週刊ダイヤモンドが面白い

最近、私のまわりで話題になったのは週刊ダイヤモンドの「住友特集」。
いやはや「ダイヤモンドさん、住友不動産になんか恨みでも?」
なんて聞きたくなるくらいの辛辣な内容でした。
まだ書店に並んでいるはずですから、ご興味のある方は読んでください。
特に中古マンションを売ったり買ったりなさろうとしている方は必読。

拙著でも書きましたが、中古マンションの売買というのは
ものすごーくエンドユーザーにとって不利な仕組みと慣行があります。
特に、売却側がカモられるシステムになっているのです。
だから、売ろうと考えている人は要注意。
詳しくは拙著「やってはいけないマンション選び」もしくは
発売中の週刊ダイヤモンドをお読みください。

無題

安倍君は「岩盤規制に穴をあける」なんていっていますが、
こと不動産業界に限っては何も手がついていません。
不動産屋さんたちは、基本的に自民党支持。
不動産業界は自民党にたっぷり献金しているはず。
だから、彼らに不利な改革は今後も期待できないでしょう。

しかし、週刊ダイヤモンドは小気味よく住友不動産と
住友不動産販売をぶっ叩いてくれました。
実はこの二つ、親子の関係ですが中身は全然違います。
まあ、あの消費者軽視の社風は共通しているのでしょうけれど。

ここでは、親会社の分譲する新築マンションのお話を少し。
ご存じの通りブランド名は「シティ」。
「シティタワー」とか「シティテラス」がよく使われています。
1年くらい前にはポエム系のネーミングがよく使われましたが、
なぜかわざわざ「シティ」系に戻した物件もあるほど。
まあ、そういうのはどーでもいいのですが。

ダイヤモンド誌でも書かれていますが、この会社は竣工までの
即日完売を異様に嫌います。住友不動産に言わせれば、即日完売は
「市場よりも安く売ったから」そうなってしまった、ということらしいですね。
だから住友不動産は竣工後1年程度で完売するのが理想だそうです。
そのことは、このブログでもレポートでもさんざん書いてきたこと。

そして、絶対に値引きしない、というのが基本方針。
「竣工後1年」どころか10年近くかかって売り切った物件もあるほど。
シティタワーズ豊洲も、先日6年ほどでやっと完売になりました。
値引きしないのだから、たっぷり利益が取れます。
だから今年の決算はメチャメチャいいのだそうです。

逆に見れば、エンドユーザーが高く買わされているにすぎません。
市場から乖離したバカ高物件を、売れなくても値引きせずに売り続ける。
こんな硬直的なビジネスを何年も続けてきたのです。
それでも、金利が安かったからもったのでしょうね。
そして、黒田バズーガ2によるこの局地バブルに救われました。

仮に、民主党政権のデフレが今も続いていれば、倒産の危機でしょ。
私はあの経営方針が優れているなんてちっとも思いません。
ただがめついだけでしょ。エンドユーザーにとっては敵も同然。
だって、大して根拠のない高値を押し付けられる可能性があるわけですから。
住友不動産のマンションは、私のレポートの中では
だいたいが「買ってはいけない」評価になってしまいますね。

さて、不動産関係の特集があると週刊ダイヤモンドを買うのですが
今回は第一特集の「地政学」が抜群に面白かったですね。
ダイヤモンドは結構政治系に強いという印象を持っていましたが、
国際政治系にも強いなあ、というのを加算しました。

今、多くの日本人がノホホンと生きていますが、とっても危機にあります。
何よりも、非友好的な中国の存在がどんどん大きくなっているのです。
すでに、GDPの規模では日本の2倍以上になっています。
あと何年かすると、アメリをもしのぐ世界一の経済大国。

後からやってきた新興国というのは、たいてい領土を要求します。
日本から尖閣諸島を奪おうというのは、その一例。
すでに南沙諸島を奪って、軍事基地化を推し進めています。
今後もこの動きを止めるのは難しいでしょう。

おりしも、アメリカは史上最弱といっていいオバマ君が大統領。
台頭する中国をなんとかなだめすかして交わそうとしています。
第二次世界大戦直前の英首相チェンバレンみたいな役割ですね。
50年後にはきっと、かなりきつめの評価を下されるはずです。
まあ、そんなことを日本人が心配しても仕方ないこと。

問題は、この台頭する大国である中国が
日本を不俱戴天の仇のように考えていること。
日本は戦争に負けてからこの方70年、今の中華人民共和国に
何らの悪さをしていません。国交を結ぶまでは冷たくしただけ。
国交締結以後は大量の援助を注ぎ込みました。
なのに、いまの中国政府は日本に対してまるで親の仇みたいな態度。
反日暴動で壊された外交施設や日系企業の工場、店舗に対して
何らの補償もしないばかりか「当たり前だろ」という態度。
どうしてこんなことになってしまったのか?

尖閣諸島の国有化が問題だ、なんて馬鹿な左翼はいいます。
まったく的外れ。1960年代まで、中国は一切問題にしていません。
日本は彼らにとってどうしても不倶戴天の敵である必要があるのです。
そういうことに、多くの日本人は気付いていません。

カンタンに言えば、今の中華人民共和国は日本を無理やり敵にして
何かを仕掛けようとしているのです。多分、領土の略奪。
あるいは、経済的な従属。韓国のような心理的隷属。
そういったことに、日本人は気付くべきです。

日本はユーラシア大陸の東の端っこに海を隔てて浮かんでいます。
日本のまわりにあるのは、世界の問題児国家ばかりです。
ロシア・・・ウクライナを軍事的にかすめ取ろうとしています。非民主国家。
中国・・・言わずと知れた共産党専制独裁。サイバーテロの常習犯。
北朝鮮・・・解説の必要なし
韓国・・・世界に知られた非常識国家。国民的メンヘラと歪な経済構造。

まあ、唯一台湾のみがまともですが、あれは国ではなく「地域」。
国連の加盟国ではありません。
つまり、日本はすごくヤバイ状態にあるのです。
何とか平和でいられるのは、安倍君の爺さんが結んだ日米安保条約のおかげ。
オバマ君が渋々認める日本への防衛義務の源泉はこの条約。

そういった日本の「地政学的危機状態」をもっと知るべきですね。
今の日本は10年前に比べてかなりヤバイ状態。
10年後はもっとヤバくなっているはず。
アメリカが「日米安保なんてやめよう」と考えたら、即死ですよ。
僕らの子どもたちは、中国人の奴隷にされます。
そういうリアリティをもっと理解すべきですだと思います。

幸い、今の中国の対外戦略は非常に拙劣な手法を取っています。
イギリスの外交がメジャーリーグなら、中国のそれは
そのへんの草野球レベルと言っていいでしょう。
だからこそ、今のうちに何とかすべきです。
憲法改正なんて、始まりの始まりにすぎません。

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2015/4/10 21:15 Comments (2)

2 Comments

まろたんさん、こんばんは。

なんか忙しい週末でした。
でも終わりました。
明日からはわりあい普通な1週間。

夕食時、家族にAIIBの解説をいたしました。
この問題、先が楽しみです。
日米抜きで中国がどこまでやるか、ということですね。

最近、私は「グローバリズム」が大嫌い。
まあ、その恩恵を受けている消費者の一人ではありますが。

世の中いまだにデフレ基調ですが、
アマゾンとヤフオクが大きな役割を果たしている気がしますね。
1億総小売屋時代がやってきたような・・・・

おや、ちょっと酔ったので、今日はこれくらいで。
ごきげんよう。 榊淳司

2015/04/13 00:20 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

「そして、二国だけ残った」。
シナが呼び掛けた「アジアインフラ投資銀行」の序盤面。
我が日本国は「初手」が「悪手」でした。

「奉加帳」をしめてみると、五〇か国超が集まった。
で、日本国は米国と「二人ぽっち」で孤立したというより、
まんまと、シナによって「孤立させられた」。
この先どのような手で、突破してゆくのでしょうか。

さて、96兆円を超える来年度予算が決まりました。
相変わらず「大借金頼み」の財政です。
わかっちゃいるけど、どうにも成らない、と。
総裁選は安倍晋三で固まったようで、慶賀なことです。

今月末、安倍晋三は米国訪問、議会で一席「ぶつ」のだと。
なんでも「五〇数年来」のことだそうで。
両議院では「初めて」ですか?
ノコノコ出張って行き、ショボいことは言えません。
で、一世一代の「大見得」をブツのでしょうか?

そろそろ「決められる」政治ですね。
帰国後、関連する法整備が目白押しとか。
正面突破でやるしかありませんが。
公明党よ、大丈夫でっか?

一見すると、日本国は天下泰平の様相ですが、
その実相は「深い層で大変動」しているのでは、有馬温泉。
何か「不吉」のもの?
とまでは申しませんが、ふと、直感とか、予感とか、ね。
そんな言葉にはならないものが、去来するときがあります。
ま、気のせいでしょうが。

さて。
タブレットを買いました。ウィンドウズ8.1。
結論は「いいですな」。
今まで、アンドロイド一本やりで来ましたが、

ウィンドウズは、やはり歴史・実績があり、ダテじゃない。
見直しました。
現状は「劣勢」ですが、なんのその、
マイクロソフトは「巻き返す」かも知れませんよ。

今年後半、ウィンドウズ10がリリースされます。
1年間限定で、無料バージョンアップですから。
どうでしょうか?
いやはや、息を抜けない大激戦の世界ですな。

ごきげんよう。

2015/04/12 00:24 | by まろたん

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