建築費2割高だけど家賃3割高で満室

私という人間は、他人を褒めることは好きですが、けなすのは嫌いです。
「嘘つけ。マンションにケチばかり付けているではないか」
はい、その通りです。それを仕事にしています。
そこは仕事ですので、なにとぞご勘弁を。
世の中には、そういうことを言う人間が必要と言い訳を致します。
相手が大きな企業や国家、あるいは著名政治家や日銀総裁といった公人とか
国民全体といったところまではアラを見つけて吠えまくります。

しかし、タレント風情やケチな政治家クラスは取り扱いません。
もちろん、一般人や中小企業の類も。私に害をなせば話は別ですが。
なぜそういう小物をけなさないかというと、とくに理由はありません。
多分、自分の心の中で「それは美しくない」と思っているからでしょう。
他人の悪口を言いつのる人間を見ていると、醜いばかりですから。

そういうわけで、今日も巨大な誰かをけなすとともに、
普通の何かをほめそやしましょう。
まずは、今日のアラさがしは日銀総裁の黒田君。
日銀のマイナス金利政策が、どーも黒田君の思惑から
外れた結果を導いている観がありますね。
経済というものが、ますます分らなくなってきました。
政府の財政政策も、日銀の金融政策も、有効に働いているとは思えません。
最も分りやすい指標は株価ではないでしょうか。
しかし、その株価も取引の大半は外国人によるものです。

2008年にリーマンブラザーズが倒産しました。
2009年頃の景況感はひどかったですね。
「派遣村」なんていうのができていたのは、あの頃ですね。
それに比べれば、今は完全雇用に近い状態。
しかし、賃金は上がっていません。個人所得は実質的にマイナス。
低賃金労働者が増えただけではありませんか。

2013年からアベノミクスが始まりました。
しかし、安倍政権は経済に関して実際ところほとんど何もしていません。
世間の景気を「いいかな」と思わせたのは日銀の黒田君。
「異次元金融政策」をやったおかげで「金回り」だけはOK。
銀行がおカネを貸してくれるので、倒産は減りました。

しかし、実際に景気が良くなっているかと言うと???
それは、東北地方の一部はガンガンに景気がいいですよ。
だって、もともと経済力のパイが小さいところに
何十兆円もの復興予算をぶち込んで、無駄な工事のオンパレード。
それは良くならないはずはないでしょう。

でも、東京に住んでいると、そういうのは何も感じません。
街に中国人観光客が増えたのが唯一の変化でしょうか。
まあ、不動産屋どもの一部はウハウハに儲かっていますが。
それは夜の銀座赤坂六本木を見ればわかります。

しかし、日本全体の景気は良くなっていませんね。
誰もこの国の明るい未来を予想していませんし。
私はたったの53年ちょいしか生きていませんが、
「未来が暗い」と思い始めたのは、ほんの8年前くらい。
そして、民主党政権の3年半が、その暗い未来を固定化しました。

ただし、多くの人は暗い未来を語りたがりません。
「見たくないものは見ない」のが人間なのです。
しかし、見たくない「不都合な現実」は確実に存在します。
今回の「マイナス金利」もそんな一つではないでしょうか。

普通に考えれば、これで世間の金回りは一段と良くなるはず。
お金を借りるのが、今までよりも0コンマ何パーセントか有利に。
住宅ローンを借りている人は、一斉に借り替えに走ります。
しかし、「だから住宅を買う」という人が沸いてくるわけありません。

それは「8%だったのが4%に」というのなら絶大な効果が期待できます。
しかし、0コンマ何パーセント下がったところで、月々はせいぜい数千円。
それでもって「1億円の借金をしてマンションを買うか」とはなりません。
ましてや企業が「金利が下がったから設備投資」にもなりませんわな。

だから、却って株価が下がったり円が買われるのでしょう。
実に実に、これまでの経済学の単純なセオリーは通じません。
ここのところ何度も言うように「経済学は役立たず」なのです。
そして、黒田君は歴史に残る「バブル製造」の悪人になります。
彼は消費税を上げることだけを目標に金融政策を展開。
財務省の私利私欲でバブルを発生させた男ですから。

次は、褒めそやし。
昨日、旧知のデベさんのお招きで、とある棟内モデルルームへ。
MUSISION」という完全防音型のマンションです。
お部屋でガンガンに楽器を鳴らしても、隣にも上下階にも響きません。
前から知ってはいたのですが、初体験は昨日です。

そのマンションは東京都中野区の野方にあります。
まず、楽器のあるお部屋に入れてもらいました。
そこにはなんとスタンウエイのグランドピアノがデーンと置いてあります。
ガンガンとピアノ音が聞こえるので、美人のピアニストが
演奏しているのかと思いきや・・・ただのステレオでした。
「美人のピアニストなら即座に1ダースくらいは紹介できるのに」
なんて思いましたが、そこはぐっと言葉を飲んで(笑)。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ガンガン響くピアノ演奏の音量は90デシベルを大きく超えています。
まあ、普通の会話もできないレベルでしたね。
それで、お隣の部屋に移動。
すると、まったく聞こえません。シーンという感じ。
まあ、知ってはいましたが実際に体験するとビックリ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

間取りは1LDKとかワンルームとか単身者向き。
分譲ではなく賃貸です。ところが・・・
家賃は通常の3割高だそうです。
それでも、借り手はすぐに見つかるといいます。
既存の「MUSISION」は228戸あるそうですが、だいたい満室。
誰かが出て行っても、すぐに代わりが見つかるとか。

建築費を聞いてみると、普通に作るよりも2割増し。
オーナーさんからすると、建築費が2割増しでも
家賃が3割増しで満室になるのなら十分にペイするのだとか。
そりゃ、普通に作って空室2割、というよりも全然ましでしょ。

この「MUSISION」という完全防音型のマンションを
プロデュースしているのはリブランという会社。
板橋区の大山が本社ですが、ちょっとユニークですね。
「エコヴィレッジ」という「エアコンに頼らないで夏を過ごす」という
コンセプトの分譲マンションを手掛けてきました。
最近はバブルで、事業用地がうまく買えないそうです。
だから「エコヴィレッジ」の展開も細っています。

その代わりでもないのでしょうが「MUSISION」には注力。
これは「楽器を演奏したい」という借り手にとっても、
「賃貸経営を安定させたい」というオーナー側にも
ともにWin Winな関係を構築してくれます。
こういうビジネスモデル、私は結構好きです。

2月27日(土)開催のセミナー。参加は無料です。
申込が殺到しているようです。
マジで締め切りになるかもしれません。
気になっている方は、お早めにお申し込みください。

建築・不動産業界 改革の三銃士、ここに見参!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

バリ島ツアー参加者募集 催行ほぼ決定

バリ島への不動産見学ツアーを公式に開催します。
今のところ、2016年の3月17日出発、21日帰着の予定です。
みなさん、参加希望があれば「お問い合わせ」からお知らせください。

日程:2016年3月17日から21日の3泊4日 ガルーダインドネシア航空利用
宿泊:1泊78ドル程度でプール付きヴィレジのヴィラをご用意できます。お二人でも同額。現地精算。
費用:現地で不動産見学1日2万円(車、ガソリン代、運転手などの実費です)
航空便:各自でご手配ください。直行だとガルーダのみ。8から9万円。
乗り継ぎだと、韓国や台湾、シンガポールなどがあります。やや割安。
送迎:不動産ツアーに参加していただく場合、空港への送迎は無料です。
榊淳司:みなさんの不動産ツアーに同行します。お嫌でなければお昼と晩御飯をご一緒します。費用は割り勘。
●現地での銀行口座開設:1口座3万円の手数料で承ります。
●その他、観光やエンタテイメント等のご要望があれば現地スタッフが可能な限りご希望に沿う努力をします。

「榊淳司のお奨めマンション速報」

購読料 1ヵ月 1,590
※購読料金のお支払いはクレジットカードのみとなります。お申込みは コチラから  次のページの右下「カートに入れる」をクリックしてください

メルマガ


2016/2/22 14:09 Comments (9)

9 Comments

>それに比べれば、今は完全雇用に近い状態。
>しかし、賃金は上がっていません。個人所得は実質的にマイナス。
>低賃金労働者が増えただけではありませんか。

まず雇用回復初期では流動性が高い非正規やパートなどの労働者が増えます。これらの人達は給料が低いので、彼らを加えたら1人あたりの実質賃金が下がるのは当たり前なのです。難しい話ではなく割り算の問題です。そして労働市場の需給が引き締まったら、量による改善から質の改善に移行します。つまり、正社員化や賃金上昇。既にその兆候は出ています。去年は8年ぶりに正社員は増え、非正規やパートの賃金はハイペースで伸びています。もっと失業者が減って、労働市場に余った人材がほぼ0になると、完全雇用状態になります。その段階になると正社員の賃金も伸び始め、1人あたりの実質賃金も上昇します。あなたは「今は完全雇用に近い状態」と言ってますが間違いです。まだ完全雇用状態ではありません。もしそうなら、官製春闘なんかしなくても、各地で企業が自発的に賃上げをしています。もう少し経済について勉強してください。

2016/03/01 19:24 | by あ

まろたんさん、こんにちは。

お神酒タイムを楽しんでいます。
あしたはゆっくりでOK なもので(笑)。

底辺層と言うのは、私から見ると共通項があります。
日本社会では35歳までに年収1千万円に到達しない人間は、
その後ずっと到達しない可能性が9割以上だと思います。
40歳になるようなオッサンで、
年収が500万円しかないサラリーマンが多過ぎ。
これは、会社が悪いか自分が悪いかのどちらかです。
今の日本では、そのどちらを変えるのも自由。
できれば、両方変えるべきですね。
もっとも40歳で自分の性格やスキルを変えるのは困難でしょうが。

そういうお方は、総じてウジウジしています。
それは当たり前で、「給料の安い会社」にしがみついているのですから、
性格がスキっとしているわけがない(笑)。
話せばグチばかり。他人の悪口大好き。
不平不満のオンパレード。挙句に、他人への嫉妬全開。
嫌いですね、そういう輩は。

彼らの家庭はどうなっているのでしょう?
きっとくらーいのではないでしょうか。
私、自分の経営する会社が倒産の危機に瀕した時に、家族を集めて言いました。
「僕の仕事がダメになって自己破産するかもしれない。
その時にはこの家からもでていかなければいけない。
君たちの生活も大いに変わるだろう。
しかし、飯くらいは食えるからそう思っていてくれ」
全員、納得してくれました。
私の家族は、何ともイタリア的です(笑)。

人と人は行き会います。
私とまろたんさんが出会ったように。
私の人生は、出会いで支えられています。

ごきげんよう。 おやすみなさい。 榊淳司

2016/02/24 00:22 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

防音室業者のご紹介、ありがとうございます。

さて。
「国家・資本・家族」
とは。と言いますと、
今のニッポン人、答えられるものは、マレ。

しかし、ですよ。
「家族」
ですよ。生きものは。

「血は水よりも、濃い」

と言います。
どうなんでしょうね。

私は、思うんですわ。このごろ。

「血は水よりも、濃い」

これが分かる日本人は、
「トーダイ卒」よりイケル。と。
ああ「キョーダイ卒」でも、イイんでがね。(笑)

イタリア人は「家族の結束」こそ人生と。
映画「ゴッド・ファーザー」のとおり。
古くは、映画「鉄道員」。
今や、イタリア人は貧しいけど、帰る所がある。

さてさて。
かっては、ゴッド・ファーザーであった日本人。
今のいま、イタリア人のような帰る所、ありますでしょうか?

まあまあ、よろしいと。

カネも大事。ですが、人も大事。

いわゆる、底辺層を見ますとね。
「カネ」に恵まれない、
というより、
「ヒト」に恵まれていない。
のではないかなあーと。

> 山と山は、行き会わないが、
> 人と人は、また行き会うもの。

ご静聴、ありがとうございます。

ごきげんよう。

2016/02/23 23:50 | by まろたん

まろたんさん、こんにちは。

もうすでにあるマンションの防音工事はなかなか厄介。
音は空気の振動ですから、空気が遮断できればOK。
リチャード・ギアの「北京のふたり」みたいに
風船の部屋を作るのが安上がりかと。
でなければ、防音工事はヤマハがお得意です。

jp.yamaha.com/products/soundproofing/

カラオケなら0.8畳でもOKかと。

ではまた。 ごきげんよう 榊淳司

2016/02/23 13:35 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

「完全防音」賃貸マンション。
リッチでは、有馬温泉。

実は。ぐうぜんですが。
わたし、
移住先のマンションの一室を「防音」にしたいと。
ひとり目論んでおります。

なーんでか?

「カラオケ・ルーム」をつくりたい。
そこで、たまーに、
ひとり、歌いまくってやろうかと。(笑)

当マンションに、
果たして施工はできるのか?
防音効果は、どのてーどかいな?
なんぼ、かかるのかいな?
とかとか。

そんなことを検討して決めたい と、思考中。

アドバイスをお持ちでしたら、ご教授下さい。

ごきげんよう。

2016/02/23 11:54 | by まろたん

まろたんさん、こんばんは。

たしかに、ITナシでは生きられませんね。
私も今は収入の大半がITを経由しています。
まあ、マンションポエムは昔のコネ。
それ以外は全部「榊淳司」としての収入。
「榊淳司」はITがあったから生まれた存在。
まあ、この20年で激変しましたね。
まさか私がネット世界で稼いでいるとは・・・
中身はアナログそのものですが(笑)。

お神酒タイムの世は更けて。
明日も明日の取材が来る。

ごきげんよう 榊淳司

2016/02/22 22:24 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

> ふだん使わないソフトは、イラつく・・・と。

おっしゃる通り。われも経験ありあり、です。

昨今、
ウインドウズやら、アップルやら、アンドロイドやら、
あれやこれや、いいのわるいの、なんだらかんだら、
専門家なる「軽薄バカ」が、ほざいておるようです。

が、
なーに、自分が馴染んだものが「ベスト!」です。
そう痛感しますわ。IT苦労人は。(笑)

軽薄なる専門バカどもが、ほざいておりますがのう、
ヤツらも今の生活があるし、老後もあるし(笑)、
軽薄バカを責めるのも、のーう。
ま、田吾作は、乗せられ踊らされんよーに。な。(笑)

あれやこれや、ゆーたところで、ニンゲンの作るもの、
どれもこれも、五十歩百歩「たかが、知れてまっせ」。
どうでしょうか。のう。

でも。
もはやITナシでは生きられない時代と、我が身。
なんと言ったらいいのか。
このコメントを、どう、まとめたらいいのか。

こんなに、こんなにも。
変わってしまうんですねー。たかが20年で?

ごきげんよう。

2016/02/22 20:39 | by まろたん

まろたんさん、こんばんは。

わたし、似たようなお方を知っています。
半年くらい間に、ブログの記事にしました。
アハハ。オンナは怖い生き物ですね。
だから、寄ってきてもヘタに近づかないのが正解。

はあ。今日は慣れないレジュメづくりで疲れました。
普段使わないソフトは、何かとイラつきますね。
本日閉店。戻ってお神酒をいただきます。
明日は「どうしても午前中」という取材。
毎日毎日、なんらかのメディア対応やっています。

ではまた。 ごきげんよう 榊淳司

2016/02/22 20:01 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

だれがゆうたか、有名な言葉が。

「女の敵は、女である」

で。
ふうてんの寅なら、こんな言葉を返すでしょう。

「おじちゃん。それ言っちゃ、おしまいよ」(笑)

「格付けしあう女たち」

なる本がおますが、
この著者は、ぶりぶりの「オナゴ」です。

うーん。
このへんが、限界でしょうかねえ。この国の。

わし、男でよかった。(笑)

ごきげんよう。

2016/02/22 14:27 | by まろたん

RSS feed for comments on this post.


Leave a comment

※こちらへ書き込みいただいたコメントは、承認後全て表示されます。
マンション購入に関する個別相談等こちらへ表示させたくない場合は、
専用フォームからお願いいたします。