今日は日経平均が14000円を大きく割ってしまいました。
嫌な感じですね。特に悪い材料はなさそうなのに・・なぜ?
何度もここで書きましたが、株価は高級マンションの市場動向と、
かなり連動する関係にあります。
株価がさえないと、売れなくなるのです。
やはり、消費税増税の反動不況を織り込み始めたのでしょうか?
まだ半年先のことなのですが・・・・
実は、マンション市場でも9月の反動が出始めた気配があります。
10月の市況はちょっと悪くなるかもしれませんね。
常々言っていることですが、自分の家を買うのに
いちいち世間の動きに惑わされないことが大切。
消費税が上がるから、みんなが買っているから、オリンピックが来るから・・・
そういう理由で自分の家を買うべきではありません。
ご自身やご家族の人生とって必要であるのかないのか?
資金的に無理なく買える状態であるのかないのか?
そういったことが大切だと私は思います。
さて、では今日の本題に移りましょう。
明日発売される「週刊スパ!」に、私のコメントが掲載される予定です。
テーマは「マンションはスラム化する」みたいな感じ。
日本でマンションが開発分譲されたのは、
ちょうど前回の東京オリンピックが開催された頃。
つまり、日本のマンションはたった半世紀ほどの歴史しかないのです。
「区分所有」という概念も、マンションとともに生まれました。
多くの人が誤解しているのですが、マンションは近所づきあいがないから
戸建て住宅よりも面倒が少ない・・・なんて。
コレって、本当は大きな間違いなのです。
最近は、戸建て住宅の方が近所づきあいもなく面倒が少ないくらい。
厄介なのは、ゴミだしの日と場所が決まっていることくらいでしょうか。
マンションの場合、否が応でも「管理」という問題が発生します。
何年かに一度は理事か理事長を勤めねばなりません。
この厄介な共同体の運営に参加せざるを得ないのです。
「そんなの、誰か熱心な人に任せておけばいいじゃない」
まあ10人の内8人以上はそう考えているでしょうね。
しかし、そこに大きな落とし穴があります。
私は、1人の人間が3年以上理事を務めるべきではないと思います。
共同体であるマンションでは、みなが同様に役割を果たすべきです。
だから、多くのマンションの管理規約では
理事の任期を1年ないし2年としています。
ところが、中にはこれを「立候補は別」と改悪している例が見られます。
そういうマンションでは、同じ人間が何度も理事長になります。
これも多くの人間が誤解していることですが、
理事長というのはメンドクサイ仕事の反面、巨大な権限があります。
その最大のものは予算の執行権と言うべきもの。
例えば、500戸のマンションで管理費と修繕積立金が1住戸2万円の場合、
1年で1億2千万円のお金が動いていることになります。
ありていに言ってしまえば、そのお金をどう使うかは
理事長の考えに大きく左右されるのです。
だから、1人の人間が長く理事長を務めるべきではありません。
また、同じ人間がずっと理事会や監事職にとどまるべきでもないのです。
マンションは共同体です。いってみれば村みたいなもの。
何十年も同じ人間が首長を務めている村や町が多くの場合、
どうしようもなく機能しなくなっていることは、みなさんよくご存じのはず。
ですから、理事会はすべての区分所有者が一度は経験してみるもの。
自分たちのマンションの資産価値を守るために何すべきなのか、
あるいは何をするべきではないのか、真剣に考えなければいけません。
さらに、日々起こる様々な問題を解決するために汗を流すべきです。
それを怠けていると、マンションの資産価値がどんどん劣化します。
例えば、管理費や修繕積立金の滞納が多くなると、予算が不足します。
管理会社に報酬が払われなくなると、彼らはサービスを提供しません。
清掃やゴミ出しの管理サービスが受けられなくなります。
エレベーターが壊れても、修理できなくなったらどうしますか?
ネットがつながらなくなったら? 水道が出なくなったら?
マンションというのは、そういった管理がキッチリ行われる、
という前提で快適な生活が送れるものなのです。
どれか一つでも滞れば、そのマンションの資産価値が途端に下がります。
そして、管理サービスというものは、全住戸の9割以上が
キッチリ管理費や修繕積立金を支払う、という前提で予算が組まれます。
今後、地方や郊外遠隔地のマンションでは、区分所有者が
その義務を果たさないばかりか、実質的には所有権も
放棄状態になるマンションが増えるでしょう。
全住戸の3割でもそういう状態になってしまうと、
十分な管理サービスを受けることは不可能になります。
そして、徐々にスラム化が進むことになるのです。
最後は誰も住まなくなった廃墟が残るだけ。恐ろしいですね。
もちろん、そんなマンションの資産価値はゼロ。
ハッキリ言って、これは今後の大きな社会問題です。
まだ、誰もそのことを声高に言っていません。
しかし、「週刊スパ!」は流石。先見の明がありますね(笑)。
みなさん、明日発売だそうですから、ぜひ読んでください。
夕刊フジの公式サイト zakzak
に榊淳司の連載コーナーが設置されています。
どうぞ、みなさん寄って行ってください。
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