そんなに多くのことはありません。
●なるべく高い住宅を買わない
●子どもを住宅産業に就職させない
●住宅産業の株を買わない
●使っていない住宅は、今のうちに売っておく
●闇雲な不動産投資をしない
●今、住宅産業に身をおいているのなら、早めに転職する
そんなところでしょうか。

今年の末から来年の春先にかけて、安倍新政権による
リフレ型経済政策への期待から、一時的に景気が浮揚しそうです。
来年後半は消費税増税に対する「駆け込み需要」が発生するかもしれません。
でも、それらはあくまでもいっときの現象。
これからの日本は、住宅への需要縮小を粛々と受け入れ
上手にそれに対処していかなければならないのです。
一時的な需要で住宅産業が盛り上がっても、
それが長く続くことなんてあり得ないとお考えください。
たとえ景気が良くなっても、人間の数は増えませんから。
これからマンションを購入しようとする方は
けっしてそのことを忘れないほうがいいでしょう。

参考レポート

東京のタワーマンション
全解説59物件
価格 13,900円

物件が増えて、なんと244ページに!
致し方なく、価格も上げさせていただきました。
ここで取り上げた物件は以下の通り(アイウエオ順)。

アークヒルズ仙石山レジデンスー
アトラスブランズタワー三河島
インプレスト芝浦 エアレジデンス
ウェリスタワー千代田岩本町
ウェリス愛宕虎ノ門
大崎ウエストシティタワーズ
OWL TOWER
勝どきビュータワー
CAPITAL GATE PLACE
クラッシィタワー東中野
グランスイート麻布台ヒルトップタワー
グランドヒルズ三軒茶屋
クレストタワー品川シーサイド
クレストプライムタワー芝
クロスエアタワー
コンシェリア西新宿TOWER’S WEST
ザ・グランアルト錦糸町
ザ・山王タワー
ザ・タワーレジデンス大塚
ザ・パークハウス 青砥
ザ・パークハウス浅草橋タワーレジデンス
ザ・パークハウス新宿タワー
ザ・パークハウス西麻布
ザ・パークハウス 晴海タワーズ
ザ 湾岸タワー レックスガーデン
SAION SAKURAZAKA
THE ROPPONGI TOKYO
シティタワー赤羽テラス
シティタワー麻布十番
シティタワー有明
シティタワー上野池之端
シティタワーズ豊洲 ザ・シンボル
シティタワーズ豊洲 ザ・ツイン
シティテラス大井仙台坂ヒルトップガーデン
SKYZ TOWER&GARDEN
東京豊島区再開発プロジェクト
東京ベイシティタワー
パークコート麻布十番ザ タワー
パークコート千代田富士見 ザ タワー
パークコート六本木ヒルトップ
パークタワー山王
パークタワー高輪
パークタワー東雲
パークタワー渋谷本町
パークタワー滝野川
パークタワー西新宿エムズポート
パークタワーグランスカイ
二子玉川ライズ タワー&レジデンス
プラウドタワー東雲キャナルコート
プラウドタワー白金台
プラウドタワー高輪台
プラウドタワー千代田富士見レジデンス
ブランズタワー文京小日向
ブリリア有明シティタワー
ブリリア有明スカイタワー
ライオンズタワー目黒川
ル・サンク大崎ウィズタワー
ルフォン白金台 ザ・タワーレジデンス
ルミナリータワー池袋

このうち「買ってはいけない」26物件を抽出したのが

買ってはいけないタワーマンション
東京都心編 26物件
価格 6,980円


2012/12/9 23:37 Comments (0)

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