ザ・ガーデンズ西葛西の死亡事故が妖しい

この22日の午後6時55分頃に起こったことみたいですが、
江戸川区西葛西2丁目の「ザ・ガーデンズ西葛西」の工事現場で
鉄筋が倒れて、その下敷きになった作業員3名の内、2名が死亡。
23日の朝刊ではデカデカと報道されていました。

まず、お亡くなりになったかのご冥福をお祈り申し上げます。

しかし、建設現場で死亡事故が発生するというのは、
あってはならないことですが、珍しい話でもありません。
1年ちょっと前は「ザ・パークハウス西麻布」でもありました。
販売途中であれば、売主が契約者にたいして
「申し訳ございません。二度と起きないようにいたします」と
説明・陳謝して終わるのが普通。
「ザ・パークハウス西麻布」の時も、そんな感じだったと思います。

今回の「ザ・ガーデンズ西葛西」も、同じような対応かと思っていました。
それが、どうも雲行きが怪しいのです。
現時点で「ザ・ガーデンズ西葛西」は販売を中止した模様。
オフィシャルページはこんなことになっています。

www.31sumai.com/info/X1022/index.html

スーモやヤフー不動産から、はてはOCN不動産まで、
ほぼすべての不動産ポータルサイトでも表示を停止。
つまり、一時的な販売休止ではなく「当面販売活動は行いません」
ということだと解釈できる動きですね。

それで、よくニュース報道を読んでいると、おかしなことが2つ3つ。
まず、事故が起こったのは夕方の6時55分。
そろそろ暗くなって、手元が見えなくなる時間ですね。
というのは、現場はたいてい夕方5時で終わります。遅い現場でも6時。
それが6時55分というのは、現場にとってかなりきつめの残業時間。
なぜ、そんな時間まで作業をしていたのでしょう?

このマンション、総戸数は358戸で竣工は2016年1月の予定。
あと1年4カ月以上あります。なぜに工事を急ぐのか?
次に、「鉄筋が倒れて来て、その下敷きになった」ということ。
鉄筋というのは直径4.5センチで長さ4メートル、重さ42キロと報道されています。
確かに、数十本も倒れてくれば凶器にはなりますが、
大の大人が3人も下敷きなるなんて、どういう状況だったのでしょう?

事故が起こったのは資材置き場ではなく、施工現場というのが不思議。
普通、鉄筋というものはしっかり固定しておくはず。
大人を3人も下敷きにするほど不安定には設置しないはず。
だから、どうも事故の様子がよく分かりません。

事故現場には警察が入って原因を調査したようです。
その後の報道や、異例の「販売中止」という動きから、
何やら怪しい気配が漂ってきますね。
もしかしたら、「大変だったけど、これから気を付けようね」
というレベルの事故ではないような感じもします。
だって、普通の事故なら1週間か2週間販売は自粛しても
「中止」とまではしないはずですから。
もっとも、再来週辺りにはシレっと再開しているかもしれません。
この件、さらに注意深く見守っていきたいと思います。

それにしても、このマンションにはいわくが多いですね。
「ザ・ガーデンズ西葛西」の南隣で販売を行っている
「レジデントプレイス西葛西」という459戸の大規模マンション。
元は明治安田生命の立派な研修施設でした。
これが売却されることになって、公募入札となったそうです。

すでにNTTデータ通信の跡地である「ザ・ガーデンズ西葛西」の
売主である三井不動産レジデンシャルと三菱地所レジデンスは、
隣地の明治安田生命施設が公募入札されるので、一体開発をめざして応札。
敷地をつなげれば事業メリットが大きいので、高値で応札したはず。
ところが、ところが・・・開札してみると意外な結果。
長谷工コーポレーションが思いのほかの高値で札を入れていたのです。
それで、明治安田生命研修所跡地はめでたく長谷工プロジェクトに。
結果として大和ハウス工業が参加して今の「レジデントプレイス西葛西」の
開発事業が始まったというワケです。
その割に、このマンション。売出し当初は「施工/未定」となっていました。
建築費で長谷工と相当揉めたのではないかと推測します。

さて、エンドユーザーにとっては459戸と358戸の別々のマンションが
隣接してできるよりも、1000戸くらいで一体開発され、
共用施設などを充実させたほうが、分かりやすいですね。
もしかしたら、価格も今より安くできたかもしれません。
まあ、私はあまり大規模マンションというのは好きではありませんが。

さて、そういういきさつで別々に開発されるようになった片側が、
今回死亡事故が起こってしまった「ザ・ガーデンズ西葛西」です。
「レジデントプレイス西葛西」とは、分かりやすいライバス関係。
価格はザ・ガーデンズの方がやや高めですが、ほぼ同水準。
今回の事故で「レジデントプレイス西葛西」の販売が
有利に展開するかというと、そんなに単純なものではないと思います。
まあ、「いい迷惑」ではないでしょうか。

実は、私はかねてから今回のミニミニバブルの分水嶺は
この「西葛西マーケット」にあるのではないかと考えていました。
というのは、西葛西エリアというのは多少の人気がありますが、
年間に200戸も捌ければまずまずといった市場ボリューム。
それが、この2つのマンションだけで817戸です。

しかも、それまで坪単価180万円くらいで販売されていたエリアに、
220万円から230万円という平均坪単価で売り出されています。
「これがスムーズに完売できればバブルではなく、市場回復」
私は自分のレポートやこのブログでそう書いていました。

ところが、販売当初は実によく売れたのです。
「ザ・ガーデンズ西葛西」なんて、瞬く間に半数以上の住戸を契約。
「これはバブルではなく本物か・・・」と、私は絶句。
ところが、春を過ぎる頃から急に販売スピードが遅くなりました。

5月6月というのは、近郊・郊外共に急減速。
「これはヤバいかな」と、思っていたらこの事故。
世の中、何が起こるか分かりませんね。
特に、今回の売主は三井、三菱の両巨頭。
南青山高樹町に始まって、新川崎と続いた建築現場の「事故」。
手付金3倍返し、2倍返しの契約解消は今回も発生するのか?
まさか、そんなことにはならないと思いますが。

一方、ミニミニバブルは西葛西のような近郊エリアから
急速にしぼみつつあると思います。
長くなったので、その件はまた別の機会に。

西葛西エリアのマンション市場については、
私の「資産価値レポート」で、さらに詳しく突っ込んでいます。
もちろん、この2つのマンションについても
さらに深いところまで書いています。
それに、ついこの前最新情報に更新したばかりです。

葛西・西葛西エリア
価格 3,590

 

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2014/8/26 14:53 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんばんは。

雨が降ってきました。
明日から上州方面へ小旅行を企てているのですが・・・・
日頃の行い悪く、天候にはめぐまれませんようで。

マンションの建設現場では、立て続けに不祥事が起こっています。
人手不足が背景にあるのでは、と勘繰っています。
しかし、エンドさんにはどこが事故りそうなのか、見分けは尽きません。
もちろん、私もよくわかりません。
自己責任というには、辛すぎる現実。

まあ、行政の判断など信用せずに、自分で考えることでしょうね。
おっしゃる通り、自分の身は自分で守るのが基本。
しかし、その時になって的確な判断ができるかどうか・・・

90歳になんなんとする伯父さん、いくつまで生きるのやらw。
母の兄ですが、5人兄弟の長男。
この前、一番下の4男の叔父が70云歳でみまかりました。
他はみんな長生きです。一様に働き者。
死んだ叔父さんがもっとも怠け者。
まろたんさんも、活動してください。長生きの素です。

ごきげんよう。 榊淳司

2014/08/27 22:02 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

ドンヨリ重たげな雲で覆われた今日。

西葛西で死亡事故ですか。
勝ち続ける、負けのないボクサーはいないように、
事故のない世界はありません。

広島で山崩れの大災害で、老若男女、
多くの人びとが亡くなられた。
関係者各位、まさに、
立ちすくむような苛酷な運命、ですね。

山間部を深く切り崩す宅地造成は、やはり危険が大きい。
所詮は万札をオデコに貼ったドカチンのやることですから。

避難誘導がどうのこうの、と言う声があるようですが、
詰まるところ、自然をあまりいじってはイカン、
ということではないでしょうか。

だからといって、これは「人災」であるなどと、
シャラクサイ評論家のようなことを言うつもりも、
ありませんよ。

いのちが惜しかったら、避難指示を待たずに、
自ら逃げるべきであった、と言う向きもあります。
が、
それを言うなら、いまさらはありますが、
そもそも「そんな所に住まないことだ」
と思いますが。

いかがなものでしょうか。

危ういゲンパツの近くには住まない。
危ういタワマンには住まない。
極道からは迷わず逃げる。(笑)
ですね。

「一寸先は闇」なのが娑婆、だそうですから。
おのが一身、おのれで守るしかない。
ですね。

幸運と不運。
たった一字違いなのに、明と暗。
血も涙もない。
榊さま。
万事、しかたないのでせうか。

さて。
九〇代を、今まさに、エンジョイされておられる伯父さま。
その勇姿が目に浮かぶようで、とても元気づけられました。
誠に、よい伯父さまをお持ちになられた。

ごきげんよう。

2014/08/27 13:06 | by まろたん

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