マンションレポート最新情報 【全て見る

ジオ彩都いろどりの丘, シティテラス若江岩田の資産価値は? 榊淳司の資産価値レポート048 大阪府の 大規模マンション 全22物件の徹底分析 […]

価格4,980円

ブリリアタワー堂島、 梅田ガーデンレジデンス、 シエリアタワー大阪堀江の資産価値は? 榊淳司の資産価値レポート 大阪のタワーマンション 全1 […]

価格3,890円

      榊淳司の資産価値レポート010 京都市の全47物件 【2025年12月改訂版】 このレポートで取り […]

価格9,980円

シティテラス赤羽 ザ・パークハウス 赤羽台タワー&レジデンスは? 榊淳司の資産価値レポート037 北区・総集編 全6物件を解説 【2025年 […]

価格2,490円

シティテラス文京小石川は買いか? 榊淳司の資産価値レポート020 文京区・総集編 全7物件を分析 【2025年12月改訂版】 価格高騰がハッ […]

価格2,390円

グランドシティタワー池袋の資産価値は? 榊淳司の資産価値レポート034 豊島区・総集編 全5物を全て解説 【2025年12月改訂版】 このタ […]

価格2,590円

榊淳司の資産価値レポート015 杉並区・総集編 全9物件 【2025年12月改訂版】 どの物件を買うべきで、どの物件は避けるべきか? マンシ […]

価格2,980円

榊淳司の資産価値レポート030 渋谷区・総集編 全4件 【2025年12月改訂版】 渋谷区には広尾、上原など魅力的な住宅地が数多くあり、 マ […]

価格2,390円

榊淳司の資産価値レポート024 千代田区・総集編 全3物件【2025年12月改訂版】 本レポートでは、全物件について、榊淳司が1物件ずつ調査 […]

価格1,980円

榊淳司の資産価値レポート021 港区・総集編 全19物件を全て解説 【2025年12月改訂版】 榊淳司は常々「マンションを買うのなら無理して […]

価格4,980円
榊 淳司オフィシャルブログ

何度も書いているとおり、私が生まれ育ったのは京都市。
生家は京都大学の近くで古本屋を営んでいました。
小学校は「哲学の道」を歩いて通い
中学校は旧第三高等学校(現京大教養部)のお隣。
高校は、そこから京大医学部のキャンパスをかすめるようにして通学。
そして大学へは・・・理工学部と文学部(石垣)の間(今出川)を
スクーターで走り抜けて通っていました(笑)。
すごーく近くで生まれ育って、多くの先生や学生と知り合ったのに
なぜかあの大学は私に「おいで」とは言いませんでした。

おかしいなあー

まあ、それはいいとして・・・
家が古本屋だったので、本の背表紙を眺めて育ったようなものです。
中身を読まなかったかって?
それは、少しは読みましたよ。
当時はファミコンも携帯もDSもありませんからね。
でもまあ、中学生ぐらいまでは、家の棚に並んでいる学術書なんて
なーんにも分かりませんから、読むのはもっぱら小説。
高校生くらいの時は、本読むよりもおもしろいことがありすぎました。
それは、大学生になるとさらにパワーアップ。
遊ぶのに忙しいから本なんて読んでいるヒマはありません。
ところが、3年生になる時に編入試験なるものを
受けるためにふた月ほど家に籠もって本ばかり読みました。
それで入ったゼミの指導教官が、
イエール大学でPh.Dを取ってきたというスゲエ先生。
この大先生、麻田貞雄という人なのですが、
後に吉野作造賞まで取ってしまう外交史の権威。
しごかれましたねー(笑)。
まず最初に「来週までコレ読んどくように」と渡されたのが
アメリカの学者が書いた原書のコピー20Pほど。
そんなもん、こっちは受験英語で30行の英文読むのも
ヒーヒー言っていたのに、1頁50行ぐらい
ビッシリ難しいこと書かれた英文を20ページですぜ。
その後も、毎週5冊くらいは日本の専門書を読んでいないと付いていけません。
自分が発表する時には20冊くらいには眼を通します。
私が京大の理工学部と文学部(石垣)の間を抜けて通ったその大学では
文系学生の98%は、ほぼ「完全に」遊んでいましたが、
我々のゼミだけは、まるでアメリカの大学みたいでしたね。
ゼミの仲間や先輩と顔を合わすのは、もっぱら図書館でしたから(笑)。

就職すると、そういう環境は一変します。
つまり、不動産屋やその周辺に群がるおバカな面々と
四つに組んで仕事をしなければなりません。
そうすると、飢えるのです・・・インテリジェンスに。
気が付けば、ヒマとスキを見つけて本を読み漁ります。
それでも、学生時代に比べれば読めませんね。
絶対的な自由時間が少ないですから。
そんなこんなで・・・今までの人生で読んだ本は、
約3000冊から3500冊くらいじゃないでしょうか?
このまま読み続けても、一生で1万冊は無理だと思います。
だんだん目も見えなくなりますしね(笑)。

「一生で1万冊」・・・・これって、本を読みたい人間にとって
かなり残酷な「限界」を表す数字です。
すごーく本を読む人でも2万冊は読めないと思います。
2万冊読もうと思えば、12歳から70年もの間、
1年に344冊読まねばなりません。ほぼ1日に1冊。
これはよほどの読書好きでもない限り、不可能。
1万冊なら2日で1冊・・・まあ、普通の「本好き」はこの程度。
でも、その2万冊ですら、八重洲ブックセンターのワンフロアの半分くらい。
1万冊なら、ほんの一画。小学校のひとつの教室の壁を本棚にした程度。

人間が書物からインプットできる情報なんぞ、たかがその程度なのです。
これって多分、普通のパソコンより少ないと思います。
だからこそ、我々はインプットする情報の選別に、
それなりに気を使わなければいけないと思います。
つまりは「読める本は限られているのだから、キチンと選ぼう」ということ。

今発売中の「日経ビジネスAssocié(アソシエ)」という雑誌が

 「仕事に効く!元気になる! 今、読むべき本」という特集を組んでいます。
「ビジネススキル」とか「仕事の知識」などのテーマ別に
「明日のあなたをつくる500冊」を紹介しているのです。
その中で、マネー編の「住まい」で紹介されている9冊は
僭越ながら私が選ばせていただきました。
硬軟取り混ぜての9冊ですから、みなさんの「読む本」選びに
少しはお役に立てるのかな、と思います。
ただし、私が最も読んで欲しい本が、この9冊の中には入っていません。
それは、もちろん・・・・

です(笑)。
どうぞ、みなさん!
この9冊の前に私の著書も読んでください。
住まいの購入を真剣にお考えなら、
これはまっ先に読むべき本だと思いますよ。




仕事柄、いろいろなところに出かけて、様々な「街」を見ます。
首都圏でも地方でも、日本国中のたいていの街は
一見するとどこも同じですね。
街を歩いていて、他と違う「個性」というものを感じることが少ないもの。
ただ、ごくたまに「オオッ、ここはおもしろい」と
思えるようなところもあります。

吉祥寺や自由ヶ丘はよく知られていますね。
高円寺、阿佐ヶ谷などの中央線沿線にも、
独特の雰囲気があります。
あまり知られていないところでは、板橋の大山。
元住吉の「ブレーメン通り商店街」は有名ですが、
この大山だって負けてはいません。

歩いていて楽しくなる、活気のある街です。
行く毎に新しいお店が出来ていて、楽しませてくれます。

このような「活気のある街」というものは、
決して都市計画的に作ることが出来ない、と思います。
多くの人を引き寄せる街の魅力というものは、
プランナーの頭の中からではなく、自然発生的に生まれるのです。

都市計画が比較的成功していると思える「幕張ベイタウン」でも
歩いていると、どこかよそよそしい感じがしてきます。
そして、なんとなく居心地が悪くなります。

もちろん、私自身がああいう「先進的」で「未来型」の空間よりも、
人の息遣いが身近で、実際的で庶民的な暮らしが垣間見える街の方に
魅力を感じる嗜好があるせいなのですが・・・
これには、22歳まで千二百年の都に育った
私の生い立ちも大いに影響していると思います。

都市計画というのは、人の動きをも「計画」します。
つまるところ、どこを歩き、どこで買い物をし、どこで食事をして、
子どもたちと遊ぶ場所はどこ・・・という風に、
あらかじめどこで何をするか決められているワケです。
これって、2、3回やってしまえば飽きてしまいます。
何回やっても飽きない人は飽きないでしょうが。
そして、お買い物や食事をするお店は、
年月を経ると多少変わったりしますが、まあだいたいは同じ。

ところが、自由ヶ丘や吉祥寺などという街を歩いていると
日々何がしかの変化があります。
いってしまえば、様々なものがゴチャゴチャと集まっている猥雑性や
何やら得体の知れぬものと出会えそうな予感に満ちているのです。
どこに何があるのは分からないから、ついつい徘徊したくなる・・・
だから、「ちょっとブラブラしてみるか」という人が多く集まってくるわけで、
それが街としての「活気」につながります。
その最たるものが夜の六本木や新宿歌舞伎町であり、
昼間なら渋谷のセンター街。
非常に健全なところでは銀座。ちょっと品下がれば池袋の東口。

都市計画で作られた幕張ベイタウンや新浦安、
あるいは茨城のつくば学園都市、
横浜ならみなとみらい地区や港北ニュータウンのセンター北、
そして一時はブームになりかけた湾岸のお台場などには、
この猥雑性というものが、ほぼ皆無ですね。
「ちょっとブラブラ」という無目的な訪問者は
かなり少ないのではないでしょうか。
そこが、都市計画で作られた街の魅力の薄さです。

私がレポートで取り上げている東京都心の湾岸エリアは、
「豊洲」と「有明」、それに「晴海・勝どき」の3つ。
このうち、豊洲エリアには住友不動産のタワーマンションが
この1年で3本も竣工していて、総戸数は約2000戸。
私は『豊洲』という街自体については、都市計画で作られている
湾岸エリアの中では比較的面白みを感じています。
この「島」自体が戦前から存在するので、
有明等に比べれば、やや猥雑性があって親しみやすいのです。

でも・・・住友不動産の3本のタワーマンションは
この島のマンション市場を大きく歪めているのではないか、
と私はかねがね考えています。

そういった見解をまとめ、さらにこの街の将来性を展望したレポートが
「徹底分析、豊洲のタワーマンション市場」
これは、去年の秋に出した
「豊洲のタワー3物件を斬る」というレポートを
現状のマーケットに合わせて改定したものです。
中身はかなりボリュームアップしたのですが
お値段は4960円のまま据え置いています。

豊洲でマンションを買おうとお考えの方は、
騙されたと思ってお読みください。決して騙しませんから。

巷で私のレポートに対して何のかんのと文句を言っている方は
ほぼマンションデベロッパーか、販売会社の方です。
彼らは、もっともエンドユーザーに知られたくない部分を
私のレポートであっさり暴露されるので、
地団駄を踏んでおられるのです。
そして、検討客に何とか私のレポートを読ませないように
あの手この手と画策しておいでのようです。
まあ、それだけ連中にとって「都合が悪い」ということですね(笑)。




さっき、ヤフーを見ていたら
「首都圏マンション急回復 3月発売54%増、契約率3年ぶり80%」
なーんていうタイトルの記事が配信されていました。
こういう記事は、だいたい「不動産経済研究所」の発表データが元になっています。
ここは業界で「不動研」と呼ばれている会社です。
では、この不動研はどうやって、「契約率」なるものを調べているかというと
それは極めて原始的な「電話での聞き取り調査」なのです。
聞く相手は、当然ながら販売中のマンションの売主企業担当者。
聞かれた方は、正確に答える義務なんてありません。
例えば、100戸のマンションが売り出されているとして、
販売開始一ヶ月で10戸しか契約できていない場合、
「はい、当マンションの契約は10戸です」なんて答える担当者は、
「絶対に」といっていいほどいません!
もし、正直に答えると、そのマンションの契約率は10%にカウントされます。
「契約率10%」のマンションは、超がつくほど不人気物件です。
そういう不人気物件が本当に不人気であることが分かってしまうと、
まますます売れなくなってしまいます。
なぜなら、このブログでも度々取り上げているように
日本人には一般に「他の人と同じことをする」と、妙に安心するという
私からすれば摩訶不思議な行動様式があるからです。
反対に「だーれも買っていない」マンションを契約するのは
恐ろしく勇気がいることになります。
だから、売主企業の担当者が、自分の担当マンションが「不人気」である、
と認めることは「絶対に」ないのです。

では、本当は100戸の内の10戸しか売れていない場合、どう答えるのか。
普通は30戸から50戸くらいでしょうね。
30戸売れていれば60戸でしょうか。
つまり「半分」というのが目安だと思います。
「半分売れていれば大丈夫かな」という心理を読んでいるのかもしれません。

だから、「不動研」の発表する「契約率」というのは
実態とはかけ離れた数字なのです。
もちろん、業界人は誰もあんな数字を信じていません。
ただ、全体の空気というか、風を読む参考にはなります。

このように、契約率はかなりマユツバなのですが「発売戸数」は
ほぼほぼ正確といっていいでしょう。
なぜなら、それは広告しているので嘘がつけないのです。
だから、3月の発売戸数が増えたのは事実なのでしょう。
実は・・・今年の後半はかなり多くの新築マンションが発売されそうです。
昨年の後半あたりから、マンション用地を仕入れる動きが活発化し、
それが今年の後半に事業化されて販売開始と相成るわけです。

そして、全体的な傾向として「需要が溜まっている」というのも
ある程度は事実だと思います。
つまり、昨年はほとんど新しい物件が出なかったので、
新築マンションを買いたくても買えない人が積み上がった、
という状態にあるわけです。
別に、それはそれでいいのですが、困ったことがひとつあります。
それは、一瞬でもそういう状態になると、
即座に不動産屋さんたちは「勘違い」してしまうのです。
つまり、みなさんに「売ってやる」という高ピー姿勢に「戻る」ワケです。

いつか書いたとおり、不動産屋というのは、基本はエバりたがり屋です。
中には、エバりたいから不動産屋になった、なーんていう方もいるくらいです。
彼らが、みなさんにヘコヘコと頭を下げるのは、
手付金を取って契約書に判子を押させるまで。
その後はてのひら返しに居丈高になる、
というケースが大半とは言わないまでも、かなりあります。

契約後に、「何かおかしなこと」が起こって解除しようとしても
彼らが「紳士的に手付金を返してくれる」ということはまずありません。
そして「何かおかしなこと」が起こる確率は、かなり高いのです。
私の感覚だと、契約から内覧、引渡し、居住開始1年くらいまでに
何の問題も起こらないマンションなんて、10%もないと思います。
よくある悪質なケースは、営業マンの無責任な「口約束」です。

● 駐車場は必ず確保します
● オプションを無料で付けます
● 前の敷地に何か建つ計画はありません
● 入居後、何かあれば私がすぐに駆けつけます
● 当社のマンションでトラブルになったことはありません
● 今後、値引きをすることは絶対にありません

こういう約束は、守られるよりも反故にされる可能性がかなりあります。
では、こういうトラブルを事前に避けるためにはどうすればいいか?
私がいつもおススメしているのはサポート会社の活用です。
特に、契約前が重要です。
契約する前に、そのマンションを買っていいかどうかの判断。
これを「不動産調査」で徹底的に調べてもらいます。
次に、契約書や重要事項説明書のチェック。
これもかなり重要です。
というのは、契約自体の不備や購入者に一方的に不利な記述が
シレっと盛り込まれていることが結構多いのです。
その他、契約書に記載されていないことの確認。
前述した駐車場の問題等です。
そして、契約後の内覧。さらに引渡し。
これらの節目節目に、下記にご紹介する大友さんのような専門家の
サポートを仰げば、ほぼ失敗することはなくなります。

これまで、私に無料相談をお寄せいただいた多くの方を
大友さんにご紹介した場合、顧客満足度は100%どころか
120%や150%といっていいほどです。
これほど頼りになる方は、そうそういませんね。
ただし、対応は首都圏のみ。マンパワーには限界があります。
でも、料金は業界最低水準で、サービスは業界最高水準。
名の知れた大手事務所なんぞ、足元にも及ばぬクオリティの高さです。

もし、何かでお悩みがあれば、私への無料相談でもいいのですが
深刻の度合いが高いものは、迷わず大友さんに相談すべきでしょうね。
メールや電話での応対も非常に丁寧との評判です。
ぜひ、ご活用なさってみてください。

大友さんの会社です ↓

 株式会社ベストサポート
東京都新宿区高田馬場4丁目
0120-234-212 水曜定休
www.best-sup.com/




平沼さんの新党「たちあがれ日本」が結成されたことを
私は、まずは喜ばしいことと受け止めています。
その目的に「憲法改正」が入っていますので。

そもそも自由民主党が1955年に結成されたときの目的のひとつが
この「憲法改正」であり「自主憲法の制定」であったことは
半世紀以上経過した今ではすっかり忘れられています。
そして、日本がこのように不甲斐ない国に成り下がったのは
何よりもアメリカ人の作った憲法に唯々諾々として60年以上従ってきた歴史と、
日教組を始めとした曲学阿世の輩に教育を任せてきたのが大きな原因です。

結局、民主主義国家の政治というものは、
少しでも油断すると政府は無節操な人気取り政策に走り、
権力者はその影で私腹を肥やすという
悪しき愚民化の方向へと流されていきます。
かつて、安直なアメリカ人どもが「民主主義のショーウインドー」ともてはやした
フィリピンという国が呈している、ただただ人気取り政策だけの惨状。
国民をしっかり教育しないままに民主主義システムを取り入れたばかりに
未だに幼児国家の域を出ていない韓国の現状。
さらには、カタチばかりの選挙によって恐ろしく強権的で
腐敗した政治家と官僚たちがのさばっているロシアの内情。
これらの例が、
かつてチャーチルを嘆かしめた民主主義という欠陥の多い政治システムが
いかに危険極まりないものかという本質を、見事に物語っているではありませんか。
日本も、これらの「民主主義システムの失敗例」のレールの上を今、
かなりのスピードでひた走っている観があります。
そういった、失敗のスパイラルから脱して、
国民を救済する方向に導くためには、
犠牲の多い「革命的改革」を行う必要があります。

かつて、日本には「明治維新」というよき前例があります。
あれだけのことを成しえた民族というのは
世界史全般を見渡しても、ほかに類例を見出せません。

我々には、あれから数世代を経ているとしても、
かほどの革命を成し遂げ、明治国家を作り上げた先人のDNAが
必ずや受け継がれているはず・・・と、私は信じています。

今回の平沼さんの新党結成記事を眺めながら
「これで何とかいい流れができないものか・・・」
と夢想するばかりです。



2010/4/11 23:22 | ちょっと脱線 | Comments (0)

これだけマンションが売れないと、
その周辺の業種への波及も半端じゃありません。
私のオフィスへも、ここ数年リストラされた方や、
会社を畳んだ人がよく訪ね来られます。
たいていは「何か仕事はありませんか」
「雇ってくれるところありませんか」という用件。
はっきり言って、今の私ではほとんどお役に立てません。

そんな中で、10人に一人くらいは他業種へ転向される方もいます。
また、極たまに、そこで小さな「成功」を収められている方もいるのです。
そういう方は、実に晴れ晴れとした顔をなさっています。
そして、一応におっしゃることは
「あの、バカな不動産屋どもと付き合わなくてよくなったのがとてもウレシイ」ということ。
特に不動産広告に携わっていた方にこの傾向が強いですね。
「不動産屋はほとんどバカばっかり。特に、販売会社はヒドイ。
それにくっついている広告代理店の営業も、バカが多い。
バカが2乗になって来るから始末に終えん」
よ―――く、わかります(笑)。

私にも経験がありますが、
広告の仕事は「無から有を生み出す」作業です。
もう少し分かりやすくいえば、頭の中にあるモヤモヤしたイメージを、
眼に見えるカタチや言葉にしなければなりません。
人間の頭の中にあるものなど、それこそ千差万別。
それを「打ち合わせ」と称するコミュニケーションで
みんなの頭をひとつのイメージに統一していきます。

実のところ、自分のアタマの中にあるモヤモヤを、
相手が理解するような言葉に変えて伝えるためには、
相当の表現力が必要です。
私の感覚では、IQ130以上のキレと豊かなボキャブラリー、
そして相手のレベルに合わせた表現ができる柔らかな発想が必要。
ところが、このIQ130というのは、全体のおよそ2%という異分子。
偏差値の世界なら早稲田・慶応かそれ以上のクラス。
もちろん、偏差値とIQは完全に正比例しませんが。
ただ・・・そのクラスの人材は、不動産業ではほぼ財閥系企業に集中。
不動産広告の世界でも、ほんの一握りの少数派。例外は多少ありますが。
つまり・・・そのへんには、ほぼいないのです(笑)。

だから・・・不動産広告の世界では、ほとんど毎日が混乱の連続。
オモチャ箱をひっくり返したような騒動が繰り返されます(笑)。
「コレは俺のイメージと違う」
「いったことがちゃんと伝わっていない」
「方向性が違う」
「お前は商品を理解していない」
「なんで俺の言っていることが分からないんだ、バカヤロー」
とまあ、いってみればドタバタ喜劇の世界です。
仕方ありませんね。お互いのアタマの中が違いすぎるから
あっちこっちで「行き違い」が起こるのは。
それに、二人に一人か三人に一人は
確実に「なーんにも考えていない」か
何か意味のあることを考えることができないくらいのおバカ。
でも、本人はたいていそのことに自覚がありません。

こういう状態がほとんどですから
もう、混乱せずにスムーズに仕事が進むほうが珍しい、のです。
そして、たいていの当事者は「なぜ混乱が生じるのか」という
このコミュニケーションギャップの本質を分かっていません。
だから、このドタバタ喜劇は未来永劫に続くでしょう。
これを当事者達は真剣な顔でやっているところが、
この不動産広告世界の「悲劇」なのです。

私の知人でIQ140を豪語する方がいらっしゃいました。
IQ140というのは全体の1%以下。学歴なら「東大」クラスです。
彼の不運は、40代になってから不動産屋とその広告屋を相手にし始めたこと。
もう・・・・連日の如く「アノ○○不動産のバカどもめ!」、
「あの営業の○○は何も分かっておらん」と毎日罵りまくり。
彼の悲憤慷慨を、私はよく理解できていたつもりです。

ただ、私は20代の半ばからあのおバカな連中を相手にしているので
「世の中こんなもんだ」と、開き直るところがありました。
しかし、彼にとっては、おバカが支配している不動産業界と
それにくっついている広告屋というのが
何とも理解できなかった・・・受け入れられなかったのです。

でも、その彼は今、他業種で晴れ晴れと仕事をなさっています。
「足を洗えてよかったね」と、心から申し上げたい。
私は、いまだにドップリとそこに浸かっていますが・・・
ご丁寧に、彼らの生態を暴く本まで書いてしまいました。

「年収200万円からのマイホーム戦略」

この本に書いてあることがみなさんに広まれば、
不動産業界は確実に変わるのですが・・・

かのIQ140氏のような「アタマのいい人間」にとって、
この不動産業界とその周辺の社会は、
実に居心地が悪かったと思います。
私は、この業界に入る前に教育産業に身を置いていました。
そこは、偏差値の高い学校を出た人間が幅をきかす世界ですから、
表向きは一応「理屈」というものが重んじられます。
内実はそうでもないところが多いのですが(笑)。

ところが、不動産業界はハナから理屈は二の次です。
「売れればいい」「儲かればいい」という世界。
時には、法律だって無視してしまいます。
それでいて、大金を得ることができるのですから、本当にヤクザな業界。
理屈もヘッタクソレもあったもんじゃない(笑)。
その広告なんて、もっと滅茶苦茶。
この数年、大量投下されたマンション広告のキャッチコピーの一例を挙げると、
「感度リョーコー」「ハマブギ」「PAR区」・・・・ですぜ。
こんなのを、真剣に議論してつくっているかと思うと、
本当に「喜劇」を通り越して「悲劇」ですね。

業界からうまくエスケープできたIQ140氏は、駿河の士族の家柄。
私の家も5代前は、紀州藩から微禄を頂戴しておりました。
共に酒を飲めば、親から教えられたサムライ話に花開きます。
「禄少なしといえども武士は武士」「名こそ惜しめ」と、
教えられてきた身には、こういう広告を作って人前に出すのは
「恥ずかしい――」と逃げ出したくなる、という感覚で一致します。