最悪のシナリオはハイパーインフレ

景気は本当に回復しているのでしょうか?
いろいろな指標は景気回復を示唆しています。
確かに、暗い話は少なくなりました。
求人倍率は1倍を超えたみたいですね。
でも、ちっとも聞かないのは個人所得の向上。

昨日、松井証券が一人平均100万円の臨時ボーナスを支給。
これって、とってもいい話ですけ、まだ一部の動き。
何万人も従業員を抱えるNTTやJR、トヨタ、東芝、日立クラスが
そういう景気のいい大盤振る舞いをして欲しいもの。
でも、日本のサラリーマンの6割は中小企業に勤めています。

今日、株価は大幅に上がりました。
でも、ここ1週間ほどは不安定な動きに終始しました。
株価は何かを知っているのです。
年初、多くのエコノミストが株価上昇を予想していました。
果たして、今年の年末の株価はどのあたりでしょう?

私は昨年の年央「年末1万8千円」と予想して大はずし。
懲りずに今年もやってみると、まあ1万3千円でしょうか。
弱気の原因はなんといっても消費税。
3%から5%に上がった時の記憶が、まだ生々しいもので。
あの時は2%。今回は1.5倍の3%分が上がります。
もう17年も前の話ですが、爺は昔話が好きなのです。

だから今回、3%アップの波を静かに乗り切れるとは思えないのです。
私の専門であるマンション市場はたいして影響ありません。
実質、もう8%になっているようなものですから。
心配なのは、一般消費財やぜいたく品。
あるいは自動車などの耐久消費財。さらには日本経済全体。
株価は果たして増税後の反動減を織り込んでいるのでしょうか?

また、今や世界経済は連動しています。
支那や韓国の歪な経済構造がいつ不具合を露出させるのかも心配。
新興国の経済不安がたちまち世界の株価を同時安にする時代です。
さらには、円安で恩恵よりも打撃を蒙っている企業の業績。
いつまでも有効な成長戦略を打ち出せない安倍政権。
心配事はたくさんあります。

最近、マンションレポートの更新をしていて感じるのは、
都心と郊外では様相がまるで違うこと。
次々と「完売御礼」がでる都心に比べて、
郊外は民主党政権の不況時代とさして変わらないスピード。
アベノミクスの余波は多摩川や荒川を越えていません。

その好調な都心でも、ちょっと翳ってきた感じがします。
結局、まだ景気が回復しているというのは実感よりもムード。
実際に財布の中身が厚くなった方はごくごく少数。
「さあ、これから」の段階を抜け切っていません。
もし、この4月の消費税増税が無ければ「このまま突っ走れ」
ということになるはずです。
でも、4月以降は確実に3%分の購買力が落ちるのです。

私はずっと考えているのですが、同じやるなら
なぜ一気に10%にしなかったのか、ということ。
そうすればショックは1回で済みます。
まず8%、その1年半後に10%・・・なんかみみっちい。
何事にも保守的で気の小さい役人の考えそうなこと。

今年の後半に10%に上げるかどうか決めるそうですが、
もし景気後退が起こっていればやめるのですか?
1回止めると、次に増税を決めるのは大変ですよ。
おそらく10年以上はかかるような気がします。
政権は不人気な政策を採用したがりませんから。
そうでなくても、来年は統一地方選挙があります。
再来年は参議院選挙。衆議院解散の機運も高まるでしょう。
そんな時に政権は不人気な増税を決断できるのでしょうか?

というわけで、もし4月以降に景気後退がおこれば、
年末の10%増税への決定はなくなります。
その延期はかなり長期に及ぶでしょう。
さらに、4月以降に景気が後退すれば税収も減ります。
所得税や法人税などが落ちれば、3%の増税分なんて吹っ飛びます。
平成27年度の予算は、またぞろ国債漬け。
国の借金総額はうなぎ上りで1500兆、2000兆と積み上がり・・・
そのあとは超円安のハイパーインフレ、というのが最悪のシナリオ。
そうならないことを願っているのですが・・・・

最近の経済ニュースを見ていると、様々な問題を弥縫策でごまかしながら
徐々に根を深くしていっているように思えます。
日米欧はもちろん支那までもが金融政策を
景気対策の第一としているのが、その典型ではないでしょうか?
金融というのはあくまでも産業社会の血液です。
それはさらさらと流れているに越したことはありません。
しかし、実際に動く筋肉や骨格、あるいは内臓といったものが
産業社会における生産企業、流通企業、サービス企業にあたります。
つまり、血液の流れをよくしたら、本当の体力を鍛えて
健康体に戻さなければいけないのです。
今の日本にも他国にも、どうもその視点が欠けているような気がします。
特に健全な産業社会を持たない支那経済は、いかにもハリボテです。

さて、レポートの更新情報です。
今日の記事に書いた通り、郊外のマンション市場は
必ずしも好調とは言い難い状況です。
まあ、一時よりもかなりマシではありますが。

今回、「千葉・茨城の大規模マンション」を最新情報化。
販売が好調とは言い切れないエリアですが、
どんどこ新しい物件が登場しています。
最注目は「ザ・レジデンス津田沼奏の杜」です。
めずらしく、千葉エリアでは「買ってもいい」レベル。
「サングランデ船橋宮本」は、実用で選べますね。
ご興味のある方は読んでみてください。

千葉・茨城の大規模マンション
全22物件の徹底分析
価格 3,590
■ザ・レジデンス津田沼奏の杜,■ライオンズタワー柏,■THE幕張BAYFRONT TOWER&RESIDENCE,■サングランデ船橋宮本,■I’TERRACE project,■LEBEN THE TSUKUBA プロジェクト,■パークホームズ稲毛小仲台,■幕張ベイタウン グリーナ,■ザ・パークハウス 新検見川,■ヴェレーナシティ千葉ニュータウン中央,■ヴィークスクエア船橋高根台,■ヴェレーナシティ 行徳,■ウェリス稲毛,■グランソシア船橋芽吹の杜,■シティテラス南行徳,■パークタワー八千代緑が丘,■パークシティ柏の葉キャンパス2番街,■シティテラスおおたかの森ステーションコート,■幕張アクアテラス,■ユーカリが丘 スカイプラザ・ミライアタワー,■サングランデ印西牧の原ドアシティ,■ユトリシア、以上の22物件を収録

どうなる、2014年の不動産市場?

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に榊淳司の連載コーナーが設置されています。


2014/1/29 16:15 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんばんは。
僕はFXをやっていませんが、円高は再びやってきそうな気がしますよ。
日本の産業構造は国際標準から見れば悪くないと考えています。
この国の脆弱ポイントは財政赤字とヘナチョコ憲法。
それに国内世論の不統一。朝日新聞やNHKの反日性。
ただ平明に見ると支那や韓国やロシアはもっと大きな脆弱ポイントを持っています。
アメリカには財政問題がありますが、ドルを刷れる強みがある(笑)。
日本経済の一番の問題は財政破綻。
でも、これって日銀が国債を消却すれば済む問題ですけどね(笑)。
お休みなさい。また、楽しい投稿をお待ちしています。

2014/01/30 00:09 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

浪費グセが抜けないニッポン。
いちど浪費の「アジをしめる」と、
もう止められないでしょう。
カラダが覚えてますから。
ね。

今、今世紀最後の円高だ、と。
夢遊病のような超低金利のお蔭で、
カツカツ息をして来ています。
行く末について、悲観・楽観、さまざま。
まるで、ヒトゴトみたい。

「もはや、べき論を言っている情況では、ない」
と、或るエコノミストの弁。

その通りです。
が、カラダがアジをしめてしまって、
ドタマに反して感応してしまう。
だから、
・・・ 行くところまで、行くしかない。
カラダが、そう叫んでいます。

旅の役者と、兵隊さんは、
いずこの土地で、果てるやら。

そろそろ、FXで、
米ドルとか、スイスフランあたりを、
買い持ちしておきましょうか。

ごきげんよう。

2014/01/29 23:11 | by まろたん

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