日本の「住宅史」というものがあるのなら
昨年(2009年)は、一大ターニングポイントであったと思います。
いつものように、榊流に超カンタンに言ってしまえば
「供給が需要を上回った」ことがハッキリと目に見えた年、なのです。
昨年の今頃は、新築マンションの値引き販売が盛んに行われていました。
マンション専業のデベロッパーが、決算対策のために
それこそ「なりふり構わず」に値引きをしていました。
昨年の新築マンションの販売戸数は、大幅に減りました。
そのリバウンドで、今年は大幅に増えるかというと、そうでもありません。
昨年は、新築マンションの広告キャラクターに
タレントを採用するケースがほぼなくなりました。
唯一の例外はオダギリジョーの「ブリリア有明スカイタワー」ですね。
「広さと安さ」を売り物に爆笑問題・太田やユースケサンタマリアを
起用したマンションも、期待通りの効果を出せませんでした。
そういうことで、エンドユーザーはなびかなくなったのです。
昨年は、都心の高額タワーマンションは
ほぼ「勝ち組なし」状態という、異様な販売不振となりました。
そして、一昨年から昨年にかけて、
マンション専業のデベロッパーが大量に倒産しました。
これは、かつてないことです。
20年前のバブル崩壊のときでも、あんなにバタバタとは逝きませんでした。
分譲だけではなく、賃貸市場でも「礼金・敷金0円」などという
物件を見かけることが多くなりました。
そういう物件はいろいろ問題も多いのですが・・・
これらの現象を総合的に捉えれば
住宅は売り手市場から買い手市場へ、ハッキリと移行したワケです。
少し前なら、場所さえよければ市場価格の1割高くらいでも
時間さえかければ売り切れたのです。
今は、時間をかけてもおそらく無理でしょう。
今も、そうやって市場に取り残された新築マンションは
影でこっそりと「値引き」を行っています。
先日、とある酒席でお会いした大手デベロッパーの方にいわれました。
「榊さん、今度うちのマンションが値引きをしているって、
ブログで書いてくれないかなー。でも、僕が言ったとは書かないでね」
つまり、本音は値引きをしてでも早く終わらせたい・・・
でも、今まで定価チョボチョボ値引きで買ってくれたお客さんに
大幅値引きをしていることをバラしたくない・・・
だから、私に「あのマンションは00%値引き販売しているよ」と書かせて
値引きを目当てに集まった客に売ってしまいたい・・・
そういう本音の本音を語り、私を「利用」しようとなさる方もいます(笑)。
まあ、それはそれでいいことです。
曲がりなりにも、自社物件を「市場化」させようとしているワケですから。
そういうデベロッパー企業に協力したワケではないのですが
昨年の秋に「ただいま値引き販売中マンション 首都圏18物件」という
レポートをリリースしたところ、大変な反響をいただきました。
時間がたったので、もう売れてしまった物件を削除して
新たな情報を加えるべく改めて調査したところ・・・・
驚くなかれ、まだ3物件しか完売していませんでした。
値引き販売を行っても、それほどすんなりとは売れなかったわけです。
そこで・・・・
その3物件を削除して、
新たに8物件を加え、さらに既存の15物件についても
必要に応じて情報を付け加えた改定版を作成しました。
この春、マンションの購入をお考えになっている方も多いと思います。
ここで紹介した物件が必ずしも「おススメ」ではありませんが、
マンション選びや値引き交渉の「参考書」としては大いにお役立ていただけるはずです。
お値段は、加筆した分を上乗せして
3490円です。
知り合いの不動産屋に一杯ご馳走して仕入れる情報より
はるかに濃厚な内容が盛り込まれていますよ(笑)。
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