本日、某マンションのパンフレットに載せるコピーを書きながら、
株式市場の動きを横目で眺めておりました。今年最大の下げだそうです。
原因は、まず円安。ユーロ危機が一部再燃したという報道。
また、アベノミックスの3本目の矢「成長戦略」の
中身を見定めようとする空気も出てきましたね。
株価は、2本目の矢までは「織り込んだ」のでしょうか?
私は、ちがうと思います。
これくらいの調整はあってしかるべしでしょう。
だってまだ、13000円にも達していません。
私は、ここで書いたように「年内の早い時期に15000円」と考えます。
そうなれば、高額系のマンションがジャンジャカ売れます。
現に今、一部でそういう動きが出ています。
業界的な見方をすれば「15000円」は大歓迎。
都内にマンションを所有している私としても
どちらかというと騰がってくれた方が嬉しいことには間違いなし。
ただ、今騰がり始めた段階で浮かれて買った人が、
何年か先にどうなるかは別問題です。
さて、足元の不動産業界。中小デベが悲鳴を上げています。
「土地が買えない」
どうしてなのでしょうね?
私も不動産屋よろしくいくつか土地情報を持ち歩いていますが、
こんど知り合いの中小デベへ本格的に売り込もうかと考えたくらい(笑)。
ただ、まあ分からないことでもない現象。
まず、建築費が相当に騰がっているようなのです。
原因は、もちろん復興バブル。大勢の職人が東北へいったまま。
今回、アベノミックスでまたぞろ予算がガバっと付きました。
職人さんたちは手間のいい東北にいったまま帰ってきません。
ますます、建築現場が困りますね。
現場に近い方々に話を聞くと、リーマンショック以後で
中小の建築業者は3割くらいが淘汰されたのではないか、ということ。
つまりは絶対数が減ってしまったわけです。
「だったらカムバックすればいいのに」と思いますね。
でも、そういうワケにはいかないようです。
ずっと続いた建築不況で、中小業者さんたちの多くがヘロヘロに疲弊。
「ちょっとくらいいいからって、戻れないよ」という
状態なのではないかと想像します。
それで、マンションの土地の話に戻します。
建築費が高騰しているから、マンションの価格に反映しようとしても
そこはご存じの通り市場はかなりの弱含み。
今年の初めから少しだけ「人が動いた」感じはありましたが、
「結果」につながっているという話を聞きません。
あえて言えば、7000万円以上の高級物件や「諦めて」値引きした物件。
あるいは京都の「御所周辺」といった特殊エリアの物件。
そういったのがちょこっと動いたくらいでしょ。
マンションデベは全体的に「売れていない」と感じています。
だから「販売価格を上げる」という選択はかなり危険なのです。
すると、土地の仕入れ値を下げなければなりません。
ところが、なぜかここ1年ほど土地が出にくくなっているようです。
みんな「そんなに安いのなら売りたくない」という状況でしょうか。
だから「土地が買えない」・・・と、私は勝手に考えています。
アベノミックスで株価が15000円に向かうと、
中小業者はますます土地が買えなくなりそうですね。
そういった場合、地主さんは相対的に強気になりますから。
かといって、すぐに新築や中古のマンション価格には反映されません。
なぜかというと、それを買う人の所得まで上がっていないから。
給料が上がらないのに、マンションだけ高くなっても買えません。
「トヨタが満額回答」なんて羨ましいいようなニュースが流れました。
これから、大手企業を始めとして久々に「賃上げ」の話が多くなりそう。
そういうのが世間に行き渡る今年後半から、
やっと5000万円以下の普通のマンションが売れ始めるような気がします。
で・・・不動産業界的に「望ましい」シナリオは
来年4月の消費税増税前の「駆け込み」需要で、一気に在庫を一掃。
今年、多少「高め」に仕込まざるを得なかったプロジェクトも、
景気回復とともに想定価格で十分に販売が進む・・・というもの。
うーん、かなり都合がいいですね。
でも、このシナリオが現実になる可能性は小さくありません。
ただし、もしそうだとするとミニミニバブルです。
またすぐに、「売れない」という苦しい状況に戻るでしょう。
結局、需要以上に作りすぎている場合は「売りにくい」のです。
何度も書いている通り、最も望ましいのは「成長戦略」の成功。
そして、日本が本格的な経済成長の時代に戻ること。
しかし、それはよほどのイノベーションが起こるのか、
人口減少が増加に逆転しない限りあり得ません。
したがって、ミニミニバブルがやって来たからといって
今後ずっと「不動産価格が上昇する」ということもないでしょう。
「価格が上がる」理由が見当たらないからです。
世間のインフレ率程度に上がることはあるかもしれませんが。
「外国資本が買いに来ている」という噂はあります。
現に一部でそういう現象が出ています。
支那から、ある首脳の側近が「ウン千億で日本の不動産を購入」なんて
ウソかホントか分からない話が業界を巡っています。
さらに、またぞろ海外ファンドが日本に戻っている、という噂もチラホラ。
でもねー・・・ああいう連中は逃げ足も速いから。
前回ミニバブルの時の海外ファンドなんて、今はほぼいません。
彼らはあくまで「投資」で日本の不動産を買います。
その投資目的が達せられなかったり、変わった場合は躊躇なく引き揚げます。
だから、そんなものを基本的にアテにしない方がいいのです。
明日はきっと、株価は「戻す」と思うのですが・・・
榊マンション市場研究所・春の不動産セミナー
「アベノミックス後のマンション購入は?」
日時:2013年4月20日(土) 午後1時15分より(午後1時開場)
場 所:ルーテル市谷センター 第1・第2会議室
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