天皇陛下に感動&公開講座5「傾いたマンション」

ここ2,3日、新聞を読んでいて感嘆したのは、まず、天皇陛下。
御料牧場の備蓄食料の提供をご指示された。
御用邸の職員風呂を被災者に開放された。
というのは、まあ「それはお気遣いをありがとうございます」というレベル。
でも・・・・
ご自身の暮らしを「第一グループ」に合わせて
「停電」になさっているとか。
これにはびっくり。
暖房が切れても「寒いのはたくさん着ればよい」とおっしゃられ暖房もOFF。
夕食の時間が第一グループの停電に相当すると、
ローソクや懐中電灯の灯りでお食事をされたこともあるそうです。

嗚呼・・・

私が住んでいるところは、計画停電エリア外。
ちょこっとは節電に協力していますが、
基本的には普通の生活をさせていただいています。
天皇・皇后両陛下がローソクの灯りでご夕食を摂られている時、
我が家では蛍光灯の下、ホットプレートで肉をジュウジュウ・・・
何とも恐れ多いことと身が縮みます。
かといって、小学生もいる我が家では自主「停電」も非現実的。
陛下の御心に心の中で手を合わせるのみです。

次は「アメリカ」。
「復旧までに何か月かかるのか見当もつかない」と
職員が語っていた仙台空港が、今や救援物資の空輸基地に。
「なんで?」と思っていたら、アメリカ軍。
パラシュートで降下した工兵たちによって滑走路を整備。
3時間で輸送機の着陸が可能になったとか。
そして、そこは軍隊。
多分、管制機能もアメリカ軍の「前線用」を持ち込んだのでしょう。
世界中に軍を派遣するノウハウに、こういうのも入っているのです。

「さすが!」と感心していたら・・・・
「日本の放射能が2,3日で西海岸に到達」というイイカゲン報道で
カリフォルニアあたりでパニックが起こったそうです。
オバマ大統領が慌てて
「日本の原発事故はアメリカ領土にはいかなる影響も及ぼさない」
という声明を出したとか。

そんなもん、常識で考えて分からんのんかい!

アメリカ人というのは、超合理的な部分と
見当もつかないほど「お馬鹿」な特性を併せ持っていますね。
でも、彼らの「トモダチ作戦」には衷心からお礼を申し上げたい。
ありがとう!

では、地震で中断していた「公開講座」を続けます。
今回は地震に合わせて【建築知識編】に飛びます。
今日のお題は
「あっ、建物が傾いている」

前回の更新で話題にした新浦安では、
液状化によって自分たちのマンションが傾いているのではないか、
あるいは今後傾くのではないかと疑心暗鬼に陥っている方々がいるようです。
ただ、液状化が直接の原因となって建物が傾くことは、
理論的にはないはず・・・と私は考えています。

鉄筋コンクリートの建物は、しっかりとした「支持基盤」まで、
建物の重量に見合った「杭」を打ち込んでいます。
だから、支持基盤と地面の間が液状化で不安定になっても、
建物自体が傾斜することにはなりません。
但し、支持基盤が地震によって損傷を受ければ話は別ですが・・・
でも、それは地震の「震源地」にでもならない限り
あり得ないことだと私は推測します。

では、すべてのマンションは傾かないのでしょうか?
だったらよいのですが、実はそうでもありません。
現に、傾いているマンションはかなり多くあります。

いつもここで紹介しているベストサポートの大友さんは
建物調査や内覧同行を依頼された場合、
水準器という機器を使って建物の傾きを計測されます。
ただ、傾いているマンションは、住戸内に一歩入れば
感覚的に「すぐに分かる」そうです。

原因はいろいろありますが、言ってしまえば施工の杜撰さでしょうね。
そういうマンションは、大抵の場合傾きだけではなく
雨漏りやタイルの剥落、壁のクラックなども起こっています。
ただ、普通の方が外から眺める分にはわからないでしょう。
だからこそ、大友さんのような専門家に依頼すべきなのです。

そして、私の経験上で言わせていただければ
こういう「傾いている」マンションは
せいぜい7,8階建てまでの物件に起こりがち。
なぜだかハッキリといえませんが、高層よりも中・低層の方が、
「手抜き工事」をしやすいのかもしれません。
また、コンクリートに水を多く混ぜても大丈夫、
と施工現場が勝手に判断しているのかもしれません。

そして、タワーマンションが「傾いている」というケースは
いまだに聞いたことがありません。
もし、ご存知の方がいればぜひ教えてください。

仄聞するに、タワーマンションの施工技術というのは
かなり高度なものらしいです。
ゼネコンの中でも、タワーを建設できるのは10社未満かもしれません。
マンションの建築実績ではダントツの日本一である長谷工さんは、
どういうワケかタワーをほぼお作りになっていません。
あっても、他の大手ゼネコンとのJVです。

だからというワケではないのですが、タワーは頑丈です。
傾くこともほとんどないようです。
今回の地震でも、東京はもちろん仙台や盛岡、福島でも
「地震でタワーマンションが傾いた」という事例を
いまだに聞いておりません。
でも、そういう話があればぜひ教えてください。

余談ですが、だからといって3.11後には
タワーマンションの評価が高まり、売れ出すかというと、その逆。
停電によるエレベーター問題でその脆弱性を露呈した
タワーマンションは敬遠される傾向にあります。
現に、大手N不動産は今後、低層物件を先に販売し
タワーを後回しにする方針を打ち出したとか。

このタワーマンションの「エレベーター問題」は、
かねがね私が指摘していた通り。
3.11で「閉じ込め」事故はさほど多くなかったようですが、
停電によって様々な悲喜劇が起こっています。

さて、では一旦建物が傾いてしまったら、どうすればよいのか?
これはもう・・・諦めるしかないでしょう。
鉄筋コンクリートの場合、建物自体を水平に戻すのはほとんど不可能。
住戸内だけ床を平らになるように張り替え、壁や天井も「調整」して
中を四角くするしかないと思います。
また、傾くような杜撰な施工精度のマンションは、
液状化などでさらに傾きが激しくなる可能性もあります。
支持基盤にしっかり杭が打ち込まれていないことも考えられますから。

建物の傾きについて、国土交通省の指針では「3/1000」までは許容範囲。
でも、これって10メートルで3センチ。
ゴルフボールはもちろん、サッカーボールだって床をコロコロ。
この範囲までなら、売り主に補修を要求できる「瑕疵」とは
認められない可能性が高いのです。

要は、傾いたマンションは買わないのが一番。
中古マンションの場合は、大友さんのような専門家に依頼すれば
キッチリと計測してくれます。
新築マンションの場合も、竣工後なら内覧同行によって分かります。
ただし、新築マンションを竣工前の青田で購入した場合、
引き渡し時に「3/1000」の傾きが判明しても、
それを理由に手付金返還のキャンセルを要求できないケースも、
理論的には起こり得るのです。

そういった理由もあって、新築マンションは
「竣工前に契約すべきではない」
というのが私の年来の主張です。
マンションの購入契約書にハンコをつく前には
必ず大友さんのような専門家に調査や内覧を依頼すべきなのです。

さて、最後に新しいレポートの紹介と更新のお知らせ。
近頃、忙しくなって「新作」から遠ざかっていた如月さんが
とうとう待望の「文京区」を仕上げてくれました。

文京区については、私の「文京区総集編」というのもあります。
如月さんのはエリア評価が中心。私のは販売中物件の分析が中心。
2つ合わせて読んでもらえば、文京区は完璧です。
榊淳司×如月正雄の
首都圏マンション立地エリア別総合評価集012
「文京区」編
価格 4,960

ご参考

榊淳司のマンションレポート020
「文京区・総集編」
全20物件を分析
価格 5,980
そして、この度「六本木」レポートを再構築して
「六本木・南青山」編としてパワーアップ。

榊淳司のマンションレポート012
「六本木・南青山」
妖艶な魅力が漂う2つの街の
マンション市場を分析
価格 3,980

六本木も南青山も、すでに「一部の人々が住む」場所ではなく、
普通の方々にとっても「住める」立地になりつつあります。


2011/3/28 18:35 Comments (0)

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