たまにはマンション業界の話でも書きましょうか。
私はそこに関わってはや30年になります。
まあ、昔のことを言っても仕方がないので今の話。
大手は勝手に「メジャー7」なんてのを作っています。
三井不動産レジデンシャル
三菱地所レジデンス
住友不動産
東京建物
東急不動産
野村不動産
大京
自分でメジャーとほざいているのはこの7社だったと思います。
確かに、この7社で全供給量の7割以上は占めていそうですね。
それぞれに特徴があります。
それについては拙著「マンション格差」に詳しく書きました。
どこからもクレームは来ていませんから、
大きな間違いはなかったのでしょう。
「マンション格差」に書いたことの訂正としては、
住友不動産は最近値引きを本格化させていることでしょうか。
晴海のドゥ・トゥールなんて、ひと声500万円だそうな。
もうすぐしたら、それが1000万円になるかもしれません。
定価で3戸も4戸も買った人がいそうですからアホみたいですね。
この7社の中で独立系はひとつもありません。
4社が財閥系、2社が金融系、1社は鉄道系。
財閥系には親会社がありませんが、他にはあります。
財閥系の4社にも、それぞれに特徴があります。
例えば、一見毛並みのいい三菱地所レジデンスの社内は、
大別すると4層構造になっています。
ピラミッドの頂点は三菱地所からの出向組。
その下が旧三菱地所住宅販売で採用された方々。
その下が旧藤和不動産からの移籍組。
今のところ下二つと微妙に混ざっているのが
現三菱地所レジデンスでのプロパー採用組。まだ若手がほとんど。
この中で、近ごろ存在感を高めているのが旧藤和移籍組。
救済合併時には差別待遇に涙しながらも、
「雇用が守られるだけでもマシだと思え」と移籍してきた
旧藤和のツワモノたちが、土地の仕込みに活躍しているとか。
まあ、「用地」の世界は海千山千魑魅魍魎が跋扈する
ドロドロの世界ですから、毛並みのいい人には向いていません。
旧藤和人材が活躍するのもよーく分ります。
三井不動産レジデンスは業界のリーダー的存在。
いくら供給量で住友が日本一になっても、やはり一番は三井。
近頃はやや品が下がって「日本一、感じのいいタワマン」
などとポエムを飛ばして顰蹙を買っていますが、
イメージ的にはまだまだ業界のリーダーですね。
ただ、本当にリーダーにふさわしいかどうかはやや疑問。
横浜の傾斜マンション事件では、証拠を突きつけられるまで
「地震のせいでしょ」とウニャウニャごまかす対応。
事件が発覚して売主の責任が明確になっても、
社長は事件に対する記者会見を一度も開きませんでした。
これについては多くのメディアが憤激していますね。
次に何かあったら鬼の首を取られそうです。
東京建物は財閥系4社の中ではやや変わった会社。
「へえ、それをやるの?」という開発がよくありました。
しかし、横浜の磯子でやらかしたブリリアシティが、
どうやらここ数年のトラウマになっているような気がします。
まあ、マドンナを使った頃から広告のセンスは???でしたが。
東急不動産は鉄道系と言っても、最近はプロパー出身者が
社長になって独立色を深めているそうです。
私も広告屋時代は随分と仕事をさせていただきました。
また、この7社では唯一私を「記者懇談会」に呼んでくれるので、
これ以上は書きません(笑)。
大京はかつてマンション業界の断トツの一位でした。
今はご存知の通りオリックスの傘下。過去の栄光は見る影無し。
ただ、この業界には「大京OB」がウジャウジャいます。
現役では明和地所やアンビシャス、大和地所、グローバル住販などが、
大京OBやOB系企業のOBたちが興した会社。
ここに上げたほかにも上場企業がたくさんあります。
現在、この7社の中でもっとも営業力が強いのが
何を隠そう野村不動産ですね。ものすごく売ります。
完成在庫が数えるほどしかありません。
それも1年を経過するようなしこりモノはほぼありません。
野村不動産は販売力が強いだけでなく、仕入れ能力も抜群。
「よくこんな(いい)土地が買えたなあ」という事例を
しょっちゅう見かけますね。最近は少ないですが。
しかし、あの社内の雰囲気を知っていると「さもありなん」。
もう、ピリピリしていますからね。
社員さんたちは常に真剣勝負で仕事をしています。
そりゃ、東建や東急とは大違いですよ。
さて、ここだけの話。
この中で「マンション開発事業から撤退」が囁かれるのは大京。
かつての雄がなぜ、と思うでしょ。
実は、マンション開発事業というのはリスクが大きいのです。
粗利なんて15%程度。途中でちょっとでも
目論見違いが発生すると、すぐに赤字になってしまいます。
だから、かつては異業種から何百社も参入してきたのに、
残っているのは数社程度。独立系の多くは倒産。
まあ、それよりは手堅く管理や流通に徹していればリスクは僅少。
そのかわり「濡れ手に粟」みたいには儲かりません。
このあと5年、そして10年、業界地図はどう変わるでしょうか。
私はあと8年か9年もすれば新築マンションの供給数は
首都圏で年間1万戸を切って、数千戸にまで減ると思います。
需要自体も細ります。また住宅の余剰感は強まります。
新築と中古の価格は大きくかい離します。
新築というのはお金持ちの道楽か趣味の購入に限られるでしょう。
そうなった場合、この7社で一番困るのは野村不動産でしょうか。
なぜなら、全売り上げに占める分譲事業の割合が高いから。
三井三菱住友は、分譲事業が全体の3割前後かと思います。
今後、分譲事業を縮小することで余剰化した人材は、
他の部門に回すことができます。
しかし、野村は分譲事業が主体ですからねえ・・・
多分、業界地図はこの5年でまた大きく変わるでしょう。
現在、新築マンションは全体的にかなり売れていません。
売れていない理由は単純に価格が高いから。
しかし、様々な理由から今後安くなるとは思えません。
安くなるのは中古マンション。すると、ますます
新築マンションは売れなくなります。
こんな「売れない」状態が何年も続くと、さすがのメジャー7でも
「これはいかん」と思い始めるでしょう。
個人レベルでは、もうそう考えている人は多いはず。
この業界、過去の隆盛を取り戻すことはなさそうです。
あとはどれだけ上手に縮小均衡を図るかですね。
「メジャー7」なんてエバっていられるのは、もう2,3年のこと。
そのうち「フォールイン7」に変わるかもしれません。
を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はいつものところです。
開催日時:9月30日(土)13時~17時
開催場所:セトル 4階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)
9月30日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は5組様。
ただ、10分ほどお待ちいただいた方もおられました。
まろたんさん、こんにちは。
過ごしやすくなりました。
まあ、ちょっと夏をごまかされたような気分ですが(笑)。
比べっこというのは、みなさん大好きですね。
平均よりもちょい上の方が特にそうかと。
年収が1000万円を超えると、勘違いする人が大勢。
「自分は勝ち組」なんだと。
まあ、割合からいけばそうなのですが、
私に言わせれば負け組の先頭みたいなもの。
田舎で1000万円なら断然の勝ち組ですけどね。
自分の周りを見渡すと、1000万円未満が少数派です。
しかし、全然勝ち組感は漂っていません(笑)。
まあ、追い込まれている人もいませんが。
マンション管理といっても、所詮は人間ですね。
めんどくさい人率は、私の経験では15%から25%。
ひとつの集団の中に最低1人はいます。
ただただ自己顕示欲だけが目的みたいのが多いですね。
くわばらくわばら。
君子危うきに近寄らず、ですよ、まろたんさん。
特にまろたんさんや私のように
世間から「飄々と生きている」ように見えるタイプは、
「汲々と生きている」輩から嫉妬されますから。
それではまた ごきげんよう 榊淳司
2017/09/07 13:40 | by Sakaki Atsushiスカ兄さん、こんにちは。
三井不動産と住友不動産は社風が違いすぎます。
また、お互いのライバル意識も相当あります。
まあ、合併はないでしょうね。
どちらかがオオコケして救済にならない限り。
野村不動産は野村證券の体質そのままです。
今はどうか知りませんが、
経営陣は證券から降りてきていましたね。
しかし、未だ経営の基礎を固めたとは言い難い状態。
相変わらずの自転車操業。
盤石とは言い難いですね。
それではまた ごきげんよう 榊淳司
2017/09/07 13:32 | by Sakaki Atsushi榊さま。
真夏に「鍋」ですか。うーん。
でも「ド根性」は付きそうですね。(笑)
ま、ジョウダンはともかく。
昨夜、我がマンションの管理会社のフロントとイッパイ。
35の若手ですが、ま、話が出来る男です。
コレからは「管理」の時代でしょうと言う話も。
ニンゲン、総じて「比べっこするクセ」を持ってます。
何でもかんでも比べっこするクセを。
ですから、いろんな属性に「於いて自分に近い人は要注意です。
例えば「世代が近い、かつ、同性」の人は、
細かい事まで「比べっこ」する対象に成りやすい。
私の例で言いますと、
「70才の上下10才の、男」は比べっこです。
まあ、時に「女」でも比べっこするのがいますが。
あまりに属性の遠い人は、比べても仕方がありません。
例えば年齢で言いますと、
ハタチと70のニンゲンは別世界のニンゲンですから、
お互いのモロモロを比べても意味ナシでしょう。
とは言え、
時に「大きな年齢差」を超えて比べっこするのがいますが。
比べっこが諸悪の根源、となるのは、その先に、
「ひがみ・妬み・嫉妬」の三重奏が起きるからです。
妬み地獄・嫉妬地獄、が必発!
昨夜、管理会社の若手とイッパイやりながら、
マンション管理業務のタイヘンさを聞きました。
結局「マンション管理」は「人間管理」であって、
「雑多な居住者」をどのように管理・あしらうかです。
ビックリするくらい「とんでもない」のがおりますからね。(笑)
まとまりのない話に成りました。
ニンゲンがどうであろうと、季節は刻々と秋に。
色即是空。
ごきげんよう。
榊さん、こんにちは。
「メジャー7」というのは、石油メジャーの「セブン・シスターズ」をお手本にした名称かもしれません。本家の石油メジャーとは規模がだいぶ違うものの、理想を高く掲げたというところでしょうか。
野村不動産は1957年に野村證券から分離独立したそうですが、証券会社に不動産業という異質な事業が同居していたのが不思議です。野村證券はノルマ證券と言われていますから、同根の野村不動産もやはりノルマがきついのでしょう。だから、常にピリピリして真剣に仕事をするのですね。
新築マンションが売れない状態が続いたら、ひょっとすると大型合併があるかもしれません。銀行や損保にならって、三井不動産と住友不動産がくっつくことになったら、外野から見ている限りではちょっと面白くなりそうです。
ごきげんよろしゅう。
2017/09/07 02:04 | by アル中のトスカ兄さんまろたんさん、こんにちは。
我が家では真夏でも時々鍋をやります。
やはり、ピリ辛のキムチ味がいいですね。
先日もやりました。
日本はAIが普及でもしない限り
今後は人手不足になりません。
飲食や建築の業界では5年も前から人手不足です。
今は全業種に及ぼうとしています。
それで15歳から65歳の人口は毎年数十万人単位で減少。
それを外国人が補っています。
「メジャーセブン」なんて、自分たちで言った段階でゴーマン。
「しゃらくさいわ、アホ」と言ってやりたくなります(笑)。
まあ、まろたんさんの年金は今後も大丈夫ですよ。
その分は我々が稼いで納めるのですが(笑)。
僕らの年金は分かりませんけどね。
ではまた ごきげんよう 榊淳司
2017/09/06 13:32 | by Sakaki Atsushi榊さま。
9月になって急に涼しくなりました。
例年は残暑でもう少し暑かったような。
メジャーセブンの5年後。2022。
平成も終わり五輪大宴会もオヒラキとなったあと。
2019秋の消費税UP、出来るのでしょうか?
メジャーセブン・マンション業界が激変すれば、
他の業界も大きく変わることになろうかと。
また就職氷河期でしょうか? 人余り?
5年後。私は73。
過去を悔やまず、未来を憂えず。
と言いますから。
一日一日を、日々是好日で。
ところで、鍋の季節でしょうか。そろそろ。(笑)
色即是空。
ごきげんよう。
RSS feed for comments on this post.