やがて新築と中古の乖離が、都心にやってくる

とうとう、東京23区を全制覇してしまいました。
なにがって、資産価値レポートのカヴァー範囲。
最後の「葛飾区」を作ってしまったのです。
我が資産価値レポートの秘境は、長らく足立荒川葛飾でした。
でも、この2か月でその3区を制覇してしまったのです。

あと数か月すると、川崎市も全域を制覇しそうです。
どうしてそれが可能になったのか、というと・・・
単純に新規物件が激減しているので、
更新にかける手間ひまが少なくなったからです。
その分、新規エリアを手掛ける時間が出来ました。

あと、販売のプラットホームを情報商材屋さんとの
二本立てではなく、このブログ1本に絞りました。
その方が更新の手間ひまがかかりませんから。
それで、とうとう23区を完全制覇ですよ。ハハハ。

最近の新築マンション市場を見ていると、
もう二度とかつてのような活況を呈することは
なさそうな気がしますね。どんどん縮んでいます。
その原因は建築費と土地の高騰です。

首都圏で新築マンションを開発分譲するには、販売価格が
1戸当たり4千万円を切ることは至難の業になっています。
建築費だけでも原価が2000万円ちょっとかかりますから。
多分、長谷工でも1700万円くらいではないでしょうか。
そうすると、販売価格はがんばって3000万円台後半。

都心やその周辺エリアなら、面積を絞って何とか3000万円。
なんか、そのあたりの商品設計がどんどん歪になっています。
それは、何回か前のこのブログで書いた通り。
都心とその周辺はコンパクトマンションだらけです。

それで、中古マンションが新築市場に引きずられて
「表面的」に価格が上昇した感じになっています。
最近、中古マンションの評価サイトがやたらと増えているでしょ。
あれって、元のデータは多分不動産ポータルサイトに
表示されている売出価格を収集したものです。

ポータルサイトに表示されている売出価格というのは、
売主の売却希望価格なのです。それで売れるとは限りません。
市況の悪い時には、その1割安くらいが市場価格。
市況の良い時には、その2-3%安くらいまで上がります。

で、今はどうかというと、やや弱気ではないでしょうか。
中古マンションは全然動いていませんから、5%安くらい。
1億円で出ているのなら、9500万円くらいが市場価格。
私はざっくりとそう読んでいます。

マンションの価格が上がる、下がるというのは、
新築と中古をごちゃまぜに捉える言い方が一般的でした。
しかし、これからは分けて考えるべきですね。
新築価格は下がりようがないので高値どまり。
一方、中古はジリジリと下がっていきます。
そのうち、ストンと下がる場面がきそうです。
まあ、今年の後半か来年か再来年かは分かりませんが。

そういう時でも、新築マンションはほとんど下がらないはず。
なぜなら、都心ならインバウンド増加の影響で、
土地の値段に下方硬直性が生まれています。
また、建築費も人手不足が続く限り下がりません。
そうなると、新築はせいぜい今の水準を維持するのが関の山。

ところが、中古マンション市場は需給が影響してきます。
今までは値上り目的で購入していた人が多かったのが、
現状ではほとんど見られなくなりました。みな、売りに回っています。
そして買っているのはほぼほぼ実需勢。
ということは、いずれ需給関係で価格が形成されます。

需給関係で決まるとなると、大きく関連付けられるのは賃料。
「家賃の何年分」という指数も有効になってきます。
今は30年分以上の価格が当たり前になっていますが、
普通に考えるのは、買えるのはせいぜい20年分までの水準。
ということは3分の1くらい価格が下がっても当たり前。

ところが、下がる時には実力以上に下がるのが相場というもの。
下がり始めると売りが売りを呼んで、これまでに
経験してこなかった下がり方をしそうな気がします。
というのは、かつて今ほどマンションが余っていた時代はないから。

1990年から2002年まで下がったお話は何度か書きましたね。
あの時は、今ほど住宅が余っていませんでした。
今は右を見ても左を見ても空室だらけ。
そして、人の住んでいない空き家が目立ちます。

使えない、あるいは使わない不動産には価値がありません。
ところが、都心のタワーマンションなんて何年も
空室になっている住戸がやたらとありますね。
800戸くらいのタワーマンションが完成しても、
1年後に誰かが住んでいるのは500戸分もあるでしょうか?
そのくせ、常に100戸くらいが売りに出されていたりします。
成約しているのは、せいぜい月に1戸程度です。
ものすごーく不健全な価格形成をしていますね。

私はもう何年も前に何度も書きました。
「そのうち新築マンションは趣味の対象になる」
港区内で80㎡2億円の新築マンションを販売している隣で、
築10年の同じ80㎡が1億円で売り出されていたら、
どちらを選びますか?

80㎡のマンションをピカピカにするリフォーム費用は
かなり贅沢にやってしまっても1千万円かかりません。
普通に考えると築10年の1億円を選びますよね。
そういう現象が、あと数年以内にやってきそうです。

しかし、それで2億円の新築を買う人は少数派なので
デベロッパーもおいそれとは開発できません。
今よりもかなり供給は絞られるでしょう。
だから「趣味の対象」なのです。お金持ちの道楽。

しかし、マクロ的に見るとそもそも新築マンションなんて
1戸も作らなくてもこの国は困らないはずです。
葛飾区や足立区を見ていると、やや悲しくなりますね。
実にのびやかでいいところなのですが、
そこに完成在庫と化した新築の大規模マンションがあります。
それを買った人は多分、10年後には後悔しているはず。
そんなことを考えながら資産価値レポートを作りました。

※今回、江戸川区の新宿線エリは2物件となってしまったので更新を停止。その2物件は葛西のレポートに統合しています。

葛飾区総集編
価格 1,980

1 シティタワー金町
2 センチュリー新小岩
3 エクセレントシティ青砥Ⅲ
4 アデニウム ザ・オアシスガーデン
5 ソライエ葛飾小菅

小岩・新小岩・平井
価格 2,490

1 プレミスト新小岩 親水公園
2 ブリシア小岩
3 レーベン新小岩innovia
4 オークプレイス小岩
5 センチュリー新小岩
6 サンクレイドル平井          

江戸川区葛西&新宿線エリア
価格 3,890

江戸川区・葛西エリア
1 プレシス葛西ルジュール
2 プレシス葛西ルヴェール
3 プラウド西葛西
4 TOKYO ALOHA PROJECT
5 エクセレントシティ葛西パークアリーナ
6 ルピアコート西葛西
7 プレサンス ロジェ 西葛西
8 ジオ西葛西清新町
9 グリーンホームズ南葛西VI
江戸川区・新宿線エリア
1 エクセレントシティ篠崎公園
2 Brillia(ブリリア)一之江

5月26日 (土)榊淳司の不動産売却相談会

を開催することにいたしました。
不動産の売却に関して、価格や時期でお悩みの方のご相談を
わたくしが無料で受けさせていただきます。
会場はいつものところです。

開催日時:5月26 日(土)13時~17時
開催場所:セトル 4階会議室
(東京都中央区日本橋横山町4−11 「馬喰横山」駅より徒歩1分)

5月26日土曜日の13時から17時まで、
私が相談会場におりますので、どうぞご自由にお越しください。
とくにご予約などは不要です。
ただし、順番におうかがいしますので、
ちょっと待っていただくかもしれません。
ちなみに、前回の参加者は3組様。
待ち時間が多少はございました。
次回も同じようになるかどうかは分りません。

 

早稲田大学市民講座「マンションと日本人」

さて、早稲田大学エクステンションセンター八丁堀校での
私の講座が、5月に再び開講されます。
なんと90分を1日に2回。それが2日間の集中講義。
5月12日と19日。いずれも土曜日。13時から16時30分まで。
ビジター受講料13,413円。みなさーん、ぜひご参加を。

「榊淳司のお奨めマンション速報」

よく「榊さんのお奨めのマンションを教えてください」というお申出をいただきます。お勧めのマンションなど、日々変わります。お知りになりたい方は、ぜひ有料メルマガをご購読ください。約3か月(費用4790円)ですべての資産価値レポートのタイトルを一巡します。それでレポートの価格にして数万円分となります。
購読料 1ヵ月 1,590
※購読料金のお支払いはクレジットカードのみとなります。お申込みは コチラから  次のページの右下「カートに入れる」をクリックしてください。

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2018/5/6 12:20 Comments (0)

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