世界デフレがやってきた

ここのところ、不動産では台湾人の需要が目立っています。
一方、春節でやってきた中国人の「爆買い」も話題になりました。
もうすぐお花見のシーズンなので、彼らはまた大挙してやってきます。
今年から、お花見には注意した方がいいかもしれませんね。

日本ではこの2年間の円安と株高、そして不動産の局地バブルで
「これで長年のデフレから脱却」的な見方が蔓延していますね。
まあ、国内だけを見ていればそうなります。
でも、世界は今、デフレに向かってスパイラル下降しています。
どういうことでしょう?

みなさんは、リーマンショック(2008)後の大不況の時に、
アメリカのFRBが無茶苦茶にドルを刷って債券や株を買いまくり、
中国が元を大量生産して市場に流し込んだことを覚えていますね。
今の黒田バズーガ2みたいなことを中国は行ないました。
その結果どうなったかというと、中国の国内市場の何もかもが
いわゆるバブル状態になってしまったのです。

人々はお金を借りてまで株や不動産を購入。
地方政府は住民を立ち退かせて役人企業に土地を売却。
彼らが粗悪なマンションを大量に建設して分譲。大儲け。
お金はいくらでもあります。何をやって儲かります。
車でも、コンピュータでも、作ればどんどん売れます。
あの国にはまだまだ貧しい人がいるので、
彼らが給与収入を得られるようになれば、消費者になります。
市場は無限に広がる、と多くの中国人は妄想しました。

彼らの特徴は、みなが一斉に同じ方向に向かって駆け出すこと。
農民暴動で易姓革命を繰り返してきただけのことはあります。
猫も杓子もお金もうけに走りました。
その様子を見て、マンションや車、PCなどの工業製品から、
鉄鉱石や石油やその他の資源も「中国が大量に買ってくれる」
という錯覚を世界中にばらまかれたのです。

結果、世界中の工業製品や資源の生産設備が過剰に生まれました。
アメリカは高くなった石油価格を眺めて、巨大なシェールガス生産設備に投資。
ところが、原油価格は50ドル割れから立ち直れません。
多分、今年中に多くのアメリカ系石油企業が倒産することでしょう。

世界は中国の経済成長を過信したのです。
もちろん、最もひどいのは中国国内。完全な過剰設備に過剰在庫。
マンションなんて、街ごと売れなくってゴーストタウン化。
ちょっとやりすぎた感じがしますねえ。

世界は今後何年か、あるいは10年以上、この過剰な生産設備と
過剰なプロダクツの解消に苦しむはずです。
日本がバブル崩壊後の20数年を苦しんだように。
上手い解決法は見当たりません。
少し期待できるのが、インドでしょうね。
今までの中国に代わる経済成長を行ってくれれば、見込有。
もう一方の雄であったブラジルはすでに失速しました。

そんな中国ですが、お金を持っていることに変わりはありません。
世界第2位の経済規模があり、GDPはドルベースで日本の2倍。
富はメチャメチャ偏っており、日本へ来るのはお金持ちばかり。
まあ、彼らには不動産でも炊飯器でもどんどん買ってもらいましょう。
それによって、日本が潤うことは確かですから。

さて、この世界的なデフレ傾向は、日本にも確実に影響します。
日銀の黒田君が目標とした2%の物価上昇は、ほぼ無理です。
足元では賃金の上昇が報道され、株価は調子よく上がっています。
しかし、大半の人は景気が良くなったとは実感していません。
ただ「悪くなっている」という感じもありませんね。

世界的に見て、資源価格は今後しばらく弱含み。
ロシアの苦境は続くので、北方領土返還交渉のチャンスです。
中国への依存を強めてきた韓国は、ちょっとヤバそう。
そうでなくても、円安で日本企業との競争が不利。
独自の開発技術やソフトパワーに弱味がありすぎますね。

この世界デフレは、20数年のデフレに耐えてきた
日本の製造業にはわりあいフォローではないかと思えます。
したがって、日本企業の来期業績もそれなりに伸びそう。
そうなれば、安倍さんの望む本当の景気回復がやってくるかも・・・

ただし、死角はいくらでもありますよ。
ギリシャのデフォルトとユーロ離脱。韓国経済の崩壊。
中国のバブル崩壊による混乱。尖閣諸島での発火。
アメリカの金融引き締め。ロシアの政情不安発生。
まあ、世界は危うい均衡の上に平穏を保っているのです。

忘れてはいけないのが国内。
今はイケイケドンドンの都心バブルも、かなり異常事態。
こんなことがいつまでも続くわけがありません。
山高ければ、谷深し。そろそろ「いい加減にする」時ですよ。

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2015/3/26 0:59 Comments (5)

5 Comments

まろたんさん、こんばんは。

急くな騒ぐな天下の事は、しばし美人の膝枕・・
薩摩の豪傑節だそうです。面白いですね。初めて知りました。

消費税10%を誰も言わなくなりました。
2年先は遠すぎますか? すぐですけれど。
5年先のオリンピックもすぐそこ。
10年以上先の私の引退はちと遠いでは有馬温泉。

世界がデフレですから、日本も引っ張られています。
バズーガ2発撃って、不動産をバブル化させた黒田君、
これもまたちと罪が重いのでは有馬温泉。
少なくとも2発目は余計でしたね。
この何年か先、また金融機関は不良債権問題で苦しみますよ。
倒産と破産が増えて、弁護士の先生たちが忙しくなる(笑)。

バブルの最中には誰もバブルとは思わない・・・・
世の不動産屋どもがだんだんそうなってきています。
さすれば、そろそろ絶頂でしょうかね。
すでに峠を越したかもしれません。

このところ、土日も何くれと忙しいです。
まろたんさん、今度代わりにブログを更新してくれませんか(笑)。

ではまた。ごきげんよう。 榊淳司

2015/03/27 21:32 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

まっこと、デフレ基調ですね。
ジャブジャブと貨幣を撒き散らし増やしているのに、
何故なぜ、ホワイ?
確かに、貨幣の量以上に、モノが溢れ「過剰」だから。
でしょうか?

労賃を思い切って「上げ」たら「コストプッシュ」によって、
物価も「上がり」、インフレ基調になるでしょう。
例えば「労賃」を、一律・10%UPとか。
ま、社会主義国ではないから「統制経済」はアウトですが。

ドル円が、150円位に持ってゆけば「コストプッシュ」で。
が、これがまた、そうはならない、何故か?
ま、このまま、ズルズルでしょうか。
しばらくは。

この先、消費税10%にしたら、更に消費は「冷え込み」、
で、どうなるのでしょうかね。

黒田バズーカも、いまさら止められないし。
貨幣は、更にジャブジャブと。

「急くな、騒ぐな、天下のことは。しばし美人の、膝まくら」

これ、大石内蔵助でしたか?

ごきげんよう。

2015/03/27 20:26 | by まろたん

まろたんさん、こんにちは。

こういう場合、本のタイトルや装丁デザインについて
著者はまったく決定権がございません。
そこに口を出せるのは、よほどの人気作家か自費出版。
私は印税をいただきますので「はい、仰せの通り」。
顔を出せと言われれば、出します。
まあ、私のような小物の場合は、
よほどの美男でもない限り顔出しは不要でしょう。
それでは、まろたんさんのレビューをお待ちしております。

ごきげんよう。 榊淳司

2015/03/26 14:36 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

「やってはいけない、マンション選び」

さっき、アマゾンから届きました。
藤巻健史さんの「吹けば飛ぶよな、日本経済」と同梱で。
どちらも、まだ表紙を見ただけ。

藤巻さん、表紙には、大きめサイズの「顔写真」を。
これは、いつも通り。
が、前回と異なり、顔付きや、厳しい。

榊さまも、顔写真で飾られたら、どないですか?
「度胸、つきまっせ!」(笑)

ま、ヒヤカシでした。
これから、ぼちぼち読ませていただきますわ。

近所の道ばたに立つ桜の木に、白く開花しました。
ニンゲンは、相変わらずバカやってますが、
桜花よ、きみは、素晴らしい。
バカは、いずれ、ほろびる。
が、そのときも、桜花は、超越し不動だ。

暖かくなったら、ふらり、旅人に。

ごきげんよう。

2015/03/26 12:26 | by まろたん

個人的には北方領土はあきらめた方がいいかと・・
大金を払い日本の領土になっても、現住民はそのまま&自治を認めるパターン
しばらくしたらクリミアみたいにやらせ選挙の後で併合

2015/03/26 10:48 | by 匿名

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