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榊 淳司オフィシャルブログ

マンションの価格が「積み上げ方式」で決まることは、
いろいろな本に書いてあるのでご存知の皆さんも多いはず。
簡単に言うと、土地代+建築費+販売費+広告費+利益。
その他、地上げ代とか近隣対策費なんてのもかかります。
土地購入に関わる手数料や設計料もバカになりません。

大まかな内訳をいってしまうと、まず土地代と建築費で6割。
販売会社への報酬が4-5%。広告費が3%。
設計料は5-6%。土地代の手数料は1-2%。
地上げと近隣対策はケースによってかなり異なりますが1-2%。
それでもって、デベの粗利は25%くらいが業界の「常識」。
もちろん、これはあくまでも「目安」です。

ゴールドクレストという企業は、
かつて「営業利益」が40%近くもありました。
自社販売や広告費削減などによってコストを削っているにしろ、
事業計画時の「粗利」は50%近かったのではないでしょうか。

まあ、それはいいとして・・・・
新築マンションの価格は2008年をひとつのピークにして、
市場全体として下落過程にあります。
一方、土地の価格も同様に2007-8年あたりがピークだったと思います。
特に高騰の激しかった銀座や表参道の土地は今、
あの頃の半分以下になっているのではないでしょうか。
しかし、新築マンションの価格がそこまでビビッドに落ちないのは
建築費が「微減」程度しか下がっていないからです。

マンションの建築費がいくらくらいか、みなさんご存知でしょうか?

いろいろな尺度があります。
「1戸当たり」というのが最近よく使われるようになりました。
75㎡くらいのファミリーマンションが基準です。
これだと1600-1700万円が今の相場だそうです。
「坪当たり」というのもあって、こちらで70-80万円。

「日本一マンション施工費が安い」といわれている
最大手のH社は「坪60万円台」という噂です。
だから、大規模マンションの施工はほとんどがH社になってしまうのです。
でも、H社の泣き所はタワーマンション。
ほとんど実績がないところを見ると、多分技術的に対応できないのでしょう。

東京の「港区」エリアは、ミニバブル崩壊とともに
新築マンション購入のチャンスが広がっているところ。
でも、まだまだ「高い」ことも確かです。
比較的価格が落ちてきている高輪エリアでも、
坪単価で300-350万円あたりがひとつの目安。
これが六本木になると500万円。
赤坂だと400万円台まで下がってきます。

私は、個人的な感覚としては六本木よりも赤坂の方が
「住宅地」としては優れているように思います。
でも・・・坪単価400万円台は、まだまだ「高い」ですね。
前述の通り、建築費の原価は多少贅沢に作ったとしても
せいぜいがところ坪80-90万円です。
坪450万円のマンションだと、
残りの360万円が土地代やデベロッパーの利益その他。
建築費は全体の「5分の1」でしかないのです。

こういった価格の構造は、あまり健康的ではないと思います。
まあ、赤坂でも一等地と呼ばれるようなところだと
「仕方がないか」と思います。
でも駅から5分以上離れたような場所なら、
もう少しこの建築費比率「5分の1」が
上がってもいいのではないでしょうか。
そのためには、土地の価格が下がるとか、
デベロッパーの利益率を圧縮するとか・・・が必要です。

そんなことを考えながら、ここ2週間ほど赤坂の街を歩いていました。
そして、こういう現状を打破しようとしているマンションも見つけました。
以下のレポートは、そういったことをまとめたもの。
赤坂でマンション購入をご検討の方は、ぜひ参考にしてください。

マンションレポート018 「赤坂」
その上品な佇まいの中で住まいを選ぶために
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【その他の参考レポート】

マンションレポート012「六本木」
妖艶な魅力が漂う街 そのマンションの価値を問う
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マンションレポート013「白金・高輪」
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「信仰はお持ちですか?」と聞かれたら
「私の宗教は合理主義です」答えることにしています。
誰かこういう質問をしてくれないかなぁ、
と待っているのですが、誰もしてくれません。
なぜでしょうね?

そういえば、私は今までの人生で、
創価学会その他の「新宗教」から勧誘されたこともありません。
池袋や新宿の雑踏でサギっぽい兄ちゃんから
声を掛けられたこともありません。
新左翼の一派からオルグを受けたことはありますが(笑)。

まあ、私の風貌には一見して「騙されにくい」雰囲気が
漂っているのだろうな・・と思っています。
まあ、どうでもいいことですが。

日本人の宗教はよく「世間」だといわれます。
つまり、道徳も行動様式も「他人がどう見るか」
あるいは「他人がどうしているか」
ということを基準にしているようです。

レストランで出された料理に蝿が入っていた場合、
ドイツ人…「このスープは熱いので十分に殺菌されている」と冷静に考え、蠅をスプーンで取り出してからスープを飲む。
フランス人…スプーンで蠅を押し潰し、ダシをとってからスープを飲む。
中国人…問題なく蠅を食べる。
イギリス人…スプーンを置き、皮肉を言ってから店を出ていく。
ロシア人…酔っぱらっていて蠅が入っていることに気がつかない。
アメリカ人…ボーイを呼び、コックを呼び、支配人を呼び、あげくに裁判沙汰となる。
日本人…周りを見回し、自分だけに蠅が入っているのを確認してから、そっとボーイを呼びつける。
韓国人
…蠅が入っているのは日本人のせいだと叫び、日の丸を燃やす。
「世界の日本人ジョーク集」早坂隆より抜粋。

この中で、傑作なのは韓国人ですが・・・まあ、その手の話は別の機会に(笑)。

こういう日本人の「世間教」を重視する行動様式は、
マンションの販売現場でも如何なく利用されています。

「他に多くの方からご契約いただいています」

これはマンションの販売ならずとも使える殺し文句。
逆に、「多くの方が契約」しないマンションだったら、
尻込みする人が大半なのではないでしょうか。

ですからマンションの販売現場では、
何が何でも「人気」を装います。
間違っても
「このマンションは誰も買ってくれなくて困っているから、ぜひ買ってくださいよ。安くしておきますから」
などという営業はしないものです。

例えば、住友不動産が売主になっているマンションは
竣工後何年も経つのに完売していないケースが多々あります。
モデルルームに行くと
「ウチは他社さんと違っていいものを作っています。それをお分かりいただける方に買っていただきたいので、何年かかってもかまいませんし、会社としてもそういう方針ですから」
なーんていう類の営業トークがお聞きになれるはずです。
本当にそのとおりかどうかは、かなり疑わしいと思います。

ただ、そういわされている販売会社も「売ってなんぼ」の商売です。
営業マンの本音を推測すると
「ったくよー。こんな高いもの売れるわきゃねーだろ。とっとと値引きを出してくれりゃーいいのに、ウチの売主は頑固で仕方ねーから売れやしねえ。ハイハイ、お客さん。高いと思ったらヨソに行ってちょーだい。ウチの値引きなんて雀の涙くらいしかないから、交渉しても仕方ないよ」
といったところではないでしょうか。

まあ、販売現場の本音はともかくとして、
表面上は「販売不振」であることは極力隠そうとします。
買う方も「他に大勢の人が買っている」となると安心するみたいで
「人気が人気を呼ぶ」ということになります。

でも、これって冷静に考えてみればおかしな話。
いいマンションだから人気が出る場合も確かにあります。
ただし「人気がある=良いマンション」とは限らないのです。

例えば、「ブリリアマーレ有明」というマンションは
数年前の広告デビューでマドンナを起用しました。
当初はうまくいったみたいで、一時的には人気化。
でも、引渡し直前にミニバブルが弾けて「割高感」が高まりました。
かなりの「手付金放棄キャンセル」が出たと思われます。
私への相談者だけで何人もそういう方がいましたから。
そして、このマンションは私のレポートの
「買ってはいけない」各シリーズでレギュラーです。

逆に、爆発的な「人気」がなくても
私がそこそこ「いいかな」と思えるマンションもあります。
例えば・・・この「ザ・ミッドランドアベニュー」。


この広告は露出量が多いのでご覧になった方も多いかと思います。
でも、これ実は業界にはびこる「ダメ広告」の典型みたいなもので
物件のよさをなーんにも伝えていません。
時々私の周辺で話題になるのですが
「ダッサァー」「古ゥー」「アーベストみたい!」
笑い飛ばされています。
少なくとも不動産広告業界では「不人気」。

でも、物件自体はかなりのポテンシャルを秘めています。
私は「注目のマンション」というレポートで
取り上げさせていただきました。
去年の夏から露出しているのに、
未だに販売が始まらないのはなぜでしょう?

457戸を一発で売り切ろうとしているのか、
それとも利益を上乗せして「高値逃げ切り」を図っているのか・・・
はたまた、思ったほど集客できていないのか。
半年余りも「予告広告」が続いている意図がよく分かりません。
これから出てくるであろう「価格」にもよるのですが、
少なくとも立地と環境については、
首都圏で出ている大規模マンションの中で
かなり肯定的に捉えてよい物件のひとつです。

マンションと言うのは、他の誰が住むのではなく
ご自身とその家族の住処なワケですから、
本来は世間の「人気などとは関係ないはず。
人気があるとかないとか、話題に上っているとかいないとかは
少なくとも売主が『広告予算』を使っている間だけの現象。
鉄筋コンクリートで造られたマンションは、
そのあとも50年以上も存在し続けます。
そして、広告などで作られる新築マンションの「人気」の有無は
その後の50年間の資産価値にはほぼ関係ありません。
これからマンションをお買いになる場合は、
そのあたりのことを十分頭に入れておいてください。

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新築マンションの市場というのは不思議なもので、
動かないときには「どうして?」というほど動きません。
でも、動き始めると一斉に動くのです。
つまり、みなさんが「買いたい」と思って行動する時期は
なぜか重なり、集中してしまうのです。

どうやら、今がその時期みたいですね。
特に都心エリアでの動きが激しいようです。
人気エリアにできるたった20数戸のマンションに、
問い合わせが2000件というケースも見られます。
ちょっと過熱気味かもしれません。

こういう時期は販売側もかなり強気になります。
何度か書いたように、不動産屋という人種は大小上下を問わず
「エバれる機会は絶対逃さず、必要以上にエバりまくる」
というかなり共通した特徴を備えています。
これは、お客様に対しても同じです。
ちょっとたくさんお客が集まると、すぐに
「売ってやる」という態度に豹変します。

そして「今買わないと来年はもっと値上がりしますよ」と
客を脅しに入ります。
そういう時の連中は、実に不愉快です。

ただ、今に限ってこれはまるっきりウソではありません。
もし、今年たくさん売れれば来年は値上がりします。

でも、誤解しないでくださいね。
値上がりするのは、東京の都心と城南エリアだけです。
他のエリアや近畿を含む地方のマンション価格は
今年も来年も再来年も・・・ダラダラと下がり続けるでしょう。

で・・・もし、今年たくさん売れなかったら?

来年になっても、価格が上がることはないでしょうね。
何度も書きますが、
都心と城南エリアは今年が「ミニミニバブル」。
売れれば、それは来年まで続くでしょう。
売れなければ、来年にはこのバブルが弾けると思います。

では、「今年はマンションを買おう」なんて
考えている人は、どうすればよいのか?

答えは、いつも同じ。
いい物件を見つければ買えばいいし、
見つからなければ見つかるまで探すことです。
つまり「家探し」というのは、
なるべく時間的な制約がないほうがいいのです。
「・・・までに買わなきゃ」と焦っていると
失敗する確率が格段に高くなります。

不動産屋が「この物件は絶対お買得ですよ」なんていうのを
絶対に信じてはいけません。
この世界では「信じる者は救われ」ずに、「騙される」のです。
ですから、どうか不動産屋の口車に踊らされないでください。

都心や城南エリアでは、今年から来年にかけて
すこーしだけマンション価格が上がるかも分かりませんが、
それは多分一時現象で終わると思います。

何度も何度も同じことを書きますが、不動産といえども
その価格は「需要と供給の関係」で決まります。
価格が上昇するためには、
「マンションを買いたい」という人が
雲霞の如く現れなければいけないのです。

特に、都心や城南エリアのマンションは、5000万円以上が中心。
ボリュームゾーンは6000万-1億あたりです。
それを買える年収2000万円クラスの層が
「雲霞の如く」いるはずもないし、湧いても来ません。
そのことは11日の更新記事でも書いたとおり。

ですから、みんさん!
テレビや雑誌が「マンション市場が沸騰」と煽っても、
不動産屋に「来年はもっと上がる」と脅されても、
どこかの提灯評論家が「今年は買い時」とほざいても、
決して慌ててはいけません。

じっくり考えてみて、本当に「買うべき」と思えば契約してください。
もし「?」があれば、納得いくまで調べたり
じっくりと研究することが大切です。

ちょうどタイミングよく、わが盟友の如月さんが
城南エリアのレポートを最新情報に更新してくれました。
こういった「情報」は、できるだけ多く集めるべきです。

マンション立地エリア別総合評価集008
「目黒区」編 【2011年1月改訂版】
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また、2月27日に開催する私のセミナーにもご参加ください。
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寒いですね。
夏があれだけ暑かったのだから冬が寒いそうですが、
もうちょっと手加減してくれればいいのに・・なんて。

きょうも「ちょっと脱線」で失礼します。

この時期になると思い出すことがあります。
ちょうど9年前の正月明けの出来事。
その前の年に次女が生まれて家も引っ越し。
新居で迎えた初めての正月だったせいもあり
「ああ、あれから○年か」と、この時期になると思い出します。

その頃、私は不動産広告を制作する会社を経営していました。
9年前・・・仕事始めの日に、
あるお客さんから電話がかかってきました。
「聞いた? ツトムさん、また入院しちゃったって」
エエッー!

「ツトムさん」というのは当時、
私とコラボしていたデザイン会社の社長さん。
元いた会社の大先輩で、私より15歳くらい年長。
風貌は「捜査4係」の系統で、舘ひろしを崩した感じでしょうか。
夜の巷での武勇伝も多数あったそうです。
50歳になった頃「早期退職制度」で会社を辞めて独立。
入院時には社員を5人くらい抱えて、まずまず成功なさっていました。

私は速攻で入院先へ駆けつけました。
病院は、築地の「国立がんセンター」。
部屋を訪ねると、涙で目を腫らした奥さんが出てこられました。
「ツトムさん、どうですか?」
「・・・・今は薬で頭がボーとしていますから、普通には話せないと思います」
中に入ると、ツトムさんは身体からいくつもチューブを出しています。
「おお・・・わざわざ、ありがとう」
少しだけ話しましたが、マトモな会話になりません。
何か励ますようなことをいって、奥さんと廊下に出ました。
「だから・・・会社を広げないでって言ったのに・・・」
そういって、また奥さんがヨヨと泣き崩れました。

ツトムさんは前の年に新しいオフィスを借り、
多額の費用をかけて大改装をなさっていました。
「さあ、これから仕事を広げるぞ!」
そういいながら、酒量はかつての3分の1位に減っていたのが
何とも気になっていたのです。

「最近よー、背中が痛くってよー」
そんなことを言い始めたのは、前の年の春先。
どこの病院にいっても原因不明だったのが、
何とかの「癌」だと分かったのは、秋口。
「ガンだってさ・・・でも、大丈夫みたいだよ・・・すれば治るんだってよ」
医者にはそういわれたと、本人はいたって意気軒昂。
でも、奥様には本当のことを知らされていたようです。

廊下で、泣かれている奥さんに聞きました。
「今後、回復する可能性はどれほどあるのでしょう? お医者さんはどうおっしゃっていますか?」
奥さんは、泣いたまま首を横に振るばかりでした。
さらにお聞きすると「・・ダメなんです」と泣き崩れられました。

「エエッ・・・そ、そうですか」
ツトムさんの言葉を信じていた私も、奥さんの言葉に衝撃を受けました。
そして奥さんはまた、「だから・・・だから、あまり広げるなって・・・」。
内装はもちろん、インテリアまで特注したツトムさんの
新しい事務所のことが、チラリと私の脳裏を掠めました。

その頃、奥さんはツトムさんの会社の経理をなさっていました。
でも、もとはお嬢様で、OLの経験もほとんどないそうです。
まったく初心者の彼女が経理事務を行うに当たっては、
私の会社のベテラン社員が全面的にサポート。
顧問税理士さんも、私が紹介していました。

その奥さんが苦痛に満ちた表情で涙を流しておられます。
私は、その時に思いました。
(これは、俺がやるしかないだろうな)
奥さんに尋ねました。
「では、会社は閉じた方がいいと思われますか?」
「・・・はい」
「分かりました。私が出来る限りやらせていただきます。奥さんはどうぞ安心して、ツトムさんの側にいてあげてください」
「どうか・・・よろしくお願いします」
奥さんは深々と頭を下げられました。

それから、必要な書類の保管場所などをお聞きし、
会社閉鎖の簡単な段取りを決めてからツトムさんの事務所へ。
すでに社員は全員出社して各々業務をこなしていました。
「やあ、こんにちは。新年早々ごくろうさん。ツトムさんのことで、ちょっと話があるんだけど、みんな集まってくれるかな」
そこで事情を話して、3ヵ月後に会社を閉じると宣言。
「ただし、できるだけ経済的な損失は少なくしたいので、今の業務は継続してください。もしトラブったり、分からないことがあれば、何でも私に言ってください」

翌日、彼の会社へ多くの仕事を発注している
広告代理店の「外注管理担当」責任者に面会。
そこは、私とツトムさんが元いた会社。
その責任者は我々の麻雀仲間でもあるので、話はスムーズ。
「そういう事情ですので、私が閉鎖業務を全面的にサポートします。どうかご協力をお願いします」
もちろん、彼は快諾してくれました。

私が、その仕事(もちろん無報酬)を行うに当たって決めた3つのルール。
1 ツトムさんの会社の「お金」には触らない
  但し、発注元との金額交渉はいつもより「強面」で行う
2 社員を当時の私の会社には入れない
  あの頃は各社とも人手不足で、「経験者」はスカウト合戦でした。
  社員の行き先については、例の古巣の「責任者」に斡旋を依頼。
3 仕事も引き継がない
  2と同様、それが目当てでやっていると思われたくなかったので

約1ヵ月後、ツトムさんは永眠なさいました。
お通夜に告別式・・・私はツトムさんの社員たちと共に
出来る限りお手伝いさせていただきました。
その折、奥様から「遺族代表の挨拶をお願いします」と頼まれて
すごーくビックリしましたが、まあ何とか責を果たしました。

それから2ヵ月後、社員さんたちには奥さんと相談した額の
退職金をお支払いして全員に退職してもらいました。
彼らの転職先も、ほとんどが決まっていました。
一方、やや難航した事務所の家主さんとの
「原状回復工事」の交渉も何とか低額でまとめ上げました。
「未収」になっていた「売掛金」は片っ端から電話して、
「こういう事情ですから、お支払いをお願いします」と
半ば脅しながら満額「回収」をめざしました。

事情が事情ですから、たいていは快く払ってくれます。
でも、中にはいるのですよ。
「その件については、ツトムさんと話ができていたのだけどなあー」
なんて、「死人に口なし」をいいことに、素っとぼける輩が。
まあ、私もしつこくは迫りませんでしたけど、
そういう卑怯者の名前と言い草は、機会さえあれば
しっかり関係各人にご披露させていただいています。

その間、もうひとつ納得できなかったことがあります。
それは、入院していた国立がんセンターが、
ツトムさんに余命短いことを告知し、
他のホスピス施設への転院を迫ったこと。
それを聞いて荒れに荒れたたツトムさんを看病するのに
奥さんはとっても大変な思いをなさったと聞きました。

私は医学的に余命が分かれば告知して欲しいタイプですが、
それは各個人の「人生との向き合い方」に関わる問題。
ツトムさんのような気性の方には決して告知すべきではなかった、
と私は今でも納得が出来ません。
そもそも余命を告知するのは、
運命を受け入れるキリスト教徒の習慣であり、
日本人にあまねく適用するのはかなり疑問です。

とはいえ、病院の廊下で奥さんと話して3ヵ月後、
それなりの「黒字」を維持しつつ会社を閉鎖することができました。
前から知っていたとはいえ、
「社長の仲間」というだけの私に協力してくれた
社員さんたちにも大いに感謝しています。
その後、何人かの消息は伝わってきています。
社員同士で結婚されたという話も聞きました。

そして、奥様から今年いただいた年賀状には
「私も還暦になりました」と書かれていました。
あの美しい奥様のことですから、
さぞかし上品にお歳を召されたことでしょう。
当時、中学生と高校生だった二人のご子息も
立派な社会人になられているとか。
かつての「遺族代表」としては嬉しい限りです。

こういうエピソードを読まれると、
私がさぞ「ツトムさん」と親密だったと思えるでしょうが、
実はさほどでもありません。
元いた会社では、同じフロアでしたが付き合いはほぼ麻雀だけ。
お互い会社を経営するようになって、
仕事で濃厚に付き合ったのは賞味2年程度。
何度か飲み会を共にしましたが、全部で10回ないと思います。
ただ、ウチの経理社員と奥様はかなり「仲良し」だったようです。

私が彼の会社の店じまいを陣頭指揮することについて、
中には「なぜアイツがやっているのだ」と
思われていたかもしれません。
でも、私はあの場合、あの仕事に最適任だったと思います。
それと・・・まあ、かっこよく言えば「見義不為、無勇也」でしょうか。
その間、私は自分の会社の仕事が半分、
ツトムさんの会社の閉鎖業務が半分という状態でした。
大変でしたが、それを大過なく成したことは私の小さな誇りです。

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2011/1/17 17:22 | ちょっと脱線 | Comments (3)

私は、最初に入った大学で「教職課程」を取っていました。
アレは、本来の卒業単位取得の他にいろいろと講義に出て
試験も受けなければいけないので、結構面倒臭いもの。
別に教師になりたかったワケでもないのですが、
物臭な私がなんでそんな面倒なことをしていたかというと、
「教育実習」というのをやりたかったからです。
ついでに「先生の免許」は、一応国家資格ですから
「履歴書に書けるかいな」なんてスケベ心も多少。

教育実習と言うのは4回生(4年)の時にあるのですが、
3回生の段階で出身高校に「お願い」して
「内諾」をもらう必要があります。
ただ、そんなものは「書類だけ」の話だと思っていました。
ところがところが・・・・

書類を出してしばらくたった頃、なぜかその出身高校から
「一度来校されたし」というハガキが来ました。
「なにかいな」と思いながら、授業の帰りに寄りました。
私の出た高校は京都御所の東隣にあり、当時通っていた大学は北隣。
歩いても10分。ミニバイクなら5分の距離です。

「君はそもそも本気で教師になろうと思っているのか?」
と、元担任に聞かれました。
「なぜ、そんなことを聞くんですか?」
私がそう尋ねると、
「君が教育実習に来るということで、職員会議は大揉めに揉めたんだよ」
職員室で堂々と「新聞 赤旗」を読むことで有名な
元担任は実に迷惑そうな顔でそういいました。

つまり当時の母校の教師どもは職員会議で口々に、
「あんな奴は受け入れられない」と騒いだそうです。
自宅謹慎5日、無期自宅謹慎(約40日)、生徒部長訓戒・・・
高校3年間で私が食らった「処分」です。
生活指導の教師から、机にバーンと「退学届」用紙を叩きつけられて
「学校をヤメロ!」といわれたこともあります。
「次回問題を起こした場合は、自主退学します」という
一筆を入れて何とか退学を免れたこともありました。

そういった「艱難辛苦」を乗り越えて、何とか3年で卒業。
現役でご近所にある私立大学に入学しました。
ちなみにその大学、私の出た高校では当時「4.0」以上の成績で
「1名」の推薦枠がありました。
私の知る限り、それも含めて同学年では4人しか入ってなかったはず。
当時の私の成績は平均以下の「2.6」くらいだったと記憶しています。
まあ、あの教師どもから見れば「箸にも棒にかからない」レベル。
私より成績のいい同級生も、多くは大学に進めませんでした。

出席日数も卒業できるギリギリ。
日ごろから、教師たちに対する罵詈雑言、悪口の類は限りなし。
それでいて、何か自分に不利な事態が起こると
「権利」は法律条文の字義通りに主張。

実家は古本屋ですから、六法全書など
本棚から抜くだけで手に入ります。
憲法、学校教育法、教育基本法などから、
利用できそうな条文は何でも覚えました。
さぞかし可愛げのない、ヤな生徒だったと思います(笑)。
でも、あの卑劣で驕慢な教師どもから身を守るには
それくらいのことはすべきだったと、今でも確信しています。

私の様に手に負えない「生徒」の場合、
親を攻めるのが彼らの常道。
あの当時、たいていの親は教師に責められると、
平身低頭で唯々諾々、ご無理ごもっとも。
ところが・・・・
校長に「親の顔が見たい」と呼び出されて「出頭」した父は
「ご覧になりたいという親の顔を見せに来ました。いかがですか?」
と言って、相手の顔を覗き込んだそうです。
子も子なら、親も親ですね(笑)。

そういったわけで、私は連中にとってかなり「厄介な存在」。
当時の連中のやり方は、自分達の仕事を
増やすような問題児は「極力排除」。
同様のワル仲間どもはたいていよくて「留年」。
ちょっと運が悪いと「退学」の憂き目に合っていました。
ところが、どういうわけか私は3年で卒業できたのです。

自分でもそれは「奇跡」に近いと思っていますし、
当時のワル仲間たちの大半も、
私は留年か退学したはず、と今でも信じ込んでいます(笑)。
みんな、留年や退学で学年や卒業年次がバラバラになったので、
誰がいつ卒業し、いつ退学したのか記憶が錯綜しているのです。

いつか書いたように、高校卒業後20年ほど
「あ・・・俺は卒業できないかも」という高校時代の夢を見続けました。
寝汗をびっしょり掻いて目覚め
「ああ、もうとっくに卒業しているし、大学へもいったもんな」と
安心してまた寝ます(笑)。
それまでの私の人生で、最大の苦難は受験でも就職でもなく
「高校卒業」だったのです。

一方、教師達の側からすると私が卒業したことは
「やっと出て行きやがった」と、
厄介者を追い払った気分だったと思います。

ところが、わずか3年後・・・
その高校ではかなりの優等生しか進学できない
有名私大からの「教育実習生」として
舞い戻って来ると言うのです。
実現していればさしずめ
「ヤンキー母校に帰る」ではなく
「帰ってきたモンスター小僧」でしょうか(笑)。

生徒の前で高校時代の経験談でも話されたら、
奴らの面目は丸つぶれになったでしょうね。
法学部でさらに鍛えた法律知識をもってすれば、
高校生時代に奴らから仕掛けられた
数多の人権侵害や違法行為も全部指摘・論難できたはず。
だから連中にとっては、まさに悪夢。
「戦々恐々」だったのだと思います (笑)。

大人になってから考えれば、連中が私を「拒否」した理由を
ある程度は推測できるのですが・・・当時の私は21歳。
曲がりなりにも「母校」に対する愛着があっただけに
かなりのショックを受けました。
教師などと言うものは表ではエラそうな事をいいながら、
内心は浅ましい小心者だらけだということを
分かってはいたつもりでしたが、実際にそんなことがあると・・・

その高校、いつかも書きましたが、
今では救いようのないほどの5流校に落ちています。
例の推薦枠もとっくになくなっているはず。
私の頃から、大学に進む方がかなりの少数派でした。

まあ、そういう姑息な教師たちが好んで赴任する
日教組の巣窟みたいな学校でしたから
「落ちるべくして落ちた」といえます。
多分、二度と浮上することはないでしょうね・・・残念です。

結局、私は「教員免許」を手にすることが出来ず、
楽しみにしていた「教育実習」にもいけませんでした。
今思っても残念。

その後の人生で、専門学校の特別講師などをしたことがありますが
大勢の方々を前にしてお話しするのは「榊淳司」の活動を始めてから。
マンション購入に関する様々なことをお話しするセミナーも
始めてからすでに3年目になりました。
次回の開催は2月の27日、日曜日。
場所はいつもの「市ヶ谷ルーテル」。
今回のテーマは「値下がりしないマンション選び」。
私は80分くらいお話しさせていただく予定です。

ここのところ、みなさんに「買えそうな」マンションが
数多く市場に出てきたと思います。
でも「買える」ということと「買ってもいい」は
必ずしも一致しないのが悩みどころです。

35年ものローンを組んで、
もし途中で「売却」しなければいけなくなった・・・
売れる価格が、ローンの残高よりも高ければ問題ありません。
でも、マンションを売ってもローンだけは残る・・・
そういった事態は何としても避けたいですね。

そのためには、やっぱり「物件選び」が大切です。
どういうマンションを選べば「値下がりしない」のか?
業界での常識、私なりに考えていること、交渉のやり方・・・
そんなことを分かりやすくお話させていただき、
希望者には私や大友さんの「無料相談」を実施いたします。
例えば、不動産取引の契約や法務でお悩みの方は
ぜひ大友さんに相談してみてください。
その辺の弁護士よりもはるかに詳しくて、大いに頼りになります。
また、会場では各種レポートプリント版(モノクロ)の廉価販売も実施。

受講料はお一人3000円です。
前述の事情から「教員免許」こそ持っていませんが、
多分そこいらの教師よりも分かりやすくお話しできると思います。
どうぞみなさん、ご参加ください。

「値下がりしないマンション選び」セミナー
2月27日(日)午後3時30分より
参加費 お一人様 3000円
好評受付中