世界各国で不動産の価格が下落している・・・
ネットでそういう記事をチラホラ見かけるようになりました。
まあ、そりゃそうでしょう。
ここ数年、世界全般にわたり不動産の価格は
バブル的に騰がっていました。
バブルというのはお金が余っているから生じます。
余ったお金が投資先を見つけるために不動産に向かいます。
これはどこの国でもそうです。
お金が余らなくなるとバブルが終わります。
三重野君というお方が日銀の総裁になったのは
1989年の12月。この1989年はバブル最後の年ですね。
就任後、このお方は高らかにバブル退治を宣言します。
そして実行なさいました。その結果、バブル崩壊。
でも、その副作用として長い不況に突入。
日本は「失われた20年」を経験します。
いちばんの被害者は今のロスジェネ世代ですね。
彼らは社会に出てから日本はずっと不況。
この平成大バブルのハードランディングは、
日本の金融政策を委縮させました。
リーマンショックが起こった時に、
「またバブルが起こるのではないか」という
恐れから金融緩和がかなり遅れました。
日銀の総裁が今の黒田君に変わって、
本格的な金融緩和を始めたのは2013年の4月から。
その後よせばいいのに「異次元金融緩和第2弾」とか
史上初の「マイナス金利導入」とかをやらかしました。
その結果、今のような局地バブルを生みだしました。
このバブル、昔の三重野君のように金融引締めに
転ずれば必ず終わります。
ところが、黒田君にその気はまったくありません。
彼は「物価上昇2%」という目標を掲げました。
それを達成しない内は意地でもやめないでしょう。
今回の局地バブルは、ある一面「黒田面子バブル」です。
さて、世界経済は不況の予感を強めています。
米中の話し合いは続いているようで中々まとまりません。
中国の景気はすこーし回復した様子が見えます。
しかし、当局が誤魔化しているだけかもしれません。
アメリカはかなりの確率で景気後退局面入りですね。
日本の景況感もジワリ、と悪くなってきています。
怖いのは「事件」です。
リーマンショック級の事件が起きた時、
世界は同時不況に突入する可能性がありますね。
実はリーマンショック後の大不況の時、
日本の不動産価格はさほど下がりませんでした。
日本人は基本的に不動産というものに肯定的です。
特に都会ではマンションなどの住宅に対する
所有欲がかなり強力です。
よほど困らない限り、売ろうということになりません。
1990年に平成大バブルの崩壊が始まってから、
不動産価格が本格的に下がりだすまでに数年かかりました。
ただ1995年頃にはハッキリと先安観が広がっていましたね。
首都圏のマンション価格が底を打ったのは2002年。
ファンドマネーが目立つようになったのは2005年頃。
その数年前から、「なんかおかしいな」という感じはありました。
ファンドマネーって何かというと、オイルマネーその他。
その頃、中国経済は恐ろしい勢いで高度成長中。
世界中の資源をがぶ飲みし始めたのです。
それで潤った資源国の資金がファンドマネーになって
日本の不動産を買い漁っていたのです。
あれがなければ、日本の不動産はさらに底を這ったはず。
しかし、それも2008年のリーマンショックで終わりました。
2009年の大不況や2011年の東日本大震災の時も、
日本の不動産価格は大きく崩れませんでした。
まあ、地方や郊外についてはどんどん無価値化していました。
大都市の不動産価格は、多少下がったくらいで済みました。
リーマンショックというのは、今から考えれば
かなり一時的な作用でしたね。不況感が強かったのは
翌年の2009年あたり。2011年頃はだいぶ薄まっていました。
つまり、往々にして「空気」だったのです。
日本経済は特に空気に支配されやすいですね。
2012年の12月にあの暗い民主政権時代が終わります。
2013年になった途端にあたりがパッと明るくなりました。
そして黒田君が金融緩和を始めました。
途端にマンションが売れ始めましたね。
まあ、あの時にそれくらいで止めておけば、
今のようなバブルにはなりませんでしたよ。
ところが2014年の10月に第2弾。
そしてその翌々年でしたか、マイナス金利導入。
暴走が停まらなくなりました。
黒田君はきっと後世の非難を浴びるでしょうね。
今のバブルがどのような終わり方をするかにもよりますが、
行き過ぎた金融緩和がもたらしたこのバブルは、令和という
新時代の空に暗雲をたなびかせていることは事実。
あとから「あの時になあ」と思い返すことになります。
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