熱海よ、岐阜よ、目覚めよ、そして、甦れ!

ゴールデンウィークに、ちょっと旅をしてきました。
東京から車で一気に関西へ。
高速道路1000円乗り放題の恩恵を利用して、
和歌山、奈良、大阪、そして関が原、大垣、岐阜へ。
そこで感じたことをアレコレ。
テーマは人口減時代の地方都市の生き残りにつて・・・
ネタは「岐阜」と「熱海」です。
今日は、あまりマンションに関係のない、歴史や行政の話です。
ご興味のない方はスルーしてください。
日本は今、かつて経験したことのない人口減の時代を迎えています。
こういう時代に、首都圏でない地方の街を維持・発展させていくためには、
それなりのセンスが必要です。
これからご紹介するふたつの街は、
私が訪れた中でも、そういうセンスに大いなる
疑問を感じざるを得ないところです。
まず、熱海・・・・みなさん、ご存知の温泉の街。
この街は、観光地として有名なのですが、
不動産業関係者にとっては、鬼門の街になっています。
新幹線が通っています。東京からこだまで50分くらい。
車だと、何とか2時間半くらいでしょうか。
私も最近、家族で出かけました。多少仕事がらみで・・・
高速道路、自動車専用道路を乗り継ぎます。
その乗り継ぎ方も、実にチグハグです。
でも、近い。
これは、不動産としては偉大な条件です。
しかも、名前が知れています。
つまりは、売りやすい場所でなのです。
当然の如く、リゾートマンションが林立します。
リゾートマンションという商品形態は、
そもそも成立しない、というのが榊の考えですが、
この話は別の機会にいたしましょう。
ともかく、数多くのリゾートマンションができました。
昔はいざ知らず。ここ最近に売り出されたマンションは、
ほとんどが売れていません。
このブログで取り上げた、KYもはなはだしき
ヤザワさんをキャラクターに採用したマンションなどはその典型。
そもそも商品として成立し得ないものを、
勘違いの広告キャンペーンで売り出したワケですから
売れないのは当たり前、といえば当たり前なのですが、
問題の根底は「熱海市」の行政にもあると思います。
熱海にマンションを作る・・・という仕事は
そのほとんどが熱海市に対する許認可事項の処理に費やされます。
つまり・・・・いいマンションを作ろうというエネルギーよりも
物分りの悪い熱海市の市長や役人をいかにうまく説得するか
という、およそ最終的な居住者には関係のない分野に、
より多くのカネと労力が注がれるワケです。
そのくだらない労力は、首都圏にマンションを建設・販売する
3倍近くになるのでは、と思われています。
結果的に、熱海で分譲されるマンションは、
他のリゾート地に比べて割高になります。
その挙句、実際の価値より価格の高いマンションを売るため、
不人気業種にあえて就職した優秀な不動産屋さんたちと
カッコよければすべてよいと考える広告屋さんたちが知恵を振り絞り、
ヤザワさんのようなキャラを起用した、
無謀なキャンペーンを展開することになり・・・・惨敗。
みたいな例が数多く見かけられます。
つまりは、市長と市役所が、東京の資本から単純な手法で
カネを巻き上げることしか考えなかったために、
街自体が魅力のないただの「落ち目」な地方都市に成り下がった、
というのが実情でしょう。
そもそも、熱海という街自体の魅力を高めなければ
そこにできるマンションなど、売れるはずがありません。
エンドユーザーは、バカではありません。
熱海市の財政がヤバイことは十分に知っています。
行政のレベルが高くないことも知っています。
街づくりのセンスが悪いことは、熱海駅を降りて1分で気づきます。
ここも数多の地方都市の例に漏れず、
シャッター商店街が軒を連ねています。
目覚めなさい、アタミ!
あなたたちは、実にすばらしい「資源」を持っている。
にもかかわらず、それに気づいていない!
熱海は、日本最大の人口集中エリアから1時間圏にあって
「リゾート」地になれる希少な条件を具備しています。
そういうポテンシャルがあり、それを活かせる立場にあるにもかかわらず、
その地位に安住し、東京の資本から安易な方法でカネを巻き上げる
ことしか考えてきませんでしたね。
このままでは滅びるでしょう。残念ですが・・・
今回、私がたずねた「岐阜市」も「熱海市」と同じです。
要は、人を集めるためのセンスが基本的に欠如しています。
「岐阜市」には「熱海市」のような有力な
観光資源である「温泉」も「海」もありません。
でも、岐阜には斉藤道三と織田信長、
という歴史の資源があります。
長良川の鵜飼だってあります。
そもそも、歴史ファンというものをバカにしてはいけません。
今回、私は生まれて初めて「関が原」へ行きました。
いわゆる、「天下分け目の関が原」の古戦場。
石田三成と徳川家康が雌雄を決した場所です。
NHK大河ドラマ「天地人」にも秋ごろに出てきますよ。
でもそこは、なーんにもない、ただの田舎。
石田三成の陣跡に、無料の駐車場と、
わずかの設えがありました。
お茶を出す店がひとつあるでもなし・・・・
でも・・・人が集まっていました。
「関が原」は日本の歴史の中でも最大のイベントのひとつ。
こういう場所には、
何もなくても人が集まってくるものなのです。
「次は島津の陣へ行くか」
そういって、それこそもっと何もない島津義弘の陣跡に
向かった親子が印象的でした。
そして、岐阜城。
織田信長が攻め取って、自らの居城とするまでは「稲葉山城」。
戦国の奸雄・斉藤道三の城でした。
信長が攻め落とすときには、秀吉も大功を立てました。
関が原の戦いに先んじて、信長の孫・秀信が
戦国武将として後世に残る逸話を残した城でもあります。
今は「金華山」と呼ばれる観光地。
でも、岐阜の市街を車で走っていて、
ほとんど道路で、ここへの案内板を見かけません。
オフィシャルな駐車場を探しあてるのに、周辺を三周。
やっと車を停めたら、山の麓から
歩いて登るなら1時間はかかる山頂への
ロープウェイ待ちに50分。
その表示は駐車場待ちの一般道にも、
公園入り口にも無し・・・・
あきらめて帰るより他ありませんでした。
ああ、岐阜城・・・・
かほどの観光資源を有していながら、
県外から訪れる人の大半は「二度と来るか」と
思いながら帰るのではないでしょうか。
KYという言葉は、一般市民にだけ適用されるものではありません。
市役所や市長という、行政組織、政治家にも当てはまります。
むしろ、そういう方々のほうがKYが多いですね。
街を発展させる、ということは、
広い意味ではその街の中の不動産の価値を高めることでもあります。
みなさん、センスの悪い市長や市議会議員は
くれぐれも選ばないようにしましょう。
それが、自ら所有する不動産の価値を維持・拡大させることにもつながるのです。
岐阜市の中心街は、熱海同様、すでにシャッター商店街になっていました。
目覚めて欲しいぞ、岐阜市!
かつて信長は、この地に楽市楽座をもってきたではありませんか。
東海道の要衝であり、新幹線や高速道路にも恵まれた岐阜は
あのように廃れる街ではないはずです。
資源の活かし方次第で、十分に活性化できるはずです。
両市に見られるような、こういう行政の怠慢は
結局のところ市民を不幸にします。
なぜそうなったかというと・・・・
いい政治家が出なかった。
日教組が強かった。
教育が弱かった。
危機感が欠如していた。
など、いろいろな原因がありますが、
結局は市民一人ひとりの意識の差だと思います。
民主主義うというのは、欠陥だらけの制度です。
全体に成長しているときはいかようにも取り繕えるのですが、
いったん衰退の危機を迎えると、一人ひとりの市民がきちんと
物事をまじめに考えて、正しい判断をしないと、
社会自体が滅びてしまうほど脆弱なシステムなのです。
これから本格的な人口減の時代を迎える
大都市圏でも、熱海や岐阜のような惨めな状態は
決して他人事ではないはずです。
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2009/5/18 0:54 Comments (4)

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