望むらくは、共産王朝の緩慢な衰退

チュニジアで始まった中東の反政府動乱が
あれよあれよと言う間にエジプトやリビアに波及しましたね。
まさか、と思ったけれどムバラク退陣。
今後も広がりそうですね、こういった動き。

おかげで原油価格が上昇。
あまり嬉しくない影響です。
でも、各国の政府の統括者が変わったからといって、
原油の生産量に影響があるとは思えないので、
単純な市場の動揺ではないかと思います。

エジプト情勢に対するオバマの言動はブレブレでしたが、
アメリカの本音はやはり「現状維持」だったみたいです。
彼らは「民主主義こそ人類最上のシステム」というのを
表看板にはしていますが、内実は実利主義。
中東では、サウジアラビアやクエートは王家が支配していて
民主主義のミの字もない国家ですが、アメリカとは仲良し。
かつて、フィリピンの大統領を長く続けた
独裁者マルコスとも、アメリカはずっと友好関係を続けてきました。
要は、自分たちに都合の良い政権なら何でもいいのです。

いつもの「そもそも論」をいたしましょうか。
民主主義というのは、いたってヨーロッパ的なシステムです。
そもそもは古代ギリシアで始まったもの。
投票で為政者を決めていたのですが、選挙権があるのは「市民」のみ。
これは、ローマにおける初期の民主制でも同じ。
のちに皇帝が治めるローマ帝国になってからも
市民が政治に参画する道は開かれていました。
しかし、それも「ローマ市民」であることが条件。

後にイギリスやフランス、アメリカで採用された民主主義というのは
すべてこのギリシア・ローマ時代の制度を受け継いだものです。
選挙権は次第に拡大して、今やただ「国籍」さえもっていれば
成人には誰にでも投票権があるのが普通になりました。

さて、民主主義の歴史はアメリカよりも古いイギリスですが、
かつて「7つの海を支配」した大英帝国時代も、
自分たちの統治システムである「民主主義」を、
植民地において実施したことはありません。
植民地はあくまでも収奪の対象であって、
「人類の正義」である民主主義は不要と考えていたのです。
フランスも同じ。
ドイツもベルギーもポルトガルもスペインも、同じ。
植民地から引き上げるときにも、
その地の「民主主義」システム構築を
支援した形跡はほとんどありません。

ところが、アメリカ人と言うのはちょっと変わっていますね。
植民地支配したフィリピンで民主主義を根付かせようと
様々な試みを行い、多大な援助を施しました。
一時期占領した韓国でも同じ。

さらに、アメリカ人は民主主義を教えた相手として
わが日本を「優等生」だと考えているようですが、
それは大きな勘違い。
日本はアメリカに占領される20年も前から
立派な民主主義国家でした。
ヨーロッパ以外で、自前の民主主義システムを築いた
最初の国だと思います。
ただ、昭和12年頃はちょうど今のように
政党政治が機能していませんでしたが。

さて、中東でもアメリカは「人類の正義」である
民主主義が広がることを表向きは歓迎しています。
でもね・・・民主主義が国民を豊かに導くとは限りません。
最近の最悪のケースはジンバブエでしょうね。
ロシアも一応選挙で大統領を決める形式にはなっていますが
実際のところは専制国家に近い状態。
中身はボロボロみたいですね。
原油などの資源と武器を売った収入がなければ
とても社会を維持できない様子です。

先に上げたフィリピンも、アメリカは
「民主主義のショーケース」なんて言っていましたが、
うまく機能しているとはとても思えません。
アセアンの中で、経済的にもっとも遅れているようです。

さて、尖閣諸島を狙っているお隣の専制国家でも
「民主化」を求める勢力が騒ぎ始めました。
去年はノーベル平和賞受賞者まで輩出しているので
ひょっとしたら大きな騒乱が起こるかもしれません。
社会不満のマグマは相当に溜まっていそうです。

「共産党の独裁」というのは、あの国の歴史に登場する
各王朝と同様にいずれ必ず終わります。
その時期がいつか、ということだけです。
ただ、その後でかの国が民主主義国家になるのか、
といえば、それはかなり難しいと思います。
仮に、そういうシステムを採用したとしても
うまく機能するとはとても思えません。

1911年に辛亥革命が起こってラストエンペラーが退位した後、
孫文の主張する「三民主義」(民主主義みたいなもの)が
いきわたったかと言うと、ぜんぜんNO。


その後、共産党が内戦に勝利するまで36年余り、
ほとんど統一政府を擁しない混乱状態が続きました。
もちろん、今も民主主義ではありません。

共産党政権が倒れると、辛亥革命後のような
非常な混乱の時代が到来することが予想されます。
何と言っても民主主義経験が皆無で、
世界中の顰蹙を買っている天下無敵のエゴイストたちが
13億人以上も棲息しているわけですから、
一旦タガが外れたらハメ直すまでは相当大変です。

できることなら、今の共産王朝は緩やかに衰退して欲しいですね。
ちょっと無理な注文かもしれませんが(笑)。

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2011/2/22 16:59 Comments (1)

1件のコメント

今こそ、靖国参拝カードで中国に揺さぶりかけれるくらいの担力が日本の政治屋ちゃんにあればなあ〜。
ほれほれ、ちみ達の大好きな愛国無罪デモやってみやってみ、てな感じで。
もう反日だか反共産党独裁だかごっちゃごっちゃになるでべそ。
ま、今のままじゃ自力発生の民衆革命なんて無理でひょ。そこそこ食えるし、情報を十分とれる海外組みからして、どう共産党の枠組みの中で自分もウマい汁すうかしか考えてないすから。

2011/02/24 19:29 | by 名前

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