情報開示のJ-REIT、暗黒世界の分譲マンション

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毎度同じことで恐縮ですが・・・暑いですね。
「もう勘弁してくれよ」といいたくなります。
しかし・・私はどういうワケか、冷房が好きではありません。
なるべくクーラーのスイッチを入れずに過ごそうとするのですが、
さすがにそれではグッタリして、人間として機能しなくなります。
しかたなく、ここんところはあの文明の利器のお世話になっています。

でも、よーく考えてみれば、昔はあんなものはありませんでした。
私の子どもの頃は、クーラーのある家は「うわ、お金持ち」という感じ・・・
社会人になって一人暮らしになりましたが、はじめの数年はクーラーなし。
私が冷房付きの住まいで暮らしだしたのは、やっと20年前です。

子どもの頃の冷房経験が貧弱なせいか、どうもアレが苦手。
遠い日々、まだ会社に勤めていた時には勝手なことができませんから
一日中冷房がキンキンに効いているオフィスにいました。
若造なんで文句も言えません。でも、イヤでした。
自分の会社を作って社員を雇うと、これまた勝手なことはできません。
仕方なしに適度に冷房を入れていました。
今は・・・ひとりの事務所なので、一日2-3時間程度。
それも7月に入ってからです。

日本の鉄筋コンクリート造の建物というものは、
エアコンがあることを前提に作られています。
昔の日本家屋みたいに、風がスースーと抜けるようにはできていません。
もし、エアコンがなければ大変なことになります。
夏はサウナのように蒸し暑い空間で過ごさなければ・・・
「エアコンなしでマンションなんかには住めないよ」
と、誰でも考えますよね。
でも、こういうのはアタマの固い方の発想。
実は、鉄筋コンクリートのマンションでも、
エアコンを使わずに快適に暮らす方法があったりします。
このブログでも何度か紹介している、東京都板橋区のリブランという会社
エアコンに頼らないマンションでの暮らし方を提案しています。
かなりユニークですね。
そして、そういうライフスタイルに対応していたマンションを作って
一般の方々向けに分譲しているのです。
東武東上線という、狭いエリアが事業の中心なので
あまり世間で広く知られてはいません。
でもまあ、ああいうスタイルがあっていいと思いますし、
冷房嫌いの私からすれば「がんばってね」と応援したくなります。

さて、今日の本題はもう少し暑苦しい内容です(笑)。

このクソ暑い中、私は毎日何をしているかというと、主に2つ。
1 J-REITについての調査・研究
2 マンションレポートの更新

J-REITというのは、世間では「リート」と呼ばれているもの。
日本語で言うと「不動産投資信託」と呼ばれています。
なんで私がそんなものを調べて研究しているかというと、

この「日経マネー」の連載記事を書くためなのです。
前から、その基本的な仕組みについては一応知っていました。
そして、今はかなり「買い時」だな、
という漠然としたイメージを抱いていたのです。
そこで、日経マネーの読者に対して「不動産屋」的な視点で見た
J-REIT銘柄の選別法をご紹介すべく、さらに深く理解しようと考えたワケです。
幸いにして、望むべくないほどに適任の「指導教官」が、
私のリート研究を多角的にサポートしてくれています。
彼に導かれて、私の知覚が最短距離でリートの深部へと進んできました。

最初は半ば義務的に始めた研究も、今は自分の興味と好奇心がエンジン。
さらに、研究し始めて気づいたのですが、
J-REITには驚くほどの情報開示義務が課されているのです。
すなわち、運用不動産の取得価格はもちろん、入居率、諸経費、
半年毎の鑑定評価額など、実に細かなところまで開示されています。
変な話、投資用不動産の実物を購入する際でさえ、
ここまで資料がそろっている場合は少ないのではないでしょうか?
それでいて、投資利回りは銘柄にもよりますが5-6%程度。
一口数十万円で買え、ネット証券を利用すれば手数料も僅か。
大枚なお金で新築のワンルームマンションを買うよりも
はるかにお手軽に「ミドルリスク、ミドルリターン」という
不動産投資のメリット(?)を味わえます。

といって、別に私は何でもいいからJ-REITを「買え」とはいいませんよ(笑)。
私が、J-REITの銘柄をどういう視点で選別すべきと考えているかは
今発売中の「日経マネー」から始めて、3,4回のシリーズで紹介します。
ご興味のある方はそちらを読んでください。
一般の証券アナリストなどと違うところは、
あくまで「不動産屋」的な視点でJ-REITを眺めているところです。

さて、J-REITを研究しつつも、手を抜かずにせっせと書き上げて、
みなさまのための「情報提供」を目指しているのが、マンションレポート。

先週は以下の2つのレポートを更新しました。

嵐の前の静寂?「晴海」「勝どき」「月島」のマンション市場を分析
価格 3,960円(据置き)

これは、もともと「晴海・勝どき」エリアのみを対象としていたのですが、
今回は「月島」エリアにまで対象を拡大して、内容を拡充。
アノ住友不動産が、豊洲の「シティタワーズ」と比べて
「そりゃ、安いんじゃないの?」と思えるマンションを月島で売っていた・・・・
なーんていう情報を盛り込んでいます。

乱戦&混戦 江戸川区・葛西エリア ファミリーマンション市場
価格 3,960円(据置き)

こちらの注目は「サンクタス西葛西」。
「ヴィーナスシティ」なんていう、わけのわからない広告が目立っています。
どうやら、予想以上の人気で気をよくした事業主が
「高値ギリギリ」を狙った価格政策を採用した模様。
ロケーションのポテンシャルはエリア随一ながら、
近接の創価学会施設が資産価値に与える影響は予想できないし、
現状の価格には当然織り込まれていません。
ここは「買い」か「待ち」か・・・の判断材料を提供。
その他、オーベル葛西ベイマークスなど全6物件を分析しています。

こういう「一般」のマンション分譲市場を眺めていて、
つくづく感じるのは、その情報開示の不透明さ。
「いったいいくらで、どれくらい売っているのか?」
「実際は何戸が販売済みで、何戸残っているのか?」
「本当は、いつ販売するのか?」
こういった基本的な情報が一般消費者に開示されない、という現状は異様です。
多くのエンドユーザーは、
販売サイドからの「トーク」しか情報が得られません。
まさに暗黒の世界。

J-REITと比べてみると、その「情報閉鎖度」は驚くばかりです。
例えば、先ほどの住友不動産。
豊洲で販売中のタワーマンション、「シティタワーズ」の3棟が
実のところ何戸販売済みなのかは、決算書の隅から隅まで目を通しても
まったく分かりません。
単純に「販売は好調に推移し」などという抽象的な表現にとどまり、
あとは全体としての数字が並んでいるだけ。
まあ、投資家に対してはそれでもいいかもしれません。
でも、一般人に対して誤った情報を与えたり、
誤解を招くような手法を使って販売活動を行った場合は
「消費者契約法」に違反する恐れがあります。
例えば、その第4条にはこう記されています。

次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる
一 重要事項について事実と異なることを告げること。 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
二 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。 当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認

つまり「将来、当社は絶対に値引き販売はいたしません」とか
「このマンションはすでに9割の住戸が販売済みです」とか
営業マンにいわれて契約してしまったけれど、
実はそれがウソだった場合、契約を取り消せるのです。
まさかそんなことなさっていないと思いますが、
もう少し本当の情報を開示されてもいいんじゃないですか。
せめて、J-REITの半分くらいは・・・


2010/7/26 18:38 Comments (0)

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