解散総選挙で「財務省、敗れたり」

しかし、本当にやるとは思いませんでした。
何がって、衆議院の解散。
でも、そうなってみると、これが最善策にも思えます。
「やるじゃない、安倍ちゃん!」と、いいたい。
財務省と日銀のバズーガ・黒田は地団駄でしょうね。

思えば2年前の秋、お人好しの野田君をだまくらかし、
「日本の未来には消費税を上げるしかない」と思い込ませた
財務官僚の詐術はお見事だったのですが・・・・
8%と10%という2段階に分け、当時の与野党の妥協で
「景気条項」を入れてしまったのが、ここにきて裏目。

それでも、本当は気が進まない安倍君にプレッシャーを
掛けるために、大蔵OB の黒田君は3発目のバズーガを発射。
サプライズ効果もあって円安に株高と、効果はてきめん。
これでいよいよ安倍君も「寄り切られる」と世間は見ていましたが・・・
な、なんと「伝家の宝刀」を抜いて闘うとは、あっぱれ。

年内総選挙となると、自民党の大勝は動かしがたいところ。
300議席も夢じゃないでしょうね。
そして、国民は「消費税の延期に賛成した」ということになります。
延期法案はすんなり通って、財務省は無きの涙。
陰で「安倍は許せん」と、ひそかに「安倍降ろし」を始めるかも。

さて、ここからは私の推測。
まず、あの黒田君の唐突なバズーガには、それなりの裏がありそう。
つまり「ここで一発かましておかねば」と考えさせた要因。
それは多分、17日発表のGDPの成長率が予想を下回っている可能性が高い、
ということを関知したからではないかと。

GDPは内閣府で集計しますが、どこにでも財務省の眼は行き届いています。
もしかしたら、大方の予測の「2%」よりかなり低いのではないでしょうか。
1%台の前半なら、安倍君も「景気は回復していない」を理由に、
増税延期へ舵を切るかもしれない、と財務省村は考えたのです。
それなら、先手を打ってバズーガを発射しておくと、株価が上げられます。
株価は何よりの景気指標。財務省を始めとする増税派は
「株価が上がっているから予定通り10%へ」と主張できます。

実は、今回の安倍君の決断も、このGDP速報値を
事前にある程度知ったからではないかと私は考えます。
経済成長が実質マイナスなのに消費税を上げると大不況になるのは必然。
1997年に3%から5%に上がったのち、日本は長期にわたっての
大不況に見舞われ、税収は大幅に落ち込みました。
安倍君もそれはよく覚えているはず。
だから、彼の本音は「上げたくない」と、思われますし、
そういった話はメディアからも漏れ伝えられてきました。

さてさて、予定通り自民党が大勝して消費税増税が2017年の4月まで
先延ばしされたとして、どうなるのか?
景気に好影響をもたらすことは間違いありません。
現に株価は昨日今日と上がっています。
安倍君の支持率も、グンと盛り返すでしょう。
1年半後の参議院選挙も安倍君で勝てるかもしれません。
他の首相候補は置いて行かれるばかり。

一方、野党はこの選挙で粉砕されます。
民主党はせいぜい現有勢力を確保できれば御の字。
維新は激減。みんなは消滅の危機。共産は微増。
その他は、まあ選挙後まであるかどうか、というところ。

そして1年半後の参議院選挙は、その翌年の
消費税増税の可否が争点になりそうです。
その時によほど景気が良くないと、国民はNOを突きつけるはず。
そうなれば、消費税は実質的に当面上げられない、という事態に。
これは、「財務省の敗北」以外の何ものでもありません。
安倍政権は、この1年半後の参議院選挙で
消費税増税にYESなのかNOなのかを迷いうでしょうね。
まあ、その時の景気次第ということもありましょうが。

しかし「一寸先が闇」なんて言いますが、今回はまさにそれ。
9月頃から解散話が聞こえていましたが、私には与太としか思えませんでした。
あのボンボンフェースの安倍君が、百戦錬磨の財務省を相手に
そんな「真っ向勝負」ができるとは思えなかったのです。
しかし、考えてみれば、ここで財務省の包囲網に負けて
消費税増税を決めれば大不況の到来は必定。
安倍君の支持率は錐もみの墜落で、来年中の政権交代もありえたかも。
彼はそのあたりまで読んで今回の勝負に出たのでしょうね。

選挙が終われば「官邸VS 財務省」の冷戦が始まります。
財務省や日銀は株価維持政策をサボるでしょう。
安倍君の政策遂行に、様々な嫌がらせをするかもしれません。
それをどう交わすのか、跳ね返すのかが見物。

でも、まずは次の総選挙で誰が落ちるのかを見物しましょう。
安倍君のおかげで、この年末は紅白10倍のエンタメが楽しめそうです。

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2014/11/12 18:38 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんばんは

2018年の憲法改正・・・それはいくらなんでも楽観的すぎます。
だいたい、次の憲法案を決めるだけでも5年や6年はかかるでしょう。
まだ本格的な議論さえ始まっていません。
というか、国民の大半が乗り気ではありません。

3千万人の国民が賛成票を投じてもいい憲法案が
1年や2年で出来るとは思えません。
私は10年20年かかってもおかしくないと思っています。

憲法改正の早道は、戦争です。
尖閣でも朝鮮でも戦争が起こり、それが日本に飛び火すれば
数か月もあれば改正案が出来上がり、半年か1年で変えられます。
現に、日本国憲法はアメリカ人の若い衆が十数人で作りました。
そのうち、法曹資格者は2人しかいなかったそうですから
せいぜい「修士論文」程度の出来です(笑)。
そんな憲法を後生大事に70年近くも護憲してきた
この国は、世界史上まれな「お笑い国家」ですよ。

「1億のタミ」が泣ける儀式は、私の生きていいる内に来るのかどうか。
戦争がなければ、来ないかもしれません。
私はそう思っています。悲観的すぎますか?

夜分に失礼しました。ごきげんよう。 榊淳司

2014/11/13 00:07 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

「矢は放たれた」

財務官僚をはじめとして、安倍の血筋を思い直したのでは。
安倍は、血統として誰に繋がっているか、と言うことを。
敗戦後七〇年に亘る執念を引き継いできた血筋は、
まさに差し違えても、という煮えたぎる思いがあるように感じます。

ま、一介のサラリーマンである財務官僚には、分からんでしょうが。
役人ふぜい、所詮「シヤチハタ」に過ぎません。

さて。
安倍の狙い「本能寺」は「憲法改正」にあり。
これだけでしょう。
これは「民族の血筋」であり、政治家・安倍の「死に場所」です。

あと1年半。
急くな。しくじるな。最初で、最後だ。
参議院選挙を闘い抜き、他党の有志も集め、
いっきに正面突破、本能寺を落とします。

つぎに、本能寺2段目、目指すは、国民投票で「過半数」。
「3千万票」が、勝敗ライン。
大炎上すれば、十分「トレル」票数と、見た。

そして、翌2018年・初春。
天皇陛下の御言葉の下に、改正憲法の公布。
おお。
もう一度、おお。
そのとき、日本国民の意識が「ガラリ」と変わりますよ。
日本民族の大号泣とともに、ね。

そして、一億のタミは気付くでしょう。
私たちは、泣きたかったのだ、と。

このシナリオ。
いかがでしょうか。

ごきげんよう。

2014/11/12 21:48 | by まろたん

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