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榊 淳司オフィシャルブログ

日経平均は勢いよく上がってとうとう15000円を超えました。
円は早々と100円を突破して、今日も102円台ですか。
高額物件も、それこそ「飛ぶように」売れている気配です。
これで、あっちこっちで書いたり喋ったりした
私の「当てずっぽう」も何とか実現。
ただ・・・よかったのか、悪かったのか(笑)。

しかし、気になることがあります。不動産系の株価が冴えません。
不動産会社の株価も、リート関係も。なぜでしょう?
また、長期金利。今日はやや下がりましたが、
異次元金融緩和以前の倍に。住宅ローン金利への影響は必至。
これから始まるかもしれない、実需市場の熱を冷やしてしまいますね。

昨日は、来月発売の某月刊誌からの依頼原稿を書きました。
テーマは「アベノミクス後の住宅購入」みたいな。
こういうの、怖いんですよね。
だって、発行時にはガラっと経済情勢が変わっていたりして。
だから、なるべく差しさわりのない書き方をしなくちゃいけないけど
どうも私は物事を明解に言い切る癖があって困ります(笑)。

さて、今日は前回の続きで、オリンピック開催決定後に起こる
湾岸エリアのマンション市場について考えます。
前回は有明だったので、今回は「豊洲」。

豊洲と有明の違いは何といっても開発の進捗度合いでしょうね。
豊洲に人が住み始めたのは何十年も前ですが、有明はつい最近。
有明のブリリア2棟の前を歩いていても、たまに人が通るくらい。
しかし、豊洲の駅前は平日でも人がたくさんいます。
もちろん、地下鉄の駅があってららぽーとがあって、
でかいオフィスビルがいくつもあるので賑わい度が違います。
なのに、有明の新築タワーマンションの表面価格が
豊洲と1,2割しか違わないのはちょっとおかしいですね。
有明はせいぜい豊洲の7割であってもいいと思います。
だから、有明のブリリアは中々売れないのです。

でも、実は豊洲の新築タワーマンションもかなり「背伸び」しています。
その背伸びの元凶は何といっても住友不動産。
言わずと知れたシティタワーズ豊洲の3棟を、坪単価300万円前後という
「ありえない」と思える高値で何年も売り続けてきました。
まあ、私が知る限り値引きはささやかな範囲内です。
それでも、少しずつながら売れてきたようです。
豊洲3丁目の世帯数は、この3年で3500ほど増えていますから。

中には「子会社に売って賃貸に回しているのだろう」と推測する人もいます。
そういうことは、あの業界ではよくやること。
特に子会社や関連会社をいっぱい持っている大企業は
そういう「奥の手」をたくさん持っています。
ただ、私は実際に買った人も何人か知っています。
すべてを子会社に売っているとは思えませんね。

さて、その豊洲で近頃話題はやはり「スカイズ タワー&ガーデン」。
何度かこのブログでも取り上げている「東京ワンダフルプロジェクト」です。
猪瀬君のバカ発言が祟って、もしオリンピックがこなければ
このトライスター型のタワーの資産価値を私は
せいぜい坪150-170万円くらいではないかと考えます。
まあ、共用施設の豪華さに目くらまされても200万円未満ですね。
実は、豪華施設は管理の負担になって中長期的にはマイナス要素ですから。
ところが、実際には坪260万円あたりで販売されるようです。

豊洲という街では、こういう珍事がなぜかまかりとおります。
今ではすっかり見かけなくなった新城が出てきて
「お台場は、僕のビーチ」なんてCFを流していたのは8年前ですか。
たしか、豊洲の長谷工マンションのひとつだったと思います。
まあ、あの頃はまだ価格的には「珍事」になっていませんでした。

2008年に竣工した「ザ・豊洲タワー」がミニバブル滑り込みで完売。
その後、シティタワーズ3棟がずっと「竣工済み・販売中」。
私も四半世紀以上マンション市場を眺めていますが、
こういう状態はかなりイレギュラーだと思います。
シティタワーズ豊洲の「ザ・ツイン」も「シンボル」も、
単体として見ていると決して悪い物件ではありません。
駅からやや離れてはいますが、遠いというほどではなく、
周辺の利便施設も十分に整っています。環境もまあまあ。
それが、竣工後何年も売れ残っている原因はただひとつ、「価格」。
明らかに、市場に逆らってバカ高の定価販売を続けてきた結果ですね。

そして、スカイズはこのマーケットアウトしたシティタワーズを基本に
オリンピックによる「湾岸ブーム」を期待して値付けが行われた、
としか私には思えないワケです。高すぎますから。
「売れるかどうか」ときかれたら、まず売れないでしょうね。

横浜に「ブリリアシティ横浜磯子」という1230戸の物件があります。
この「スカイズ タワー&ガーデン」とよく似ていますね。
販売前に、私は「これはただの『駅徒歩15分』物件だから、坪単価は160万円。丘の上であることを考えても170万円」と指摘しました。
ところが、ふたを上げると業界内の噂通り坪220万円あたりで出てきました。
当然ながら、販売はボロボロ。
販売開始後1年くらいたった後でしょうか、大幅な価格改定。
すでに契約済みの住戸まで価格を下げていました。
私が指摘した通り、170万円あたりまで下げたようです。
果たして「スカイズ タワー&ガーデン」も同じ運命をたどるのでしょうか?

この行く末を複雑にしているのが、アベノミクスとオリンピックです。
スカイズは、何度か書いている通り「豊洲駅から徒歩12分」です。
ゆりかもめの「新豊洲」からは徒歩6分。
ただ、ゆりかもめというのは不動産屋的な価値判断としては
「バスよりもちょっとマシ」程度の位置づけになります。
これだけで判断すると、少なくとも坪単価は200万円未満です。
ところが、アベノミクスによる「景気回復」と
オリンピック開催決定による「湾岸ブーム」で、
多少の「かさ上げが」があると考えなければなりません。

前回、有明はオリンピックによる「湾岸ブーム」で、
この江東湾岸エリアの中ではもっともマスメディアに
露出する頻度が高くなると予測しました。
豊洲には、競技会場がひとつも予定されていません。
したがって、露出度は有明の数分の1になるでしょう。
でも、多くの人にとって豊洲と有明の区別はつかないはず。
「ああ、オリンピックの近くね」という感じでしょうか。

したがって、9月以降はスカイズの販売も少しは進むと思います。
しかし・・・今の価格では何年もかかるでしょうね。
アベノミクスがうまくいって年率2%のインフレになったとしても
竣工までに売り切れる可能性は限りなくゼロでしょう。
つまり、オリンピックを織り込んだとしても、あの価格は高すぎます。
もし、猪瀬発言が影響してオリンピックが来ないと、目も当てられません。
そうでなくても、中長期の資産価値や地震の影響に敏感である
クレバーな人々は、湾岸を避ける傾向にありますから。

注目は、6月だという第1期販売。
1110という戸数から考えると、最低限300戸以上を即日完売しないと
「失速」は間違いないところです。
晴海タワーズは全861戸で初速300戸未満。その後、失速しました。

関連レポートの更新情報

これ1タイトルで、湾岸と深川を含めてた
江東区の全物件をカヴァーしています。

全面改訂・大幅加筆 全43物件
「江東区総集編」
価格 9,980

【深川】
■東西線・深川エリア
1 オーベル東陽町ファインレジデンス
2 グランスイート南砂
3 シティハウス門前仲町
4 リビオレゾン木場公園
5 プレミスト清澄白河
6 プレシス木場公園シーズンプレイス
7 エコヴィレッジ木場
8 木場レジデン
9 パークホームズ清澄白河
10 ジオ門前仲町 冬木
11 アデニウムコート木場
12 ウィル・リベール南砂町
13 (仮称)レジデンシャル門前仲町II
14 アデニウムコート木場公園
15 リヴシティ門前仲町
■新宿線・深川エリア
1 プレシス木場公園シーズンプレイス
2 シティハウス東京森下
3 ザ・ミッドランドアベニュー
4 プレミアムヴェール
5 イーストゲートスクエア
6 ザ・パークハウス 清澄白河現代美術館前
7 グローリオ清澄白河
8 リアナスティル森下
9 クラッシィハウス大島
10 ロワール清澄白河
11 パークホームズ錦糸町 猿江恩賜公園
【湾岸】
■豊洲エリア
1 SKYZ TOWER & GARDEN
2 オークプレイス豊洲
3 シティタワーズ豊洲 ザ・ツイン
4 シティタワーズ豊洲 THE SYMBOL
5 シティハウス豊洲キャナルテラス
6 パークタワー豊洲
7 イニシア豊洲コンフォートプレイス
8 プレミスト ベイフォートスクエア 豊洲
■有明エリア
1 シティタワー有明
2 ブリリア有明スカイタワー
3 ブリリア有明シティタワー
■東雲エリア
1 ザ 湾岸タワー レックスガーデン
2 プラウドタワー東雲キャナルコート
3 パークタワー東雲
■辰巳・潮見エリア
1 クレストスカイウイン
2 クレヴィア辰巳
3 ザ・サウスキャナルレジデンス




今日も株価が上昇。15000円が見えてきました。
ますますバブルっぽくなってきました。
15000円を超えれば、次は2万円をめざすのでしょうか?
もう、そうなれば完全なバブルです。
バブルというのは、必ず弾けます。反動が怖いですね。

さて、今日は9月にやってくる「オリンピックバブル」が
マンション市場に与える影響について考えてみます。
実はこの話題、先週金曜発売の夕刊フジ連載コラムに書きました。
お読みになりたい方は

Zakzak榊淳司連載コラム「本当は教えたくないマンション業界の秘密」

↑こちらからどうぞ。もちろん、無料です。
さて、このブログではもう少し具体的に突っ込みます。
オリンピック開催で、もっとも不動産価格が上昇しそうなのは「勝どき」
ということは夕刊フジでも、かつてこのブログでも語りました。
ですので、「晴海・勝どき」については割愛。

今日は江東区の湾岸エリアについて語ります。
まず、勝どきに次いで不動産価格が影響されそうなのは「有明」。
なんといっても競技会場が集中しています。
ざっとみると全競技の半分くらいが有明で行われる感じ。
今あるモノに加えて、バレーボールや自転車は新設されます。
それに、お隣のお台場でも多くの競技が開催されます。
だから、テレビ中継される回数がもっとも多くなりそうです。

新しい画像 (8)
もちろん、開催前から露出が激しくなるでしょう。
そうなると、当然マンション市場にも影響が出てきます。
テレビを観ていて「あそこに住みたい」なんて人が出てきます。
すると、購入や賃貸のニーズが生まれますね。
市場価格というものは需要と供給の関係で決まりますから、
ニーズが含まると価格が上昇・・・・するかもしれません。

ただ、有明エリアにはちょっとした特殊事情があります。
それは、まだミニバブルの精算が終わっていない、ということ。
現状、有明エリアには戸建てらしき住宅はみられません。
ほぼすべてがタワーマンション。
現在販売中の新築(未入居)マンションは、以下の3物件。
●シティタワー有明(CTA)
●ブリリア有明スカイタワー(BAS)
●ブリリア有明シティタワー(BAC)

現状を簡単に解説するとCATは住友不動産が
「シティタワー豊洲に予算が届かない客」を回しています。
販売は遅々としながら、少しは進んでいる様子。
BACは販売を始めたばかりですが、集客はイマイチ。
価格は駅に近くて立地条件に優れたBASがBACよりちょい高。
ところが東京建物は築2年のBASの完売を優先。
表面上はBASより安いBACに来た客の内、
予算の届かない客をそちらに回し、値引きで完売を目指している・・・矛盾。
さらにBASはまだ100戸程度の残住戸がありそう。
つまり、ここ数年有明ではかなりイビツな市場が形成されていました。

そして、1年から2年後には有明エリアでは最も立地条件に優れた
「有明ガーデンシティ」という巨大な板状タワーの分譲が始まりそう。
こちらは、なんと1500戸規模だとか。
売主は住友不動産なので、「安値で勝負」なんてあり得ません。
このままでは、坪単価300万円超への挑戦になりそうな予感。

私から見れば、オリンピックで注目されたとしても
これだけの供給があれば十分に新規需要を吸収できると思います。
また、もし本当に坪300万円なら完売まで5年以上はかかるでしょう。
ただ目先を見れば、9月頃にはBASもめどがついているでしょうし、
表面的には少し価格を下げたBACも多少は動くはず。
さらにオリンピックが決まればダブつき気味の中古も動き出します。
もしアベノミクスが奏功してBACが値引きなしで売れ始めれば、
それは実質的な「値上がり」と見做せます。
その流れになった場合、中古価格もハッキリと上向くはずです。

そして、開催決定後の「湾岸ブーム」によって、
しばらくは「上向き」状態が続くと思います。
しかし7年後の開催までには、中だるみの状態も来るでしょう。
開催直前から開催直後は再びちょっとしたブームに。
8年後は・・・今よりかは幾分マシでしょうが、普通の
「湾岸エリアの新興都市・江東区有明」になると思います。
その後は他の近郊エリアと同じく、ダラダラと下がっていくはず。
ただし、その間一度も大きな地震がこなかったら、という前提です。
もちろん、インフレになれば表面的な価格は上がります。
私が申し上げているのは、実質的な価格です。

さて、長くなりそうなので本日はこれくらいに。
「豊洲」と「東雲・辰巳その他」については、また後日。

関連するレポートの更新情報です。

これまで「豊洲」、「有明」、「東雲・辰巳」に分けていた
レポートを1題に統合。まとめてご検討いただけます。

SKYZ TOWER&GARDENが高値挑戦!
江東湾岸総集編
「豊洲・有明・東雲・辰巳」の全17物件
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■豊洲エリア
1 SKYZ TOWER & GARDEN
2 オークプレイス豊洲
3 シティタワーズ豊洲 ザ・ツイン
4 シティタワーズ豊洲 THE SYMBOL
5 シティハウス豊洲キャナルテラス
6 パークタワー豊洲
7 イニシア豊洲コンフォートプレイス
8 プレミスト ベイフォートスクエア 豊洲
■有明エリア
1 シティタワー有明
2 ブリリア有明スカイタワー
3 ブリリア有明シティタワー
■東雲エリア
1 ザ 湾岸タワー レックスガーデン
2 プラウドタワー東雲キャナルコート
3 パークタワー東雲
■辰巳・潮見エリア
1 クレストスカイウイン
2 クレヴィア辰巳
3 ザ・サウスキャナルレジデンス

中央区も含めて、湾岸のタワーだけに興味がある方は
こちらのレポートがお勧めです。

湾岸タワー総集編
「晴海・勝どき・月島/豊洲・有明・東雲」
価格 5,490

CONTENTS
晴海」エリアはオリンピックで大変貌(記事)
■中央区/勝どき・晴海・月島エリア
1 勝どきビュータワー
2 ザ・パークハウス晴海タワーズクロノレジデンス
3 CAPITAL GATE PLACE
オリンピックが湾岸エリアを変える(記事)
■江東区/豊洲エリア
1 SKYZ TOWER&GARDEN
2 シティタワーズ豊洲 ザ・ツイン
3 シティタワーズ豊洲 THE SYMBOL
4 パークタワー豊洲
■有明エリア
1 シティタワー有明
2 ブリリア有明スカイタワー
3 ブリリア有明シティタワー
■東雲エリア
1 ザ 湾岸タワー レックスガーデン
2 プラウドタワー東雲キャナルコート
おわりに




いやはや・・・派手に株価が上がっていますね。
この分だと、本当に来週は15000円までいきそうです。
一方、円はとうとう100円を突破して101円台ですか。
FXで外貨を買い建てしている方はウハウハでしょうね。
それ以上に輸出系の企業はかなりのタナボタのはず。

少し前に「株価が15000円を超えれば、高額マンションが飛ぶように売れる」とこのブログで書かせていただきました。
どこかの雑誌にも、そんなコメントを出した覚えがあります。
来ています。見えてきました15000円。
高額マンション・・・それも1億以上の物件・・・
「飛ぶように」というほど数はありませんが、売れるでしょうね。
都心の立地のいい物件は「奪い合い」に近くなりそうな気配。
しかし・・・なんだか危険な臭いがプンプン。
とうとう、バブルが本物になってきた気がします。

マンション市場は、バブルとかなり相性がいいのです(笑)。
日本人の悪いクセかもしれませんが、ちょっとまとまったお金ができると
すぐに不動産を買いたがります。
すでに、我々のDNAは「不動産崇拝病」を宿しているかもしれません。
それで何回も痛い目にあっているのに懲りません。
だから「儲かったからマンションでも買うか」となるのです。

さて、マンションだけでなく、不動産価格は
一般経済の影響をかなり受けやすいセクターです。
特にオフィスの空室率や賃料相場の動きは、景気を測る指標のひとつ。
この指標は実体経済の動向をかなりリアルタイムに表します。
現状、東京都心のオフィス市場はやや好転の兆しが見られますね。
これに対し、一般ユーザー向けの賃貸住宅の相場は、かなり遅行します。
ただし、我々庶民の感覚としてはこちらの方が近いかもしれません。

実は、マンションの資産価値を云々する場合も、
経済の動きに大きく影響されるので、他人事では済まされません。
これが去年の総選挙で民主党が負ける前までなら、
「このままデフレの継続」を前提にできました。
谷垣自民が勝っていても、それほど変わらなかったかもしれません。
アベノミクスが、一時的にすべての前提をひっくり返してくれました。
しかし、これがいつ「安倍のリスク」に変わるかもしれません。

今日、長期金利は0.1%上昇しました。
株が上がれば債権は下がる、というセオリー通り。
今後気になるのは、国債価格の下落(金利上昇)。
それにヘッジファンドが狙っているという日本国債の暴落。
暴落といっても、半分や3分の1になるわけではなく、
せいぜい数%から1割くらいの下落を言うのでしょうが。

そうなると、我々にとって困るのは住宅ローンの金利上昇。
特に変動で組まれている方は、返済額が膨らんできます。
また、これから組もうとされる方にとっても負担増に。
そして、何よりもマンションが売れにくくなります。
金利上昇は住宅ローン利用者にとって実質的な「値上げ」ですから。

黒田バズーカ君は、MB増加と低金利という相反することを
同時に実現できる、と断言していたようです。
だから「異次元の金融緩和」なのかもしれませんが、長期金利上昇は
市場はそのあたりを冷ややかに見始めた兆候でしょうか。
東証リート指数が落ち始めたのも、市場が冷めてきた証拠?

「2%のインフレ」というのは、それによって経済が活性化し、
個人所得も増えて景気全体が良くなることをめざしています。
ところが、企業も儲からず、個人も豊かにならず、
物価だけが上がった場合は最悪ということになります。
でもまあ、私はデフレが何十年も続くよりマシかな、と思います。

仮に、アベノミクスが失敗して国債が暴落。
金利は上がるのに所得は増えないという「悪いインフレ」が・・・
毎年、不動産も含めた物価が6%ずつ上がるとします。
ところが個人所得は5%しか増えなかった場合、どうなるのか。
それは、毎年1%ずつ貧しくなっていくのと同じですね。
10年後、物価は1.79倍になっているのに対して所得は1.62倍。
ちょうど10%ほど貧しくなったことになります。

ところが、住宅ローンを抱えていた場合はどうなるでしょう。
10年後、住宅ローンの実質価値は56%に減っています。
例えば、5千万円のローンを35年で組んでいた場合、
10年後の残高が4千万円とすると、実質2240万円に減っているのです。
もちろん、額面は4千万円ですが所得が1.62倍になっているので
返済はいってみれば「ラクラク」状態に。
特に固定金利ならかなりお得なことになりそうです。

そして、そのマンションが毎年6%ずつ値上がりしていれば・・・
残念ながらそういうことはないはずです。
既存住宅の価格は今後緩やかに相対的な価値を落としていきます。
文京区あたりのマンションで今の3割減くらいでしょう。
だから、5000万円の物件なら額面で多少値上がりして6265万円。
10年後に売却すると表面的には値上がり益が得られます。

もし、アベノミクスが「安倍のリスク」に変わって
「悪いインフレ」がやってくると考えても、
今のうちに住宅ローンを組んでマンションを買うのはお得?
でも、インフレ側に失敗するのではなく、デフレ側に転べば・・・
これはもう、恐ろしいことになります。

私は経済が専門ではありませんが、いろいろ情報を集めると
アベノミクスにはたくさんの異論がありますね。
しかし、どうやら円安と金利上昇は続きそうな気配。
さらに、日本の周辺では近々物騒なことも起こりそう。
そう考えると「余分のお金は海外に」となりそうな感じがします。
もちろん、貧乏人の私にはそんな余裕はありません。

夕刊フジの公式サイト zakzak
に榊淳司の連載コーナーが設置されました。
どうぞ、みなさん寄って行ってください。

マンションレポートとは




今日も株価は調子よく上がっていますね。一時14400円ですか。
ドルは99円でもみ合っています。100円抵抗線がすごい。
ただ、15000円も100円も時間の問題になってきたようです。
両方とも、早ければ来週あたりかもしれません。

こうなれば、ますます注目されるのが6月だといわれている
アベノミクス3本目の矢「成長戦略」の発表。
私が密かに気にしているのは、住宅政策が織り込まれているかどうか。
安倍政権はなにげに自民党の本流です。
彼らがずっと仲良くしてきた建設業、不動産業、住宅関連業界に
「いい顔」ができる政策を取るかもしれない、ということ。
つまりは、この半世紀以上続けてきた「持家政策」の推進。
現に、政権発足早々に来年からの住宅ローン控除を拡大しました。

確かに、住宅は景気への効果が高い分野ではあります。
現にアメリカにおいても、住宅価格の変動が景気の目安のひとつ。
日本でも「今後はマンションの価格が上昇」といわれています。
前から言っているように、都心と近郊で上昇するのは確実。
ただ、それで売れるかどうかは別問題です。

さて、今日は同じ住宅の中でも「高齢者向け」をテーマにします。
何度か書いているように、今後の住宅産業の主役はこの分野。
昨日、書店で見かけて思わず買ってしまったのが週刊ダイヤモンド。
私は最新号を買ったつもりが、1週前のモノでした(笑)。

ダイヤモンド

この手の特集は何度かあったのですが、今回はすごい。
かなり踏み込んだ取材をしていることに驚きました。
また、「マンション特集」みたいにデベよりの記事ばかりでなく、
しっかりと客観的な視点で書かれています。

1218件のサービス付き高齢者住宅(サ高住)を
都道府県別にランキングしているところがいいですね。
こういうデータって、前から出していたのでしょうか?
新築マンションをヘンな観点と点数でランキングするいつもの
マンション特集のよりもずっと有用な気がしました。
願うらくは、有料老人ホームのランキングも欲しかった。
次回以降に期待しましょう。ダイヤモンドならきっとやってくれる!

私は何度か富裕層向けの老人ホームを取材したことがあります。
「自立」者にとっての最大の悩みは「人間関係」と「食事」。
老人ホームというのは狭い社会ですから、
人間関係がややこしくなるとかなり居づらいものだそうです。
また、食事も自分の好みにあわないと楽しくないでしょうね。

それに対して、サ高住の場合は基本的に賃貸住宅です。
無理に人付き合いする必要はないし、食事は自前でもOK。
外部からのサービスも、どの業者にするか選べます。
つまり、基本的に自由度が広いスタイルなのです。

私は、今後こういった高齢者住宅の主役はサ高住であると思います。
しかし、富裕層はきっと高級老人ホームなのでしょうね。
もっとお金持ちは、自宅に医療チーム置くでしょう。
つまり、庶民一般はサ高住が基本。
現に今、猛烈な勢いでサ高住が増えています。
2011年の10月にこの制度ができて以来、1年半で約10万戸超。
新築分譲マンションの供給量と同程度の規模になりつつあります。
近々、新築マンションを抜き去るのではないでしょうか。

ところが、今のところ住宅業界の本流企業は参加していません。
なぜかというと、うま味が少ないからです。
めんどくさそうなのに、儲けが少なそうだから。
住宅産業というのは、基本がドカンとつくってドカンと売るスタンス。
儲ける時もドカンと儲かるし、損をするときもドカン、ドカン(笑)。
ひどく大雑把に大きなお金が動く業界です。
月14万円程度の家賃収入を数十戸規模で運営するなど
連中から見れば「チマチマしている」と見えるのでしょう。
それに、介護サービスの業者とも提携しなければなりません。

ただ、参入障壁はかなり低いのがサ高住の経営。
ダイヤモンド誌でも取り上げられていましたが、
東京都内には銭湯が経営しているサ高住もあるとか。
入居者は営業時間前に入れてもらえるのだそうです。
毎日銭湯の一番風呂に入れるなんて、いいじゃないですか!

一方、入居希望者はサ高住を探して選ぶのはちょっと大変。
だいたいヤフーの不動産やスーモみたいなサイトがありません。
一応、物件を網羅したサイトはあるのですが、
まだよく整備されていないので、ネット上での選別は困難。
「行ってみて」「体験してみて」ということになります。
ところが、サ高住に入ろうなどという方は、
たとえ自立していても何らかの健康の悩みがあるモノ。
だからこそ、自宅ではなくサ高住に入ろうとするのです。
ボタンを押せば誰かがすぐに来てくれるわけですから。

そういう方にとって、いくつも物件を見て回るのは大変。
若い方がモデルルームをハシゴするのとはワケが違います。
そういった点、公正な評価機関や便利なサイトがあっていいもの。
今回のダイヤモンド誌の企画は、その点かなりいいと思います。
ただ3400物件を超す全国のサ高住総数の
約3分の1しかカヴァーできませんでした。
リクルートあたりが、サ高住の「スーモ」を早く作るべきですね。
なぜ、まだやっていないのか不思議なくらい。
ついでにいうなら、有料老人ホームの「スーモ」も作って欲しい。
こちらはずっと採算性があると思いますよ。

今週号の「週刊スパ 5/14号」
「首都圏300万円で家を買う!」に私のコメントが掲載されています。
よろしければ読んでください。
n130514

マンションレポートとは




前回は「マンション購入の出口戦略」をテーマにしましたが、
今回は「マンションという共同住宅そのもの」の出口戦略を考えます。
得意の「そもそも論」です。
まず、そもそもマンションという建造物は何年使用に耐えるのか?
当然、答はありません。

4,5年前までは「築30年で老朽化」みたいなのが常識化していました。
というのは、鉄筋コンクリートの分譲マンションが本格的に現れたのは
1960年代の後半からだと言われています。
だから今、中古マンション市場で流通している
最も古い物件が築40年くらいでしょうか。

何回か前の更新で取り上げた「300万円台で買うマイホーム」には
郊外の分譲型公団住宅も有力な候補なのですが、
それらの場合は「築40年弱」のケースが多いですね。
そういった住宅が「住めない」ほど老朽化しているかというと
そうでもないケースがほとんどだと思います。
同じものがイギリスにあったとしたら、若い人々が喜んで住むでしょう。
まあ、お国柄というか、民族の嗜好の違いというか・・・

日本人は古いものを「けがれている」と考えがちです。
車でも家でも、新品を最上位に置きたがります。
新品を必要以上に「清らかなもの」と考える民族なのです。
その根底には神道がある、という話は再々いたしました。

しかし、古いからといって壊すほどでもないのが、
築30年超のマンションです。まだまだ住める場合が大半。
話を戻しますが、マンションがいったい何年使用に耐えるのか、
とよく聞かれるのですが、私の答えは
「メンテナンスさえキチンとしていれば100年でも持つでしょう」
こういうと、いつも相手の視線がフワっとします(笑)。

現実に、関東大震災の復興事業で建てられた同潤会アパートは
60年以上を現役で続けてきたものもあるのです。
今の建築基準法で建てられたマンションは、
同潤会アパートより耐久性がある、と考えるべきではないでしょうか。

ここで問題なのは「キチンとしたメンテナンス」ができるかどうかです。
例えば、昔の公団住宅や同潤会アパートには
エレベーターといったものがほとんどないはずです。
鉄筋コンクリートの躯体さえしっかりしていれば、
その他のモノを順次取り換えていくのは可能。
エレベーターも部品を順次更新していけば50年以上は持つでしょう。
あるいは50年経てば、エレベーターのシステムごと取り換えればいいのです。
しかし、それを企画立案して実行するのは、
そのマンションの区分所有者で作る管理組合です。

つまり「キチンとしたメンテナンス」というものは
ハードではなくてソフトの問題になってきます。
今、新しいマンションが竣工し、区分所有者が入居します。
50年後、エレベーターの設備更新を迎えました。
1 まず、その費用負担に管理組合が耐えられるか
2 それを企画し、過半数の同意を得、実行できるか
そんなこと、誰にも分かりませんね。

日本にもそろそろ築50年のマンションが現れるでしょう。
都心にある立地条件のいいマンションは、
「建替えに同意してくだされば、新築のもっと広い住居を無償で提供しますよ」
という条件で建替えも可能です。
しかし、郊外型のマンションは、そんなことほとんど不可能。
そこで初めて、日本人はマンション自体の出口を
真剣に考えなければならなくなります。

この場合、さらに50年人が住み続けていけるように
「キチンとしたメンテナンス」を施せるかどうかは
前述のように、その時の管理組合の能力次第です。
でも、50年後なんて当初の入居者はほぼ全員がいないでしょう。
また、区分所有者が自分たちの住まいについての責任を
しっかりと果たす覚悟を持っているでしょうか。

私は築8年のマンションの理事長を過去に4期務めました。
まあ、メンドクサイの一言です。
管理会社は好き勝手言ってくるし、他の理事は協力してくれません。
「できることなら他の人に」とずっと思っていました。
でも、私以外の方がなさると、きっと管理会社のいいなり。
いいように提案されて、いいようにお金を持って行かれます。

結局、日本人の国民性として、マンションの管理組合のように
「緩やか」に所属する共同体に対する責任は
「できることなら果たしたくない」「関わりたくない」
というスタンスが主流を占めているのが現状ですね。
その癖、あとで文句ばっかり言ってきたりして(笑)。

私は、日本の建築技術をある程度は盲目的に信頼しています。
とういうか、私立文系のアホですから、信頼するしかない(笑)。
だから、1981年の新耐震基準で作られたマンションは
「50年や100年はもつだろう」と考えています。
また、前回の東日本大震災程度の地震が来ても、
新耐震基準のマンションは大きな被害に遭うことはないと考えています。
それは地盤の軟弱な湾岸の埋立地でも、内陸でも同じ。
だって、支持基盤まで杭を打ち込んであるのですから、
その間が液状化しようと建物そのものには関係ないはず。

それよりも、日本のマンションの場合は
ソフト面の弱さが際立っているのではないかと思います。
ソフト=管理、です。
言ってしまえば、マンションを買って住む人には
区分所有者としての義務と責任について自覚をしている人が少なすぎ。
「自分で炊事掃除洗濯をするホテル」くらいに考えている人が
半分以上いらっしゃるのではと想像します。

ほとんどの区分所有者にとって、管理組合の議事などは
できることなら「他人事」で済ませたい問題。
自分が当事者である、という意識から逃れようとします。
この傾向は当面変わりそうにありません。
その内、老朽マンションの処理が社会問題化します。
全国で何百万戸ものマンションが、ほぼ同時期に
廃墟やスラムになる危機に晒されるのです。
でも、今のところそれを行政で何とかしようとする動きは
無いでもないのですが、非常に弱いですね。

この問題を解決する名案はありません。
というか、各々の管理組合がしっかり機能していれば、
ほとんどが防げる問題だと思います。
そうでないマンションは・・・老朽化すると
住む人も管理費をマトモに払う人も少なくなり
やがて共用部の機能が失われて・・・廃墟です。