不動産不況、前回を上回る? 

今、マンションの事業用地を買っているのは、財閥系、野村、それにHくらい・・・
建築費の高騰が事業自体を不可能にしています。
来年、どれくらいのマンションが首都圏で供給されるのか、まったく読めません。
近畿圏はもっと悲惨なことになりそうです。
このバブル、いったいどうして起こって、どのように崩壊したか。
おさらいも含めてもう一度書いておきましょう。
始まりは疑いようもなく外資のファンドマネーです。
8年くらい前でしょうか。日本の不動産が底値でした。
金利もほとんどゼロすれすれ。でも、国際的に見て円は弱くなかった。
外資ファンドは、日本国内で低利で資金調達して、
日本の底値の不動産を買い、それで高い事業収益を得て、
外貨に換えてもって帰る、というビジネスモデルを作りました。
いわゆるファンド。実際、外国から入ってきた流通性の総額は
それほどでもなかったはず。
日本の銀行も金余りで、じゃんじゃん融資残高を増やしていました。
これはバブル期と同じ現象です。
オフィスビルも、マンションも、ファンドが買うから飛ぶように売れました。
これに便乗するように国内のファンドが生まれました。
ダヴィンチやクリード、パシフィックといった連中。
同じようなに不動産を買い捲った。
最初は都心物件。ちょっと郊外。そして近畿、地方、その他・・・
当然、価格は上がります。じゃんじゃん上がります。
ここで、土地転がし屋がうじゃうじゃと現れました。
だって、昨日買った土地が、明日は2割り増しで売れるのです。
じゃかじゃか儲かりますね。儲かるから買う、また上がる、という循環です。
マンションデベロッパーも喜びました。
「ちょっとどうかな?」と思う物件を、丸ごとファンドが買ってくれるのです。
「新価格だ!」
土地が上がるから、マンションも上がる。
来年になったらもっと上がる、と考えたデベさんたちが売り惜しみをしたのが3年位前。
確かに、バブルの時は一般ピープルの所得も上がっていたから
マンションの値段が上がっても売れました。
でも、今回は違う。一般ピープルの所得・・・つまり普通のサラリーマンの給料は下がり気味。
売れるわけないですよね。
でもITバブルのなごりで、都心物件は売れた。
これでデベロッパーは完全勘違い。
郊外型のファミリーマンションも新価格で売れると考えた。
これが2年位前。その結果が今。惨憺たる状態でしょ?
一度上がった土地は、急激には下がりません。
おまけに、今は建築費の高騰でWパンチ。
前のバブル崩壊の時には、安くなった土地を仕入れて素早く事業化。
市場が下降気味なので、どんどん安く出して売り抜ける、
というビジネスモデルが成功しました。
10年以上前、盛んにクリオシリーズを分譲していたMW地所のパターンです。
ところが、今回は土地が下がっても建築費が倍以上になったので
この手が使えません。
つまり、中堅デベロッパーは、新たな事業もできず、
在庫も売れず、という手も脚も出ない状態。
福田政権はすべて他人事だから、この閉塞状態に理解ゼロ。
上場企業があと2,3社つぶれて、社会問題にならない限り
重い腰をあげないでしょう。
今日はちょっと長くなりました。
こんどこそ、今回のミニバブルの象徴的物件について書きましょう。
榊淳司


2008/7/18 19:25 Comments (1)

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