昭和は遠くなりにけり

しかし、「アッと驚く為五郎」のEU離脱騒動。
世間は本当にかまびすしいですね。
こういう時、天邪鬼の私は別の話題で脱線するのです。

日曜日と月曜日、私は京都にいました。
まあ、人生の野暮用です。
私はもうすぐ54歳ですが、親の世代はだいたい80代。
つまりそろそろ「お迎え」がいらっしゃる年代ですね。

私の子どもの頃の80代はもう完全な爺さん婆さん。
「長生きしているなあ」という感覚でみていました。
今は男も女も80まで生きて当たり前。90でやっと長生き。
100歳を超える人が日本全国で何万人もいます。

人間は、生物学で見れば猿の亜種です。
自分たちだけは「別格」なんでボンヤリ考えている人も
多いようですが、何のことはありません。ただの猿。
ただ、人間だけは文明を持ってしまいました。

人間が野生の猿だとすると、寿命は50歳のはずです。
医療というのがほぼなかった時代、60まで生きるのは大変。
秀吉は62歳、家康は73歳、真田昌幸は64歳です。
いずれも病死。彼らは、同時代人としては長生きなはず。
92歳まで生きたという真田信之は例外中の例外。
庶民は50歳まで生きればいい方だったはず。

親の世代が死ぬ、ということは私の世代もあと30年後に・・・
私は他人の3歩先を読む、というおかしな癖を持った人間。
彼らを見ていると、「ああ、次は俺たちか」と思います。
私と同世代でも、早世した人はポツポツいますからね。

「いずれ死ぬ」と考えれば、人生ますますどーでもよくなりますね(笑)。
54歳になれば、自分の能力の限界なんて完全に見えています。
まあ、それを分からずにジタバタしている人の方が多いようですが。
少なくとも、私は自分を「こんなものやろ」と思っています。

いつか書いたように、私は霊魂を信じていません。
あるとすれば、電子の浮遊帯だろうと想像しています。
死んだ人の頭脳の中の電子信号が、あまりにも強い意志
持っていると、それだけで存在を継続する、と考えているのです。
しかし、そうそう長くは続きません。
まあ、どーでもいい話ですね。

私は多分、強い意志も目的もないので、肉体が死んだ後も
私の頭脳から電子信号がこぼれだしてそれだけで存在を続ける、
なんてことはないでしょう。
つまり、往生際がすこぶるよい「成仏」になるはず。
まあ、そんなことは分かりませんが(笑)。

親の世代が次々に旅立つのを見ていると、頭が仏教になります。
諸行無常です。あるいは、万物流転。歳歳年年、人同じからず。
ある人が死ぬと、その人に対する記憶はほぼ50年で完全消滅。
まあ、有名人は違いますが。

たとえ歴史に名を残しても、それだけ。
エライことを成し遂げても、人間よく生きて100年。
名前が残ったところで、死後のその人にとって何の意味があるやら。
しかし、これは「それをいっちゃあおしめえよ」という話ですね。
現世をアクセク生きる意味がなくなってしまいますから。

私は、人間の存在価値は遺伝子のバトンリレーだと思っています。
先祖から受け継いだ遺伝子を、子どもを作って次代に渡す。
生物というのは、すべてそのために生きています。
我らも、まがうことなき生物の一種。類人猿の亜種。

ところが、日本のように文明が頽廃した社会になると、
「子どもなんて作らない」という遺伝子の自殺行為が蔓延します。
「できなかった」というのであれば、仕方のないことですが。
あるいは、出来てしまっても「今はいいから」と堕胎。
日本の人工妊娠中絶件数は年間約18万件だそうですが、
果たしてそんなので済んでいるのでしょうか?
人類の中で少なくとも日本人は、緩やかな絶滅への道を歩んでいます。
あまり喜ばしいことではありませんね。

「人を植ゆるは百年の計」なんて言いますね。老子です。
私の親の世代は、多産な人たちでした。だいたい、昭和一ケタ。
しかし、その後の団塊さんたちは普通でしたね。
なぜなら、団塊ジュニアたちにも3人兄弟は稀でしたから。
団塊から十数年遅れの「新人類世代」が我々。清原が代表選手。
我らの同級生で3人の子持ちなんて、超少数派ですよ。
そして次の団塊ジュニア世代はパラサイトシングルやニートなどを
生み出した層ではないのでしょうか。
別に彼らのことを悪く言いうつもりはサラサラないのですが。

80代の爺さん、婆さんたちを見ていると、昭和の活気を思い出します。
あの頃、世の中が衰退するなんて兆しはどこにもありませんでした。
未来は希望に満ちていたのです。
昭和一ケタの人々。すなわち、彼らこそ昭和の人々なのです。

今、我らはある意味で「生きた昭和」に別れを告げようとしています。
彼らが私たちの目の前から消えることで、あの時代は真の歴史になります。
残念ではありますが、避けられない現実ですね。
「大正」や「明治」はもはやリアリティのない世界。
あと30年もすれば、「昭和」もお仲間入りです。
その頃には、私もこの世にはないはずですね。

さて、資産価値レポートの更新情報です。
渋谷区と杉並区のレポートを最新情報化。
この両エリアとも、目立った新規物件がありません。
しかも、販売が好調とも言えない状態。
新築マンション市場は、すっかり踊り場に入った感じです。

英国のEU離脱がマンション市場にどう影響するのか?
そんなもの、今のところ「なーんも分かりません」。
ただ、いいことは何もなさそうです。

渋谷区総集編
価格 5,190

■ザ・グランツ代々木参宮橋、■パークコート渋谷大山町 ザ プラネ、■サンウッド代々木西参道、■アトラス恵比寿、■ブランズ渋谷常盤松、■シティハウス恵比寿伊達坂、■シティハウス神宮北参道、■アトラス代々木上原、■グランドメゾン表参道、■シティハウス広尾南、■THE CONOE〈代官山〉、■ザ・エクセレントシティ 松濤、■パークリュクス渋谷西原、■初台コンパクトマンションプロジェクト

杉並区総集編
価格 6,980

■ヴォーガコルテ高井戸、■THE 東高円寺テラス、■ザ・パークハウス 杉並高井戸プレイス、■プラウドシティ阿佐ヶ谷、■ジーエスグランド永福町、■コディア八幡山、■デュフレ高井戸、■ザ・パークハウス 浜田山季の杜、■リムテラス方南町、■パークホームズ杉並善福寺川緑地、■ヴィークコート荻窪、■ザ・パークハウス 杉並上井草、■アスコットテラス荻窪、■クレアホームズ永福町 蒼の邸、■クレアホームズ永福町 耀の邸、■シティテラス荻窪、■シティテラス杉並方南町、■プレシス芦花公園、■ディアナコート浜田山

7月2日バリ島不動産セミナー開催

さて、恒例の「バリ島不動産セミナー」を7月2日に開催します。
会場は馬喰横山駅徒歩1分。
「セトル」さんという仲介業者さんが入るビルの4階会議室。
ご好意でお借りできることになりました。
以前の会場よりも狭いので、定員は10名です。

7月23日 (土)榊淳司の不動産売却ご相談会

を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はバリ島不動産セミナーと同じところ。

開催日時:7月23日(土)13時~17時
開催場所:セトル 4階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

7月23日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。

「榊淳司のお奨めマンション速報」

購読料 1ヵ月 1,590
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2 Comments

まろたんさん、こんばんは。

遠き昭和・・・・
まだ27年しか経っていませんか。
私はどの街にも未練なんぞありません。
終焉の地にもこだわりなし。
畳の上で死にたいとも思いません。
死と言うのは、人間の知っている数少ない真実。
どんな死に方をしたかも含めて、
100年たったら何の意味もありません。

実は昨日、死を覚悟した方とお話しをしました。
潔かったですね。女性ですが。
私の希望は、死を淡々と迎えることです。
まあ、「名こそ惜しい」なんて古めかしいことはいいませんが。

それではまた ごきげんよう 榊淳司

2016/06/28 22:36 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

>思い出だけが、心をめぐる
>遠き昭和の、まぶしい時代

ご存知、小林旭が歌う「遠き昭和の」の一節。
しみじみと、良い歌です。

その昭和が去って、はや27年。
私は、まもなく67。
榊さまの世代とは「見てきた風景」やや違います。
感慨も違うのでしょう。

独断と偏見でズバリ。
日本人の顔・人相が変わりました。
総じて「人相がわるく」なった。

特に「眼つき」。濁っています。
鏡でよーく見て下さい。(笑)
ま、ジョーダンですが。

「死生観」と言います。
まず「死」があり、そして「生」がある。
まず、おのれの「死」を見据えて「人生」を生きる。
と言うことなのでしょう。

私も死は怖い。67に成ろうというのに。
たいがいの日本人は、死が怖いはず。
「おのれの死」です。

作家・山口瞳は肺ガンで亡くなりました。
もう数十年も前のことですが。
当時、彼は週刊新潮にコラムを持っていました。
何というタイトルだったかは失念しました。

肺ガンを病み闘病する中で、こんなことを書いていました。

「どうやって死んだらいいんだろう」

作家ですから赤裸々です。
ぶざま。そうでしょう。ぶざまこそ人間でしょう。

平和で平穏。かっ 経験したこともない、
物質的に満たされた時代が続くと、死はヒトゴト。

私は思ったのです。以前お話ししたように。
「東京では、死にたくない」と。
せめて「終の地」は、おのれが選ぼうと。

東京には、
たくさんの思い出はありますが、未練はありません。
小林旭が歌う。いま、私も歌おう。

思い出だけが、心をめぐる
遠き昭和の、まぶしい時代。

ごきげんよう。

2016/06/28 16:49 | by まろたん

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