能力があるのに出世しない人は、マンションを買わない方がいい

まだ広告屋の社長をやっていた頃、よく転職のお世話をしました。
人材を欲しい企業から紹介を頼まれることが多かったですね。
「X社から00歳くらいの元気のいい営業を連れてきて」
「Y社のP君という優秀なのがいるらしいけど、ウチに連れてこれない?」
あるいは、
「僕Z社に行きたいのですけど」
「この会社辞めたいのですが、どこかいいところありませんか?」
なんて、自分で売り込んでくるお方もいましたね。

そういうことをやっている当時、私はあまりそれを人に話しませんでした。
「アイツはここから人を引き抜いている」というのは聞こえが悪いから。
でも、「アイツは顔が広い」というのが、何となく伝わるもの。
依頼はいつもどこからとなくあるのです。
私が仲介の労を取って転職が実現した例は、
数えていませんが両手くらいはあったはずです。
未遂はその数倍(笑)。

今は、やっていません。
広告屋の社長から住宅ジャーナリストに肩書を変えてからは、
そういう生臭いことから遠ざかりました。
それに、広告屋さんたちとの付き合いも激減しています。
今は、どちらかというと不動産屋さんの知り合いの方が多いくらい。
だから、不動産屋さんならご紹介できますが・・・

ところが、昔の残影は今もどこかに映っているようです。
最近、アラフィフの方がお二人ほど、そういうアプローチを掛けてきました。
まあ、今の私にそんなチカラがないことを気づかない方々ですから、
世間を渡っていく触覚も才覚も、あまり鋭敏とは言えませんね。

ただ、見ていてお気の毒だとは思います。
何とかしてあげたいけれど、時代遅れの人間を
雇ってくれるほど世間は甘くありません。
若ければ「鍛える」とか「潜在能力」や「可能性」に期待できますが。

サラリーマンという生き方は、「安定」という果実を得る代わりに
人生の「自由」と「可能性」、時に己の「尊厳」を
ある程度会社に売り渡す日々ではありませんか。
サラリーマンをやりながら、この3つを得られる方はおそらく1%未満。
その狭い枠をめざしてがむしゃらに頑張る人が10%。
そこそこのレベルで胡坐をかいている人が60%。
そんな意識もなく、ダラダラと日々を過ごしている人が30%。
だいたいそんなところではないでしょうか?

例えばラリーマンで45歳を過ぎると、もう自分が
重役になれるかどうかほぼ99%の予測が立ちます。
まだ部長でもないのなら、部長になれる可能性も低いですね。
そこで諦める人が大半。中には拗ねる人もいるでしょう。
会社以外に喜びを見出そうとする人もいます。

ただ、サラリーマンには「安定」という最後の砦があります。
成績が上がらなくても、テキトーにやっていれば首にはなりません。
ただし、その会社自体が潰れかけてはいなかったら・・・という条件で。
でも、クビになってもまた新しい勤め先を見つければいいのです。
もちろん、クビになるようでは年収がぐっと下がるでしょうが。

最近、外食産業や建築業での人材不足が激しくなっています。
そこで働く人の賃金は上昇気味。いいことじゃないですか!
でも時給が300円くらいあがっても、日当が1万円高くなっても、
新築マンションの需要増につながるわけではなりません。
だってアルバイトや日払いの職人さんには住宅ローンがおりませんから。

新築マンションを購入する場合、まず年収400万円は必要です。
ダメなら、世帯年収で400万円。それがギリギリです。
でも、私に言わせれば年収400万円で新築マンションなんて買っちゃだめ。
親が3000万円出してくれて、900万円を自分で・・・なら話は別ですが。

実は、年収が600万円でも買わない方がいいと思います。
「3年後には1000万円越えが確実」なら、まあいいでしょう。
公務員もいいと思います。下がる可能性はほぼありませんから。
民間企業でも三井物産とか東芝とか三井住友銀行だったら・・・
でも、あの東京電力があんなことになりましたからね。

500人や1000人の会社なんて、いつ潰れるか分かりません。
ましてや、あと35年間潰れずにあなたを雇用し、
ずっと今以上の給料を払い続けてくれる可能性なんて、
それこそ5%もないと思った方がいいでしょう。
だから、マイホームを35年間「家賃並み」支払いのローン返済条件で
購入するほどリスキーなことはないのです。

多くの人が支払えなくなって、個人再生や自己破産に陥っています。
まあ、日本はそれで救われるので何とかなりますけど。
私のところにやって来たアラフィフの一人は、
確か住宅ローンを組んでいました。
どうなさるのか・・・・まあ、頼れる親がいますから・・・

人間というものは自分の能力を2割増しで考えているそうです。
特に他流試合をしていないサラリーマンはその傾向が強いと思います。
会社をクビになった時にどうするのか、というのは人生の危機管理。
私が見ていると、能力の高い人ほどそちらもうまくやります。
リストラされるタイプほど、そちらも苦手。

もし自分のことを「能力はあるけどあまり出世しないタイプ」だと
自覚なさっているのなら、35年ローンは全体にやめた方がいいです。
「能力はあるけど出生しない方」は、私が見る限りごく少数だし、
もし本当にそうなら、勤めている会社に大きな問題が有りますから

さて、レポートの更新情報です。
今回、港区関係の5タイトルを一気に最新情報化。

はっきりいって、物件数は激減しています。
マシな物件からどんどこ完売しているからです。
増えたのは「パークマンション三田綱町 ザ フォレスト」と
「プラウド白金台三丁目」の2物件だけ。
新築マンションの着工数も激減しているようですから、
しばらくは選択肢が狭まったままでしょうね。

ボリューム減によって、レポートの価格も下げました。

港区総集編
価格 8,980

■パークマンション三田綱町 ザ フォレスト,■プラウド白金台三丁目,■グランドメゾン白金の杜 ザ・タワー,■グランドメゾン白金レジデンス,■ウェリス六本木,■アークヒルズ仙石山レジデンス,■DUARES愛宕虎ノ門,■シティタワー麻布十番,■グランスイート広尾,■ウェリス有栖川,■パークナード南麻布,■ブランズ麻布狸穴町,■セントラルレジデンス南麻布,■麻布台パークハウス,■東京ベイシティタワー,■クレストプライムタワー芝,■インプレストタワー芝浦 エアレジデンス,■ハーバーテラス品川,■品川タワーレジデンス,■GLOBAL FRONT TOWER,■グローリオ田町,■ベイクレストタワー,以上の22物件

白金・高輪・三田
価格 2,190

■パークマンション三田綱町 ザ フォレスト、■プラウド白金台三丁目、■グランドメゾン白金の杜 ザ・タワー、■グランドメゾン白金レジデンス、以上の4物件

新橋・芝浦・港南
価格 2,890

■東京ベイシティタワー,■クレストプライムタワー芝,■リストレジデンス芝浦,■インプレストタワー芝浦 エアレジデンス,■パークホームズ品川ザ レジデンス,■ハーバーテラス品川,■品川タワーレジデンス,■GLOBAL FRONT TOWER,■グローリオ田町,■ベイクレストタワー,以上の10物件

麻布エリア
価格 3,790

■セントラルレジデンス南麻布,■グランスイート広尾,■ブランズ麻布狸穴町,■麻布台パークハウス,■ウェリス有栖川,■パークナード南麻布,■シティタワー麻布十番、以上の7物件

虎ノ門・六本木
価格 1,390

■ウェリス六本木,■アークヒルズ仙石山レジデンス,■DUARES 愛宕虎ノ門、以上の3物件です。

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2014/6/3 18:07 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんにちは。

雨まで降ってきましたね。
先日は非常にためになる論文をご紹介いただき、ありがとうございました。
信州への小旅行ですか。羨ましい。
こっちは貧乏ヒマなしです。

日本の高校野球は、ちょっと異常ですね。
でも最近は、サッカーと野球に人気が二分して、
我々が高校生の時に比べれば普通に近づきました。
長髪の野球部員もいますからね。

アラフィフさんたちはお気の毒。
本人の努力が足りなかったというには酷な人生。
何とも言いようがありません。助けようもありません。

私は、親に感謝しています。
山あり谷ありの人生ですが、まだ生きています。
他人から与えられるのではなく、
自分から生み出す仕事で生きていますから。
これは、努力ではなく遺伝子。だから感謝。

ちょっと雨に降られるかもわかりませんが、
初夏の信州を楽しんできてください。

では、ごきげんよろしかんことを。

榊淳司

2014/06/05 16:54 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

今日は涼しくなりましたね。
まるで手のひらを返したように。

ブログに「アラフィフ」さんの苦難の記事。
ま、ありがちなエピソードですね。

若いときはチヤホヤしてくれます。
それが、シャバですから。
が、若くなくなったら今日の天候と同じように、
手のひら返しですね。
ですから「アラフィフ」さんでは、
酷な言い方になりますが「遅い」。

有能であれば、というのは一つの突破口すが、
若からぬ者の慰めも含んでいて、過信は禁物です。
新陳代謝は世の常、自然の摂理です。
所詮、それに抗って「時間稼ぎ」をしているだけ、
とも。

だいぶ昔のことですが、
夏の甲子園・高校野球について、
フランスのテレビ局が高野連に取材している場面が、
放映されていました。

テレビクルーの一人、金髪のお姉さんがマイク片手、
高野連の理事に問い掛けました。
「全国3千校余の、野球少年数万人が闘い、
その中から勝者は一校、十数人だけ。
このようなイベントを、まさに国を挙げて行なう。
その教育的な意味は、どこにあるのか?」
と。

高野連理事は、短く、キッパリと言い放ちました。
「負けることです。負けることを学ぶことです」

鉄は熱いとき、打て。
古来、賢人の言葉ですね。

六月。
しっとりした季節です。
ほんの数日、信州に小旅行に出掛けようと。

ごきげんよう。

2014/06/05 11:42 | by まろたん

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