アメリカと中国は永遠にG2となれない

ここのところマンション市場に関することが多かったので、
今日はものすごーく視点をマクロにしますね。
テーマは「米中関係」。
スケールが地球規模になってきました。
こんなことをブログのテーマにしている輩はいるでしょうか?
まあ、それはいいとして(笑)。

アメリカと中国は、地球上の国家としてはトップ2です。
GDPではアメリカが1番、中国が2番。
でも中国は人口規模がアメリカの5倍くらいあるので、
2030年頃にはGDPで世界一になる、と言われていました。
私はそうとは思いませんが、その話はひとまず置いて。

中国はここのところ経済が急成長してきました。
GDPで世界2位だった日本を抜き去ったのは2009年。
それから7年で、日本の2倍以上の規模になっています。
東京の街を歩くとそこいらじゅうに中国人の「爆買い」客が
溢れていることも納得できますね。

経済が急成長するとともに、政治的にも傲慢になってきました。
尖閣諸島で暴力的な行いが目立ってきたのもGDPで日本を抜くあたりから。
これは対日本だけではありません。
最近よく報道される南シナ海では、はっきりと軍隊を出しています。
フィリピンやベトナムからは、力づくで島を奪いました。

さて、そんな中国がアメリカとの対話で最近さかんに言及する
ワードが「G2」ですね。これは何のことかというと・・・
もともと「先進7か国首脳会議(サミット)」をG7なんて言っていました。
それを、アメリと中国だけで「G2」だ、と言っているのが中国。

ちなみにGはグローバルでもグランドでもなくGROUPだそうです。
「先進7か国グループ」みたいな。まあ、日本語の語感では「仲間」。
中国がさかんG2という意図は、アメリカに対して
「世界は私たち2国で牛耳りましょうよ」ということ。

習近平君がオバマ君と会談すると必ず「G2としては・・・」という
語りかけをするそうです。ふーん。
これに対してオバマ君は、けっして「G2が・・」とは答えません。
つまり、言外に「G2なんて概念は共有してないよ」と伝えています。
でもまあ、習君はしつこくしつこく、毎回「G2として・・」といいます。
中国の官製メディアもさかんにG2というワードを使います。
世界的に「中国とアメリカのG2」を浸透させたいのですね。

で、実際のところはどうでしょう?
中国にはアメリカと対等に渡り合えるほどの実力はあるのでしょうか?
まず、これはまったく無理な話だと思います。
曲がりなりにもアメリカと渡り合えるのは、経済規模だけ。
GDPだけなら、そのうちアメリカに追いつく可能性があります。
しかし、それは何十年も先ではないでしょうか。

現在、中国経済は完全に停滞期に入っています。
生産設備の過剰は、健全化まで5年以上はかかりそうです。
その間、外資系の製造業はどんどん逃げ出すでしょう。
中国の莫大な消費市場は魅力なのですが、
もはや「世界の工場」としてはかなり条件が悪化しています。
それに、制度面でも「中進国の罠」に陥っています。
今後はかつてほどの成長が続くとは思えません。
GDPでアメリカに追いつくのは、早くて2050年じゃないですか。

軍事面では、それこそ大人と子ども以上の差があります。
現代の戦争は兵隊の数ではありません。
科学技術力と情報力がすべてと言っていいでしょう。
例えば、アメリカ海軍が本気になれば南シナ海の制海権と制空権を、
実行支配下に置くには数時間もかからないでしょう。
中国海空軍が全戦力を投入して抵抗しても、それは同じ。

政治外交面ではどうでしょう?
中国には近隣に友好国がほとんどありません。
せいぜいバングラデシュくらいですか。
まあ、朴君の韓国が靡いていましたが、最近は怪しい空気。
それどころか、日本、インド、台湾、ベトナム、フィリピンなど、
反中包囲網のようなものまで形成されつつあります。

つまり、今の中国は多少のカネは持っているけれども、
所詮はアメリカに敵わない軍事力しか保有していません。
さらに、外交的には周辺に嫌われた孤立国家だとみなせます。
だからこそ、アメリカに対して「俺たちってG2だよね」と迫るのです。
なんだかこれってイビツな関係でしょ。

さて、これから先はどうなるのでしょうか。
まず、オバマ君は大統領でいられるのがあと10か月未満。
彼はずっと中国を甘やかしてきました。
最近、ちょっとだけ「コイツら気に入らん」と思い始めた感じ。
しかし、事を構えようなどとはこれっぽっちも考えていません。
まあ、彼の任期中の米中関係はあいまいなまま終わるでしょう。

次の大統領は誰でしょうね?
トランプかクルーズ、あるいはヒラリーかサンダース。
この4人のうちの誰かになるのは間違いなさそうです。
誰になっても、オバマのようには中国を甘やかさないと思います。
しかし、好んで事を構えるようなタイプもいません。
はっきり言って、よう分かりません。
アメリカの大統領選挙については、また別の機会に詳しく。

それよりも、中国の国内事情の方が面白そうです。
まず、習君は絶対権力を固めつつあると見ることができます。
何よりも躍起になって軍を掌握しようとして、半ば成功しています。
南シナ海で夜郎自大なことをやっているのも、
軍の強硬派に対するポーズのように思えますね。

本来なら経済担当のナンバー2である李克強は力を失っています。
しかし、あの国の権力闘争は一夜にしての逆転があります。
未だに力をもつ上海派のボスである江沢民は、
習近平のやり方を苦々しく見ているはずです。

そこに来て、ここのところ経済がかなり怪しくなっています。
国有企業が次々に破綻して失業者が大量に発生すると、
社会不安が高まって大きな騒動となる可能性があります。
そうでなくても、一部都市以外の不動産バブルは崩壊しました。

くわえて、朝鮮半島が一触即発の危機状態です。
まあ、正恩君がビビっているだけだとは思うのですが、
アメリカ軍の動きはいつにない「本気」を感じさせます。
ビンラーディンを暗殺したような「斬首作戦」を実行し、
「弱虫オバマ」の汚名を雪ごうとしているのでしょうか。
オバマ君には軍事的なレガシーが何もありませんからね。
それに、正恩君をぶっ殺しても文句を言う奴はいません。

正恩君を消して、代わりに中国寄りの正男君を後釜に据える、
というシナリオは米中両国に受け入れやすいものです。
もしかしたら、水面下でそういう話をしている可能性はありますね。
それで朝鮮半島を安定させて、危険な核のお遊びは一時停止。
そうなればオバマ君にとっては立派なレガシーですよ。
日本としては、ついでに拉致被害者を返してほしいもの。

まあ、中国が求める「G2」はちょっと誇大妄想ですが、
朝鮮半島の問題はこの両大国が同意しないとどーにもなりません。
韓国は当事者の割には能力がなく、日本はただの脇役。
ロシアは文句だけは言いたいオブザーバーでしょうか。

中国は今、かつての日本のように「自己肥大化」中ですね。
外から見ると、国際ルールを守らずに暴慢に振る舞っています。
それでいて、口先で言いつくろうのが上手なところは、
外交が不器用だった大日本帝国との大きな違い。
しかし、さすがに今は危ないところまでやってきました。

アメリカは、大統領が変わることによって外交政策は多少ぶれます。
しかし、その歴史を見ていると大きな流れに沿っています。
それは「太平洋エリアで自国以外の軍事的覇権を認めない」というもの。
これは第二次世界大戦前後から変わらぬ流れです。

かつての日本は、それに挑戦して見事に玉砕しました。
今、中国がハリボテの軍事力で西太平洋を我が物にしようと、
実に危険な野望を膨らませています。
彼らが「西太平洋陣取りゲーム」という危険な遊びを続ける限り、
米中はいずれどこかで軍事的に衝突します。

そして、今の中国のシステムでは、例え100年後でも
実質的な軍事力でアメリカを上回ることは不可能でしょう。
なぜなら、彼らは新たな軍事技術を開発する能力がないからです。
彼らのそれは、常にどこかから「盗んで」来たものばかり。
中国人の発想は、画期的な技術というものは膨大な
人的、経済的資源をつぎ込んで開発するものではなく、
手っ取り早く盗んだ方が安上がりだ、というもの。
そこから脱却している気配は微塵もありませんね。
だから、100年経ってもアメリカには勝てません。

恒例の「バリ島不動産セミナー」を4月23日に開催します。
会場は少し移動して、馬喰横山駅徒歩1分。
「セトル」さんという仲介業者さんが入るビルの4階会議室。
今回から、ご好意でお借りできることになりました。
以前の会場よりも狭いので、定員は10名です。

4月23日バリ島不動産セミナー開催

3番目、初めての試みなのですが

4月9日 榊淳司の不動産売却ご相談会

を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はバリ島不動産セミナーと同じところ。

開催日時:4月9日(土)12時~17時
開催場所:セトル 4階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

4月9日土曜日の12時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
今回は、とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。

まあ、何人くらいいらっしゃるのか、あるいはゼロなのか・・・
こういうことはやってみないと分かりません。
何人もいらっしゃるようだと、次回からは予約制にいたします。

「榊淳司のお奨めマンション速報」

購読料 1ヵ月 1,590
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2016/4/6 14:55 Comments (4)

4 Comments

まろたんさん、こんにちは。

お疲れ様です。
雨、また雨。
なんか陰気ですね。
でも、いつか晴れます。

H氏から連絡もらいました。
鋭意進めますね。

ではまた。 ごきげんよう 榊淳司

2016/04/07 15:23 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

只今、新幹線車中。
雨。あめ。あめ。ずっと、雨。

老人が、新幹線車中でガソリンをかぶり自決した。
そのせいでしょうか、車中を制服を着た男二人、
巡回しております。

伊勢志摩サミットも近い。
東京五輪は4年後。
あまくみると、テロルの思うがまま。

さて。
「くたばり、ぞこないの、クソババア」
そして、
「生まれ、ぞこないの、クソガキども」(笑)

いつのころからか。
クソババアとクソガキどもが、
はびこる、われらが、ニッポン。
になり果てましたね。

やれやれ、ですわ。(笑)

失礼しました。
ごきげんよう。

2016/04/07 15:14 | by 匿名

まろたんさん、こんばんは。

「根腐れ」ですか。
うーん、奥が深い。
でも、ありうる話では有馬温泉。

アメリカも日本も根腐れ?????
日本は違うと思いますけど・・・

お疲れ様でした。
ウエスタンでの好き日々を祈ります。
また、お会いしましょう。
実に、実に、自然に、話し合えるのが
まことに楽しゅうございました。

ではまた。ごきげんよう 榊淳司

2016/04/06 22:51 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

米国とチャイナ。
「格が違う」でしょう。(笑)

それはともかく。
世界が「根ぐされ」しつつあるような。
どこもかしこも。
わがニッポンも「根ぐされ」が。

「根ぐされ」は怖ろしいですよ。
外見では、わかりませんから。
もんどり打って、大樹が倒壊するまで、
外見では、分かりませんね。

外見たる上部ではなく、根っこでしょう。
大樹も、人間も、世界も。
如何でしょうか。(笑)

今年は、ありそうですね。いろいろとー。
われ、はよう、ウエスタンに行こっと。(笑)

失礼しました。
ごきげんよう。

2016/04/06 19:17 | by まろたん

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