先日、某メジャー週刊誌から電話取材されたのは
「株価が上がると、不動産価格はどうなるか?」という内容。
まあ、「マンションの価格も上がるから今が買い時」という類の
コメントを引き出したかったのでしょう。
私はこのブログで前から言っていますが、
今年の早い時期に株価は15000円を超えると思います。
そうなれば、7000万円以上の高額マンションが
それこそ「飛ぶように」売れるはず。
いってみれば、小規模な「バブル」がやってくるでしょう。
これによって、マンション業界は一気に活気づいて
それこそ「素破、バブル到来だ」と騒ぐでしょう。
現に、気の早い連中はもうそのつもりになって走り出しています(笑)。
でも、本当にバブルでしょうか?
私は元々経済学徒ではありませんが、ここ数年にわか勉強いたしました。
別に最新の経済学を学んだわけではありません。
ああいう正式な学問は、やたらと手間暇掛かる割には
実際の役に立たないことが多いもの。
私の場合は、新聞やネットの経済記事を読みまくること。
まあ、学問というよりも感覚を養ったという方が近いですね。
その感覚で申し上げれば、今回の潮流を仮にバブルと呼ぶにせよ
あの2008年に崩れ去った「不動産ミニバブル」よりも短い、
ほんの小さな「ミニミニバブル」にしかならないはずです。
まあ、このままだと来年4月の消費税引き揚げて「萎む」はず。
「弾ける」ほど膨らんでいないから「萎む」のです。
しかし、私に電話をかけてきた某週刊誌もそうですが
メディアはバブルを煽りに煽っていますね。
みなさんも、よく思い出してください。
メディアが「バブルだ」と言っている頃って、
実はもう峠を越えていたりすることが多いのです。
今回はさすがにもう少しこの流れは続きそうな気がしますが・・・
もうすぐ、経済誌が「不動産・マンション特集」みたいなのを組むはずです。
中身は「マンションや不動産がこれだけ値上がりしている」みたいな内容。
ひょっとしたら、私のところにもコメントを求めてくるかもしれません。
でも、そういう時はすでに多くの人が「値上がり」を実感しています。
そして、すでに頂点を過ぎているケースも多いもの。
この前のミニバブルがそうでした。期間は正味2年というところ。
1年目の終わりごろによく経済誌が地価高騰を騒いでいました。
でも前々回の平成バブルは、およそ4年は続きましたね。
経済誌どころか、すべてのメディアが大騒ぎ。
その浮ついた状態が4年近く続いたワケです。
今度は・・・まあ、数か月くらいではないでしょうか。
その論拠は単純。「お金が続かない」ということ。
アベノミックスとは、短期的には政府支出を増やして景気を刺激。
金融政策と政府支出でインフレを誘導します。
そして、景気回復とともに財政を絞って政府支出を圧縮・・・
というシナリオだと私は理解しています。
つまり、目先1年か、せいぜい2年は政府がお金を使いますけど、
それ以後は景気が良くなるから民間でがんばってね、というもの。
シナリオ通りに景気が回復してインフレになれば
税収も増えて財政が好転するから一挙両得。
実際、今の日本経済にとっては「これしかなかろう」という政策。
私も個人的に正しいと思うし、心情的に応援しています。
ただし、それが不動産のバブルを生むなんてちっとも思っていません。
あまりにも傷んだ企業の業績を回復させるのには有効。
それが個人消費につながれば、景気も少しはよくなるでしょう。
でも、不動産バブルを生むにはもっと強力な需要が必要です。
今の日本には、そんなものどこを探しても出てきません。
確かに、目先お金のめぐりがよくなるから世の中は明るくなります。
だからといって、不動産価格が上がり続けるとは限らないのです。
経済学の原則から言って、モノの価格が上昇し続けるために
必要なものは「継続的な有効需要の増大」に他なりません。
ついでに言うなら、「需要に追い付かない供給」を加えるべきでしょうか。
今、日本国内の不動産におけるオフィスや住宅などにおいて
そんな継続的な需要の増大は「あり得ない」といっていいでしょう。
むしろこの先どんどん需要は萎んでいくはずなのです。
逆に、住宅もオフィスもハッキリと「余っている」状態。
であるにも関わらす、どんどん新しいのを作り続けています。
その状態で今一時的に不動産価格が上昇するとすれば、
それはただの「狂い咲き」以外の何ものでもありません。
つまり、ノセられた人が創り出した「オッチョコチョイ価格」。
現に、一部でそれにつながる現象が出てきています。
まず年明けからこの方、新築マンションのモデルルームにやってくる
来場者の数が少しではありますが増えています。
富裕層もマンション購入に動き出している気配を感じます。
まあ、業界的には喜ばしいことです。
しかし、エンドユーザーにとっては危険な現象です。
なぜなら、この空気に騙されてヘンなモノを高い価格で
買ってしまう可能性が大きくなるからです。
実は、このブログの無料相談から寄せられる
マンション購入についてのご相談が最近とみに増えています。
また、私の発行している有料の「マンションレポート」を
ご購入くださる方も多くなってきました。
これらは、確実に市場の動きと連動していると思われます。
マンションご購入を検討されている方に、一言申し上げましょう。
今年は、マンションを購入するには非常に難しい年になっています。
というのは、ここまで申し上げた通り経済全般がよくなりかけたことで、
不動産の価格が本来の市場価格から不自然にブレる気配が
濃厚に感じられるようになってきたからです。
といって、まだハッキリした値上がりを認めるまでになっていませんが・・
しかし、すでにマンション分譲業者は弱気から強気に転じています。
こうなると、いろいろと厄介なことが起こります。
まず、連中の多くは人間的な完成度が低いので、
強気になると不必要に不愉快をばらまく習性があります。
つまり、みなさんがモデルルームを訪れた時に
「イヤー」な思いをする確率が高まるのです。
そうでなくても、モデルルームは心理的に「しんどい所」ですよね。
「榊さん、どうしてモデルルームで出てくる担当の人って、ちょっとヘンな人が多いのですか?」
これは、私のところに面談の有料相談に来られる方の
3人に一人くらいがおっしゃること。
「それは何だか申し訳ございませんね」なーんて、
私が謝らなくてもいいのに謝ったりして(笑)。
長らくあの業界の周縁にいたせいで、
自然にアチラ側に立ってしまったりするのです。
今は完全にみなさん側の立場でモノを申し上げているにも関わらず(笑)。
まあ、それはいいとして・・・
もうひとつは、分譲業者が強気になると、
みなさんが割高で買ってしまう可能性が高まります。
カンタンに言えば、本来なら値引きしなければ売れない物件が
世の中の熱に浮かされて、値引きしなくても買う客が現れてしまう・・・
だから、それまでの値引きを急に撤回したりします。
そういう物件は、世の熱気が去ると急速に「本来の価格」に戻ります。
つまり、値下がりするのです。危険でしょ。
まあ、私のこのブログを読んでも「どうせあんな奴の言うことだ」と
ヘンなマンションを割高のまま買ってしまう人もいるでしょう。
でも、購入を決断する前に、一度は冷静なアタマで考えてくださいね。
1 アベノミックスは魔法ではない
2 景気刺激策は1年か、長くて2年
3 日本国内の不動産への需要は先細り
仮にアベノミックスが成功して景気が本格的に回復しても
5年10年という中長期の視点で見れば、
不動産価格が値下がりするのは確実です。
なぜなら、需要が減るのが確実だからです。
供給が増えているのも確実です。
ですからみなさん、メディアの報道に踊らされないでください。
迷ったら、私の無料相談をご利用くださってもいいし、
ご検討物件を取り上げているレポートをお読みくださってもOK。
1回10500円の有料相談をご利用いただいても結構です。
今まで、メディアに踊らされて住宅を購入した方の
ほとんどは「失敗」に近い状態だと思いますから。
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