アベノミクスというのは「3本の矢」と理解しています。
2本目までは金融緩和と公共投資。
まあ、政府と日銀ができることですね。
3本目は「成長戦略」となっています。これがここ半年以上、不発。
実際、ほとんど何もなされていないと言っていい状態。
そもそも金融緩和と公共投資はカンフル剤みたいなもの。
本来の主役は「成長戦略」であるはずです。
その中でも、最も簡単なのは規制緩和です。
「東京にカジノを作る」というのも一種の規制緩和。
なぜ、これがスムーズに進まないかというと、官僚の抵抗です。
カジノが出来てしまうとミニカジノであるパチンコが廃れます。
パチンコの利権は警察が握っています。
管内にパチンコ店が10軒もある警察署は、署長を5年も勤めれば家が建つ・・・
なーんて囁かれていた時代もありました。
カジノが出来れば、それもかなり危うくなります。
農業を株式会社が行ってはいけない・・・という、
何とも摩訶不思議な規制も早々に撤廃してほしいものです。
日本のお米の生産の90%が株式会社製造、なんてことになると
農協はいらなくなります。困るのは農水省。
天下り先が一気に半分以下に減りますから。
安倍さんはよくやっていると思いますが、成長戦略はまだまだ。
官僚にいいように操られているように思えます。
あたりまえですが、官僚というのは国益よりも省益を重視します。
既得権益を離さず、あわよくば拡大しようと図ります。
その動きは往々にして社会から活力をそぐ方向に働きます。
田中角栄以来、官僚に対して優位に立った首相はいたのでしょうか?
ずっと官僚に支配され続けている、としか私には見えません。
そういった中、日本という国は全体を見れば緩やかな衰退期に入っています。
これから、徐々に縮小均衡を図っていくのでしょうか。
アベノミクスの副作用として、不動産価格がやや上昇気味です。
これを歓迎するのは国土交通省と不動産業界。
実に誤った価値観だと私は思います。
私たちの可処分所得の多くが「住居費」に消えています。
住宅ローンや家賃です。
不動産価格が下がると、そこに払うお金も少なくなります。
私たちの実生活が豊かになるのです。
もっとおいしいものを食べて、行きたいところに旅行して、
買いたいものを買って、乗りたい車に乗れるのです。
私たち日本人はずっと「住まい」に高いお金を払ってきました。
誰に対して払っているのか?
土地を持っている人。不動産会社。そして固定資産税を取る地方自治体。
でも、今や国土の隅々まで開発が行きわたり、
たくさんの住宅が建設され、余っています。
日本人は有史以来やっと「住宅不足」から開放されたのです。
だから、地方に行くと使える家が数百万円で買えます。
スキーエリアのリゾートマンションなんかタダ同然です。
多くの日本人が、今や数百万円しか価値が認められない住まいに、
営々と数千万円のコストをかけてきたのです。何たる愚行。
今後、首都圏でも都心エリア以外では住まいの価値が徐々に下がります。
オリンピックや建築費高騰と言っても、人口減という大きな流れは同じ。
いずれ下落基調に戻るのは理の当然だと思います。
支那人が都心のマンションを買い漁っていますが、
今のところ一部の動きと呼べる程度。
日本は基本的に移民政策を変更していません。
東京で人口が減りはじめるのは6年後と言われています。
深刻な高齢化が進むはず。
残念ながら、いまのところアベノミクスはただのカンフル剤。
気の利いた成長戦略は、いったいいつ出てくるのでしょうね?
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まろたん先輩
それは何とも羨ましい限りです。私など未だ俗界にあって些事にかまける日々。
最近、細川元首相が東京都知事選出馬で「何たるバカなことをしなさる」と歎息しました。さして秀でた能力もないお方が75歳で俗世界の泥の海に飛び込むなど愚の骨頂。まさに晩節の穢れ・・・しかし、自分が75になった時に淡々としていられる自信はないです。「春風駘蕩」と生きられれば良いと思いながら、下らぬ馬鹿者を相手に「獅子博兎」などとやっている自分は、血の気もそれなりに残っているようで(笑)。また、コメントください。楽しみにしております。 榊淳司
榊さま。
アベノミクスの本命・規制緩和は、野垂れ死にでしょう。
上から下まで、右から左まで、
政・財・官・業から、栄養タップリのおばちゃんまで、
握りしめたこぶしは、いっさい締めたままですから、
アベチャンも羽交い締めされたまま、また慶應でしょう。
個人的なことですが、ひとくさり。
60で完全リタイアし、待ってましたとばかり動きました。
将来に向けた個人的な宿題を、つぎつぎに片付けました。
打つべき手は打ったと、誠に充実した数年間でした。
団塊オトコとしては、行く末に待つ老後=介護が心配。
ほとんど不勉強モノでしたので、一気に勉強しました。
関連図書は100冊は読みました。
介護のセミナーにも出て、業界人のチエもいただきました。
ひと口に老後と言っても、個々人さまざまでしょう。
自分には、どんな老後が待ち受けるのか分かりませんから、
オールラウンドに対応出来るべく志向しました。
とは言え、広くて右往左往でしたが、要点は押さえました。
備えあれば、憂いなし。
人事を尽くして、天命をまつ。
古来、賢人は言い遺しています。
老後は、誰にとっても「未踏」の世界です。
今までの経験が及ばぬところであり、かつ、
人事を尽くした備えも、限界はあります。
畢竟そこでは、個々人の「生き方」こそが問われる、
人生の総仕上げでしょう。
終わりよければ、すべてよし。
晩節を汚すことなく、ですね。
榊さまにはチト早い話題で、失礼しました。
2014/01/13 18:27 | by まろたんRSS feed for comments on this post.