「働き方改革」よりも大切な合理主義

総理大臣の安倍君というのは、世間からは右派と見なされています。
憲法改正が彼の悲願だとみなされているようですね。
でも、彼の成蹊大学や留学時、神戸製鋼時代を知っている人々は、
そういう片鱗も見せていなかったと言っています。

彼の母方の祖父は岸信介です。東大首席の超秀才。官僚上がり。
東條内閣の逓信大臣でしたが、反旗を翻して退陣に追い込んだ男。
戦後は日米安全保障条約の改正を強行しました。
当時の安倍君はお父さんのおんまさんに乗って
「アンポー、ハンタイ」と叫んでいたそうです。

まあ、そういうことはどーでもいいのですが、
その彼が進めているのが「働き方改革」。
中身はいいことだらけです。
残業が少なくなって、同一労働同一賃金。
でもこれ、彼が強引にやった労働者派遣法の改悪とかなり矛盾。

多分、安倍君は「なーんもわかっていない」のでしょう。
彼の「右派」思想が祖父さんの模倣であるように、
誰かに刷りこまれて進めている政策のように思えます。
しかし彼の右派路線と同様、方向性は悪くありません。

日本という国は、世界水準で見てかなり効率の悪い
労働環境を抱えているといえます。
2015年の労働生産性ランキングでは22位。
ひとり当たりのGDPでは26位です。
トップのルクセンブルグと比べると、3分の1以下。

分かりやすく言いましょう。
日本人は長時間働いて安い給料で我慢しているのです。
みなさんご自身のまわりで考えてみても、思い当たるでしょう。
自分のやっている仕事が、どれほど会社の利益に
つながっているのか、実感している人は少数派です。

毎週月曜に開かれている会議に意味があると思いますか?
あなたの上司は、あなたよりも確実に優秀だと実感できますか?
見渡して、給料分を稼いでいない正社員は何人いますか?
取引先から過剰な接待を受けている人はいませんか?

私は、合計4年半しかサラリーマンの経験がありません。
それも、ほとんど30年くらい前の経験値です。
大した組織に所属していたわけではありません。
しかし、あれほどバカらしい時代はなかったと思います。

見渡すと、ムダだらけです。余計な業務に余計な人員。
上司はアホで漢字も読めませんでした。
やらされていることの大半は利益につながらない業務。
それでもヒョイヒョイとこなしていました。

課されている仕事をこなすには、業務時間の3分の1程度。
あとは「仕事をするフリ」をしていたと記憶しています。
それは、忙しい時には忙しかったけれど、
3分の2はサボっていたと思います。
それでも給料はもらえるし、それなりの評価も得ます。
「サラリーマンは、気楽な稼業ときたもんだ」の世界。

あまりにアホらしいので、辞めました。
その後、広告制作の会社を経営していたので、
そういった連中とは業者としてお付き合いしていました。
まあ2割の人がバキバキと稼いで6割は普通。
残りの2割はマイナスの存在、という法則は
だいたいどの企業にも当てはまりますね。
なぜそうなるのか?

日本人の横並びの習性だと思います。
また、不合理を排除しない社会風土でしょうね。
窓際で新聞を読んでいる部長が年収1千万円。
現場でシコシコ稼いでいる27歳営業マンが年収500万円。
こういう情景は日本全国の企業で見られるはずです。
やがてその27歳も、部長になれば窓際で新聞です。

日本も基本的に競争社会です。
有能な人間は優遇され、無能なお方は排除されています。
しかし、組織によってはそういう風にはなりません。
そのあたりを、法律面から改善しようというのが
「働き方改革」なのだと思います。

しかし、法律を少し変えることで日本人のもっている
このなんともナーナーの感覚を変えられるでしょうか。
私は懐疑的にならざるを得ません。

私も若い頃は青かったと思います。
何事も合理的にやろうとしました。
すると、仕事なんてほんのわずかな時間で終わります。
最初は、あまった時間を露骨に遊んでいました。
でも、それはあまり上手な振る舞い方ではないと知りました。
他の人が8時間かけてやる仕事を2時間半でこなすことを
あからさまに主張するのは、波風が立ちすぎます。
だから、自分も8時間かかるフリをしたわけです。
これが日本の企業のもつ空気というものですね。
実にアホらしいでしょ。

「働き方改革」も悪くありませんが、根本的には空気です。
制度を変えるよりも、合理主義を尊ぶ精神を鍛えるべきですね。
「ホーレンソー」などというアホなことを唱えている
日本的企業をいかに少なくすべきか、という問題です。

さて、資産価値レポートの更新情報です。
目黒区のレポートを最新情報化しました。
プラウド目黒東が丘が完売していてビックリ。
まさか竣工間際に販売再開とかしませんよね(笑)。

目黒区でも好不調がハッキリしてきました。
市場から浮ついた需要がキレイになくなりましたね。
ダメ物件はいつまでたっても売れ残っています。
そして、新規参入物件が細ってきました。

目黒区総集編
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2017/4/12 0:30 Comments (4)

4 Comments

まろたんさん、こんにちは。

拙著は早ければ14日に届くと思います。
毎度、ありがとうございます!

原稿を依頼される頻度は、最近増えました。
ほぼ断らないのですが、メディアのライバル関係から
お受けできない依頼もありますね。
ただ、原稿料は知れていますので、
いくら書いてもそれだけでは食えません。
世の評論家はどうやって食っているのか不思議。

半島有事の緊張感が高まっていますが、
私は逆に騒ぎが大きくなればなるほど、
発火の危険性は和らぐような気がします。
北が核実験か長距離ミサイルを飛ばせば
また話は別のこととなりますが。

お遍路、楽しみですね。
でも、無理をなさらずに。

ではまた、ごきげんよう。

榊淳司

2017/04/13 10:46 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

ええ!
そんなにたくさん原稿書きがあるのですか。
いやはやパワフル。脱帽です。

新著「マンションは日本人を幸せにするか」
私は、アマゾンに発注済みですが、
14日発送になるのでしょうか。

半島有事の緊張が高まっているようですが、
浅田真央の引退報道がトップ記事とはねえ。
日本人の平和ボケは筋金入りですね。(笑)

当地もだいぶ暖かくなって来ました。
四国遍路に備えて昨日も歩きました。
ひたすら歩いていますと「無我」の境地に。
ひたすら、ひたすら。今日も。

ごきげんよう。

2017/04/13 05:16 | by 匿名

まろたんさん、こんにちは。

昨日は寒かったけれど、今日はいい陽気。
今年の桜はやや遅かったですね。

己の人生を呪うとは、なんとも愚かしや。
自分の人生は、自分の責任です。
呪うなら自分でしょ。強いて言えば、あとは親。

私は親に感謝しています。
のうのうと生きていけるのは、
親から受け継いだ遺伝子のおかげですから。
おまけに、きちんと育てていただいて
学校まで出してもらいましたから。

まあ、人間はつくづく「顔」ですね。
やましいことを考えているご仁は、
だいたい目が曇っています。
目で笑えない奴は食えません。

さてさて、春の到来は大歓迎です。
貧乏な私は今日もアクセクと原稿を書くしかありません。
私の場合、レポートの締め切りが月に約16本。
依頼原稿がだいたい12,3本。
ブログは月に13回程度更新します。
現調や出演、取材対応もありますから
1日2本は何か書いていますね。
その合間は著作に励みます。
物書き人生がこんなに忙しいとは知らなんだ(笑)。

まあ、今日もアクセク働きます。

ごきげんよう 榊淳司

2017/04/12 13:55 | by Sakaki Atsushi

榊さま。

今回のブログを読んで思い出しました。
6年前の東日本大震災の直後の、月刊文藝春秋。
そこに掲載されていた投稿の中にありました。
「日本の最大のカントリーリスクは、日本人である」と。
まあ、サラリーマンこそ最大のリスクですね。(笑)

ニンゲン「顔がすべて」
ですね。
「顔見りゃ分かる」
でしょう。

オバン・オジン。ババア・ジジイ。
のトシになると、顔=ツラに出ますね。

下世話なツラ。
貧相なツラ。
かるーいツラ。
己の人生を呪った「ケン」のあるツラ。
などなど。

そんなツラしたニンゲンを見た日には、
こっちまで荒んできますよ。ホンマ。

「ド底辺」
と、ネット・スラングにあり。
「ド底辺ズラ」
「チョーセン・ズラ」

ま、この辺で。
ごきげんよう。

2017/04/12 03:26 | by まろたん

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