「合理性」で経営すれば、ヒマなジジィは要りません

日本はモノづくりではほぼ世界一、
といっていいかもしれません。
トヨタにソニー、ホンダに松下、
ニンテンドーにキャノンもニコンも・・・・
世界に冠たる企業が数え切れないくらいあります。
手元で実感できる技術もそうですが
メタルカラーのすばらしさといったら本当に世界一。
明石海峡大橋、アクアライン、免震の超高層建築・・・・
ところが、日本のサラリーマンは
世界で何番目に優秀か、ご存知ですか?
実は10番にも入らないくらい。
統計によっては20番以下とか・・・・
何を基準にそういっているかというと
「労働生産性」という指標。
一人の労働者は1時間当たり
いくらの価値を生み出しているか、という指標です。
日本のオフィスワーカー(ホワイトカラー)の
労働生産性は、間違っても「先進国」を名乗れない水準です。
お気づきですね。
実は統計に出ているよりも実際の順位はもっと低いのです。
つまり、日本には「サービス残業」という
悪しき習慣がはびこっていて、それはカウントされません。
これをまじめにカウントすると、本当の生産性はもっと落ちるはずです。
30前くらいのサラリーマンが、深夜残業の合間に
ふと自分の給料を月の本当の労働時間で割ってみたら・・・・
「ウォー、俺の時給ってマック並じゃん!」
こういう悲鳴は、どこの職場でも聞かれるのではないですか。
前回のブログでも書きました。
日本人には「合理性」を尊ばない悪癖があります。
だから、戦争に負けました。
だから、北方領土も取られました。
だから、シナ人にはいつも傲岸不遜にののしられます。
だから、韓国人は怒ると日の丸を焼きます。
だから・・・・・
話を、わがマンション業界に戻しましょう。
「おいおいおい、何人出てくるんだよう」
一部上場企業のデベロッパーが分譲する
30戸くらいのマンションの販売戦略会議に、
ゾロゾロと15人もの人が出てきたことがあります。
30戸・・・・10億円くらいの事業です。
デベの利益なんて、正味2億あるかないか。
それを足掛け3年くらいかけて事業にするのです。
1年でたった6000万円ほどの粗利ですよ。それに15人・・・・
ぽかんと開いた口がふさがりませんでした。
そしてこちらがプレゼンすると、
15人の間抜け面のおじさんたちが、
口々に違うことを言って話がちっともまとまらない。
アホか!
というのが正直な感想。
デベロッパーの担当者の数は、
ひとつの事業について基本的に一人か二人で十分。
それ以上いても、船頭が多くてマンションが海に沈みます。
もちろん、お馬鹿な担当者だと何人いてもダメです。
ちょっと優秀な方だったら、十分ひとりで回せます。
それが15人もいて、ちょっとずつ担当が分かれているなんて、
これはもう最悪ですね。
決まるものも決まらない。
100の仕事量でできることが200どころか
500や1000くらいかかります。
だから、労働時間も長くなれば、生産性も落ちます。
合理性とはほど遠い状態ですね。
総合商社の場合は、1人で回している例を多く見ます。
多くて2人。まあ1.5人くらいが標準でしょうか。
彼らは、基本的に優秀です。
社員一人に求められる利益も半端じゃありません。
それは丼勘定の不動産屋とはちがうところ。
合理性を基本としなければ、じゃかじゃか利益は上げられません。
元来が不動産屋のデベロッパーの場合は、少なくて2人。
多いと・・・・何人いるのか分からないくらい。
それが会議になるとさらに増えて、それこそ15人。
「おじさんたち、よっぽどヒマなんですね」
「それで、会社は大丈夫なのですか?」
といいたくなります。
実際、その15人出てきた一部上場企業は、
ついこの間、つぶれました。
合掌
日本人は、そんなに馬鹿な民族だとは思えません。
ただ、「合理性」という、何かの仕事をする上では
最も基本にしなければいけない、至極当たり前の基準を
しっかりと据え付けてないのがいけないのです。
この「合理性」を追求すると、都合の悪い人が
日本の企業社会にはいっぱいいるのです。
いわゆる「働かないオジサンたち」です。
いるでしょ、どこの会社にも。
昔はチイとは役に立ったのかもしれないけれど、
今は給料の半分も働かず、
会議に出ててはクダラナイことをほざいているジジイども。
合理性を追求すれば、彼らは全員クビです。
出入り業者にエラそぶりながら
陰ではこっそり飲み食いの接待を受けて
ズブズブになっているオジサンたち。
彼らも全員がクビです。
新しいアイデアを採用すると
自分たちがバカだったことがバレるのが怖くて
いつもつぶしに回るオジサンたち。
彼らも全員クビです。
オジサンが全員クビではありません。
相応の働きをするオジサンは、必要です。
でも、不必要なオジサンたちをはびこらせておくと
組織のモチベーションが低下し、衰退を招き、
やがて滅びます。
そんな会社をいくつも見てきました。
合理性、というのは多くの人に支持される公平さがあります。
合理主義を基本に生み出されたシステムでは
正直者がバカを見ないようになっているからです。
でも、効率化ばかりに走ると、今度は人間性が失われます。
行き着く先はファシズムです。
でも・・・・ことマンション業界に限っては
当面は合理性の追求は、初歩から始めていいのではないでしょうか。


2009/5/24 0:26 Comments (9)

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