普通のことをやってたらアカン

「普通のことをやってたらアカン」
これはもう20数年前に死んだ私の父がよく言っていたこと。
まあね。普通のことをやっていたら、普通にしかなりません。
ただ、私の父は自分の息子のことがよく分かっていませんでしたね。

私は、自分が普通だと思うことをやっていても、
世間的には「普通じゃない」ことをやらかしている人間なのです。
別にそのことをハンディキャップだと思ったことはありません。
むしろ、誇りに思って生きてきました。
そして、しばしばそれは稼ぎにつながっています。
というか、今は「普通じゃない」ことで食っているようなものです。

私が今やっている住宅ジャーナリストという仕事は、
このブログを始めることでスタートしました。
もう10年以上でしょうか。今も続けています。
私が始めた時は、全然「普通」じゃありませんでしたよ。
もちろん、無報酬で始めたことです。

今は何かを書いた場合、ほとんど原稿料を貰えます。
このブログからは今でも原稿料が出ません。あたり前。
でも、このブログは私の原点なので大切にしています。
何年か前に、世間でブログがブームみたいになりましたね。
「ブログを書いて生きていく」みたいな人いませんでした?
私は世間のことにあまり関心がないので、よー分かりません。

ブログを書いて、どうやってお金を稼ぐのでしょう? 不思議。
私はこのブログでわずかな広告料を稼いでいますが、
そんなん、食べていくには程遠い額ですよ。
このブログの10倍くらいアクセスがあるサイトなら
広告料もそれなりに入ってくるのでしょうけど。

私、さほど欲のない人間です。
このブログも、私の文章だけでなくビジュアルを
多用すればもう少しアクセスが増えるのかもしれません。
あるいは、もう少し論調を抑えた方が万人受けするかもしれません。
しかしそういう発想、あほかいな、と思います。
なんでこの私が世間に媚びなあかんの、と思うわけです。
私は世間の低能どもよりもはるかにエライ存在だと自認しています。
そういう私、普通じゃないでしょ(笑)。

曽野綾子さんが何かのエッセイで書いていました。
「本当のことを言うことがいちばん楽」
その通りですね。言いたいこと、本当のことを
言ったり書いたりするのがいちばん楽です。

嘘は疲れるしペイしません。バレたら大変。必ずバレる(笑)。
文章でも同じで、自分が思っていないことを書くのは
何か疲れます。文章に説得力も生まれません。
思っていることを素直に書くのがいちばん。
このブログは、私が書きたいことを書きたいように書きます。

人間には八方美人というのがいますよね。
どちらからもよく思われようとニコニコしている。
文章でも、誰からも文句を付けられないように・・・
というスタイルで書く人がいます。その究極がお役所の文書。
超つまらないでしょ。義務でなければ誰も読みません。

よく「文章の書き方を教えればいいじゃないですか」と
言われたりしますが、無理です。
それは、面白くない人間を面白くできないのと同じ。
単純に技術的なことは伝授できますよ。

でも書く内容を自分の中から湧かせる術は教えられません。
あるいは、硬い頭を柔らかく変えることも不可能。
勇気のない人に、勇気を与えることもできません。
文章とはつまり、自由な発想とそれを表現する勇気。

「こんなことを書いたら誰かに怒られる」なんて
ことをすぐに考えてしまう人には、いい文章は書けません。
また、誰かに読まれて「面白い」とは思われません。
文章を書く以上、読まれて面白がられるべきです。

先日、あるライターさんと話していると、
テレビ露出の多いあるお方の話題になりました。
「まともなことをおっしゃるけど、話も文章も面白くないですね」
私がそういうと、彼は膝を打って「そう、おもしろくない」。

その方に取材をしていても面白いことは言ってくれないとか。
逆に自分の喋りたいことを話しだして止まらなくなる。
そういう時は、猛獣使い役の美人秘書が出てきて軌道修正。
そして、資料を素早く用意してくれるのだとか。
「だからみんな、あの人のところに取材にいくのですよ」

そーかあー、ええなあ。そんな秘書、私も欲しい。
給料は払えませんが。やったら無理やろ(自分でツッコミ)。
まあ、私は独力で面白いことをひたすら喋ったり書いたり
していかなければならない運命なのです。

私のような仕事は、時にとんがったことを書かねばなりません。
私の場合だと
●不動産価格はいずれどこかで大暴落する
●湾岸のタワーマンションって本当はつまらないから価値もない
みたいなことです。
これって、吉本新喜劇の役者なら誰でも持っているギャグと同じ。
これを書かないと榊淳司じゃない、ということです。

この2本のギャグ、じゃなくてネタは随分働いてくれました。
この2つのネタだけで何本の記事を書いたことか。
それが騒がれるので、ますますこのネタの存在感が増しました。
誰かの「ブログで生きていく」なんて主張も、同じようなもの。
多くのネット人士がそれを取り上げて、散々に批判したり
論じ合ったことで世間に広まりました。
私が知っているくらいですからね。あれを主張した方にとっては
随分とありがたかったのではないでしょうか。

おひな様には五人囃子があった方がいいように、
とんがった主張には、それを見つけ出して「ケシカラン」とか
「間違っている」と騒いで囃し立ててくれる誰かが必要です。
誰にも騒がれないということは、存在しないも同じです。
騒がれ、囃し立てる声が強いほど、存在感は増します。

まあ、騒ぐのはたいていが低能なお方たち。
「あいつの主張は大間違いだ」と大きな声を上げれば上げるほど、
実はその主張を広めていることに低能たちは気付きません。
そんな彼らを利用しない手はありませんね。

私は低能ではないので、他人の主張や言説に言及しません。
「勝手にやってなはれ」の世界ですね。
まあしかし、たまにネットをぐるぐる回って他に人の主張を見ますが、
世間にはとんがったことを言う人、少ないですね。
だから、私はいつも自分の考えていることを正直に書いたり
話すだけで、世間から面白がられ、騒がれ、囃されます。
「普通のことをやってたらアカン」
父上様、このDNAをありがとうございます。

4月21日 (土)榊淳司の不動産売却相談会

を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はいつものところです。

開催日時:4月21 日(土)13時~17時
開催場所:セトル 4階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

4月21日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は2組様。
待ち時間はゼロでしたが
次回も同じようになるかどうかは分りません。

上の住戸、私の提携しているいつものセトルさんが専任で預かっています。
「榊さんに案内して欲しい」と言うことなら、
私が現地をご案内することも可能です。
どうぞ、ご遠慮なくお申し出ください。

窪町小通学区のクレアホーム

 

早稲田大学市民講座「マンションと日本人」

さて、早稲田大学エクステンションセンター八丁堀校での
私の講座が、5月に再び開講されます。
なんと90分を1日に2回。それが2日間の集中講義。
5月12日と19日。いずれも土曜日。13時から16時30分まで。
ビジター受講料13,413円。みなさーん、ぜひご参加を。

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2018/4/13 0:05 Comments (4)

4 Comments

ゆもちんさん、こんにちは。

お久しぶりですね。
物事を自分のアタマで考える、という能力は
実のところカンタンそうで難しいようです。
能力というよりも才能という方がふさわしいかもしれません。
なぜなら、それを身に付けずに大人になったお方は、
多分一生獲得できない能力だからです。
ところが、持っている人は生まれながらに持っています。
あとは育った環境でしょうね。

大学でのお仕事、大変ですね。
私も市民大学で教えていますが、あれはラク、
喋りっぱなしでいいのですから。
相手をあるレベルまで引き上げる、という義務がありません。

タワーマンションに住んでいる類は、
あまり自分のアタマでモノを考えない人かもしれません。
基本見栄っ張りですから、知性よりも悟性で生きているのでしょう。

ではまた コメントをお待ちしています。

榊淳司

2018/04/16 17:46 | by Sakaki Atsushi

榊さま

お父様の教えである「普通のことをやってたらアカン」。

何が普通で、何が普通じゃないか自分で考える。

学校で先生が教えている事が正しいのか

世の中で当たり前とされている慣習が正しいのか

常日頃から、色々なものに興味と同時に疑問を持つ

そして、自分の頭で考えて、自分なりの意見を持つ事

これが、もの凄く大事だと痛切に感じます。

ここ4~5年くらいですが、大学3年生(理工学部)の

レポートチェックをする機会があるんですが

考察を記せとあるのに、「何々だった。」や「何々でした。」

あげくの果てに、「実験して楽しかった。」

感想文のような文章しか書けない(涙)

今の教育(文部科学省)の弊害でしょう(笑)

しかし、タワーマンションに住みたい方々って

なぜ、あんなに高い所に住みたいと思うんだろうか?

僕の居住限界階高は、ちなみに5階くらいまでです。

理想は当然ですが、平屋です(笑)

2018/04/16 14:00 | by ゆもちん

奏子さん、こんにちは。

人間というのは基本的にわがままです。
だからタガが外れれば全員、ヘンな人間になります。
そういうタイプは、時に始末に負えません。
「自分は普通」だと思ってヘンなことをしてますから。

私や奏子さんは、自分のどこが普通じゃないかを
わりあいに分かっています。
そういう「ヘンさ」というのは時に
「個性」や「才能」と呼ばれるのです。

大学というのは「普遍性とは何か?」ということを学ぶところです。
そういう意味で奏子さんはすでに身に着けておられます。
今さら大学なんか如何でもいいでしょう。
中卒というのはかなりカッコイイですよ。

別にメールしますね。

ではまた ごきげんよ 榊淳司

2018/04/15 14:30 | by Sakaki Atsushi

こんにちは。良くも悪くも普通ではない奏子です。

つまらない人間は、普通が一番と思っていますね。
あ、だからつまらないのか。

彼等は往々にして歯に衣着せない物言いの私を心配してくれます。
「普通にしてれば」とか「資格取って大学行けばいいのに」とか。
余計なお世話ですが。
普通の中卒が、世間的にどれだけ地位の低いアホなイメージを
擦りつけられてるか(つまらないお前も含め)知ってるのかと。

さしずめ私のネタは「片親の施設出の中卒」。
この属性が頑張って普通の大卒になるのは非効率。
そう考えると、榊さんの2大ネタは実に効率的ですね。
私もそこから辿り着きましたので。

「普通の女として生きられないなら、ヘンな女として生きるしかない!」
四半世紀前に読んだ少女漫画のサブキャラが放った一言です。
まさか地で行くとは思いませんでしたが(笑)

2018/04/13 17:55 | by 奏子(Kanako)

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