経済学というのは、傍から見るとかなりいい加減です。
役に立ったためしがほとんどないように思えます。
2008年の秋にリーマンショックが起こり、
そのあと世界は「100年に一度」という恐慌に見舞われました。
まあ、今となってはあれが大不況だったのか恐慌だったのか。
最も早く手を打ったのは中国。大金融緩和を行いました。
その次がアメリカ。こちらも例のヘリコプター・ベンが
なりふり構わぬバラマキ政策を実行。いやすごかった。
そのあとユーロも続きました。
日本は白川君というアホが日銀総裁だったので、これを傍観。
2013年に黒田東彦君に変わって、180度の転換。
一気に「異次元」の金融緩和に突入しました。
私は中国やアメリカの金融緩和に日本が出遅れていることに
忸怩たる思いがありましたので、これを歓迎しました。
しかし、2014年の9月にやらかした「第二弾」には呆れました。
「それ、中央銀行がやったらアカンやろ」という政策が
いくつも含まれていたからです。その結果が今です。
不動産の局地バブルが歪な形で膨らんでしまったのです。
これが弾けると、日本は再び「失われた20年」コースです。
日本の不動産価格は世界の主要都市に比べて安いから
これはバブルではない、という主張をときどき見かけます。
ほんまにアホかいな、と思います。経済を知らなさすぎ。
なんで単純に外国と比べるのか、よーわかりません。
モノの値段というのは不動産を含めて原則的に
需要と供給の関係で決まります。需要が強ければ価格上昇。
ところが今の日本、需要は強くありません。
住宅はそこいらじゅうで空家だらけです。
オフィスも渋谷以外は空室が目立ちます。
この国の経済が成長していれば、不動産価格は上がります。
確かに現時点では微速前進状態です。でもあくまでも微速。
アメリカやイギリス、中国は普通にGDPが増えています。
東南アジア諸国も概ね基本的には経済成長しています。
日本は何とか表面的なGDPがほんの少し増えている程度。
実は20年前と比べてほとんど変わっていないのです。
で、この先日本が経済成長軌道に乗るかというと???
まあ、よほどの楽観主義者でないと答えはノーです。
その理由は人口減少と少子高齢化。生産年齢人口の急減。
それでいて、大きなイノベーションもありません。
AIの普及は雇用を奪う結果になりそうです。
だから、黒田君が異次元金融緩和を行ったことによって
巻き起こった局地バブルは歪な価格高騰に他なりません。
つまりこのバブルはいずれ弾ける運命にあるのです。
金利が上昇すれば、バブルが弾けるのは確実。
かつて日銀の三重野総裁はバブルを退治するために
不動産融資の総量規制と金融引締めを行いました。
私は経済学徒ではありません。しかし、三度のバブルを体験。
その形成と崩壊の過程を対岸ではなくバブル側の岸辺で
目の当たりにしてきました。だから今がバブルだと断言します。
そして、バブルはいつか崩壊します。いつか、という問題だけ。
結局、人間とは基本的に想像力が欠如していますね。
今見えているモノの延長でしか物事を理解しません。
ガリレオは「それでも地球は回っている」といいました。
想像力のたくましい人間はいつの世も孤独です。
不思議なのは私のように三度のバブルを経験した人間が
世の中にはウジャウウジャいるはずなのに、
「このバブルは崩壊する」なんて言いません。
まあ、そこは想像力の欠如というよりも健忘症か、
もしくは単純に勇気がないのかもしれませんね。
あるいは、本当のおバカか(笑)。
私が最も恐れるのは、日本の金利が上がる前に、
チャイナショックの顕在化などによりバブルが崩壊することです。
不動産の価格が下がり始めると、不良債権が問題化します。
銀行の経営環境も悪くなるでしょう。
その時、日銀には「金融緩和」というオプションが
ほとんど残されていないのです。どうするのでしょう?
そこで唯一残されている選択肢は量的緩和。
しかし、これをやればトルコのように自国通貨が
暴落する可能性が高くなります。一瞬、輸出系の企業は
業績を急上昇させますが、日本経済を中長期的にみると
貧しくさせるのは必定ですね。
さてさて、今回のバブルはいつどのように弾けるのか。
それは弾けてみないと分りませんが、
今から答え合わせがちょっと楽しみです。
でも、またあの大不況がやってくるのかと思うと
うんざりしますね。どうしようもありませんが。
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ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は1組様。
待ち時間はございませんでした。
次回も同じようになるかどうかは分りません。
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