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榊 淳司オフィシャルブログ

このブログは、そもそも「マンションの値引き情報」が出発点だったのですが、
今は日本の住宅問題全般と、時々脱線して幅広い分野を取り上げています。
先日更新した「米軍駐留を拒絶するのなら核武装すべし」には、
すでに4件の賛否両論コメントが寄せられています。
なぜか、「拍手」も他の更新よりも多いですね。

この「核武装」については、
連休中にもう一度やってみたいと思いますので、乞うご期待。

さて、度々申し上げている通り、この2月に
「年収200万円からのマイホーム戦略」という本を出したのですが、
実は次なる著書の構想をいくつか描いています。
そのひとつは

「タワーマンションが危ない」

というものです。
「そら来た、いつものテーマか?」
と思われるかもしれませんが・・・・その通りです(笑)。

もちろんのことですが、今までブログで書いてきたことよりも、
さらに突っ込んだ内容に掘り下げるつもりです。
その新しい切り口は「健康」です。
タワーマンションの上層階に住むことは、
様々な面で人間の「健康」に影響を与えそうです。

そもそも、タワーマンションなるものを主たる住みかとした人類は、
その200万年の歴史の中でほとんどいないわけです。
つまり、タワーマンションが人体にどのような影響を及ぼすのか
未だにはっきりとした「結果」は出ていません。

ただ、いくつかの「兆し」はあります。
そのひとつは「流産の可能性が高い」というもの。
これは東海大学医学部の逢坂文夫氏がデータ的に裏付けています。
さらに、子どもの引きこもりや、鬱症状との関連も疑われています。
「健康」に敏感な北欧の国では、超高層住宅を規制しているそうです。

そして、もうひとつの切り口は、従来から私が言ってきたように「災害」。
タワーマンションは、地震に対してかなり脆弱です。
それは、耐震強度の問題ではなく、
地震後の生活再建上の制約が多い、ということ。
これについては4月23日号の「週刊朝日」でも取り上げられていました。

そして、最後は「資産」としての問題点。
機械式駐車やエレベーターなど、通常のマンションに比べて
管理とメンテナンスに費やされるお金はかなり高いのが現実。
それでいて、なぜか固定資産税も割高な場合が多いようです。

突き詰めれば、あのタワーマンションなるものは
「気持ちの良い眺め」が得られるのと引き換えに、
かなり多くの「人生のリスク」を背負い込まなくてはならないのです。

まあ、そういったことをさらに研究して、本にしてみたいのです。
困ったことに、まだ出版してくれそうな会社は見つかっていませんが(笑)。

さて、ヨーロッパ文明から最も僻遠の「極東」に位置するわが国では、
ミニバブルが弾けたにもかかわらず、多くのタワーマンションが建設中です。
そして今後、もっとも多くのタワーマンションが建ちそうなのが
いわゆる「湾岸エリア」です。

今、盛んにテレビで広告しているタワーマンションがありますね。
例の、オダギリジョーの「ブリリア有明スカイタワー」です。
お隣の「ブリリアマーレ」がマドンナを起用して、
結果的には「大失敗」しているはずなのに、性懲りもなく・・・・

私は、「豊洲」「勝どき・晴海」そして、この「有明」に関する
マンションレポートを出していますが、
立地条件で最もハンディを負っているのは、他ならぬ「有明」です。
だからこそ、マドンナやジョーを起用して、
一生懸命「有明は素晴らしくいいところ」とアピールしたのでしょうね。
でも、そんなゴマカシプロモーションが、必ずしも成功しているとは思えません。

この度有明のタワー3物件を明解に分析という
マンションレポートに最新情報を盛り込んで更新しました。
もし、あのあたりのタワーマンションをご検討の方がいらっしゃいましたら、
ぜひとも読んでみてください。
お値段は3960円とかなりリーズナブルです。
ただ、湾岸エリアの中では「有明」よりも「豊洲」「勝どき・晴海」の方が、
幾分おススメできるところがあります。
ですので、残念ながらあまり肯定的な内容は多くありません。
かなり赤裸々な「値引き情報」は入れておきましたが(笑)。




徳富蘆花というと「ああ、蘇峰の弟か」と思われる方が多いはずです。
今はどうか知りませんが、私が学校で「日本史」を習っていた頃は、
教科書の中で、兄貴の徳富蘇峰の方が大きく扱われていた記憶があります。

でも、大正から昭和にかけての期間では、
蘇峰よりも蘆花の方が国民一般には圧倒的に知られていました。
「不如帰」というのが、その代表作。
今の人にとっては、ちょっと古めかしいかもしれません。

その蘆花は39歳の時、北多摩郡千歳村字粕谷というところに移り住みます。
最初にそこにやってきた時には、今の港区青山あたりで人力車を雇い、
半日かかって辿り着いたそうです。
時は1907年といいますから、明治40年。
日露戦争が終わって2年後のことです。
もちろん鉄道もなく、道路は舗装されていない時代です。
そこは、今の住所で言うと東京都世田谷区粕谷。
蘆花公園のあるところ、といえばイメージしやすいでしょう。

彼は、この場所が随分と気に入ったそうです。
「みみずのたわこと」という本に、この地で体験したり
見聞きした様々なことが書き記されています。
昔の文章ですから、最初はとっつきにくいかもしれませんが、
少し慣れるとスラスラ読めて、けっこう楽しめますよ。

明治末期から大正にかけての「世田谷区」の一角の様子が、
ありありと手に取るように分かります。
蘆花の住んだ粕谷のあたりは、家が20数軒しかなかったそうです。
もちろん、ほとんどが農家。そして、みんな顔見知り。

「世田谷」といえば、今は日本で有数の住宅地。
首都圏ならずとも、その知名度は鳴り響いています。
人口も84万人以上。23区ではナンバーワンの多さ。
しかも、鳥取や島根、高知等、5つの県を上回ります。

ところが、100年前は一面の畑と、雑木林が広がる田園地帯。
そのまた100年前は、江戸ご府内でさえない、タダの田舎。
まあ、変われば変わるものですね。
世田谷の道が狭いのは、当時のあぜ道をそのまま舗装したからです。
どことなく庶民的なところがあるのは、
関東大震災の被災民が移住して街が形成されたからです。

住宅地としての道を歩みだしたのは、鉄道が通ってから。
北から京王線、小田急線、そして東急田園都市線。
いってみれば、割合に新しい「住宅地」なのです。
厳密にいえば「山の手」ではないかもしれません。

地形に起伏があるので、田んぼは少なかったようです。
粕谷の古老を取材した時、灌漑の苦労話をなさっていたのを思い出します。
だから、最初に大量に流れ込んだ震災難民は、
住みやすい低地を選んだようです。
三軒茶屋などがその典型ではないでしょうか。
鉄道が通ってからは、丘陵地に住宅街が形成されたようです。

そして今、23区でももっとも多くの人が住むようになり、
余っている土地は少なくなりました。
しかし、「世田谷」のブランド力はゆるぎないものがあります。
マンションデベたちは「世田谷なら大丈夫」と思うのか、
おっそろしいほどの高値で事業用地を仕入れたりしています。
「ええ、その場所でその価格はないでしょ?」
と、首を傾げたくなるようなマンションも登場しているのです。

「世田谷ブランド」でみなさんを惑わせ、
本当はさほどでもない場所の物件を、
上級立地並みの価格で販売している例が結構あります。
そういうマンションに手を出すべきではありません。
業界の様子を観察していると、困ったことにこの世田谷エリアでは、
これからもジャカジャカそういう物件が登場しそうです。

ここはみなさん、しっかりとした視点で立地を確かめなければなりません。
マンションの広告では、いいことしかいいません。
営業マンは決してマイナス情報を教えてはくれません。
冷静で客観的な評価を下すためには、
専門知識を有した第三者の見解が大いに役立つはずです。

そうです・・・如月正雄さんが、とうとう出してくれました。
「マンション立地評価集 世田谷区編」
今回も、気合が入っています。
なんと、そのボリュームは過去最大の61Pにもなりました。
取り上げた物件は全部で12。

パークハウス二子玉川プレイス 
パークホームズ上野毛アートリエ
BELISTA下高井戸駅前
シャリエ三軒茶屋
ハイレーゼ三軒茶屋
パークホームズ弦巻ヴェリール
クラッシィハウス桜新町
ザ・レジデンス千歳船橋
パークハウス フォレストリエ
グランドヒルズ成城
パークホームズ蘆花公園エアリーコート
ザ・ライオンズ蘆花公園

これらのどれかを購入検討中の方は、まず必読ですね。
そうでなくても、世田谷区でのマンション購入をお考えの方は
ぜひお読みなっておいてください。
最良の選択を行うために、必ずお役に立つと思います。

「マンション立地評価集 世田谷区編」

今回はボリュームにあわせて5290円です。




ここんところ、真面目にマンションを語ってきたので、少し脱線させてください。

鳩山政権は、どうやらこの5月がヤマ場のようですね。
例の普天間基地の移設問題で、「5月中に決着」などという大見得きって、
おまけにオバマ大統領に「トラスト・ミー」なんて言っちゃっていますから、
これは日米間にかなりの不信感が生じるでしょうね。
まあ、時局についてあれこれ言うのは私の専門ではないので、
ここではいつもの通り、
マスコミや評論家諸氏一般が取り上げない視点で語ります。

まず、そもそも「なぜアメリカ軍が日本に駐留しているのか」という
原点から考えてみましょう。
その始まりは、いうまでもなく1945年の「敗戦」です。
彼らは当初「占領軍」として日本にやってきました。
当時の日本人は「進駐軍」などと呼び変えていましたが、
これは紛れも無く戦争に負けた結果です。
「敗戦」を「終戦」と呼び変えているのと同じ。

その後、日米安全保障条約というのが締結されて、
「日本は軽武装でよい。アメリカが守ってやる」という基本構造が出来ました。
これはソ連というバケモノ国家に対処するための方策、
そして、アメリカが再び日本を「仮想敵国」にしたくないという思惑、
さらに「もう戦争はこりごり」という日本人の心情、
という3つの要素が絡まって出来上がった「方便」みたいなものです。

国際社会というものは、基本的に「弱肉強食」です。
弱い国は強い国に簒奪されて悲哀を味わうのが当たり前。
ちょっと前の東欧・バルト諸国はソ連の奴隷国家でした。
今のチベット、内モンゴル、東トルキスタンは支那政府によって
民族的なアイデンティティーまで奪われようとしています。
独立する前のインドやインドネシアはイギリスやオランダに
莫大な富を毟り取られ、その民は塗炭の苦しみを味わっていました。

日本にしたところが、1945年の敗戦によって、
満州にいた60万人もの人々がシベリアで長期間の奴隷労働に従事させられ、
6万人以上が死亡。婦女子はソ連兵の陵辱に合いました。

日米安全保障条約というものは発効当初、
「何かあったら、アメリカが日本を守ってあげる」
「その見返りは『友好関係』のみ」
という世界史上まれに見る片務的な軍事同盟でした。
日本側負担は、「米軍基地用地を提供し、その活動領域を設定する」
ということに限られていました。
ただ、駐留アメリカ軍人の裁判権の問題があり
これは「地位協定」の改定で、現在は「まあまあ」の状態です。
大きく変わったのは「お金」の問題。
当初は、駐留米軍の費用はすべてアメリカ側負担でした。
敗戦直後は、日本は相当の貧乏ですから、
むしろ「アメ公」が落とすお金で基地周辺の人々が潤っていたくらい。
ところが、日本が豊かになってからは
駐留米軍の費用は、ほとんどが日本政府負担になっています。
いわゆる「思いやり予算」というもの。
実は、日本の防衛予算のかなりの部分が、駐留米軍への「援助」です。

冷静に考えて見ましょう。
日本にいるアメリカ軍は、基本的に「日本を守る」ために存在します。
だから、彼らが日本に駐留する費用は、
ほとんど日本国民の税金によって賄われています。
言ってみれば、彼らは日本の「傭兵」のようなもの。

ただ、昨今のイラク戦争などでは、
沖縄のアメリカ軍基地は主要な出撃拠点となっています。
ベトナム戦争時代も、当然ながら日本はアメリカの兵站基地でした。
アメリカ軍は、日本を守るためだけではなく、
連中の勝手な世界戦略に日本の基地を利用しているのです。
ケシカラン、といえばケシカランですね。
日本国内のアメリカ軍基地の費用は、
日本国民が負担しているわけですから。

「日本の基地は、日本を守るために使えよな」
「そうでなければ、アメリカ軍なんか出て行け」

そういう風に考えてしまいますね。

ここで、我々にとって「在日米軍」そして「米軍基地」が
どういったものなのかを、整理する必要があります。

例えば、社民党という政党は
「平和というのは、こちらから戦争を仕掛けなければ実現する」
という、摩訶不思議な発想をなさっています。
だから「戦争の危険がある米軍基地はまったく不要」であり
「そんなものはグアムに移してしまえ」となります。

でも、アメリカ軍・・・とりわけ世界最強の「マリーン(海兵隊)」が
いなくなれば、ほくそ笑む国もあります。
他ならぬ支那です。
「西太平洋は我々、東太平洋はアメリカ」という軽口を叩いた
支那海軍の将官がいたことは記憶に新しいともいます。
そして、支那政府は沖ノ鳥島をただの「岩礁」と主張し
その周辺の日本の排他的経済水域に最近、軍艦を遊弋させました。

おめでたい日本の「平和愛好人士」は左様な状況を
正確に理解できていません。
日本の領土を虎視眈々と狙っている国はいくらでもあるのです。
そういった野蛮国に対する「抑止力」が、在日米軍であり、
彼らが駐留しているのが「米軍基地」なのです。

だからといって、彼らの存在に諸手をあげて賛成したいとは思いません。
そもそも「自分の国は自分で守る」というのが原則です。
戦争に負けて、日本中焼け野原で、
「今さら軍隊など再建している余裕は無い」と判断した
吉田茂首相が締結した「日米安全保障条約」は、
本来は「過渡的」「一時的」な「方便」として生まれたものです。
浅はかなアメリカ占領軍人達が原案を作った「日本国憲法」も同じ。
そういうイビツな枠組みが、日本が世界の主要国になり、
冷戦が終結して「支那」という国際的な問題児国家が台頭してきた現在まで
生き続けていること自体がおかしいのです。

日本は、速やかに「一人前の大人」国家になるべきです。
アメリカに守ってもらわなくても、
自分で自分の国を守れる国になるべきです。

普天間の問題など、そういう「大所高所」から見れば実に些細なこと。
今のままでもヘコノへの移設でもいいではないですか。
それよりも、10年後20年後、アメリカに頼らずとも
支那の脅威から日本を守れる「自立国家」になっているべきです。

そのための基本は「核武装」だと思います。

これについては、また改めて詳しく語りたいと思います。



2010/4/25 12:47 | ちょっと脱線 | Comments (6)

かねがね不思議に思うことのひとつは、
「みんな、どうしてあんなにタワーマンションが好きなのだろう?」ということ。
何度もこのブログに書いていることですが、
「タワーマンションに住む」というのは資産的にも健康面でも、
とてつもないリスクを背負い込むことになります。

どうも、みなさんそのことについて関心を持ちたがりません。
「タワーマンションってカッコイイ」
「六本木ヒルズに住んでいるのはステイタス」
「勝ち組が住むのがタワーマンション」
そんなイメージに流されているようですね。

どうして、自分のアタマで考えて判断しようとしないのでしょう?

私は、このブログで何度か自分が
「私で私であり、基本的に他人は関係ない」という
価値観や行動様式のもとに生きていることを書いてきました。
これは、残念ながら世間一般を見渡すと、かなりの少数派です。
ただ、その少数派の榊のブログを熱心にお読みくださっている方々が
実に何千人もいらっしゃるのです。
これは、大変ありがたいことだと思います。

もしも私が、他の大勢の人と同じことを考えて
そういう意見をこのブログで書いていたら、
果たして何千人もの固定読者が集まったでしょうか?

その他大勢になることは、実にカンタンです。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」を実践すればいいだけ。
自分はなーんにも考えなくて、他人のやるとおりにしていればいいのですから。
でも、それではただのOne of Themです。

そして、自分や家族にとって大切な住まいを、
そのような借り物の価値観で選んでいいものでしょうか?

そういった、疑問をお持ちの方が、
「ほんじゃあ、ちょっと変わったことをほざいている
 榊のブログでも見てみるか」
となって、このブログを読んでくださるのだと思います。

もちろん、肯定的にお読みいただいている方ばかりとは限りません。
業界内の多くの方々が
「あの榊め・・・今度は何を書いていやがる」という
「監視的」な視点でお読みになっている方も多いはず。
中には「場合によっては訴えてやる」というくらい
敵視している方もいそうです。
そういう方には、「どうぞどうぞ」と申し上げます。
しばらく裁判をやっていないので、少し恋しいくらいです。

さて、そんなことはどーでもいいのですが、
今日の本題は、この「既成概念に捉われず」に
マンション市場を眺めている私の視点と、
「他人の行動様式・価値観に左右されている」方々の
眼に映っているものがどのように違うか、ということを
「タワーマンション」を題材として、少し具体的に語ってみましょう。

この「他人の行動様式・価値観に左右されている」ということを
分かりやすくいえば「ブランドに弱い」ということです。
例えば、財閥系の住友不動産や三井不動産、あるいは元気のいい野村不動産などが
「このマンションはウン億ウン千万円の価値がある」
「この街は将来大いに発展するから、今のウン千万円は高くない」
と広告宣伝したり、営業マンがアピールすれば、それを信じてしまう人が
この「他人の行動様式・価値観に左右されている」方々なのです。

「既成概念に捉われない視点や発想」だと、
住友、三井、野村だろうが、左様なことは一切関係ありません。
自分で判断して、「高いものは高い」のです。
「高い」かどうかは、ちょっと注意深く周辺の相場や、
過去の価格推移を見れば、誰でも判断できること。
いかなブランドマンションであろうと、
適正な市場価格からかけ離れていれば「割高」なのです。

2004年頃から顕著化した不動産の「ミニバブル」現象は、
2007年でほぼ頂点に達し・・・崩壊しました。
ところが、今首都圏や近畿圏などで販売されている
大規模なタワーマンションは、ほぼこの時期に事業企画されたものです。
当然、バブル価格。
今も、その当時に企画された価格で売られているのは、
販売主体である財閥系不動産企業に、財務的な体力があるからに他なりません。
市場の風はとっくに止んでいるのに、
未だに「昔の価格で売っています」状態なのです。
はっきりいって、市場の流れに逆らっています。

たとえ財閥であろうが、ひとつふたつの企業が
何らかの「市場」を継続的に支配できた例は、未だかつて無いはずです。
つまり、いつかはこの「人為的なバブル価格」は値崩れします。

ところが・・・・困ったことに、中には極少数ですが
「財閥系が売主だから」といって、こういうバカ高なマンションを
購入される方がいらっしゃるのです。
まさに「ブランドに弱い」方々です。
そういう方がひとつのマンションにつき、月間5名ほど出てくると
売主企業の上層部は「勘違い」を継続することになります。
「がんばれば、売れる」
だから、値引きもせずに販売を継続することになるワケです。

困ったものですね・・・この「他人の行動様式・価値観に左右されている」方々は。
こういった方々を一人でも減らそうという目的で書いたのが
私のレポート
「買ってはいけないタワーマンション 東京都心編 20物件」です。
昨年の10月にリリースしたのですが、かなりの反響でした。
今でもよく売れています。
ただ、すでに半年たったのでやや情報が古くなりました。
そこで、今回大幅に加筆・修正したパワーアップ版を制作しました。
ページ数も一挙に53Pへと大幅に増やしました。
マンションレポートの「豊洲」「麻布十番」、「有明」「晴海・勝どき」
などの内容も盛り込んで、内容もかなりリニューアル。
したがって、お値段も・・・誠に恐縮ですが
3960円に値上げさせていただきました。
でも、この価格は十分に中身に則したことであることは
これまでの私の読者の方々には十分ご理解いただけると思います。

「他人の行動様式・価値観に左右」されずに
マンションを選び、ご購入されようとなさる方は
ぜひ「変わり者」榊の意見も参考になさってみてください。
タワーマンションのリスクについて、十分に解説しています。

また、様々なところで私のレポートは悪し様に罵られていますが、
あれらはほぼレポートを書かれると都合の悪い連中の手になるもの。
それだけ、エンドユーザーには読ませたくない代物なのだということは、
ちょっと考えればどなたでもお分かりいただけると思います。




今日はちょっとオカタイ話から始めましょう。
なぜ、私は「買ってはいけないマンション」シリーズや
その他のマンションレポートで、
大手のマンションデベの事業姿勢を批判しているのか、
という基本的なことについてです。

今の新築マンション市場に対して、
私の以下のような疑問点を持っています。

「大多数のマンションデベロッパーは、商品開発や価格設定に関して専ら自分たちの利益と都合を優先し、エンドユーザーの願いやニーズに応えるための努力を怠っているのではないか?」

このことが、私の住宅ジャーナリストとしての活動の原点といえば原点。
長年、この業界にかかわってきて、ヒシヒシとそれを感じていたからです。
この「マンション分譲業界」と、他の様々な業界との
決定的な違いは何だと思われますか?

それは「基本的な競争原理が働かない」ということです。

「エエッ、同じエリアで同じようなマンションが競合しているじゃない?」

そうお考えの方もいますよね。
確かにその通りです。
でも、それは同じ土俵に立ってガップリ四つに組んでの
ガチンコ勝負ではないのです。
不動産とは、その名の通り「動かざる資産」。
2つとして同じものはないのです。
例え50メートルしか離れていないにしろ、
そして同じような広さであったとしても、
「違うものは、違う」のです。
麻布十番

例えば、私が「三井Vs.住友 タワーマンション対決」で取り上げた
東京都港区三田のタワーマンション2棟の「競合」状態でも、
デザインはもちろん、駅への近さ、完成時期などが微妙に異なります。
だから、両天秤にかけてどちらかを選ぶ、という方は
比較的少なかったのではないでしょうか?

さらに、本当の「競争」なら、当然「価格で勝負」という
場面があってもいいはずです。
ところが、この2つのタワーでは今のところ、
ここで取り上げるほどの値引きが行われている様子は窺えません。
両タワーとも、販売が好調とはとても思えないのですが・・・・

つまり、三井不動産レジデンシャルも住友不動産も、
価格面で競争しようという意識は、今のところなさそうです。
というか、それはほぼ避けようとしているように思えます。
その理由は、自分たちの利益とブランドを守るため。

財閥系の大手になると、マンション分譲で利益が出ていなくても
企業として赤字になることはまずありません。
だから、値引きをしてまで売る必要がないのです。

そうすると、どうなるか?

売れないままにいつまでも販売を続けることになります。
現に住友不動産の三軒茶屋や目白の大規模マンションは、
竣工してから何年もたっているのに、未だに販売を続けています。
ここまでくると、流石にこの2物件は値引きをしているようですが(笑)。
それについての、ある程度突っ込んだ内容は
「ただ今値引き販売中マンション」というレポートに書きました。

ただ・・・その値引きの中身が「市場価格」の形成を
促すレベルとはとても思えません。

結局、新築マンション市場では、激しい価格競争が起こらないのです。
熾烈な競争がないと、どうなるのか?
かつてのソ連や30年前の支那、そして今の北朝鮮の
「経済」がどういう状態で、
そこで生み出される工業製品の質がどうだったか・・・
そういう経済の基で、国民はどの程度「豊か」だったでしょう?

ちょっと長くなりますが、私の著書
「年収200万円からのマイホーム戦略」の一節を流用しましょう。

そして、大多数のマンション分譲業者には「安くて良いものを供給しよう」という発想が、ほとんどありません。せいぜい「皆さんの買える中では、ウチの商品はいいモノですよ」とセールストークできる程度に、商品の中身を整えようとするくらいのものです。
だから、「常にマイホームはギリギリ」のところにあるわけです。
考えてみれば、これはかなりおかしな話です。
かつて、流通業界には中内功という人物が現れました。ダイエーの創業者です。彼はスーパーマーケットという業態を作り上げて、消費者が日頃商店で買うあらゆる商品の「価格破壊」を行いました。
自動車業界では、トヨタ、日産、ホンダ……等々のメーカーが熾烈な技術開発と価格面での競争を繰り広げたおかげで、私たちは30年前とほとんど変わらない価格で、格段に性能が進化した乗用車を購入できます。
ところが……マンション分譲の世界では、30年前とほとんど同じ事業スキームがそのまま生きています。建築技術や設備面は多少進化したものの、本質的にはさして変わらない鉄筋コンクリート製の集合住宅を、30年前の何倍もの値段で売っているのです。
 進化がないといえば、これほど進化のない業界も珍しいのではないでしょうか?

結局、大半のエンドユーザーは、
進化せざるマンションデベの作ったマンションを買う羽目になります。

そうしないためにはどうすればいいのか・

そのひとつの方法を、私はあの本の中で示しています。
まだお読みなっていない方は、どうぞ騙されたと思ってお読みください。

さて、彼らが如何に進化していないか、
という「見本」のような大規模マンションがありますので
ひとつご紹介してみましょう。
マンション名は「ライオンズ茅ヶ崎ザ・アイランズ」。
これは「買ってはいけない大規模マンション・神奈川編」でも取り上げました。

まあ、みなさん、このマンションのホームページを覗いてみてください。
HPだけ見ていると、福島県のハワイアンズの
マンション版みたいなので、結構笑えると思いますよ。
そもそも、ハワイというのは、「常夏の島」なのがウリです。
「フラガール」で有名な「常磐ハワイアンセンター」が成功したのは
ばかでっかい建物の内側だけでも「常夏」にしたのが大きな理由だと思います。
それを、表面だけ掠め取って「Seven Days Resort」などと叫び、
エンドユーザーを惑わそうというやり方は、まさに前世紀の手法(笑)。
例えば、厳冬期の1月31日から2月6日までのSeven Daysも
ここはResortなのでしょうか?
ハワイアンズみたいに、全館「常夏」気分を味わえる暖房を、
売主企業の負担で実現してくれるのですか?

野村不動産の「プラウド新浦安パームコート」も、
同様に「リゾート」をウリにしていますが、
あちらはまだしも新浦安という街にリゾートっぽさが漂っています。
こちらは3kmほど先に海がある、というだけです。
おまけに、用途地域は「工業地域」。お隣も工場。

そういう浮ついた一つのテーマだけで
エンドユーザーに大きな買い物をさせようという発想が、なんとも幼稚です。
それでも、価格がよほど安ければ売れたのでしょうが・・・
まあ、ご近所の住友さんよりかは、かなり安いけれど、
そもそもアチラがKY過ぎるくらい高いわけですから(笑)。

もうひとつ、言ってしまえば「・アイランズ」とは何ですか?
私の拙い英語知識では「・アイランズ」とすべきなのですが、
「ズ」を付けねばならぬような島々は、いったいどこにあるのでしょう?
日教組ならずとも、これは見逃せませんな(笑)。
そしていつか書いた通り、
何でもかんでも「THE」を付ければいいというのは、
知的センスに欠ける方々特有の珍妙な言語感覚です。

長谷工の「開発」で売主は大京・・・
片方は日本で一番たくさんマンションを作った会社。
もう一方は、ずっとマンション開発のトップだった企業。
いわば、日本のマンション業界の「両雄」、
なのですが、共に進化しませんね・・・嗚呼。